ビジネスでチャットツールを導入するメリットとは|5サービス徹底比較

創業手帳

自社に合うサービスを取り入れ、生産性をアップさせよう

(2020/04/01更新)

ビジネスの有効な連絡ツールである「チャット」。
社内外のやり取りをスムーズにし、時にはタスク管理まで行えるチャットツールは、上手に活用することで生産性を高めることにつながります。

今回は、ビジネスに特化した「ビジネスチャットツール」を導入するメリット・デメリットを解説した上で、導入にあたって参考にしていただきたい主要サービスの違いを比較しながらお伝えします。

導入の可否検討や、導入前の検討材料としてご活用ください。

ビジネスチャットツールとは

ビジネスチャットツールとは、SNSのような気軽さでテキストのやり取りができ、かつタスク管理や電話会議、ファイル送受信などの機能もあわせ持つコミュニケーションツールのことです。

「テキストベースでのやり取り」という点では、メールの代わりとなります。
しかし、メールではいちいち宛名や定型的なやり取りを含める必要がありますが、ビジネスチャットツールでは、チャットやSNSのように気軽にやり取りできるのが大きな特徴です。イメージとしては、LINEやMessengerの使用感と近いです。対面や電話でやり取りしなくても、リアルタイムのコミュニケーションが可能になります。この特性から、リモートワークや在宅勤務など、さまざまな働き方を後押しするツールの1つとして注目を集めています。

もちろん個人のSNSをビジネス用として用いるケースも考えられますが、ビジネス用にチャットツールを導入することで、プライベートとビジネスを切り分けることができます。

ビジネスチャットツールでできること

ビジネスチャットツールの主な機能は、先述の通り「テキストベースでのコミュニケーション」です。いちいち名乗ったり挨拶文(「いつもお世話になっております」等)を書いたりしなくていいので、スムーズに要件を伝えられます。また、時系列で会話が記録されるので、メールと比べて後で内容の振り返りがしやすいです。

ビジネスチャットツールの機能はこれだけにとどまりません。

テキストのやり取りだけでなく、データの送受信もできます。データ送付のためにメールを作成したり、別の場所にアップロードする必要はありません。テキストチャットだけでなく、音声や映像でやり取りすることも可能で、対面で仕事をしているようなリアルタイム感を得ることができます。

また、タスク管理機能をあわせ持つサービスもあります。自分だけでなく、チャットの相手とタスクを共有すれば、お互いに進捗を共有することもでき、チームで行う業務の円滑化にもつながります。

ビジネスチャットツールの導入方法

ビジネスチャットツールを導入するにあたっては、まず導入するサービスを決めます。さまざまなチャットツールがあり、機能や使い心地、値段も違うので、複数のサービスを見比べて試してみるのが大切です(本記事では、主要サービスの比較も掲載しているので参考にしてください)。

導入するサービスが決まったら、アカウントを作成し、やり取りしたい相手との連絡先を交換します。自分だけが導入してもチャットツールとしては意味を成さないので、まわりを巻き込んで導入を進める必要があります。

ビジネスチャットツールを導入するメリット


ここでは、実際にビジネスチャットツールを導入することで得られるメリットをまとめて紹介します。

素早いコミュニケーションが可能になる

ビジネスチャットツールはクラウドサービス(インターネットを通じて、サービスを必要なときに必要なだけ利用できるサービス)がほとんどなので、インターネットにつながる環境であればいつでも・どこでも確認できます。そのため、素早いコミュニケーションが可能になります。また、メールのように「型」に沿って内容をまとめる必要がないため、まるで対面で会話しているようにやり取りが進み、コミュニケーションが円滑になります。場合によっては、チーム内の人間関係構築の手助けとなり、相談しやすい環境も生まれるかもしれません。

情報共有レベルを上げることが出来る

素早いコミュニケーションができるということは、お互いに連絡することへのハードルが下がるということです。社内やチーム内の情報共有レベルが上がるので、業務の見える化が進み、仕事のやりやすさにつながります。また、タスク管理も紐付けられれば、進捗状況の共有も簡単になり、お互いの困っていることもすぐに連絡しやすい環境が得られるので、生産性アップも期待できます。

外部とのやり取りがしやすくなる

ビジネスチャットツールの恩恵を受けるのは、社内のやり取りだけではありません。社外の人でも同じツールを使っていれば、社内のユーザーとも同じように気軽にやり取りすることができます。やり取りがスムーズになることは会社間でもメリットが多く、他社との差別化につながる可能性があります。

ビジネスチャットツールのデメリット

ビジネスチャットツールは非常に便利ですが、その一方でデメリットもあることを抑えておきましょう。

社内で利用を推進し、浸透させる必要がある

メールや電話に変わって新しいツールを導入することになるので、浸透までに時間がかかります。どうしても慣れているほうの手段で連絡してしまいがちですから、メール・電話とチャットを併用すると情報の行き違いが発生する可能性も考えられます。一部の人だけが導入してもメリットを享受できないので、導入する際には全社的に行う姿勢が求められます。

過去の履歴を遡りづらい場合がある

例えばLINEでのやり取りを思い出してもらうと分かりやすいですが、過去にどのような話をしたかを見つけにくいという側面があります。特に、長文のやり取りや時間をまたいだやり取りには不向きなので、別の対策(話題ごとにスレッドやチャットルームを分けるなど)を講じる必要があります。

ビジネスチャットツール5社を徹底比較!

ここまで、ビジネスチャットツールのメリットとデメリットを解説しました。しかし、いざ導入しようとすると、どのサービスが良いのか検討するのは大変ですよね。

そこで、主要なビジネスチャットツール5社を、同じ基準で比較してみました。以下の内容を参考に、社内で検討を進めてみてください。

Chatwork


「クラウド会議室」というウリ文句の通り、チャットだけでなくビデオ会議システムとしても使えます。担当者と締め切りを指定したタスク管理ができるのも特徴です。

  • 料金体系
  • 無料プランあり(グループチャットやストレージの容量に制限)
    有料プランとしては、個人向けの「パーソナル」、組織で導入用の「ビジネス」、管理機能を強化した「エンタープライズ」の3種類

  • 有料プランの価格(1人当たり1ヶ月の価格)
  • パーソナル    400円(1ユーザー/月)
    ビジネス     500円(1ユーザー/月)
    エンタープライズ 800円(1ユーザー/月)

  • 最低利用人数
  • ビジネスプラン、エンタープライズプランは5人~

  • 導入する際の注意点
  • 「既読」かどうかわからないので、内容を見てもらえたかどうかがわからない。

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Wantedly Chat


自分宛てのやり取りをメンション表示(グループチャットでも読んで欲しい個人を特定し通知する機能)し、かつそれを一覧表示してくれるのが特徴。情報のやり取りが増えても、重要な内容を見逃さずに済みます。また、小規模なビジネスであれば無料で十分に活用できるのが大きなメリットです。

  • 料金体系
  • 無料プランあり。無料でも、メッセージ数や利用人数、チャットグループ数に制限なし
    有料プランとしては、100人規模の会社用の「ビジネス」(アカウント管理機能が強化)と、500人以上の組織向けの「エンタープライズ」の2種類

  • 有料プランの価格(1人当たり1ヶ月の価格)
  • ビジネス     400円(1ユーザー/月)
    エンタープライズ 個別に相談

  • 最低利用人数
  • 1人~
    ビジネスプランの目安は100人~、エンタープライズの目安は500人~

  • 導入する際の注意点
  • チャット機能に特化しているので、タスク管理や動画でのやり取りなどの機能を求める場合は機能不足な面もあり。

Slack


IT系の企業やエンジニアに支持されるのがSlackです。大きな特徴としては、カスタマイズ性の高さと、ソースコードの共有しやすさ(プログラムソースコードを投稿できる機能がある)があります。

  • 料金体系
  • 無料プランあり。ただ、アクセス可能なログが直近1万件、ビデオ通話は1対1のみなど制限あり
    有料プランとしては、スタンダード、プラス、エンタープライズグリッドの3種類。スタンダードプランで無制限にチャットツールとしての機能が利用でき、それ以上のプランでは管理機能やサポート機能が充実しています。

  • 有料プランの価格(1人当たり1ヶ月の価格)
  • スタンダード       960円 (アクティブな1ユーザー/月)
    プラス          1,800円(アクティブな1ユーザー/月)
    エンタープライズグリッド 個別問い合わせ

  • 最低利用人数
  • 規定なし
    ただし、アップグレードを希望する場合、ワークスペース(チャットルームのようなもの)の中で1人だけアップグレードはできず、メンバー全員がアップグレードする必要あり

  • 導入する際の注意点
  • Chatworkと同じく既読機能はない。フリープランでは過去ログの表示件数に上限があるため、フリープランのままの利用継続は難しく、いずれアップグレードが必要。また、タスク管理機能はないため、別のツールを併用する必要があり。

Zoho Connect


チャットでのやり取りだけでなく、業務効率化の面でもビジネスを後押ししてくれそうなサービスです。4種類のコミュニケーションの場が用意されていて、内容に応じて適切なチャネルを選ぶことができます。また、すぐに返信がほしいときなどに使えるクイックチャット機能もあります。グループ単位でのビデオ通話も可能です。

  • 料金体系
  • 無料プランあり。(グループの数などに上限あり)
    有料プランは、すべての機能を無制限で利用可能。料金は従量課金制。

  • 有料プランの価格(1人当たり1ヶ月の価格)
  • 25ユーザーまでの利用     3,000円(月)
    26~100ユーザーまでの利用    120円(ユーザー/月)

    101ユーザー以上の利用は、大規模チーム向け料金があるので別途見積もりを取る必要があります。(個別計算)

  • 最低利用人数
  • 規定なし

  • 導入する際の注意点
  • 基本は社内でのやり取りを前提としたチャットツール。外部とのやり取りを行う場合は別の料金体系となるため、併用が難しい。

Microsoft Teams


マイクロソフトがリリースしたチャットツールです。ドキュメント管理や会議のスケジュール機能が充実していて、グループウェアのような使い方ができるのが特徴です。

  • 料金体系
  • 無料プランあり。(ストレージ容量に制限あり)
    有料プランは、エッセンシャルとプレミアムの2種類。使える機能はほぼ同じですが、プレミアムはサポート機能が充実しています。

  • 有料プランの価格(1人当たり1ヶ月の価格)
  • エッセンシャル  540円(ユーザー/月相当)※年間契約のため
    プレミアム   1,360円(ユーザー/月相当)※年間契約のため

  • 最低利用人数
  • 規定なし

  • 導入する際の注意点
  • ブラウザ版は利用できる機能に制限があり、電話会議などの場合は別途デスクトップアプリをダウンロードする必要がある。

ビジネスチャットツール比較表

今回紹介した5つのサービスの違いを簡単に表でまとめました。参考にしてください。

料金体系 有料プランの価格(1人当たり1ヶ月の価格) 最低利用人数 タスク管理 ビデオ通話
Chatwork 無料・有料3プラン 400円~ 無料プランは規定なし、有料は5人~ あり あり
Wantedly Chat 無料・有料2プラン 400円~ 無料プランは規定なし、有料プランの目安は100人規模~ なし なし
Slack 無料・有料3プラン 960円~ 規定なし なし あり
Zoho Connect 無料プランあり、有料プランは従量課金制 5ユーザーまで月3,000円、26~100ユーザーは1ユーザーあたり120円 規定なし あり あり
Microsoft Teams 無料・有料2プラン 540円~ 規定なし なし あり

まとめ

ビジネスチャットツールを導入することで、コミュニケーションコストが下がり、業務をスムーズに進めることができます。より良いチーム運営のため、生産性アップのため、自社にあったサービスの導入を検討してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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