空き家を活用する12の方法!最新アイデアを成功事例とともに紹介
アイデア次第で空き家をうまく活用することも可能!
空き家の増加が社会問題となっていることは多くの人が耳にしているかもしれません。
空き家が増えている要因として人口減少や高齢化、都市部への集中といった要因があげられます。
空き家はそのままにしておくと治安が悪化するリスクがあり、地域全体の課題として注視されています。
ネガティブな印象で語られがちな空き家もアイデア次第で、新しい価値を生み出すことが可能です。空き家を活用するためにどのようなアイデアがあるのか紹介します。
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この記事の目次
空き家活用のアイデア集【12選】
日本にある空き家は増加し続けていて、火災や犯罪のリスクから社会問題とされています。空き家を資源として活用するためのアイデアをここでは12選紹介します。
空き家の大きさや状態によって選べるアイデアは違うので、どれが適しているか考えてみてください。
賃貸物件
空き家の活用法として最も簡単なものは、そのまま賃貸物件にすることです。一戸建てはファミリー層からの需要が高く、安定した収入につながる空き家活用です。
ただし、空き家を改修なしでそのまま貸し出せるとは限りません。リフォームやリノベーションが必要な場合もあります。
賃貸に出せるまでにどれだけの費用がかかるのか、貸し出すとしてどれだけの家賃が見込めるのかまで考えて空き家利用を検討してください。
サブスク住宅
サブスク住宅とは、「サブスクリプション(subscription)住宅」の略称です。定額の料金を支払って利用する住宅をいいます。
所有者は、サブスク住宅の施設として空き家を登録して、利用者のマッチングがあれば希望期間に応じて貸し出す仕組みです。
サブスク住宅をマッチングする業者は複数あるので対応エリアなどを比較して選ぶようにしてください。
コワーキングスペース
テレワークの推進やインターネット技術の発展により、シェアオフィスやコワーキング施設の需要が高まっています。
コワーキングスペースであれば、管理の手間も少なく、戸建てからでも比較的少ない改修ではじめることが可能です。
コワーキングスペースは、都市部だけでなく郊外や地方でもニーズが見込まれます。
高額な設備を導入しなくてもはじめられるので、初期費用を抑えたいと考えている人におすすめの空き家活用です。
レンタルスペース
空き家はレンタルスペースとして活用する方法もあります。例えばヨガ教室やダンススクールのレッスン場所としてレンタルスペースが使われています。
レンタルスペースは、需要に対応するための設備も必要です。ヨガやダンスであればクッションフロアなどの床材や大きな鏡、音響設備などが必要となるかもしれません。
また、近隣の迷惑にならないような防音工事も必要です。
民泊
民泊とは、個人の自宅やマンションを他人に有償で貸すビジネスです。多くの民泊は、インターネットの仲介サイトを利用して、貸し出しを行っています。
民泊が注目されるようになった背景には、訪日外国人観光客の増加があります。
訪日外国人の増加によって、宿泊施設の不足が問題になり、その受け皿をして民泊が注目されました。
民泊に適しているのは、観光地にアクセスしやすい場所にある空き家です。また、古民家も外国人から人気を集めています。
駐車場
空き家はあるものの、改修費用は大きくかけられないといった場合には、駐車場経営が可能です。
駐車場であれば、建築の費用はかからないので比較的少額ではじめられ、月極駐車場やコインパーキングを経営することによって、安定した収入が期待できます。
また、管理の手間をかけられない場合にも駐車場経営であれば専門の運営会社に貸す方法があります。
すでに空き家が老朽化していて活用が難しい場合には、駐車場も検討してみてください。
カフェ・バーなどの飲食店
空き家の中には、歴史があってほかにはない雰囲気のものもあります。その雰囲気や古さを活用してカフェやバーといった飲食店を経営する活用法も検討してください。
こじんまりとしたカフェやバーであれば、土地が狭くてもはじめやすく、キッチンスペースも最小限で十分です。
飲食店とイベントスペースを兼ねて地域活性化の拠点としたケースもあります。
シェアハウス経営
シェアハウス経営は、ひとつの物件を複数人に貸し出して運用します。空き家をシェアハウスにするには、共用スペース以外に個人の部屋を整備しなければいけません。
定期的な賃料収入が見込まれるものの、入居者同士のトラブルが起きてしまう可能性もあります。管理の手間が増える可能性も考えてからスタートしてください。
地域の福祉施設
空き家から福祉施設に転用されるケースも推進されています。
今までは福祉施設は多くの利用者に対応するために大きな施設が好ましいとされてきましたが、近年より小規模で目が届きやすい福祉施設も関心を集めています。
具体的には、認知症高齢者向けのグループホームや居宅介護施設、高齢者デイサービスなどへの転用が行われています。
福祉施設の場合には、手すりの設置といったバリアフリーの改修も必要です。
介護施設として建築や改修をする場合、補助金制度が利用できるほか、固定資産税などの税制面での優遇措置が受けられます。
ただし、福祉施設の経営は法的な制限やサービスのコストの問題もあるので専門家に一度相談することをおすすめします。
トランクルーム
トランクルームは、荷物を預かる倉庫を運営するビジネスです。
特に都市部では家の収納スペースが少なくなりがちなので、トランクルームの需要が期待できます。契約は月額性が一般的です。
トランクルームには屋外にコンテナを設置して貸し出す屋外コンテナ型と建物内に収納スペースを作る屋内型があります。
屋外コンテナ型は、施工が簡単で設置スペースさえあればコンテナを設置するだけで準備が整います。
屋内型も設置場所さえ確保できれば建築工事は不要です。空き家の広さや構造からどちらが適しているか検討してください。
コミュニティスペース
空き家を地域活性化のために利用する例として、コミュニティスペースの設置があります。
コミュニティスペースとは、地域の人々が交流することを目的としたスペースです。
コミュニティスペースとしてカフェにしたり、勉強やイベントスペース、シャアオフィスにしたりと活用法はいろいろあります。
収入源となる上、地域の人々のつながりを生み出す活用法です。
サウナ
空き家をサウナとして活用する方法もあります。個室型貸し切りサウナは、大規模なサウナと違ってプライベート感が魅力です。
古民家を利用したサウナや宿泊施設を備えたサウナも注目を集めています。
ただし、サウナ施設は設備に費用がかかります。水質管理や衛生管理も事前に勉強しなければいけません。サウナ愛好家でサウナの専門的な知識があれば、適した活用法です。
空き家を活用して成功した4つの事例
空き家はアイデア次第で様々な活用が可能です。ここからは、実際に空き家を活用して成功した事例を4つ紹介します。
1.駐車場として活用した事例
空き家の中には、管理されることなく放置されていたものもあります。この事例では、所有者が片づけを重荷に感じて土地を持て余していました。
草木の手入れにも手間がかかっていたため、駐車場としての活用が決まりました。管理の手間が少なく、土地を有効活用できる手段として駐車場が選ばれた事例です。
2.サテライト・シェアオフィスとして活用した事例
企業が空き家を活用した例として滋賀県米原市でサテライト・シェアオフィスとして活用した事例があります。
企業が拠点について市に相談を持ち掛けて、空き家バンクに登録してある物件が見つかりました。
地域理解を得るために自治会との協議や合意を形成したのちに、シェアオフィスとして入居した事例です。
戸建ては、コワーキングスペース・個室・会議室・キッチンを備えたシェアオフィスとして改修されました。
駅前である立地を活用して事業展開の始点として空き家が活用されています。
3.宿泊施設・レストランとして活用した事例
兵庫県丹波市にある築100年超えの古民家について、宿泊施設、レストランとして活用した事例の紹介です。
この事例では、専門家に相談して古民家3棟の改修と2棟の宿泊施設を新設して宿泊施設とレストランを運営しています。
耐震、断熱、内外装、設備などの改修を実施しており、総事業費は2000万円以上です。
空き家対策総合支援事業や地方創生推進交付金、兵庫県古民家再生促進支援事業を使って改修を進めました。
所有者と企業が使用貸借契約を結び、地方自治体が補助を行った事例です。
4.親子の交流拠点として活用した事例
北海道の妹背牛町では、増加している空き家を活用して子育て世代の要望を取り入れた子育て世代交流施設を整備しました。
子育て世代から、要望を聞き取った上で町内の業者から企画提案を受けて実現した計画です。
整備内容は24時間換気システムや子ども用のトイレ、手洗い場のほか、遊び場も含まれています。
滑り台やトンネル、ハンモックネットなどを備えて、親子がいつでも集まって交流できる施設が完成しました。
子育て環境を充実させ、子どもにやさしい地域づくりに貢献する事例です。
空き家活用で失敗しないためのポイント
空き家活用は、成功すれば利益の源泉になるも野の、失敗するリスクもあります。失敗すれば、赤字を抱えたり、トラブルに巻き込まれたりするかもしれません。
ここからは空き家活用で失敗しないために押さえておきたいポイントをまとめました。
空き家の状態や地域の法令などを確認する
空き家活用を考えた時、まずは空き家の状態を正確に把握することが重要です。
建物がどういった構造で設備の状態はどうか、すぐに利用できるか修繕が必要かといった点をチェックしてください。
見た目だけでは判断が難しい場合もあるので、可能であれば専門家に診断してもらったほうが良いでしょう。
空き家が相続や共有名義だった場合には活用に関して関係者の同意も必要です。
将来のトラブルを避けるためにも事前に話し合っておきます。さらに地域の法令などがわかっていない場合には確認しておきます。
用途地域や建築基準法、消防法などの法規を調べて計画している空き家活用が可能かどうか調べなければいけません。
特に建物を大きく改修したり、用途変更がある時には事前に行政に相談してください。
初期費用・維持管理費用の見積もりを立てる
空き家の状態を把握して空き家活用にかかる時間は費用を見積もります。
空き家の修繕や改修といった初期費用とともに、維持管理、メンテナンス費用を計算してください。
初期投資とランニングコストが計算できれば、何年で初期投資を回収できるかがわかります。
空き家もメンテナンスをすれば長く活用できますが、ずっと使えるわけではありません。何年間運用して最終的にどうするのかも計画しておくようにしてください。
最終的に解体や建て替えを予定する場合には、前もって収入から費用を積み立てておくようにおすすめします。
自治体の補助金制度を活用する
日本の空き家問題は、深刻化が進み、多くの自治体では補助金はサポートの制度を用意しています。
具体的には、空き家活用動産や解体費用の補助、改修費用の補助などです。
例えば、セーフティネット登録住宅の改修費支援は、セーフティ登録住宅の所有者に対して国や地方自治体が改修費用の補助を行うものです。
また、空き家マッチングサイトに登録した物件をリフォームする時に工事費用について補助金を受け取れる制度が実施されている自治体もあります。
空き家活用の際には、利用できる補助金制度がないか自治体の制度を調べてみてください。
地域のニーズに合う活用方法を選択する
空き家の活用法が、地域のニーズを満たしているかどうかも重要です。空き家の立地や周辺の環境によって適したビジネスモデルが違います。
観光地からのアクセスが良ければ、宿泊関係のニーズがあるかもしれません。
立地が悪くて宿泊や賃貸のニーズが確保できない場合でも、収納スペースとして貸し出す方法もあります。
まとめ・空き家活用のアイデアは多種多様!自分に合った方法を見つけよう
空き家には様々な活用法があり、アイデア次第で大きな利益を生み出すことも可能です。賃貸や民泊といった活用であれば、定期収入を生み出します。
また、活用するために管理することによって建物の資産価値の向上や維持につながるかもしれません。どういった活用法があるのか自分に合った方法を見つけてください。
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(編集:創業手帳編集部)