会社にFAXは必要?!メリットはあるの?知っておくべき現代のFAX事情

創業手帳

新たな広告ツールになる?!現代の企業におけるFAXの用途や、価値、役割、種類や将来性について、ITツールマスターが解説

FAX
「FAXはもう要らない?!」
「FAXにメリットはあるの?」

一昔前はFAXは固定電話と同じように多くの企業で利用されていましたが、最近はFAXを利用する企業が減ってきています。しかし、本当にFAXは廃止してもよいものなのでしょうか。

本記事では、現代の企業におけるFAXのニーズや、種類、将来性などについて解説します。FAXの導入・維持・廃止を意識されている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

FAXとは

オフィスに必要なFAXはどう役に立つのか
FAXとは電話回線を利用して画像を電気信号によってやりとりする装置のことで、「ファクシミリ」の略です。基本的にはモノクロのFAXですが、送信できるものは文字にとどまらず、紙に印刷できるものであれば中身は問いません。

一般的にFAXの通信には電話回線が利用されていますが、技術的には電話回線である必要性はなく、FAX情報のやりとりができれば通信手段によらず利用できます。

FAXの用途

現在、企業におけるFAXの主な用途は次のとおりです。

企業や顧客とのやりとり

FAXは企業間のやりとりや、個人の顧客とのやりとりで用いられることがあります。メールやSNSなどを利用していない人や、 文章やファイルにするのが難しい手書きのメモやイラスト、地図などを送付するなどの用途で用いられます。

近年はスマートフォンの普及もあり、メモを写真で撮影して送信することが簡単になっています。そのため、こうした面でのFAXへのニーズは減少していますが、不動産やマスコミなど一部の業界ではまだFAXの利用が多々あります。

昔は取引書類もFAXで送られていましたが、最近はメールで送るのが一般的になったため、取引情報の送受信ではあまり利用されなくなりました。

役所・行政機関とのやりとりのため

役所や行政機関では、まだまだ書類のやりとりにFAXが多く利用されています。こうした機関では、さまざまな立場の人に配慮して連絡手段を複数用意しており、FAXもその中のひとつです。

また、職員の中には外部の人とやりとりするためのメールアドレスを持たない人もいます。こうした職員が外部と書類などをやりとりするためにFAXが使われることもあります。

自治体の役所や、年金事務所、ハローワーク、労働基準監督署、入国管理局などとのやりとりではメール対応が行われておらず、FAXでのやりとりになることも多いです。

その他

パソコンやスマートフォンなどの機器が苦手で、紙媒体を望む方も多くいます。事務の人や秘書の人が、メールを受信して印刷して紙で資料を手渡しするということもよく見られました。こうした手間を省いたり、プリンタの混雑を防ぐために「FAXで送ってください」と指定することがあります。

また、プリンタが家庭や会社にない場合や、社内の従業員数に対してプリンタの数が少ない場合、紙書類のやりとりに備えてFAXが置かれることもあります。

昔は、請求書や納品書などを紙の原本で提出しなければならない場合、納期に間に合わない場合に「とりあえずFAXを送っておく」という使い方も多くされていました。今はメールでPDFファイルを送るのが一般的ですが、まだこうした使い方をする企業もあるようです。

FAXは無人でも受信・印刷が可能なため、時間外の書類提出や申し込みなどの用途でも使われることもあります。

FAXの種類

現在、一般的に利用されているFAXの種類は次のとおりです。

一般的なFAX

一般的なFAXは、電話回線を利用しています。FAX番号は電話番号と同じ番号を使うこともできますが、その場合、FAX受信中には電話が使えず、電話使用中にはFAXが使えないため、別で番号を用意するのが一般的です。

一般的なFAXでは、送信の際に画像の印刷された用紙が必要です。必要な枚数をFAX装置に読み込ませて送信するため、場合によっては送信前に印刷を行う必要があります。また、電話回線を利用するため、使用時間に応じて電話料金が発生します。そのため、大量のFAXの送受信があった場合にはコストが高くなります。

インターネットFAX

インターネットFAXは、FAXのやりとりに電話回線ではなく、インターネットを使う方法です。ファクシミリ情報をインターネットで通信できるデータに変換して送受信を行います。

基本的にPDFデータとして処理するため、電話を使ったFAXと違って画像はモノクロだけでなくカラーにも対応できるのが特徴です。インターネットFAXでは、FAX番号は、インターネット電話の番号を利用します。

インターネットFAXは基本的にコンピュータやインターネット対応のFAX装置を利用して通信が行われます。電話回線を使う場合と異なり、印刷を必要としないためペーパーレス化にも効果的です。コンピュータ内で画像の送受信が可能です。インターネットFAX専用の機器の場合、書面からの読み込みや受信した画像の読み込みにも対応しています。

インターネットを利用するため、電話回線の場合と比較してコストが安く、送受信も高速です。メリットの多さから、現在のFAXの主流となっています。

FAX配信システム

FAX配信システムは、その名前からもわかるようにFAXを配信するためのシステムです。送りたい画像(または書類)や送付先のリストをパソコンなどで作成し、メールやWebサービスなどからアップロードすると、システムが自動的にFAXとして送信してくれます。

マスコミに対するプレスリリースや、顧客リストにFAXでDMを送りたい場合など、大量のFAX送信をしたい場合に便利です。システムによっては、基幹システムに紐付けることができ、受発注書や請求書などの帳票発行・送付業務の効率化にも活用できます。

FAX配信システムはインターネットFAXを利用した仕組みで、SaaSでの提供が一般的です。通信料などを含めた価格がサービス料金として設定されており、送信数や利用者数などで課金されます。

FAXのメリット

FAXのメリットを活用する
FAXがまだまだ使われているのは、メリットもあるからです。FAXのメリットについて確認してみましょう。

信頼性が高く、見てもらえる確率が高い

FAXはメールのように膨大な数が送られてくることは少なく、スパム処理されることもあまりありません。また、チラシのように印刷された状態で届くことも多く、廃棄される前に見てもらえることも多いです。

開封率やターゲットへの到達率の高さから、集客を目的にしたFAXによるダイレクトマーケティングも活発に行われています。

FAXは所有者が少なくなっていることもあり、イタズラで利用されることがほとんどありません。そのため、FAXの送信元への信頼が高く、多くの情報が集まるテレビや新聞などのマスコミではプレスリリースや情報提供の受付にFAXが使われていました(現在はメールとの併用が一般的です)。

連絡先として載せられる(信頼性アップ)

電話番号やメールアドレスに加えて、FAX番号を会社ホームページや名刺などに載せることができ、しっかりした会社だと印象づけることができます。また、FAX利用が多い相手なら、取引について安心感を与え、信頼を得られることもあるでしょう。

緊急連絡用として使える

メールサーバーの障害などでメールが使えなくなってしまった場合に、緊急用の連絡手段としてFAXを利用することができます。会社の誰に連絡したらいいかわからない場合や、会社に誰もいない時間帯に連絡を残しておきたい場合にもFAX利用は有効的です。

ITスキルが低い人でも利用できる

高齢者や子供など、ITスキルの低い人でもFAXは利用しやすいという利点があります。そのため、役所だけでなく、幅広い顧客層を持つ店舗ビジネスやサポートセンターなどでもFAXを用意しているケースは多いです。

FAXの需要と将来性

2018年(平成30年)の総務省の「通信利用動向調査」によると、平成21年には57.1%だったFAX保有率が平成30年には34.0%と、約10年で大きく減少しています。FAXの機能を代替できるツールが増えたこともあり、需要は下がっている状況です。

「脱ハンコ」に続く行政改革として「脱FAX」が計画されていることもあり、今後もFAXの需要減少は避けられそうにありません。しかし、一方で早急なFAXの廃止が難しい業界・業種があることや、連絡手段としてのニーズがあることから、すぐにFAXが廃止される可能性は低いでしょう。

インターネットFAXの登場により、FAXの導入・利用にかかるコストが大きく下がったこともあり、企業では信頼性の向上やマーケティング活用、行政手続きの効率化など、FAX利用によるメリットもまだまだあります。

しかし、電話回線を利用したFAXはコストや今後の通信インフラの変化から、廃止の方向に向かっていくことは間違いないでしょう。そのため、導入や機器のリプレースでは、インターネットFAXの採用をおすすめします。

FAXの便利ツール・サービス

FAXを活用して業務効率アップを目指す
FAX選びでは装置ばかりを意識しがちですが、便利にFAXを利用するためのツールもたくさんあります。ここでは、インターネットFAXの利用やFAX配信に便利なツールを紹介します。

秒速FAX(Karigo)

<費用>
・秒速FAX送信

費用 備考
初期費用 無料
月額料金 無料
送信単価 7~10円/枚 枚数により変動

・秒速FAX Plus

プラン 初期費用 月額費用 受信単価 備考
SOHO 1,100円 520円 8円/枚
ベーシック 1,100円 840円 3円/枚
ビジネス 1,100円 1,030円 無料

※費用はいずれも税込

<主な機能>
・秒速FAX送信
ブラウザ・メールFAX機能、予約配信、配信状況確認、CSVダウンロード、電話帳、一斉送信、グループ機能など
・秒速FAX Plus
FAX to PDF機能、メール通知、受信履歴、API、パスワード設定など

秒速FAXは、FAX装置なしでFAXを利用できるサービスです。送信と受信でサービスが分かれており、用途に合わせて最小範囲で導入できます。送信、受信ともに実用的な機能や管理機能が充実しているため、FAXの量が多い場合でも効率的な管理が可能です。

セキュリティもしっかりしており、国内サーバー・国内ネットワークを使用しているため、自社のセキュリティルールや規制によりクラウドサービスを使いにくい場合でも導入しやすくなっています。

eFAX(j2 Global Japan)

<費用>

プラン 初期費用 月額費用 受信単価 送信単価 備考
月払いプラン 1,100円 1,650円 11円/枚 11円/枚 送受信と150枚/月まで無料

※費用はいずれも税込。年払いも可。
※導入時に30日の無料トライアルが適用されます。

<主な機能>
FAX送受信、複数メールアドレス対応、PDF化

eFAXはインターネットFAXを安価・簡単に利用するためのサービスです。使い方も簡単で、所定のルールに従ってメールにPDFファイルを添付して送るだけでFAXを送信できます。

また、FAX受信時はPDFファイル(オフィス系ファイルも可)が添付されたメールとして届くため、FAX装置を必要としません。送受信はパソコンだけでなく、スマートフォンやからでも確認可能で、最大5つのメールアドレスで受信可能なのでチーム利用も可能です。

シンプルな機能でコストが低いため、利用頻度がそれほどでもないがFAXを導入したい場合に役立ちます。国際FAXにも対応しています。

NEXLINK(ネクスウェイ)

<費用>
初期費用・月額基本料金:無料
送信単価は要見積り(送信があった場合は最低2000円/月から)
※法人データベースの利用に別途利用量がかかります。

<主な機能>
FAX一斉配信、法人データベース、メール配信

NETLINKは、メールやFAXによってダイレクトメールを送るためのサービスです。完全に従量課金ですので、使用頻度がそれほど多くない場合にも負担になりません。

業種や地域、法人情報などの条件からターゲットを絞り込んだリスト作成やDM配信を行うことができ、約390万件の法人リストを使用することが可能です。

自社にマーケティング用のリストがない場合や新規ターゲットへのリーチで重宝します。FAXDMの有効活用についての相談にも乗ってもらえます。

FAX廃止はまだ早い!便利ツールを利用して上手に活用しよう

FAXは昔から電話と並び、情報の伝達手段として重宝されてきました。時代の変化の中で、その役割が薄れているものの、まだまだ企業にとっては広い用途と多くのメリットがあります。

低コストで便利にFAXを利用できるインターネットFAXや、一斉配信や文書管理などに優れた便利なツールもありますので、上手に活用しましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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