南九州の起業支援をバッチリ取材! -九州縦断 起業を学ぶ自転車旅③-

創業手帳

創業手帳インターン青野による、自転車での九州縦断レポート<都城市-鹿児島市編>

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(2015/06/23更新)

こんにちは!創業手帳インターンの青野です。九州での自転車旅も、3日目を迎えました。先日、崎田市長インタビューをはじめ、日南市の起業の最前線を取材した私は、その足で山を越え、霧島酒造のお膝元・宮崎県都城市に到着しました。3日目は、都城市を取材後、約70km先の鹿児島市を目指します!

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注目の起業エリア・宮崎市を取材してきました!<宮崎市編>
日南市で﨑田市長にインタビューしてきました!<日南市編>

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中心市街を創業で活性化:都城市役所

インタビューには、都城の魅力を全国の起業家に紹介するため、市のPR部長「ぼんちくん」も駆けつけてくれました!

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ぼんちくん:「昔はあんなに活気があったのに、最近はなかなか人が来てくれないなー。駅前の中心市街、どうやったら人が来てくれるかなー?」

ぼんちくんの言う通り、中心市街の活性化は、自治体の悩みの種の代表選手ではないかと思います。都城市では、そんな「自治体の強敵」に対抗すべく、「都城市チャレンジショップ」という取り組みを行っているそうです。チャレンジショップについて、都城市商工観光部の皆さんにお話を伺いました。

商工観光部:「『チャレンジショップ』では、市の審査にパスした新規創業者に、3坪ほどの小さな店舗を1年間貸し出します。家賃は月1万円!創業時の支出とリスクを抑えながら、新事業にトライアルしてもらおうという訳です。また、チャレンジショップの店舗は商業施設『都城オーバルパティオ』内にあり、買い物にやってきたお客さんが立ち寄ったり、オーバルパティオと合同でイベントを行ったりできます。入居される企業の業種は様々ですが、特にサービス業での起業にはうってつけの環境だと考えています。」

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商工観光部の福園さんによると、チャレンジショップから巣立った起業家が実際に市街で事業を興したケースも多数あるそうです。起業家が実際に中心市街の活性化に貢献しているのですね。都城は「日本一の肉と焼酎のまち」だそうですが、「日本一の肉と焼酎、そして起業のまち」になったら、私としてはうれしいですね。

まだまだ眠る南九州のポテンシャル:中小機構南九州

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一般的に、九州のうち、長崎、佐賀、福岡、大分の四県を北九州、宮崎、鹿児島、熊本の三県を南九州と呼びます。自動車を中心とした工業を中心に発展した北九州に対し、南九州は北海道に匹敵する農業農産物出荷額を誇る農業大国です。また、農業の六次化や観光業、医薬など、様々なポテンシャルを秘めている南九州。起業家は、そんな宝の山を掘り起こす大事な存在です。南九州の今後を担う起業家を、中小機構南九州ではどのように支援しているのか、所長の野沢さんにお話を伺いました。

野沢さん:「中小機構は、起業から事業承継までのあらゆるフェーズで中小企業を支えるべく、12本の柱をもとに活動する国の機関です。起業については、『インキュベーション施設による支援』、ファンドによる『資金調達の支援』、『中小企業大学校による人材育成支援』、セーフティ―ネットとしての『小規模企業共済』などでサポートさせて頂いております。また、南九州では当該事務所の他にインキュベーション施設『くまもと大学連携インキュベータ』『中小企業大学校 人吉校』を運営しており、起業家の成功を支えています。

中小機構南九州が創業に関して支援するのは、起業家だけではありせん。金融機関や商工会議所など、『創業を手助けする支援機関』への支援も行っています。鹿児島市では商工会議所や金融機関、士業団体などが連携し、一丸となって起業家の支援にあたる体制がとられていますが、そこに対し、創業関連の施策情報を提供したり、経営相談をしたりと、いわば『先生の先生』的な役割を果たしているのです。表からは見えない、縁の下の力持ちという訳です。

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野沢さんによると、南九州の起業では、ITのような「デジタル」だけでなく、「アナログ」にも大きな市場があるということを忘れてはいけないそうです。南九州の豊富な農業や観光資源と起業家が合わさることで、今後どんなインパクトが生み出されるのか、今後も注目していきたいと思います。

桜島の麓から起業家を輩出!:鹿児島市役所

鹿児島市では「創業応援都市」として、県内で最も早く国の認定を受け、起業支援の施策を行っています。その施策の柱が、「ソーホーかごしま」「ソフトプラザかごしま」の二つのインキュベーション施設です。今回は、ソーホーかごしまにお邪魔して、その様子をレポートします。
ソーホーかごしま
ソーホーかごしまは、みなと大通りという中心市街の一角にあります。路面電車やバスが頻繁に行き来していて、交通の便の良さが魅力的です。近くには図書館や美術館もあり、ちょっとした調べ物や気分転換に良いと思います。個人的に驚いたのは、その大きさです。元新聞社のオフィスのワンフロアを丸々活用し、21部屋ものインキュベーションルーム、会議室、創業準備ブース、交流サロンなど、起業に関する様々な設備が揃っています。インキュベーションマネージャーが常駐していて、創業時の悩みをきいてくれるのもいいですね。

今回は、現在ソーホーかごしまに入居している、Grand Bless(グランブレス)代表の有川純一さんにもお話を伺いました。
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有川さん:「Grand Blessは、貿易業とメンタル業の二つの事業を行っています。前職では、海外で製作した建材などを輸入する商社マンでした。貿易業を転職と感じる一方で、海外の製作現場での教育などを通じて、ビジネスや会社の財産である『人』の重要さに気づきました。そこで、『人』を中心軸に、貿易業では人が癒される空間づくり、メンタル業では人の心と体の健康づくりを行う今の事業モデルが生まれました。一見関係なさそうな二つの事業も、実は密接につながっているんです。」

考えてみると、最近の病院は内装が華やかで、「癒しの空間」と「専門家による心理カウンセリング」が同居しているところが多いですよね。有川さんの活動によって、誰もが気軽に心のケアを受けられる「敷居の低い心理カウンセリング」が一般的になれば、社会にとって素晴らしいことだと思います。

有川さんは、「気づきの場や学びの場がないと、人は伸びしろを開花させることができない。」とおっしゃいました。「起業時の費用を抑えられる」「銀行や取引先に対して箔がつく」など、公設のインキュベーション施設で起業するメリットはいくつかあると思いますが、最大の利点は、実は同居する起業家同士の交流や、それによる気づき、学びが自分自身の成長につながるところにあるのかもしれませんね。

ソーホーかごしまは、原則3年、最長5年間利用できます。ビジネスや、自分自身の成長の場として、活用してほしいと思います。

3Dプリンターがあるオシャレコワーキングスペース:Brains Studio

Brains Studioは、天文館という鹿児島有数の繁華街にあるシェアオフィス・コワーキングスペースです。Brains Studioの様子をリポートします。

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Brains Studioは、コーディネートやプロデュース事業を行う「株式会社 創企堂」が運営しています。コーディネートのプロが運営するコワーキングスペースだけあって、ビルの入り口をくぐった瞬間から、オシャレでクリエイティブな空間が広がります。また、シェアオフィスには多くの起業家やソーシャルビジネス事業者が入居しているので、「社会を変える」ことを志す起業家のたまごにとって、またとない情報交換と成長の場になりそうです。

利用者向けの設備が充実していることも、Brains Studioの特徴の一つです。ホワイトボードやプロジェクターはもちろん、40インチの液晶テレビ、キッチン、そして3Dプリンターまであります。担当者の坂元さんによると、セミナーはもちろん、お酒の試飲会や食事つきのイベントなど、利用者の様々な要望に応えることが出来るそうです。ビジネスに、レクリエーションに、いろいろな用途で使ってみたいですね。

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Brains Studioでは、鹿児島の起業家だけでなく、県外からUターン、Iターンして鹿児島に新しい風を吹き込んでくれる起業家の皆さんもウェルカムだそうです。「創業応援都市・鹿児島」でのUターン、Iターン起業を考えている皆さん、ぜひ一度天文館のオシャレコワーキングに足をお運びください!

Brains Studio情報はeシェアオフィスで!

おまけ:鹿児島と桜島

霧島市の山道を抜け、海岸沿いを走って約30分。ふとある異変に気が付きました。「サングラスをしているのに、目がシバシバする…。」ふと顔をぬぐうと、手の甲が真っ黒に!そう、桜島の火山灰が舞っていたのです。

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鹿児島県民の皆さんによると、鹿児島と火山灰は、切っても切れない関係にあるそうです。火山灰のために、洗濯物は基本的に部屋干し、自転車も1週間に一度は掃除しないといけないそうです。更に、桜島が噴火したときには降り注ぐ火山灰による視界不良で車が運転できなかったり、雨が降ると泥状になった火山灰で足元が泥だらけになったり…。

大変なのは、産業への影響です。地理の授業の通り、桜島の火山灰からなるシラス台地は、水はけが良すぎるため稲作に向いていません。しかも栄養分が乏しいので、一般的に農業の難しい土地なのです。

しかし、鹿児島県民のご先祖様は、そんな厳しい環境にめげずに立ち向かいました。その代名詞が「サツマイモ」。農林水産省によると、鹿児島県は、日本のサツマイモの約4割を生産する、言うなれば「サツマイモ大国」なのです。更に、鹿児島県のサツマイモは飼料や焼酎の原料として利用され、黒豚や「黒霧島」など、全国的に有名なブランドを生み出しました。

不便さや逆境をものともせず、むしろそれを上手に活用して発展してきた鹿児島。このありようは、起業家にとって成功のヒントになりそうですね。

(創業手帳編集部:青野)

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