初めての資金調達スタートガイド〜目的・目標の見える化〜

資金調達手帳

失敗しない「資金調達のすすめ方」

(2017/08/31更新)

起業して始めての資金調達。資本金だけではやっていけないので資金調達したいけど、どのように進めていけばいいんだろう?と悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、スムーズに資金調達をスタートするためにやっておくべき準備をご紹介します。

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多様化する資金調達の手法

近年、株式市場の好調と好景気の影響で、ベンチャー企業の株式による資金調達が増加しています。リーマンショック後の2009年には730億円まで減少していた資金調達額も、2016年は2,099億円にまで回復し、資金調達額が大きく増加しています。資金調達をした企業数も1,000社近くに上り、その調達方法は多岐に渡ります。

起業家が選択できる主な資金調達方法は以下のようなものです。

  • 補助金・助成金
  • 金融機関からの融資
  • エンジェル投資家からの投資
  • ベンチャーキャピタルからの投資
  • ビジネスコンテストやアクセラレータプログラム
  • クラウドファンディング
  • ソーシャルレンディング

資金調達の定義

様々な手段が考えられる資金調達ですが、選択肢が多すぎるがゆえに、「資金調達を考えているけれど、何から手をつけて良いかわからない」という声も多く聞かれます。

その原因は、「資金調達」というものの定義と、具体的な目的が明確化されていないところにあります。

まず「資金調達」とは、企業が外部から事業運営に必要な資金を調達することです。

ポイントは「外部から」という点です。外部から資金を調達するとなれば、きちんとした目的と資金の利用をしなければなりません。
また、お金を出してくれる側は、お金を出すことによって得られるリターンを期待していますから、それをないがしろにしてはいけません。

例えば、銀行であれば安定性と収益性を重視し、貸したお金を確実に支払ってもらえるようにすることが目標となっています。
一方で、投資家であれば企業に大きく成長してもらい、株式を売却することで利益を得ます。
このように、どの資金調達方法を選んだとしても、お金を出す側は目的と目標を持って資金を出しているということをまず理解しましょう。

資金調達の目的や目標を「見える化」する

次に、出し手と同様、こちら側も資金調達の具体的な目的を明確化させることが必要です。

これは企業のフェーズによっても、扱うサービスの内容によっても異なります。

例えばWEBサービスを開発する企業であれば、PC等の備品や開発に係る費用が必要かもしれません。
営業の会社であれば、営業マンを採用する費用が必要な場合もあるでしょう。

このように、まずは自分が必要とする資金の目的を全て洗い出します。

その際、自社がなぜ資金調達をしなければならないのかについて、紙に書き出してみることをおすすめします。
人間は目に見えないものは不安になりますし、叶えることもできません。まず書いてみることで、資金調達に関する漠然とした悩みから解放されることでしょう。

目標の見える化で注意したい2つのポイント

しかし、紙に目的を書き出すとしても、ただ「運転資金の資金調達をしたい」と書いても具体的な資金調達の施策に繋げることはできません。ここで必要なのは、「具体的な数字」で「リアルな資金」のニーズを見える化することです。

具体的な数字を出すこと

まず、必要な目標額や期限などを具体的に出してみましょう。例えば、下記のようなものが挙げられます。

  • 当面3ヶ月間のシステム開発に必要なお金はいくらなのか?
  • 運転資金として6ヶ月分を確保するにはお金はいくら必要なのか?
  • 今後予定している採用者のための採用広告費はいくらが相場なのか?
  • それらのお金はいつまでに必要なのか?

このように、必要なお金を全て時間軸と合わせて計算していくことで、今いくら必要で、それがいつまでになければならないのかがわかります。これは資金調達の際だけでなく、経営全般で有効な手段です。数値で把握し、数字で考えられるようになれば、経営が上手くいくことでしょう。

リアルな視点で検討すること

資金調達において重要なのは「開発が上手くいけば」とか「上手く売れれば」といった希望的観測は除いて、「現時点の実力だと、どの程度の資金が必要なのか?」といった視点から数字を計算するということです。
このように考えておくことで、資金が足りなすぎる場合、多すぎる場合双方のリスクを軽減することができます。

資金が足りなすぎる場合は、後ほど資金を調達する手間がかかりますし、資金調達をしたすぐ後に更なる資金調達をするというのは、企業としての管理能力が銀行から指摘されることにも繋がりかねません。

資金が多すぎる場合も問題です。何かあった時を見越して、多少余分な資金を持っておくことは安全です。ですが、必要のないお金をあまりにも持っておくのは、金利の支払いを考えても良くないことですし、これもまた管理能力を問われることになりかねません。

そのような事態を避けるためにも、リアルな視点で検討しておくことが重要なのです。

事例:成功する資金調達のための目的・目標

例1:創業3年目のハードウェア開発会社の場合

創業3年目のあるハードウェアを開発しているA社では、銀行借入での資金調達として2千万円を資金調達しようと考えています。その内訳は、社長とエンジニア2名の給料等の運転資金6ヶ月分で800万円、試作品100個の部品代と外部の制作会社への外注費で1,200万円を検討しています。事業計画としては試作品が販売できれば利益が出る計算になっています。

例2:創業間もないスマートフォンアプリ開発会社の場合

創業間もないスマートフォンアプリを開発しているB社では、株式で500万円をエンジェル投資家から資金調達しようと考えています。B社ではアプリの具体的な開発に必要なものがPCや開発環境だけのため、開発までの3ヶ月分の運転資金450万円と開発環境構築のために50万円を検討しています。アプリが完成し、ダウンロードが伸びてきたところで、次の資金調達を考えています。

どちらの企業も資金調達の額が具体的で、必要な金額が項目毎にリアルな形で算出されています。こうなれば、金融機関や投資家と話をする段階でも、議論をしやすいでしょう。

資金調達の終わりは次の資金調達の始まり

前述した通り、資金調達を始めたということは、売上を上げて、利益を出さなければいけません。そして、成長を続けていく上で次の資金調達のタイミングが必ず来ます。つまり、今回の資金調達の終わりが次の資金調達の始まりだということです。

多くの起業家の資金調達は行き当たりばったりです。お金が必要になると、慌てて金融機関や投資家の周りを駆け回っている方もいます。しかし、企業が成長を遂げていくためには必ず資金が必要です。

行き当たりばったりにならないために、起業家は常に資金調達の目的と目標を更新し、まとめて掲示するなどして、いつでも把握しておく必要があります。そうすれば、直前になって焦ること無く、金融機関や投資家にアプローチをしていくことができるのです。

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(監修:森経営コンサルティング 森 泰一郎 (もり たいいちろう)
(編集:創業手帳編集部)

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