新型コロナウイルスの影響で売上が下がったら融資を受けられる!?中小企業のための特別融資制度について
新型コロナウイルスで業績悪化が見込まれる企業への公的な融資制度を解説します
(2020/02/21更新)
急速に広まるCOVID-19。日本では通称「新型コロナウイルス」、「新型肺炎」と呼ばれ、耳にしない日はありません。観光業だけでなく、色々な産業でキャンセルや活動自粛などが広がり、売上減少傾向が発生しています。そんな中、新型コロナウイルスの影響で売上が下がりそうな場合、申請することで融資を受けられるケースがあるのを知っていますか。今回は、公的制度を活用した資金調達について、融資や補助金に強い会計士に取材をしました。
無料で利用できる資金調達手帳では、経営に役立つ様々な資金調達手段についてまとめて解説しています。新型コロナの影響で、調達の選択肢を探している起業家の方は、併せて参考にしてみてください。
慶應義塾大学商学部卒。大学3年時に当時全国最年少学年で会計士合格。実家の医院を継げなかった過去から、会社の医者として会計士の活動を展開。
税務業務を行わず新規事業立案・資金繰改善・管理会計導入といった経営コンサルティング業務をてがける。補助金等の支援も積極的に行っており「ものづくり補助金」については北は北海道、南は九州まで全国規模で中小企業の経営改善を支援。全国約2万の会計事務所の中でナンバー1の支援実績を誇る。
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この記事の目次
新型コロナウイルスの影響で売上が減少する企業を支援
若杉:新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者に対して、経営基盤の強化を図るための融資支援制度です。例えば、日本政策金融公庫(国民生活事業(※)いわゆる一般の中小企業向け融資)では、上限4,800万円/基準金利1.91%の支援制度(※)が想定されています。
※審査や担保条件によって条件の変更があります。
若杉:厳密には細かい要件がありますが、概要としては「社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしている又は今後の減少が見込まれる方で、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる方」が対象とされています。
売上減の「見込み」でも融資の対象になりえる
若杉:そうですね。中小企業庁の資料では「売上⾼の減少等の程度に関わらず、今後の影響が⾒込まれる場合も含めて融資」との記載がありまして、幅広く支援をしていく姿勢が打ち出されました。もちろん、実際の融資の可否については別途審査があるとはいえ、今後の経営不安に対して幅広く相談できるような体制がつくられたのではないかと思います。
若杉:手続きとしては、日本政策公庫の相談窓口に問い合わせることが第1歩です。現状の経営状況と今後の見通しなどを説明し、相談を行ってください。
資金繰りに困ったら早い段階で専門家に相談することが大切
若杉:融資の相談で一番多いのが「漠然とお金を借りておきたい」といった相談です。
実は、このようなスタンスで融資を受けるのは最も危険だと考えています。金融機関においても当然ながら貸倒リスクを抱えながら資金供給していくので、「何となく不安だからお金を借りておきたい」といった経営者には評価が厳しくなるのが通常です。最初の相談の仕方を間違えると後々リカバリーが大変です。
借入をする場合には、「xxxxに対して/または今後3か月の余裕運転資金として(①資金使途・積算根拠)、xxxx円をx年で借入したい(②融資条件)。返済原資は今後の経営回復の利益で(③返済原資)」などと、①資金使途・積算根拠、②融資条件、③返済原資の3点を明確にすることが重要です。
また、場合によっては補助金を活用するなど資金調達の手段は色々あります。風邪や体調不良などと同じように、初期症状の段階で専門家を活用することで、自社の財政状態を早期に健全化させることができます。これが専門家を使う一番のメリットではないかと考えています。
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(取材協力:
株式会社アカウティングプロ)
(編集: 創業手帳編集部)