アパレルや飲食店は接客が命。スタバに学ぶ売上直結の接客術とマナー
スタバにはマニュアルがない!?良い接客の基本と心得
(2016/12/07更新)
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この記事の目次
接客の基本と心得。“良い接客”ってなんだろう?
皆さんは、これまでに1度は”良い接客”を受け、感動したことがあるのではないでしょうか。それは、どんなときに、どんな対応をされたのか思い出してみてください。
- 笑顔が素敵だった
- 自分の行動を先回りして、もてなしてくれた
- 毎日通っていたら、話しかけてきてくれた
- トラブルに対する対応が完璧だった
など色々と思い浮かぶことがあると思います。すべてマニュアル通りではなく、「自分がされて嬉しいこと・嫌だと感じないことをする」というシンプルなことを意識するだけで接客の質がぐんと上がります。
接客マナーの基本
接客マナー1:私語は控える
これは飲食業やアパレル以外の、どの業種でも共通することですが、仕事中の特にお客様がいる場合、私語は控えましょう。客側からすると、店員の私語は意外と気になるものです。「味は美味しかったけど、店員がぺちゃくちゃ喋ってて印象が悪かった」などと思われたら、すごく勿体無いです。
お客様は店内の雰囲気やプライベート感を総合的に見て、お店の評価を下します。ガヤガヤとした居酒屋ならまだしも、静かな店内や高級店で私語があった場合、確実にお客様からの評価はさがるでしょう。
接客マナー2:店内と店員の清潔さを保つ
お客様は、店内のインテリアやトイレなどをよく見ています。飲食店の話になりますが、食べログなど口コミサイトの評価で、特に女性からトイレの清潔さが指摘されていたりします。逆に言うと、人気店のトイレ・テーブル・インテリアは綺麗に掃除されています。店員の身なりも然りです。キッチンの店員が髪をまとめずに、ボサボサの髪のまま調理をしていたり、長い爪・手が荒れたまま食材を触っていたら、確実に嫌な気持ちになります。
アパレルであれば服がきちんとたたまれて整頓されているかや、接客する店員の清潔さが重要です。アパレルは特にお客様との距離が近いため、髪の毛だけでなく、肌やメイクなども清潔さに影響してきます。お客様に不快感を与えない身なりを心がけましょう。
接客マナー3:笑顔で接客する
お店に行って、無愛想・無表情で対応をされて嫌な気持ちになることは、よくあるのではないでしょうか。逆に、コンビニであれ、高級店であれ、笑顔で接客を受けて嬉しくない人はいません。
笑顔で接客するということは、接客の基本中の基本です。特別なスキルは必要ありません。明日から誰でも”心がけさえすれば”できることです。しかし、それが店員全員で共通してできている店舗はかなり少ないのではないでしょうか。
人間には感情がありますから、その日の気分や体調で笑顔がつくれないことは良くあります。ニッコリずっとするのは難しいでしょうから、最低限優しい口調と対応、ナチュラルな(怒ってそうに見えない)顔での接客を意識しましょう。お客様の目を見て対応する、という心がけでも変わってきます。
接客マナー4:見られている自覚を持つ
前述の通り、お客様は意外と店員の行動を見ています。飲食店であれば、落ちたものを拾った後の対応や、咳やくしゃみ、歩き方、私語など衛生面に関わる行動は特に気をつけましょう。
接客マナー5:トラブルへの謝罪は真摯に
誰でもミスは起こすものです。しかし、その対応次第で信頼を得る結果にも、信頼を大きく損なう結果にもなるのが接客業です。トラブルを起こした際は、まず謝ることが鉄則です。その謝り方も、ニコニコしながらではダメです。反省した態度で、誠心誠意謝りましょう。きちんと謝れば、お客様は大概の場合許してくれます。許すどころか、良い印象を持ってくれることさえあるのです。
謝罪をした後の対応は、会社のマニュアルに書いてある通りに進めるのが一般的ですが、もしイレギュラーなトラブルがあれば、先輩や上長にすぐ相談を仰ぎましょう。
接客マナー6:マニュアル通りではなくフレキシブルな対応を
お客様のタイプや要望、年齢や話し方は多岐に渡ります。たとえ店舗にマニュアルがあったとしても、それだけで対応しきれるはずがありません。前述した通り、すべてマニュアル通りではなく、「自分がされて嬉しいこと・嫌だと感じないことをする」というシンプルな考えを持ちましょう。常にお客様視点で対応を心がけることで、自然でより良い接客が出来ます。
接客マナー7:お客様の行動を先読みする
マナー6では柔軟な対応をするということを挙げましたが、これは、お客様の行動を先読みすることで、より質が高いものになります。
例えばお客様が飲み終わりかけていたジュースを飲んでいたとします。その時、カバンから薬を取り出し、飲もうとしています。あなたならどうするでしょう?「お客様が薬を飲もうとしていたときは、水を出す」などというマニュアルは普通無いです。しかし、さっとお水をだしてあげれば、お客様は「気が利く店員だ!」と感動してくれるでしょう。
接客マナー~飲食編~
接客マナーの中でも、飲食業特有のことが様々あります。
- おしぼりは広げて出す
- 水が完全に無くなる前に継ぎ足す
- 入店したら「いらっしゃいませ」の一言と席の案内をすぐする
接客マナー~アパレル/美容編~
アパレルや美容の場合は以下です。
- フレンドリーな接客をする場合でもプライベートな質問は自分から聞かない
- 宗教や政党の話をしない
- お客様の話を途中で遮らない
- 見送りはなるべくお客様が店内を出るまでする
接客するときの言葉遣い
よく間違えがちなのが、
- 「よろしかったでしょうか」※よろしいでしょうか
- 「お箸のほうはお付けいたしますか」※お箸はお付けいたしますか
- 「~~円になります」※~~円でございます
- 「~~円からお預かりいたします」※~~円お預かりいたします
以上のような言葉遣いです。これらは、間違って使われることが多い言葉なので、違和感は前よりなくなってきました。しかし、きちんとした言葉遣いをすることで、「きちんと教育を受けているな」という印象を持つお客様は少なくありません。
スタバには接客マニュアルがない
私たちの考え方の基本は「OUR STARBUCKS MISSION」にあります。
教育そのものの内容やパートナーに求めるスキル要件は、全てこのOUR STARBUCKS MISSIONをブレークダウンして作られたコンピテンシーによって明確化されています。
基本理念に基づいた教育プログラムを通じて、パートナーの自主性を育て、それを重んじること。これが私たちの最も大切にしたい人材育成の考え方です。
(スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社ホームページより)
「スターバックスにはマニュアルがない」飲食業、特にカフェ経営をしている方なら、知っている人も多いのではないでしょうか。もちろん、美味しくコーヒーを淹れるためのマニュアルは用意されています。このマニュアルというのは、技術マニュアルではなく「接客マニュアル」を指します。
ではなぜ接客マニュアルがないのに、接客品質が良いのでしょうか。それは、社員やアルバイト全員がスタバのミッションに共感し、自分の裁量でお客様に接客することが許されているからです。
ディズニーも同じです。ディズニーにも接客マニュアルがありませんが、キャスト全員がディズニーの世界観に共感し、お客様目線で行動をしています。だからこそ、感動を呼ぶ接客ができるのです。
これは経営者に向けた言葉で言い換えると、「ミッションに共感してくれる社員が集まるような会社(店舗)を作りましょう」ということになります。ミッションと言うと高尚すぎるかもしれませんが、「このお店て働いていて楽しい!」と思ってもらえるような店舗に、経営者はしていく必要があります。
(執筆:創業手帳編集部)
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