主婦・専門家・起業家、3つの顔を持つEDL代表平塚氏に聞く、これからの時代に企業が生き残るためには?

創業手帳

Google 式クラウド経営術~行動の大切さ~


イーディーエル株式会社代表取締役・平塚知真子さんは教育学の専門家、主婦、教育会社の起業家という3つの顔を持ちます。
さらに国内で唯一の「Google 認定トレーナー(※1)」及び「Google Cloud Partner Specialization Education(※2)」の2つを保有する女性トレーナー兼経営者でもあります。
※1 Google 認定トレーナー:Googleの活用方法を教師に教え、教師が知識を応用できているかサポートを行う認定資格。
※2 Google Clud Partner Specialization Education:能力開発を専門的な解決方法で提案でき、サービスの分野で技術的な知識・経験・実績を持つスペシャリストを指す証明。

Google も認めるスペシャリスト「イーディーエル株式会社代表取締役・平塚知真子さん」に起業をしたきっかけやこれからの稼ぎ方・クラウド・ITの取り入れ方についてうかがいました。

平塚 知真子(ひらつか ちまこ)イーディーエル株式会社 代表取締役
「Google 認定トレーナー」及び「Google Cloud Partner Specialization Education」の2つを保有する国内唯一の女性トレーナー経営者。数時間でITスキルを劇的に引き上げる指導に定評があり、「Google 最高位パートナー」と呼ばれ、ITビギナーから絶大な信頼を得ている。早稲田大学第一文学部(教育学専修)卒。筑波大学大学院教育研究科修了(教育学修士)。筑波大学大学院非常勤講師(2020年)。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計150万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。 創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

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専業主婦から起業に至るまでのきっかけとは


大久保:かつて仕事を辞めて専業主婦になり、大学院に行かれたとお聞きしたのですが、大学院に進まれたのは社会復帰を目指したのがきっかけですか?

平塚:大学院に進んだのは、子育て支援に関する本格的なNGO法人を立ち上げようとした際に、国立情報学研究所の「新井紀子 先生」とご縁があったのがきっかけです。
新井紀子先生と出会う前の話をすると、子どもを産んだ後に「山形が子どもを育てるのに素晴らしい環境であること」に気づいたのですが、山形生まれ・山形育ちの友人は知らなかったんですよね。

この経験がきっかけで「育児に関する情報をもっと多くの人に伝えたい」という気持ちから「育児情報誌」を作り、2,000部の完売できたのが私の中での最初の成功でした。
本格的に女子大生でも就職できるNPO法人の立ち上げを考えた際に、東京のNPO法人に就職したのですが、この時に国立情報学研究所の教授「新井紀子 先生」と知り合いました。

色々話を伺った際に、新井紀子先生には「今のままではダメ」という指摘を受けたのです。
最初は驚きましたが、「専門家として認められるためには大学院に進んだほうが良い」という指摘に納得ができたので、専門家としての道を拓くためにつくばの大学院に進みました。

大久保:なるほど、大学院に進む時から起業は視野に入れていたのですか?

平塚:いえ、最初は明確には決まっていませんでした。
大学院に進み、修士を取っているときに、また別の先生から起業をするきっかけをいただいたんです。
NPO法人で何かしら世の中を変えたいとの思いで行動をしていたのですが、やはり日本では「NPO法人はボランティア」というイメージが強く、まずは行動を起こしたほうが良いと実感して起業に至りました。

大久保:そうなんですね。起業に至るまでに影響を受けた言葉は何ですか?

平塚:私が大好きなのは「Let’s Make a Difference」という言葉です。

現状をより良くするために自分には何ができるのかと考えたところ「もっと仲間が欲しい」と思い、いくつものNPO法人を立ち上げました。こうした行動が起業するための後押しとなっています。

この時に立ち上げたNPO法人はまだ残っているのですが、ひとつの場所に留まらず面白いと感じたところに飛び込んでいき、現在に至ります。

元々文系の教育学が専門なので、今のようなITに関する専門知識はまったくありませんでした。

しかし今ではIT活用に関する分野の専門家として活動できているため、大人になってからでも学ぶことによって新しい道を切り拓けると思います。

これからの時代での稼ぎ方や生き残るための企業の在り方


大久保:色々ネットで検索するだけで学べるため、手段としては充実した環境になっていると思います。
しかし、知識を学べる手段が増える一方、以前と比べて自分の知識を売ることが難しい状態になっていると感じるのですが、今後はどのように変わっていくと考えますか?

平塚:おっしゃる通りですね。YouTube や Google 検索を利用すればどの知識も学ぶことができ、自分が知っている知識を売ることが難しい時代になっていますね。

これからは YouTuber のように自分が知っている知識などを無料で提供していくことで、専門家である・豊富な知識があるということを証明できます。そのうえで、その知識を自分の場合、あるいは、自社の場合、どのように活かせばいいのか、具体的に詳しく教えてほしいという方、一般的な知識をもっと自分の必要な部分にカスタマイズしてほしいという方があなたの「お客様」となります。ここに稼げるヒントがあると思います。

ただ、知識を簡単に学べるという認識から多くの人の知識欲が低下している点が気になっています。すぐに何でも調べられる世の中になっているため、既に知った気になって「実は何も知らない状態化現象」に陥っている人が多いです。

やはり体験に勝る経験はないと思います。日本では失敗を恐れる傾向が強く、新しいことにチャレンジをして失敗したら嫌だという気持ちから踏み出せなくなっている人がたくさんいる状態です。

大久保:確かにその通りですね。情報は検索をすれば出てくる時代になっていますが、今後はどのようにしたら稼いでいけると考えますか?

平塚:現在は「コラボレーション」の時代になっていると強く思います。というのも、現在は時代のスピードが非常に早く、自分ひとりで頑張ってゼロから勉強を行って新しく物事を始めるよりも、既に始めている人と組んでスタートするほうが結果が早く出るし、生産性も高いです。

既に始めている人と組むことによってスピードが上がるだけでなく、刺激を受けてクオリティも高まることが多いです。

イノベーションは掛け算なので、誰かひとりの天才が活動するよりも、多様性を持った人々の討論から生み出されるイノベーションを Google も推奨しています。多様性に満ちた働き方を当たり前にしていくことが今後の稼ぎ方・次の時代の働き方なのではないかと考えています。

これからは Google などの「IA(※3)の活用」や、検索をして1秒で結果を出すためのデジタル化が重要視されると思います。
※3 IA:Information Architecture(情報アーキテクチャ)の略。情報をわかりやすく伝える・ユーザーが情報を探しやすくなるような技術やデザインを指す。

IT・クラウドサービスの取り入れ方や社内での広げ方


大久保:社内でクラウドサービスなどIT知識を広げたい・取り入れたい場合はどのようにしたほうが良いと考えますか?

平塚:ITやクラウドサービスを取り入れたい場合は、ディスカッションを意識するのがおすすめです。

例えば、社内に広げたい場合には、社内で各部署に1~2名、IT知識やクラウドサービスの内容に詳しい「10Xリーダー」となるべき人材を決めます。その人材には、ITを効果的に使って問題解決ができるようになるための知識や経験を率先して習得してもらいます。その上で、社内で分からない人に対して教えられる人材として活躍してもらうんです。これが最も効果が高く、効率が良い方法です。

さらに月1回程度でも良いので、実際に使っているアプリやクラウドサービスの活用方法についてそれぞれで披露し合う形でディスカッションの時間を取ってください。披露し合う場を設けることで、言語化され、自分の発見を社内でみんなと共有できる上に、自分一人では気づかなかったアプリやクラウドサービスの良い活用方法が見つかって生産性が上がりやすいです。

仮に社長がいくら便利で高度なカレンダー機能を使っていても、社員が理解できていない、見方が分からなければ意味がないと考えるとわかりやすいのではないでしょうか。社員みんなが使い方が分かっていれば社長の仕事内容も一目でわかるため、社内全体の行動スケジュールも組みやすくなります。

社内で同じアプリを使うことで自分自身の時短につながるだけでなく相手の時間も奪わないため、コミュニケーションの時間に割けて生産性も上がります。

大久保:ITの専門家を呼んでトレーニングをするとお金や時間がかかりますよね。

平塚:そうなんですよね。だからこそ社内に専門家を育成すべきなんです。その人物を中心に、社内で 「ITを活用した現場からの問題解決」を日常化させていきます。操作がわからない場合は隣にいる人が教えてあげられるような環境作りができると理想的です。

実際に私の方でも「コミュニティの中でITが得意な人を作りましょう」、「ITについて話し合う・披露し合う場を月に1回や2回、定例で設けましょう」と伝えています。
話し合いや披露し合う場を設けるとコストパフォーマンスが良い上に、具体的なので納得感も高く、最速最短で組織の現場からのデジタル化が実現できます。

Googleのアプリが特にクラウドサービス・ITの導入について取り掛かりやすくなります。

大久保:今後どのような展開を視野に入れていますか?

平塚:言葉だけではやはり伝わらない部分も多いので、Google を体験できるような環境を提供するところに力を注いでいます。
Google はひとつひとつのアプリで奥が深く、例えば Gmail 一つだけとってみても、1日7時間かけて説明をしても足りないくらい便利な機能や活用法が盛りだくさんなんです。でも、それではさすがに情報量が多すぎて、結局聞いた内容全部を忘れてしまいます。

それに、学校で教わったことのない内容なので、社会人になってからも教わったり、納得したりするのに時間がかかるんですよね。そのため、速習するのではなく、ひとつのアプリについて1機能、毎週1時間の「Google の時間」を設け、説明だけでなくみんなで手を動かして使って覚えてもらう体験の環境提供を考えています。

平塚さんから起業家に向けてメッセージ

 

大久保:なるほど。最後に、起業を考えている人にメッセージをお願いします。

平塚大きな目標を立てましょう。「誰のための目標なのか」という点が重要で、例えば単純に自分の年収を10倍に高めたいという目標では誰も共感できませんよね。

なので、自分を含めみんなが笑顔になれる・自分が一番モチベーションが高くなる目標を設定し、その目標に向かって今日できる行動を毎日続けていくことが大切だと思います。

アイデアを考えるだけでは意味がなく、思い浮かんだ後の具体的な行動が必要です。千里の道も一歩からと言われているように、毎日少しずつ進んでいくのがいいでしょう。

大久保:本日はありがとうございました。
働き方改革の影響もあり、IT・クラウドサービスを社内に導入しようと考えている企業も多いですが、社内でのスペシャリストを構築して話し合い・披露し合う場を作るのはかなり魅力的な内容ではないでしょうか。

実際に使ってみてからこそわかる内容もあるので、クラウドサービス・ITの導入を検討している人はまずは行動を起こしてみてください。

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(取材協力: イーディーエル株式会社 代表取締役 平塚 知真子
(編集: 創業手帳編集部)

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