注目のスタートアップ

プラスチックを燃料とした高推力で安心・安価な宇宙機用化学推進機(エンジン)を開発する「Letara」が6.5億円調達

company

2025年3月12日、Letara株式会社は、総額6億5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

今回の資金調達により、累計調達額は約18億円となります。

Letaraは、人工衛星などの宇宙機用推進機(エンジン)を開発する、北海道大学永田研究室発のスタートアップです。

プラスチックを燃料にした、高推力かつ安全で安価な宇宙機用化学推進機を開発しています。

今回調達した資金は、宇宙実証に向けた開発の加速に活用します。


2010年には約27兆円だった世界の宇宙ビジネス市場は、2023年には約54兆円にまで拡大し、さらに2040年には140兆円を超えると予測されています。

この急成長の背景には、超小型衛星の技術が進化し、それに伴って打ち上げコストが大幅に低下していることがあります。その結果、多くのスタートアップ企業がこの市場に参入しています。

人工衛星の打ち上げ数も急激に増加しており、経済産業省によれば、2011年には129機だった世界の打ち上げ数が2022年には2,368機に達しました。

このような状況から、宇宙機のサイズや運用方法が多様化しており、それに伴って多様な宇宙機用推進システムへの需要が高まっています。

たとえば、現在多く打ち上げられている小型人工衛星の多くは、軌道や姿勢を制御する推進システムを搭載していません。その理由として、高推進力を持つ液体燃料は爆発性や可燃性があるため、安全管理コストが高いことが挙げられます。一方で、安全性の高い燃料では十分な推進力を得ることができないため、小型人工衛星には推進系を搭載しないケースが多いのです。

もし小型人工衛星が姿勢を制御できるようになれば、より高精度な観測や通信が可能になるほか、宇宙デブリとの衝突を避けたり、使用済みの際に自身を大気圏に再突入させて廃棄することで、宇宙デブリ化を防いだりすることができます。

こうした課題に応えるべく、Letaraはプラスチック燃料を使用した高推力で安全かつ低コストの推進システムを開発しています。

事業の拡大には戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB Letara エンジン プラスチック ロケット 人工衛星 北海道 北海道大学 大学発スタートアップ 宇宙 宇宙ビジネス 宇宙機 推進系 株式会社 燃料 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
家族を従業員にする4つのメリットと注意するべきポイント
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
合同会社とは?メリット・デメリット、株式会社との違いをわかりやすく解説
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
【2025年版】補助金・助成金を活用しよう!起業・創業・開業に役立つ14選の制度

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

海外eSIMアプリを提供する「トリファ」が12億円調達
2024年10月7日、株式会社トリファは、総額12億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、社名を株式会社ERAKEから株式会社トリファへと変更したことも発表しています。 トリファは、海外e…
家庭料理の宅配サービス「つくりおき.jp」を運営する「Antway」が8.7億円調達
2023年5月24日、株式会社Antwayは、総額約8億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Antwayは、家庭料理の宅配サービス「つくりおき.jp」を運営しています。 シェフと管…
AIを活用した3Dデジタルコンテンツ制作サービスを提供する「bestat」が8,000万円調達
2023年8月18日、bestat株式会社は、総額8,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 bestatは、AIを活用し3Dデジタルコンテンツを制作するサービスを提供しています。 3D画…
DaaS(DevOps as a Service)プラットフォーム「PrismScaler」提供の「Definer」が6,450万円調達
2022年5月12日、株式会社Definerは、総額6,450万円の資金調達を実施したことを発表しました。 DaaS(DevOps as a Service)プラットフォーム「PrismScaler」…
通信機器の研究・開発・製造・販売・輸入などを手掛ける「ボイドルーターシステムズ」と「アーカス・ジャパン」が資本業務提携
2023年1月5日、株式会社ボイドルーターシステムズは、アーカス・ジャパン株式会社と、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 ボイドルーターシステムズは、RouterBoardを中心とした機器…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集