東京都で「非対面型サービス導入支援事業」の募集開始 3密対策に取り組む企業に最大200万円助成

創業手帳

非対面型サービス導入支援事業の概要とポイントを解説します

(2020/06/18更新)

3密回避の対策を進める東京都内の中小企業者を対象に、助成金を支給する「非対面型サービス導入支援事業」の申請が、2020年6月18日に始まりました。新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の影響を受けて、中小企業者に対して感染症拡大を防止するビジネスモデルへの転換を促すための支援です。

ソーシャルディスタンスが社会的なテーマになる中、企業の感染症対策は必須。これから非対面型のサービスを導入しようと考えている経営者にとっては、ぜひチェックしておきたい助成事業です。概要とポイントを解説します。

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非対面型サービス導入支援事業の概要

非対面型サービス導入支援事業の概要は以下のとおりです。




要件
助成対象者 都内の中小企業者(会社・個人事業主)
助成対象経費 非対面型サービスの導入にかかる経費の一部
助成対象期間 2020年5月14日~10月31日
助成率 助成対象と認められる経費の3分の2以内
助成限度額 200万円(下限額は50万円)
申請受付期間 2020年6月18~7月31日(郵送・必着)

それぞれ詳しく解説します。

対象となる事業

助成事業の対象となる事業は、以下の2つの条件を満たしている必要があります。

  • 2020年3月31日時点で、東京都内にて実質的に「対面型サービス」(顧客と直接顔を合わせて提供しているサービス)を行っていること
  • 「対面型サービス」で 提供しているサービス・商品を活用して、2020年5月14日以降に「非対面型サービス」(顧客と直接会わずに提供するサービス)を行うこと

助成の対象となる非対面型サービスは、例えば「小売店が新しくECサイトを作り、ネット販売を開始する」、「店舗にセルフレジを導入する」、「劇場や演芸場で、オンライン配信の有料サービスを始める」といった取り組みがあげられます。

一方で、非対面型でない取り組み(例:キャッシュレス決済を導入するだけ)や、もともとの事業に関係のない新サービスの開始(例:花屋がオンラインヨガ教室を始める)など、対象とならない取り組みについても細かく定められています。詳細は、東京都中小企業振興公社が公開している募集要項で確認しましょう。

対象となる経費

助成の対象となる経費は、以下の1~5の条件を満たしている必要があります。

  • 助成対象の取り組みを実施するための必要最小限の経費
  • 助成対象期間内に 発注または 契約、取得、実施、支払いが完了する経費
  • 助成対象(使途、単価、規模、数量など)が報告書類(写真、帳簿類など)により確認でき、かつ、非対面型サービスの導入に関わるものだと明確に分かる経費
  • 財産取得となる場合は、所有権(ソフトウエアの場合は著作権)などが助成事業者に帰属する経費
  • 委託内容を主要業務とする業者に直接委託・契約するもの

対象となる経費の区分は、4種類あります。

備品購入費

非対面サービス導入に直接必要な備品の購入にかかる経費。

備品・リース費

非対面サービス導入に直接必要な備品のレンタル・リースにかかる経費。

委託・外注費

非対面サービスを導入するために、自社内では直接実施できない業務を、外部の事業者などに依頼する場合に必要な経費。

販売促進費

非対面型サービスの広報を目的に、外部の事業者などに委託して行う取り組みにかかる経費。以下の1~4のいずれかに該当する経費が対象となります。

  • パンフレット・チラシ・ポスターの印刷(新聞折込代・ポスティング代含む)
  • 雑誌等紙媒体への広告掲載
  • ウェブサイトへの広告掲載(バナー・リスティング広告のみ可能)
  • ホームページの構築または改修

助成限度額の算出例

例えば、助成対象となる経費が600万円(税抜)だった場合、助成限度額の計算例は以下の通りです。

600万円×助成率2/3=400万円
400万円>200万円となるので、上限額200万円(限度額)まで支給。

200万円を超えた部分は自己負担となるので、この場合400万円が自己負担分となります。

申請に必要な経費の最低金額は?

助成事業の申請下限額は50万円です。経費総額の2/3が、50万円以下になると支給の対象となりません。つまり、最低で75万円(税抜)以上の経費が発生している必要があります

助成対象期間

助成対象期間とは、助成対象となる契約、取得、実施、支払い等を実施する期間を指します。つまり今回の場合、2020年5月14日~10月31日の間に発生する経費について助成金が支給されます。

例えば、契約日が5月14日より以前の場合や、支払いが10月31日以降になる場合は申請の対象とならないので、注意しましょう。

画像は非対面型サービス導入支援事業の募集要項より

申請に必要な書類一覧

法人が非対面型サービス導入支援事業を申請する際に必要な書類は、以下の通りです。

  • 申請書・誓約書(実印の押印が必要)
  • 申請費用の根拠となる資料(価格表、見積書、カタログなど)
  • 登記簿謄本
  • 納税証明書(事業税・住民税どちらについても必要)
  • 直近1期分の確定申告書(法人税申告書)

創業手帳アドバイザーがポイントを解説!

創業手帳アドバイザーが、非対面型サービス導入支援事業のポイントを解説します。

「非対面型サービス導入支援事業は、オンライン対応に使うためのPCやタブレット、カメラ等の購入・リースにかかった費用も対象となるため、ツールの導入を考えているのであれば、ぜひこの機会に申請したい助成金です。

募集要項に”予算額に達した場合は、提出期間中であっても締め切ります”とある点がポイントです。言ってしまえば”早いもの勝ち”の形になっています。申請書類は事務局に到着した順に内容を確認し、不備・不足がないことを確認できたものから審査するとのことなので、ミスなく書類を用意する必要があります。導入したい方は、早めに申し込みをしましょう。」

対象要件は複雑。詳細のチェックを

非対面型サービス導入支援事業の対象条件は、各区分について、対象とならないケースの指定や、注意事項が細かく定められています。東京都中小企業振興公社が公開している募集要項をしっかり読み、申請しようとしている経費が助成の対象になるかどうか確認した上で申請しましょう。

また、無料で利用できる資金調達手帳では、助成金を始め経営者が活用できる資金調達の手段をまとめて解説しています。調達のコツなども紹介していますので、ぜひ活用してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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