今起業するなら!時代を生き抜く起業のポイントと必要な準備手続き
起業にあたる戦略は?明確なプランと柔軟な対応がカギ
資本金1円でも起業できるようになってから、多くの人が起業を志すようになりました。
中には学校を卒業してすぐに就職せず、起業する学生もちらほら。もちろん、いきなり法人から始めるのではなく、まずは個人事業主からスタートする人もいますが、どのような形態にせよ、起業数は年々増加傾向にあるでしょう。
しかし、起業するには、時代にマッチした事業を展開できるか、その事業でどれぐらいの収益が上げられるのかを事前に考えて準備しておく必要があるのです。
きちんとした起業準備は、その後の事業の行く末を決定づけるといっても過言ではありません。
本記事では、今起業するにはどんなことを考えて行動すればいいのかを、現代の社会情勢も踏まえて詳しく説明していきます。
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この記事の目次
これからの時代の起業アイデア
起業するには、大前提として時代の流れを見る必要があります。
自分の「こんなことやりたい!」も大切ですが、消費者が使うツールや求めているものに視点を置くことも、起業するには大事なポイントなのです。
時代はインターネット
スマホやパソコンをまったく触らない日は、いまやほとんどないでしょう。
インターネットが一般的になり、さらに在宅勤務に代表されるリモート環境が急速に普及したことは、起業するなら特に考えなければならない要素です。
また、ローリスクハイリターンな事業が、起業家に人気の事業でもあります。
パソコン1台で起業できる事業が人気
現代では、パソコン1台で起業できる事業が人気を博しています。
パソコンとそれを使うためのネット環境だけで初期投資はほとんど終わりで、かつ利益を出せるものに、人は注目しているのです。
加えて、自分が持っている知識やノウハウ・スキルを活かした事業も増えています。
低コストで始められる事業の例
初期投資が少なく始められる事業には、ネットビジネスやアフィリエイトなどがあります。
サーバーやドメインさえ取得してしまえば、そのほかにはほとんどコストがかからないことから注目を集めています。
軌道に乗れば十分利益を出せる、可能性を秘めたビジネスモデルと言えるでしょう。
自分の知識やノウハウ・スキルを活かせる事業の例
ライティングやプログラミング、コンサルティングといった、自分がそれまでに積み重ねてきた知識やノウハウ、スキルを使った事業での起業も可能です。
こちらも最初は副業からスタートを切る人が多く、新規参入者が多いのが特徴です。
ハイリターンな事業の例
ハイリターンを狙うのであれば動画投稿や音声配信も候補に上がってきます。
カメラやマイク、編集用ソフトなど、他の事業に比べて参入の敷居が高いものの、人気が高い事業なのです。
また、自分ひとりでする場合は、収録から編集・投稿までをすべてする必要がありますが、ヒットすれば莫大なリターンを見込めます。
新型コロナウイルス特需を活かした事業展開もアリ
新型コロナウイルスは、社会全体の大きなターニングポイントとなりました。
事業者・起業家も例外ではなく、新型コロナウイルスがもたらしたさまざまな社会の変化に目をつけ、成功したものも中には存在します。
既存企業とのコラボレーション
代表的なものに、飲食店が参入した宅配事業があります。
外食がしにくくなった昨今の社会情勢を逆手に取った事業で、急速に成長しているビジネスモデルの代表格です。
また、巣篭もり消費の普及で、筋トレグッズやゲーム機、衛生商品の需要が拡大しているのはいうまでもないでしょう。
過度な煽りや間違った情報を発信しない信じない
ただし、新型コロナウイルスを鑑みた事業は、過度な煽りや間違った情報に踊らされないことが大切です。
同時に、非常にセンシティブな問題でもあるので、よく考えずにうかつに情報発信するのは禁物です。
ビジネスチャンスではありますが、「稼げそうだから」という軽い気持ちでの参入は決しておすすめはできません。
起業するメリットとデメリット
起業するには、そのメリットとデメリットをきちんと把握しておくことが大切です。
起業することによって得られるメリットとデメリット、この両方をそれぞれ紹介します。
メリット
起業することで得られるメリットは、主に次の3つです。
- 自分のやりたい事業に携わることができる
- 時間の使い方が自由になる
- 定年に縛られずに働き続けられる
自分のやりたい事業に携わることができる
起業すれば、自分のやりたいことに携わることができます。
自分で起業すれば、極端な話、一生自分のやりたいことで収入を得ることができるのです。
時間の使い方が自由になる
時間の使い方が自分次第で自由に使えることも、起業することのメリットです。
仕事をする時間も休む日も、すべて自分の裁量で決められます。
定年に縛られずに働き続けられる
会社員にはある定年退職がないため、一生働き続けることもできます。
文字通り、「生涯現役」でいたいなら、起業するのは1つの方法です。
デメリット
起業することの代表的なデメリットは以下の3つです。
- すべて自己責任
- 収入の保証がない
- 老後資金が不安定になる恐れがある
すべて自己責任
自分のやりたいことで起業し、時間が自由に使えても、それすべて自己責任であるということになります。
また、相手に迷惑をかけても、自分の代わりに責任をとってくれる人は誰もいません。
収入の保証がない
自分で起業すると収入の最低の保証はありません。
場合によってはマイナスになることも考えて、起業する前にお金を蓄えておくといいでしょう。
老後資金が不安定になる恐れがある
個人事業主として起業する場合ですが、年金が非常に不安定になる恐れがあります。
小規模企業共済やiDeCoなどの制度もあるため、これらを使って老後資金を確保しておきましょう。
起業を成功させるポイントは?
起業を成功させるために必要なポイントを押さえておきましょう。
これから紹介するもの以外にも必要なものはあるでしょうが、最低限確保しておくべきものとして覚えておいてください。
POINT
- 最低半年ほどの運転資金と生活費の確保
- 達成目標を決めておく
- 行動力をもって常に柔軟に軌道修正し続ける
- 余裕を持った資金計画を立てる
- 起業前に副業をしておいてイメージをつかんでおく(可能な場合)
- 安定的な経営のための事前調査
最低半年ほどの運転資金と生活費の確保
起業後すぐに事業資金や生活費は入ってきません。
万が一に備えて、半年ほどの運転資金と生活費は確保しておくことをおすすめします。
特に起業してすぐには、金融機関もあまり融資に積極的ではないため、必ず準備しておきましょう。
達成目標を決めておく
事業を通して達成したい目標も、起業前に決めておきましょう。
ただ自由に働きたい、お金が欲しいだけではすぐに方針がブレてしまい、事業が継続できなくなります。
いつまでに何を達成するのかを明確にしておくことで、方針のブレを防ぐことができます。
行動力をもって常に柔軟に軌道修正し続ける
起業するだけで満足するのではなく、行動力を保って柔軟に軌道修正を続けることも大事です。
起業したら、そこがゴールではありません。
時代の流れや社会の動きをよく観察して、柔軟に軌道修正を続けることも大事なポイントと言えます。
余裕を持った資金計画を立てる
自転車操業にならないよう、余裕を持った資金計画を立てましょう。
融資や投資を受けられる先を探しておくことと合わせて、販路や仕入れ、売上予想なども考えておくべきです。
行き詰ったら、情報整理のために事業計画書を書くのもひとつの方法です。
起業前に副業をしておいてイメージをつかんでおく(可能な場合)
事業によって異なりますが、可能であれば起業前に副業として参入し、イメージをつかむこともおすすめです。
特にネットビジネスやアフィリエイトは、副業としても参入しやすいので、試してみる価値はあるでしょう。
副業をしてから起業しても、遅くはありません。
安定的な経営のための事前調査
経営は安定していた方がいいのはいうまでもありません。
そのためには、自分がしようと思っている事業の需要や市場規模、経営ノウハウを事前に調査しておきましょう。
早い時期に事業が安定する可能性が上がります。
起業前にやっておきたい、こんなこと
起業前にしかできないことも、実はたくさんあります。
もちろん起業後でもできないことはないですが、まとまった時間が取れる起業前だからこそやっておきたいこともあるのです。
POINT
- 人脈づくり
- お金に関する知識
- 集客、マーケティングのための知識
人脈づくり
起業前にやっておきたいことの中に、人脈づくりがあります。
といっても、ここで言う人脈とは単なる友人のことではなく、起業するために必要な人物のことを指しています。
起業後の営業は、基本的に自分ひとりでやることになります。
しかし、起業前に何かしらの人脈を持っていれば、どこかのタイミングで力になってくれるかもしれません。
お金に関する知識
お金に関する勉強は、起業する前に必ず勉強しておきたいことのひとつです。
特に資金計画や会計、税金に関する知識は、会社員時代よりも必要になります。
資金計画
どこからいくら融資してもらうのか、それをどのように使うのかを考えるのが資金計画です。
補助金や助成金もあるので、これらに関する勉強も必要不可欠です。
会計
収入や支出などのお金の出入りを管理する会計の知識も、身に着けておきましょう。
会計に関わる情報は融資や投資を受ける際に必要な判断材料にもされるので、おろそかにはできません。
税金
消費税はもちろん、起業すれば法人税や法人事業税など、今まで必要なかった税金が課されます。
また、法人と個人事業主で関わってくる税金も変わるので、事前に勉強しておくことで節税につながることもあります。
集客、マーケティングのための知識
事業をするためには、集客・マーケティングの知識が必要不可欠です。
どうやったら顧客を確保でき、事業展開がうまくいくのかは、ぜひ知識として身につけておきたいことです。
これは、提供する商品が形として残らないサービス業であれば、なおさら勉強する必要があるでしょう。
現在はマーケティング関連の書籍や参考書も多いので、自分が学びやすいものを見つけて勉強しておきましょう。
起業準備~考えておくべき6W2H~
起業するには「6W2H」を考えておくべきです。
起業するためには綿密に考えておきたいことで、漠然と決めるのではなく、より具体的であるほうがいいでしょう。
事業内容は収益が見込めるビジネスモデルなのか、マネタイズはできるかなど、さまざまな方向、切り口で自分の起業アイデアを練るために必要なのです。
POINT
- 「What」何をするために起業するのか
- 「Why」どうして起業したいのか
- 「Who」個人か、仲間とチームを組むのか
- 「Whom」ターゲット層や市場は何か
- 「Where」どこで事業を行うのか
- 「When」いつ起業するのか
- 「How」マネタイズ方法、経営ノウハウや独自性は何か
- 「How much」必要な資金額と調達方法
「What」何をするために起業するのか
事業を始める前に考えることに、自分が何をしたいのか、何ができるのかを考えておくこと、「What」が必要です。
主に3つの方法があるので、簡単に紹介しましょう。
得意分野を活かした事業
冒頭でもお話した通り、得意分野を活かして起業する方法があります。
また、得意とは言い切れなくても、経験や知識・スキルを活かした起業方法もありです。
自分にはどんな得意分野やスキルがあり、それをどのように事業につなげていくのかをきちんと整理しておくことが重要です。
世間の課題解決となるような事業
世間が抱えている大きな課題を解決できるような事業も、事業目的としては十分です。
新型コロナウイルスに関連した事業などがこの考え方に相当します。
アンテナを高く張って、世間の課題が何なのかから逆算してもいいでしょう。
時代のニーズに合った内容の事業
時代によって顧客が求めるサービス内容は異なります。
ニーズをよく知り、それに合致した事業を展開することも、考えるべきポイントのひとつと言えるでしょう。
こちらも、事業とする内容を探すために、情報をつぶさに監視しておく必要があります。
ただし、これらの事業すべてで欠かせないのは、市場・競合調査とそれに基づく独自性、そして現実的なビジネスモデルなのかの2点です。
独自性が欠如していれば、世間的には二番煎じとして捉えられてしまいますし、競合を知らないままで事業に参入してもまず勝ち目はありません。
また、勝算が見込め、かつ定期的な収入が見込めるのかも事業として行うには必須の内容。
何のために起業するのかを、独自性や勝算と併せて考えておきましょう。
「Why」どうして起業したいのか
どうして起業したいのかを考えておくことも、起業準備である「6W2H」では大切な要素です。
事業として立ち上げる理由が、「ただ何となく」「できそうだったから」では心もとないでしょう。
ビジネスとして起業するには、それだけの理由・根拠が必要なのです。
起業するだけが目的になってしまっていないか
メリットとデメリットの項目でもお話しましたが、起業すれば時間の使い方は自由ですし、得た利益はすべて自分の物。使い道もすべて自分の自由です。
しかし、それだけのために起業しても、起業した時点で目的は達成されてしまうため、事業が長続きしなくなってしまう可能性が高くなります。
起業すれば、会社員時代のように安定した収入を得続けるには、それ相応の努力と意志が必要なことを忘れてはいけません。
事業の軸やモチベーションになるような起業目的を考える
事業として立ち上げるのなら、その軸やモチベーション維持になるような目的を考えるべきです。
特に、副業としてではなく事業としてやりたい強い理由は必要不可欠です。
頭の中にある目的を一度紙に書き出してみると、情報が整理されるので、目的で行き詰ってしまったらぜひやってみましょう。
「Who」個人か、仲間とチームを組むのか
ひと口に起業するといっても、個人でするのか、それとも仲間とチームを組むのかも2種類があります。
また、個人事業主として起業するのか、会社を設立するのかでも、考えることは変わってくるのです。
最初は個人事業主としてスタートを切り、のちに法人化するという考え方もできますが、ここではそれぞれ分けて考えることを解説します。
個人事業主の場合
個人事業主になるには、管轄の税務署に「開業届」を提出することです。
初期費用も特になく、紙1枚で個人事業主になれますが、白色申告か青色申告かで受けられる控除や従業員を雇えるかどうかが変わります。
どちらを選択したかにもよりますが、営業からサービス・商品の提供、会計管理などはすべて自分でやる必要があるのが個人事業主です。
会社を設立する場合
仲間を募って最初から法人を設立して起業するには、個人事業主よりもやや煩雑な手続きを踏む必要があります。
会社にも株式会社以外で、合名会社や合資会社、合同会社などの種類があり、それぞれメリットとデメリットが異なります。
また、税制面では個人事業主よりも有利なものも多い反面、設立までの手続きが煩雑であること、初期費用がかかることを忘れてはいけません。
「Whom」ターゲット層や市場は何か
起業するには、その事業のターゲット層や市場を無視しての起業はできません。
ビジネスには相手がつきもの。その相手にどのようなサービスや商品、突き詰めれば他にはない付加価値を提供できるかを考える必要があります。
相手なくして商売はできません。そのターゲットは誰なのか、誰を狙ったものなのかをしっかりと考えておきましょう。
ターゲット層は明確にする
事業を始めるにあたって、これから始めるそのビジネスは誰に向けたものなのかをクリアにしておくべきです。
ターゲット層は広くしすぎず、かといって絞り込みしすぎないことが重要です。
ターゲット層をクリアにすることで、どのような方法で顧客にアプローチするかの戦略を検討する材料にもなります。
場合によっては思わぬ層にヒットする可能性もありますが、あくまでも想定ターゲットを考えておくことが優先です。
狙ったターゲットの取り込み方法まで考える
狙ったターゲットを、どのような方法で取り込むのかも一緒に考えておきましょう。
例えば若者を中心とするのであればSNSを、中高年をターゲットにするなら新聞の折り込み広告やポスティングが有効でしょう。
そのほかにも、顧客の取り込み方はたくさんあります。狙ったターゲット層を獲得できるような方法を考えましょう。
「Where」どこで事業を行うのか
起業するといっても、どこで仕事をするのかも決めてしまいましょう。これは携わる事業内容によっておのずと決まってくるでしょう。
大きく分類すれば、従来の店舗を構えるものと、在宅でできるものの2種類があります。
在宅型事業の場合
自宅でできる在宅型事業であれば、場所にかかるコストを考える必要はありません。人を雇うのであれば人件費がかかりますが、それでも初期費用は店舗型よりも安く済むでしょう。
ただし、自宅でできる事業の場合、自分が作業できる環境を整える必要があります。パソコンの設置場所やデスク、チェア、そして部屋の間取りなどがそれです。
また、自分が集中して事業ができる環境を整えるために、家族や同居人の理解も必要となるでしょう。
店舗型の事業はコストやデメリットを意識しておくこと
飲食店のような店舗型の事業をする場合、在宅型にはないコストやデメリットを意識しておくことが重要です。
起業準備の段階で場所の確保が必要ですし、それまでに契約や建物の建設や改装といった準備が必要になり、賃貸であれば家賃も必要になります。
また、在宅型起業と比べて、何かあった時に対応が難しいという側面があります。場所にもよりますが、人口変動が大きい地域もあるので注意しましょう。
「When」いつ起業するのか
「思い立ったが吉日」とはよく言いますが、起業するにはそうもいきません。
思い立ってすぐに起業できるわけではなく、どんなビジネス、どんな事業であっても時期を見計らうことはとても大事なことなのです。
何歳で起業するのか
いつ起業するのか、何歳で立ち上げるのかは、意外にも大事なポイントでもあります。
例えば10~20代は、クリエイティブかつ斬新な発想に優れているのに対し、30代は経験やスキルをもとに起業することができるようになります。
このように、どの年代で起業するかによって、自分の何を武器にできるのかが少しずつ変わってくるのです。
税制面で得するタイミングがある
多くの企業は決算月を3月や12月に設定していますが、これは年度やその年に併せた形になっているからです。
この時期は、税理士も忙しくなってくるのですが、それ以外の月では税理士に余裕が生まれるため、節税対策をじっくり検討することもできます。
また、設立を1日に設定しないだけで、12か月分払わなければならない税金が1か月分払わなくてよくなるなどのメリットもあります。
事業開始までに必要な準備を整理して逆算
店舗型などの一定の準備期間が必要な場合、場所の選定や内装の工事などの初期準備から、開業できるまでの時期を逆算しておく必要があります。
この間に、もろもろの手続きを依頼したり、代行できる事業者を探しておくといいでしょう。
1人ですべてやると思いのほか時間がかかるので、時間の節約にも効果的です。
「How」マネタイズ方法、経営ノウハウや独自性は何か
これから展開する事業を検討する中で、市場としての強みは何かを考えておくことも起業前に考えておくべきことのひとつです。
目指す事業内容がありきたりなものでは、二番煎じと思われてしまいますし、奇抜過ぎれば「本当にできるのか?」と思われてしまいます。
バランスは難しいですが、マネタイズ方法、経営ノウハウや独自性はしっかりと考えておきましょう。
自身の事業の強みは何か
参入する事業が未開拓な場合を除き、市場には必ず同業他社が存在します。
販売力や商品・サービスの独自性、物流の効率性など、他者にはないであろう独自性を研究し、事業の強みにするといいでしょう。
また店舗型であっても、近隣の同業者が取り込めていない客層にターゲットを絞ったり、出店する場所を工夫するだけで十分強みとなるのです。
生き残るための施策を考える
起業するには、起業してからどのような事業拡大や発展を望むかを考えておく必要もあります。
それらの夢を叶えるためには、より具体的な生き残りのための施策が必要不可欠です。
先ほどの強みを活かすこともそうですし、社会全体のニーズにどうやったら柔軟に対応できるかも考えておくといいでしょう。
完全未開拓の事業であったとしても、ライバルが現れた場合に備えて真似できない施策を考えておくのも効果的です。
「How much」必要な資金額と調達方法
起業するには当然お金が必要になってきます。資金源はもとより、調達方法までしっかりとめどを立てておくことが、早期の事業安定につながります。
資金額の把握は、今までお話してきた内容が具体的であればあるほど明確になるでしょう。
「6W2H」の最後である「How much」は、先に他のことを考えてから手を付けると効果的です。
初期投資と運転資金
起業するには、初期投資と当面の運転資金を考えなければなりません。
在宅型であれば必要な備品や環境を整えるための費用、店舗型であればそれに加えて場所代や店舗の建設・改装費がそれにあたります。
また、起業してすぐに運転資金がなくなってしまっては問題なので、1月あたりいくらぐらい必要なのかを事前に計算しておき、その半年分を最低限を確保しておきましょう。
自己資金の金額と必要な融資額を明確にする
自己資金ですべてをまかなうことは、できなくもないですが起業するハードルはグンと高くなります。
事業全体でどのくらいの経費が必要かをまずは明確にし、融資で賄う必要がある部分を理解しておくといいでしょう。
必要な融資の額が鮮明になれば、どこからいくら融資してもらうのか、補助金や助成金はどれぐらい活用するといいのかが見えるようになります。
補助金や助成金を申請する
中小企業庁をはじめ、厚生労働省や各都道府県が補助金や助成金制度を準備しているものを活用しましょう。
補助金を受けるためには事前の審査が必要なのに対し、助成金は随時受け付けており、一定の条件をクリアすることで受けられることがほとんどです。
両者とも応募のための書類を揃える手間がかかり、かつ諸経費支払い後にしか受け取れないという点に注意すれば十分活用できる制度なので、ぜひ活用しましょう。
クラウドファンディングを活用する
クラウドファンディングとは、インターネット上で事業内容や将来性を公開し、資金を募る方法です。
起業直後で大口の投資家を獲得できなくても、投資として受け取ることができるため、この方法で資金調達する起業家も珍しくありません。
ただし、あくまでも事業に賛同してくれる人の善意による寄付が前提なので、目標金額に届くという保証はありません。
しかし、自身の事業を宣伝しつつ出資者を募るという意味では十分な宣伝効果も持ち合わせている方法です。
事業計画書の作成
事業計画書とは、自分の考えている事業がどんなもので、どのくらいの収益を見込めるのか、その期間はいつなのかを詳細に記した書類のことです。
主に金融機関や投資家から出資してもらうためには必須となるものですが、事業計画書を書くことで起業する側にもメリットがあります。
事業計画書を書くメリット
事業計画書には事業の概要や会社概要、商品・サービス内容や事業戦略などの、事業を進めていくうえで外せない内容を記載します。
そのため、頭の中で考えていたものが文字として現れることから、情報の整理や新しいアイデアの発見に役立つのです。
目的は融資・投資を受けるため
事業計画書を書く目的は、先ほどもお話しましたが融資や投資を受けるためです。
成長性があり、信頼のおける事業であると判断されないと融資・投資を受けることは難しいでしょう。
評価の高い事業計画書の書き方に関しては、こちらで詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。
いざ起業!事業開始に必要な届け出
「6W2H」を具体的に考え終わり、事業計画書もできたらいよいよ起業です。
この時、個人事業主として起業するのか、会社を設立するかで届け出る書類が違います。なお、届出先は、すべて税務署と法務局で両方とも同じです。
個人事業主の場合
個人事業主の場合は、以下の書類や手続きが必要となります。
- 個人事業の開業・廃業等届出書(青色申告を適用する場合)
- 所得税の青色申告承認申請書(従業員を雇う場合)
- 給与支払事務所等の開設の届出
青色申告の場合、従業員を雇うことができます。
その代わり、従業員を雇う旨の申請書と、給与支払いに関する届け出が必要になるので注意しましょう。
会社を設立する場合
会社として事業を開始する場合は、以下の手続きが必要です。
かなり多いですが、ひとつずつ確実に終えていきましょう。
- 定款の認証および提出
- 設立登記
- 法人設立届出書
- 健康保険・厚生年金保険加入手続き
- 給与支払事務所等の開設の届け出
定款とは、会社の基本規則を記した書類のこと。これを公証役場に届出たのち、承認されれば設立登記へと進むことができます。
また、保険関係も国民年金保険ではなく、厚生年金保険になるので、そちらの手続きも忘れないようにしましょう。
起業後に必要なこと
税務署と法務局への届出が完了すれば、晴れて起業したことになります。
しかし、起業することがゴールではなく、事業をして利益を出していくことが今後大きく求められるのです。
そのため、起業後にも必要なことがあることを忘れてはいけません。
資金管理
起業する前から一貫して、資金に関しては目を向けておくべきです。
運転資金はもちろんのこと、新事業に挑戦するのであれば設備資金もどのくらい必要になるのかは、逐一考えておくといいでしょう。
事業としてやりたいことは山のようにあるのに、運転資金も設備資金もない。融資や投資を受けられる人もいない、という状態に陥らないように、帳簿をしっかりつけて資金管理を徹底できるようにしましょう。
確定申告
確定申告も、起業後にするべき大切なことです。
例年、年度末に行われるもので、新年度の税額を決めるための大切な手続きのこと。毎年期日を忘れずに提出できるように準備しておきましょう。
個人事業主でも起業を設立してもどちらでも必要なもので、払うべき税額に大きな差が生じたりすると、税務調査の対象になるので注意が必要です。
もし、1人での確定申告に自信がない、時間がないのであれば、税理士と契約して確定申告を一任するのもいいでしょう。
まとめ
起業するにはどんなことを考えなければならないかについてお話してきました。
インターネット時代になった昨今、起業するにはこのテクノロジーを駆使した、ローリスクで始められる事業がおすすめです。
ただ、何で起業するにしても、誰に対して何を、どのように提供するのか、その事業は1人でするのかチームでするのか、どこで事業展開するのかを事前に練っておくことが重要です。
そのためには、事業計画書を書き、しっかり自分の中に事業の全体像を落とし込むことが大切です。
当然、融資のためにも大切なものではありますが、事業の方向性を決めるためにも大切なものなのできちんと書いておきましょう。
事業開始後も、計画書に固執しすぎず、状況に応じた変化に対応していくことが求められます。