ChatGPTで事業計画書を作ろう!プロンプト例や作成時の注意点などをご紹介
ChatGPTを活用して事業計画書作成を効率化しよう
経営者にとって、事業計画書を作成するのにハードルの高さを感じている人もいるかもしれません。
しかし、事業計画書は補助金申請や金融機関から融資を受けたい時にも重視される傾向にあるものです。
事業計画書を効率的に作成するなら、ChatGPTの活用がおすすめです。
今回は、ChatGPTで事業計画書を作成する際のプロンプト例や、作成時の注意点についてご紹介します。
事業計画書の作成に頭を悩ませている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
ChatGPTを使用する前に!事業計画書の作成方法をおさらい
ChatGPTで事業計画書を作成する前に、まずは事業計画書の作成方法についておさらいをしておいてください。事業計画書に盛り込む内容は以下のとおりです。
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- 事業計画におけるアウトラインの作成
- 市場規模・トレンドの分析
- 自社製品・サービスと競合との比較
- 自社分析
- 新規事業の強み・戦略の提示
- 顧客獲得・維持率を向上させる戦略の提示
- 資金調達・投資回収計画の作成
- 事業計画の目標達成に向けた課題と対処方法の提案
事業を進めていく中で必要な情報を詰め込んだ書類となるため、事業を全体的に捉えられ、整理する際に役立ちます。
また、事業の見える化をすることで、自分だけでなく従業員などにも共有しやすくなります。
具体的に事業計画書の作成方法について知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
ChatGPTでの事業計画書作成に使う「プロンプト」作成のコツ
作成に手間と時間がかかる事業計画書ですが、ChatGPTを活用することで効率的に作れるようになります。ChatGPTを使いこなすためには「プロンプト」が必要です。
プロンプトとは、ChatGPTのAIに向けて入力・処理などの動作を促すための指示になります。 プロンプトを入力することで、その指示に従い文章を作成していきます。
ChatGPTのプロンプトに関して、より詳しく知りたい方は以下の記事もぜひご覧ください。
ChatGPTでプロンプト作成時の注意点
ChatGPTでプロンプトを作成する際は、以下の点に注意が必要です。
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- 最初に指示を出す
- 指示内容はなるべく明確かつ詳細に書く
- 出力形式を指示する
- 回答の具体例を提示して形式を微調整していく
- 形容詞を使った指示は控え明確な数値を使う
- してはいけないことを指定するのではなく、すべきことを指示する
- 一度にすべて作成しようとしない
特に指示内容に関しては、抽象的な内容だとAIが指示を推測してしまい、間違った出力をしてしまう場合もあります。そのため、なるべく具体的な内容で指示を出すことが大切です。
上記のポイントを押さえて、ChatGPTで事業計画書作成に取り組んでみてください。
ChatGPTでの事業計画書作成に使うプロンプトに入れるべき内容
実際にChatGPTで事業計画書を作成する場合、自社の情報について詳しく伝える必要があります。
ここで、プロンプトにはどのような内容を入れることで、事業計画書の作成につなげられるのか解説します。
業界・市場状況
自社が現在事業を展開している主な業界や市場の概要について記載していきます。
また、市場内で自社がどの立場にいるのか、市場規模や成長率はどれくらいなのか、競合他社、現在のトレンドなどを説明してください。
製品・サービス情報
次に自社製品やサービスの情報を記載していきます。
ただ製品・サービス情報を入力するだけではなく、例えばその製品をどういった人に向けて提供しているのか、他社の競合製品・サービスと比較してどのような特徴を持っているのかなど、優位性についても説明します。
企業戦略や目標
自社が掲げる目標や将来に向けたビジョンとミッション、長期的な目標に加え、短期的な目標も入力していきます。
企業戦略を示すことで、企業全体の方向性を示すことが可能です。
組織の規模・構造や体制
組織がどれくらいの規模で運営しているのか、組織の構造・体制はどうなっているのかを入力します。
各部署の役割やチーム・部門間での協力体制についても説明しておくと良いかもしれません。
財務に関する情報
現状の財務に関する情報も入力していきます。財務に関する情報には売上高や利益・負債に加え、将来的な収益の予測や投資計画、資金調達計画なども含まれます。
顧客情報
自社の製品・サービスを利用する主な顧客層や顧客ニーズも入力してください。
また、顧客満足度や顧客維持率、顧客エンゲージメントなどの具体的な数値も伝えておきます。
課題・リスク
自社が事業を手掛けていく中で起こり得る課題やリスクについて入力していきます。
また、課題・リスクに対して現在自社が取り組んでいることや、万が一の事態が発生した場合の想定される影響なども伝えます。
自社の強み・弱み
自社が他社にとって競争上優位に立っていることを示します。
例えば、特許技術や人材、生産ライン、ブランドイメージなどです。これら以外にも強みがあればすべて書き出していきます。
また、自社の弱みを伝えることも大切です。技術や人材不足、ブランド力の低下、財務上の問題などが挙げられます。
【活用方法】ChatGPTでの事業計画書作成に使うプロンプト例
ここまで、ChatGPTのプロンプトを作成するコツについてご紹介しました。
ここからは具体的にどういったプロンプトを入力すればいいのか、例を挙げてご紹介します。実際に事業計画書を作成する際にぜひ活用してみてください。
プロンプト例1・計画書の構成、骨子作成
「現在事業計画書を作成しています。事業計画書の構成・骨子を考えてください」
事業計画書に記載する大まかな流れはわかっても、構成・骨子を作成する際にはある程度具体的な見出しが必要です。
ChatGPTに上記のような事業計画書の構成・骨子作成をお願いすると、いくつかセクションに分けて構成・骨子を提示してくれます。
できあがった構成・骨子は必要に応じて項目の削除・追加をしつつ、自社の事業計画書作成に取りかかってください。
プロンプト例2・競合との差別化
「東京都渋谷区で10代~20代の女性をターゲットにしたカフェを運営する場合、他の店とどのような差別化を図ればいいですか?」
事業計画書を作成する上で、自社の強みを引き出し競合との優位性を示すことも重要です。
そこで、ChatGPTに新規で立ち上げる事業について説明し、どのように差別化を図るべきか提案してもらいます。
ここで提案してもらった内容を参考に、差別化を図るアイデアを事業計画書に取り入れることで、より具体性の高い事業計画書を作成することも可能です。
プロンプト例3・市場・トレンド分析
「不動産業界の中でも中古物件市場の規模とトレンドについて分析してください。」
新規事業を立ち上げた場合、市場規模とトレンドの調査は必須といえます。しかし、実際に調査をしようとするとかなり時間がかかってしまうかもしれません。
ChatGPTを活用してプロンプトを入力すれば、すぐに市場規模や価格動向、需要動向、トレンドなどを調べてくれます。
プロンプト例4・自社分析
「従業員●人規模で運営する小売業の中小企業です。SWOT分析で自社の強み・弱みなどを分析してください。」
SWOT分析は、自社の強みや弱み、機会や脅威を図れる分析手法です。事業計画書を作成する際に、自社分析が必要になります。
自社の情報をChatGPTに入力することで、強みや弱みなどを抽出してくれます。
より具体的な情報を説明すると、強みや弱みなども明確なものを提示してもらうことが可能です。
プロンプト例5・売上・利益の予測
「自社の商品(サービス)の売上・利益を試算してください」
売上げ・利益の試算もChatGPTに任せることが可能ですが、具体的な数値を多く入れてしまうと機密情報につながる恐れがあります。
しかし、プロンプトで「試算してください」と入力すると、試算するための手順と必要な情報を解説してくれるので、それに従って事業計画書に商品・サービスの売上や利益の試算を計算してみるのもおすすめです。
プロンプト例6・投資計画や資金調達計画の作成
「自社は新規事業の立ち上げに向けて資金調達を計画しています。資金調達計画書を作成してください。」
投資や資金調達を実施するためには、計画書の作成が必要です。
例えば、ChatGPTに資金調達計画書の作成を指示すると、計画書を作成する上で必要な項目と作成時のポイントまで解説してくれます。
プロンプト例7・目標達成に向けたスケジューリング
「事業目標として3年後に売上高1,000万円達成を掲げています。この計画を達成するための詳細なスケジュールを作成してください。」
事業計画書には、目的を果たすための具体的なスケジュールを示すことも大切です。
ChatGPTに上記プロンプトを入力した場合、1年目・2年目・3年目ごとにどのようなことをすべきかを解説してくれます。
ここで提示されたアイデアは事業戦略にも役立つでしょう。
プロンプト例8・対処すべき問題と解決策
「売上高1,000万円の事業目標を達成するために、対処すべき問題点と具体的な解決方法を提案してください。」
事業目標の達成に向けて様々な問題点が浮上してくるものです。ChatGPTに対処すべき問題点をピックアップしてもらい、その解決策を提案してもらえます。
事業計画書に記載するのはもちろん、実際に事業展開に向けて問題を抽出でき、事前に対策することでリスク回避にもつながります。
ChatGPTで事業計画書を作成する際の注意点
ChatGPTを活用すれば事業計画書も効率的に作成できますが、その一方で気を付けなくてはならないポイントもあります。
具体的にどのようなことに注意すべきか解説していきます。
最新情報は反映されていない
ChatGPTは高度なAI言語モデルで、膨大な学習データをもとに質疑応答や会話、要約などを行ってくれます。
しかし、常にリアルタイムで学習データを取り込んでいるわけではないため、最新情報は反映されていません。
特に無料版のGPT3.5は2021年9月時点までの学習データから回答を導き出しているため、それ以降の最新情報は反映されていないことになります。
一方、有料版のGPT-4 Turboは、2024年3月時点で2023年4月までの学習データを取り込んでいます。
情報が間違っている場合もある
ChatGPTは学習データに基づいて文章を生成していますが、場合によっては情報が間違っていることもあります。
学習データはそもそもインターネット上の情報なので、最初から誤った情報を学習しているケースもあり、生成する段階でアルゴリズムの理解力不足から間違った文章になってしまうケースもあります。
ChatGPTはあくまでも参考にする程度で活用し、すべてが正しい情報というわけではないことを理解しておくことが大切です。
判断が難しい場合は自分で正しい情報を調べてください。
明確な根拠がない文章になることもある
ChatGPTは明確な根拠のない文章を生成することもあります。
例えば、学習データに基づいて生成している場合でも、もとになった情報がそもそもサンプル数の少ないデータであるため、信頼性に欠けることもあります。
そのため、信頼できる文章として回答をそのままコピー&ペーストで活用するのは望ましくありません。
学習データのバイアスがかかる可能性がある
大量に学習したデータの中には、偏見やステレオタイプの意見も取り込まれている場合があります。
その結果、質問した時に不適切な回答やバイアスのかかった表現を生成する可能性もあります。
バイアスがかかった回答をそのまま用いてしまうと、企業に倫理的責任が問われるかもしれません。
事業計画書でもバイアスのかかった意見が含まれてしまうと、客観的な視点から判断していないと捉えられてしまう可能性が高いです。
機密情報が漏洩する恐れがある
ChatGPTで事業計画書を作成する際、自社の様々な情報を入力していけばより具体性のある事業計画書を作成できるようになります。
しかし、ここで機密情報を入力するのは避けてください。
ChatGPTはWebサイトで利用できるものであり、入力した情報はAIの学習やシステム改善に使われる場合もあります。
すると、入力した情報がそのまま登録されてしまい、ChatGPTを利用している人なら参照できる状態になってしまうのです。
また、万が一学習データが漏洩してしまった場合も、自社の機密情報も含めて漏れてしまう可能性はゼロではありません。
こうした理由から、機密情報や関連する情報については入力しないほうが良いです。
まとめ・ChatGPTのサポートで事業計画書を効率良く仕上げよう!
ChatGPTは、いくつか注意すべきポイントはあるものの、うまく活用すれば事業計画書の作成にかかる手間と時間を大幅に短縮できます。
ただし、注意が必要なこともありますので、今回ご紹介したプロンプト例なども参考にしつつ、効率的に仕上げてみてください。
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(編集:創業手帳編集部)