注目のスタートアップ

核医学ベンチャーの「AMS企画」が1.9億円調達

company

2025年6月30日、AMS企画株式会社は、総額1億9000万円の資金調達を発表しました。

AMS企画は、核医学を基盤としたセラノスティクス技術を開発・提供する北海道大学発認定スタートアップです。

核医学分野において、独自のビジネスモデル「AMS Growth Flywheel」を通じて、セラノスティクス事業とエンジニアリングソリューション事業を展開しています。

セラノスティクス事業では、68Ga-PSMA-11などのPET診断薬の開発・導入を推進しています。また、アスタチン211(211At)等を用いた新規RI治療薬の国際治験プロジェクトも計画しています。

エンジニアリングソリューション事業では、放射性リガンド療法に伴うRI排水処理装置の開発・提供を行い、医療機関の放射性廃棄物管理の効率化と安全性向上を支援しています。

今回調達した資金は、68Ga-PSMA-11の日本導入に向けた推進、RI排水処理装置の製品化と国内外の医療機関への導入支援、アスタチン211を用いた新規RI治療薬の研究開発、エンジニア、薬事、事業開発人材の採用強化に活用します。


核医学とは、放射性同位元素(ラジオアイソトープ、RI)を使い、体の内部の状態や機能を可視化・診断・治療する医学の分野です。近年はとくにがん治療で急速な発展が見られており、さらなる成長が期待されています。

ほかにも、次世代の画像診断装置、新薬開発の効率化などのインパクトも期待されています。

国内における核医学の発展には大きな可能性がありますが、現時点ではいくつか構造的・制度的な課題が立ちはだかっています。

たとえば、核医学の要の存在であるRIの多くは輸入に依存しており、供給不安定性が課題となっています。また、国内の製造インフラは未整備となっており、供給体制の確立が急務となっています。

ほかにも、放射性医薬品に関する医薬品・放射線の両面での規制が複雑であり、導入・運用の障壁となっているという規制・制度面の課題もあります。

こうした背景のもと、AMS企画は、セラノスティクス事業やエンジニアリングソリューション事業を展開し、核医学分野における課題解決と革新的医療の実現に貢献しています。

企業の成長には戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AMS企画 エンジニアリング セラノスティクス 医学 医療 株式会社 核医学 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

建築コンサルティング会社の「ナック」がメタバースを活用した住宅展示場を開発する「ARKLET」に出資
2022年9月7日、株式会社ナックは、株式会社ARKLETに対し、第三者割当増資を引き受け、出資したことを発表しました。 ARKLETは、仮想空間内の住宅内覧システム「Vuildee」を開発しています…
自走型ロープウェイ「Zippar」を設計・開発する「Zip Infrastructure」が3.1億円調達
2024年9月2日、Zip Infrastructure株式会社は、総額3億1000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 今回の資金調達により、累計調達額は15億円となりました。 Zip In…
「リウボウ」が「Shima&Co」に出資 シード・テクノロジーを活用したプロテインの商品開発・販売へ
2023年3月24日、株式会社リウボウは、Shima&Co株式会社に出資したことを発表しました。 Shima&Coは、共同創業者であるザック・ベル博士が沖縄科学技術大学院大学で開発した技術である「シー…
パーソナルスタイリングサービスを展開する「DROBE」が10.6億円調達
2022年11月30日、株式会社DROBEは、総額10億6,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 DROBEは、パーソナルスタイリングサービス「DROBE(ドローブ)」を展開しています。…
行動認識AIやAI警備システム「AI Security asilla」を手がける「アジラ」が資金調達
2024年3月5日、株式会社アジラは、資金調達を実施したことを発表しました。 シリーズCセカンドクローズとして合計3億円を調達しました。今回のラウンドの調達金額は合計7.6億円であり、累計調達金額は1…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集