副業サラリーマンが会社設立をするメリット・デメリットと会社にバレない方法
法人化を考えるべきタイミングや会社設立の流れをわかりやすく解説!
年々一般化している、サラリーマンの副業。一定の利益が出始めたら、個人事業主としての開業や会社設立(法人化)を検討する人もいるでしょう。
ですが、会社設立に慣れているサラリーマンの方は少ないもの。そこで今回は、サラリーマンとして働きながら副業で会社設立をする場合の、目安となるタイミングやメリット・デメリット、会社設立の流れや勤務先にバレない方法などを詳しく解説します。
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この記事の目次
サラリーマンの会社設立は可能?勤務先にバレる?
サラリーマンとして働く方の中には、勤務先が副業を禁止していたり、会社を持つことを認めていなかったりする方もいるかもしれません。
勤め先にバレずに会社設立をすることはできるのでしょうか?そもそも、サラリーマンとして働きながら会社設立をすることは可能なのでしょうか。
結論からお伝えすると、法律上、サラリーマン(会社員)が副業で会社設立をすることは可能です。実際、自身の企業を持ちながら別の企業でサラリーマンとして働いている人はたくさんいます。
ただし、勤め先の会社が副業を禁止している場合には注意が必要です。法律上は問題がなくとも、バレてしまったときにトラブルに発展する可能性も考えられます。
サラリーマンが会社設立をすべきタイミング
サラリーマンとして副業をしている方の中には、特に何も手続きを取らずに副業をしていたり、個人事業主として開業したりしている方もいると思います。では、こうしたサラリーマンの方が会社設立を考えるのはどのようなタイミングが良いのでしょうか?
サラリーマンを続けながら副業で個人事業主になるか迷っているなら、以下の記事で紹介している「メリット・デメリットや手続き方法」も合わせてチェックしてみてください。
サラリーマンをしながら個人事業主になるメリット・デメリットと手続き方法
副業の利益が500〜700万円程度になったとき
個人事業主は所得(収入−経費)の金額に応じて所得税が、会社設立をした場合は会社の所得金額に応じて法人税がかかります。
個人事業主の所得税の税率は累進課税になっていて、所得が低ければ税率も最小5%と低いのですが、所得が上がると税率も最大45%まで上がってしまいます。
一方、法人の場合は所得税額が高くても法人税は最大23.2%(開始事業年度が平成31年4月1日以後の普通法人の場合)。利益(所得)が一定額に達した場合は会社設立をしたほうがいいと言われるのはこのためです。
こうした節税の面から会社設立を考えるタイミングとしては、利益が年間500〜700万円程度を超えたくらいが目安です。
課税売上高が1,000万円を超えたとき
課税売上高が年間1,000万円を超えると、消費税の納税義務が生じます。課税売上高とは消費税の課税対象となる売上高のことで、土地の売却収入などを除くほとんどの売上高が課税売上高となります。
ですが、課税売上高が1,000万円を超えて2年間は消費税の納税が免除されることになっています。このため、課税売上高が1,000万円を超えるタイミングで会社設立をすれば節税効果を得ることができるのです。
本業+副業の不動産投資で700万円を超えたとき
副業として不動産投資をしているサラリーマンの方もいるかと思います。
資産管理会社を設立する場合は、勤務先(本業)の収入と不動産投資(副業)の収入が年間700万円以上になったら資産管理会社で納税したほうが税務上有利になるといわれています。
副業で社会的信用が必要なとき
企業によっては、「個人事業主などの個人とは取引を行わない」という方針を持っているケースもあります。
取引先にこうした企業が多い場合は、会社設立をして法人として社会的信用度をアップさせたほうが得する可能性もあるでしょう。
会社設立にはさまざまな目的がありますが、もっとも大きなメリットが節税効果でしょう。その効果を最大化させるためには、やはり専門家である税理士の支援が必要です。創業手帳では無料で専門家を紹介しています。成約手数料も不要の完全無料であるため、気軽にご相談ください。
サラリーマンが副業で会社設立をするメリット・デメリット
サラリーマンが会社設立をするのはなかなか勇気が要るもの。ここではメリットやデメリットをご紹介します。
サラリーマンの会社設立のメリット
サラリーマンが会社設立をする主なメリットは「節税」。税金面を中心に、どんなメリットがあるのか見ていきましょう。
具体的には、以下の5つのメリットがあります。
- 給与所得控除が使える
- 経費として計上できる幅が広がる
- 消費税が2年間免除される
- 決算日を自分で決められる
- 社会的な信用度が向上する
それぞれの内容は、次の項目から詳しく解説していきますので、確認してみてください。
給与所得控除が使える
サラリーマンの方自身が取締役として会社設立をしている場合、そこから得る収入は役員報酬として給与所得控除を受けることができます。
役員報酬とは、法人が事業主に支払う報酬のことです。サラリーマンが法人を起業すれば事業主となるため、法人からの報酬は役員報酬として受け取ることになります。役員報酬は給与報酬と同じように個人の報酬として扱われることになり、給与所得控除の対象です。
また、家族に事業を手伝ってもらう際、個人事業主だと青色事業専従者給与の届出をした場合しかその給与を経費として計上できません。さらに、青色事業専従者となるために満たさなければならない条件も複数あります。
一方、会社設立をすればそうした制限なく家族への給与を支払うことができ、所得分散によって起業したサラリーマンの方自身の所得税や住民税の節税につながります。
経費として計上できる幅が広がる
会社設立をすると、個人事業主よりも経費計上できる範囲が広がります。たとえば個人事業主だとジム代等の福利厚生費や健康診断の費用を経費にすることはできませんが、会社設立をすれば経費にできます。
経費として計上できる範囲が広がる分、経理業務の負担は増加します。事務作業に時間をとられていると、重要な仕事に時間がかけられなくなってしまい、収益が低下してしまうこともあります。そのためクラウド会計ソフトを導入し、経理業務を効率化することが重要です。「冊子版創業手帳」では、会計ソフトの選び方や、導入のメリット、おすすめの会計ソフトについて詳しく解説しています。
消費税が2年間免除される
先ほどお伝えした通り、課税売上高が1,000万円を超えても2年間は消費税の納税を免れることができます。
このため、場合によっては1,000万円を超えて2年間サラリーマン兼個人事業主として副業をし、その後に会社設立をして最大4年間(2年間+2年間)消費税の免除を受けることもできます。
決算日を自分で決められる
個人事業主の場合、1月から12月が事業年度と決められています。一方、会社設立をすれば決算日を自由に決定することができます。
本業の繁忙期や副業の繁忙期を避けて決算日を定めることで、本業や副業の仕事をスムーズに行うことができるでしょう。
社会的な信用度が向上する
先述の通り、個人事業主に比べ法人のほうが対外的な信用を得やすいというメリットもあります。取引先に厳しい企業が多い場合は会社設立を検討しても良いかもしれません。
サラリーマンの会社設立のデメリット
一方、サラリーマンが会社設立をすることにはデメリットや注意点もあります。
具体的には、以下の4つのデメリットがあります。
- 会社設立の費用がかかる
- 決算処理が煩雑になる
- 赤字でも税金を支払う必要がある
- 勤め先の会社にバレるリスクがある
- 今後意識したい副業300万円問題
それぞれの内容を、次の項目から詳しく見ていきましょう。
会社設立の費用がかかる
サラリーマンに限ったことではありませんが、会社設立には当然お金がかかります。
たとえば株式会社設立の場合にはざっと「約25万円+資本金」、合同会社設立の場合はざっと「約10万円+資本金」が必要になります。
決算処理が煩雑になる
個人事業主でも確定申告はなかなか大変だったという人も多いかと思いますが、法人の場合は会社法にしたがってさらに複雑な決算業務を行う必要があります。
決算処理をしっかり行わないことは会社の信用にも関わってきますので、確実に行うようにしましょう。法人の場合は税理士に依頼するのも一般的です。
創業手帳では信頼できる税理士の紹介を無料で行っていますので、会社設立をお考えの方はお気軽にご相談ください。
赤字でも税金を支払う必要がある
会社設立をすると、個人事業主と違い、事業が赤字でも税金を支払う必要があります。これは法人住民税の一部が資本金額に応じて課税される仕組みになっているためです。
勤め先の会社にバレるリスクがある
サラリーマンとして働きながら会社設立をする場合、本業の勤め先が副業を許可していないと、バレてしまったときにトラブルとなる可能性があります。
そうならないよう、事前に許可をとるか、はじめにお伝えした点に気をつけて会社設立や副業の事実が伝わらないように工夫するのがおすすめです。
今後意識したい副業300万円問題
2022年の8月に国税庁より「所得税基本通達」の一部改正案を発表されました。
この改正によって、副業による収入が300万円以下だった場合の取り扱いが事業所得から雑所得へと変わります。
加えて副業をする方にとって、以下のような影響も考えられます。
・青色申告特別控除が使えない
・3年間の損失の繰り越し控除ができない
・事業所得が赤字でもほかの所得による損益通算で所得総額が減らせない
・少額減価償却資産の特例制度が使用できない
副業をする人にとって向かい風ともいえるこの改正案ですが、2022年の10月に新たに改正通達が発表されました。
その内容は、事業所得か雑所得かの判定は、事業所得者の義務となる記帳・帳簿書類の保存によって行われるというものです。
ちなみにもともと給与収入のある人に対する副業収入が対象でしたが、新たな改正案によって本業、副業問わず適用される形となりました。
サラリーマンが副業で会社設立をする流れ
サラリーマンとして働きながら会社設立をする際の方法や流れについて簡単にご紹介します。
会社設立の流れは、以下の6ステップです。
- 会社設立の準備をする
- 定款を作成する
- 資本金を払い込む
- 登記書類を作成する
- 登記申請をする
- 会社設立後の税務署への届け出
それぞれ順番に作業を進めていくことで、会社設立ができます。
STEP1:会社設立の準備をする
まずは会社設立の準備として、商号の決定と印鑑の作成をしておきましょう。
商号とは、株式会社の名前・名称のこと。会社法や不正競争防止法に気をつけて設定します。
印鑑は、代表印・銀行印・角印を用意しておくと良いでしょう。代表印は、登記申請を行うときに一緒に届け出をします。
STEP2:定款を作成する
定款とは、会社や法人の基本原則を定めたものです。会社設立にあたって必ず必要なものですが、あくまでサラリーマンの副業として会社設立をする場合にはインターネット上で雛形を探して必要事項を埋めていくのでも良いかもしれません。
定款を作成したら、会社の本店所在地を管轄する法務局に所属する公証役場で「定款の認証」を受けます。
STEP3:資本金を払い込む
会社設立に必要な資本金を金融機関に払い込みます。
現在の会社法では資本金は1円でもよいことになっていますが、実際には1円起業は現実的ではありません。業種にもよりますが、100万円〜1,000万円ほどは会社設立時の資本金として欲しいところです。
STEP4:登記書類を作成する
会社設立をするには法務局で登記申請を行う必要があります。次のような必要書類を準備しましょう。
- 登記申請書
- 登録免許税分の収入印紙
- 定款
- 発起人の決定書
- 取締役の就任承諾書
- 代表取締役の就任承諾書
- 監査役の就任承諾書
- 取締役の印鑑証明書
- 資本金の払込みを証明する書類
- 印鑑届出書
- 登記すべきことを保存したCD-R
STEP5:登記申請をする
窓口申請またはオンライン申請で会社設立登記を行います。
窓口の場合は、資本金の払い込みから2週間以内に法務局を訪れて申請します。会社成立日は「登記申請をした日」となります。
オンライン申請ができるのは、商業法人登記に限られます。印鑑の提出や電子証明書の審査請求はできないので注意してください。
STEP6:会社設立後の税務署への届け出
会社設立が完了したら、納税地(本店所在地)の管轄の税務署に「法人設立届出書」と「青色申告の承認申請書」を提出します。
法人設立届出書は会社設立から2カ月以内に提出しましょう。青色申告の承認申請書は、設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合、会社設立の日以後3カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに提出します。
サラリーマンが副業から起業して会社を成功させるには
サラリーマンが副業を法人としてやっていくため、事前に成功させるポイントを確認しておいてください。
・本業の手は抜かない
副業はあくまでも副業のため、本業の手を抜かないようにします。その理由は、起業したばかりの副業は収入が不安定になることがありますが、本業で安定した収入があれば安心だからです。今の生活水準を保ちリスクを減らすため、本業の手は抜かないようにします。
・必要なスキルや仲間を集めておく
副業で安定した利益を出すため、スキルアップに手を抜かないことです。また、副業で成果が得られないときのために、同業の人脈を増やしておき、相談できる環境を整えることをおすすめします。個人事業主は孤立しやすく、孤立で挫折しやすくなるため、仲間が必要になります。
・起業までの目標計画を綿密に立てる
曖昧な計画では副業による起業が失敗に終わる可能性があるため、注意が必要です。どんな作業が必要なのか、資金はいくら必要か、どのくらい時間をかければいいか綿密な計画を立てるようにしてください。
サラリーマンが副業から起業する際の注意点
サラリーマンが副業で起業するなら、知識や人脈が必要となります。以下に紹介する点に注意するようにしてください。
税金関連の知識をつけておく
サラリーマンだと税金の支払いは会社が全部やってくれますが、起業すれば自分で対応しなければなりません。また、給与所得と事業所得では税金の仕組み自体が大きく異なるため注意するようにしてください。とくに注意が必要なのは、所得税と法人税では税率が異なること、年間課税売上高が1,000万円を超えると消費税納税の義務がある点です。
同じく起業した人と知り合っておく
人的パイプは、同業者でなくても構わないので、起業した人で幅広く広めていくことです。その理由は、起業した人でしかわからない情報や悩みが聞けるからです。たとえば、本業との兼ね合いはどうしているのか、資金調達はどう対処しているのかなど、起業に必要となるノウハウを聞きだすきっかけになります。また、売上が伸びない悩みも、起業した人でしかわからないため、人的パイプは多くもつことです。
法人設立がオンラインでワンストップ化!
ここまで通常の会社設立のステップをご紹介してきましたが、現在「法人設立ワンストップサービス」というものも開始されています。
これは会社設立に際しての煩雑な手続きを簡略化するために内閣府が行っているもので、会社設立に関わるすべての行政手続きをオンライン上で完結させることができます。詳しくは下記の記事でご紹介していますので、あわせてご参考ください。
まとめ
サラリーマンとして働きながら会社設立をする場合のメリット・デメリットや会社設立を検討すべきタイミング、方法や流れについて詳しく解説してきました。
会社設立にはお金も手間もかかります。特に税金面はしっかりと注意しないと損をしてしまったり、知らないうちに税金の支払いを怠ってしまったりする可能性もあります。そうならないために、会社設立を考えたら一度税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
この度、「副業確定申告ガイド(無料)」をリリース!副業を始めたけど、確定申告はどうすればいいのか?会社に副業がバレないようにする方法は?など解説しています。読者の起業家や専門家からの体験談なども満載ですので、ぜひご活用ください!