融資の方法5つと金利相場を紹介!低金利で融資を受けるためのポイントも解説
融資の金利相場は貸付する機関や制度によって異なる!
創業時や事業拡大時にお金を借りるケースは少なくありません。また、資金繰りの改善を目的に融資を受けるケースもあります。
融資はうまく活用すれば大きなビジネスチャンスになりますが、やり方次第では事業に悪い影響を与える可能性もあるため、金利相場も比較して選ぶことをおすすめします。
それぞれの金利相場をまとめました。
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この記事の目次
融資の方法5つと金利相場
多くの企業が直面する課題が資金繰りです。資金調達の中でも、金融機関から事業主への融資はよく使われる手段です。
ここでは、融資を受ける方法とその金利相場を紹介しています。金利は日々変更があり、信用状況や融資条件によって変わることに注意が必要です。
詳しい金利については、各金融機関の窓口に問い合わせてください。
1. 日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、国民や中小企業などの支援するための政府系金融機関です。
民間金融機関を補完する役割があり、小規模事業者や中小企業向けの融資が多く用意されている点が特徴です。
ほかの金融機関で審査を通過しなかった場合でも、日本政策金融公庫では通過するケースも少なくありません。
無担保、無保証人での融資も取り扱っており、事業規模が小さい企業や起業したての場合にも適しています。
日本政策金融公庫のホームページでは、創業向け、女性、若者、シニア向けといった利用者の属性別の融資制度が用意されているのでチェックしてみてください。
融資の金利相場
日本政策金融公庫の基準利率は、2024年5月1日現在で1.25%〜3.05%です。担保の有無や信用リスクによって異なる場合もあります。
また、基準利率をベースとして、融資制度や条件によって特別利率が適用されます。
2. 信用保証付き融資
信用保証付き融資は、信用保証協会が融資の保証を行う融資です。信用保証協会とは、中小企業などの金融を円滑にするために設立された公的機関です。
資金調達を行う事業主の信用保証を行っています。
信用保証付き融資は、事業主が返済困難になった時に事業主の代わりに信用保証協会が立替えて返済する融資方法です。
信用保証協会が保証を行うことで、金融機関のリスクが下がるため金利を低く設定しています。
事業主は保証を受ける代わりに、所定の信用保証料を信用保証協会に支払わなければなりません。
初めて融資を受ける時や創業期には、金融機関から信用保証付き融資を提案されることがあります。
融資の金利相場
信用保証付き融資は、信用保証協会の保証が付くため利率が低く、2%前後が相場です。
ただし、信用保証付き融資では、金利とは別に保証料を信用保証協会に支払います。
保証料の相場は、0.1%〜0.8%です。信用保証協会によって条件が違うので、事業所管轄の信用保証協会のホームページを確認してください。
3. プロパー融資
プロパー融資は金融機関が行っている融資制度です。信用保証協会の保証を受けずに金融機関が自らの責任で直接資金を貸し付けます。
金融機関のリスクが高くなるため、信用力が高くなければプロパー融資は利用できません。
金融機関の融資担当者は、決算書や事業計画書などの資料から、返済能力などを判断して融資額や金利、返済期間を決定します。
創業融資では、プロパー融資の利用が難しいケースが多くあります。プロパー融資の融資限度額は特に決まっておらず、金利が低い点が特徴です。
審査は厳しいものの融資決定が早く、多くの資金を低金利で借りられます。
まずは日本政策金融公庫から融資を受けて実績を積んで信用力を高めてから、金融機関の担当者に相談する方法がおすすめです。
融資の金利相場
プロパー融資は、規模が大きい融資で利用されることも多く一般的には、1~3%程度が相場です。
融資を受ける企業の信用度や担保の有無によっても金利は変動します。金利が決まる要因については後述のとおりです。
4. 信用金庫による融資
信用金庫は地域に根ざした金融機関で、主に会員に向けて融資を提供しています。
地域密着型で中小企業・小規模事業者向けの融資を行っており、親身に対応してもらえる点が魅力です。
しかし、営業エリア対象外の事業者は利用できません。自社所在地のエリアにある信用金庫を調べてみてください。
融資の金利相場
信用金庫の法人、事業主向けの融資には、以下のものがあります。
-
- 長期・短期の資金の融資である一般融資
- 自治体や信用保証協会と協力して行う制度融資
- 信用金庫が日本政策記入公庫や事業団体の代理として融資する代理融資
一般的に広く利用されているのは制度融資で、1%前後の金利で利用可能です。
ただし、制度融資は審査を行う機関が信用保証協会と金融機関の2箇所あり、融資を受けられるまでに時間がかかる点がデメリットです。
5.ノンバンク
ノンバンクとは、クレジットカード会社や消費者金融などの預金を取り扱わない金融機関です。
金利は商品によって異なりますが、一般的に銀行の融資よりも高めの金利が設定されています。
金利は高めでも、柔軟な審査が特徴なので審査を通過しやすく最短で即日融資可能なため、急いで資金を用意したい場合などに役立ちます。
融資の金利相場
ノンバンクの金利は、ほかの融資と比較して高く3.1%〜18%程度です。ノンバンクの融資は金利が高いため、使い続けるとコストが高くなってしまいます。
急に資金が必要になった場合など、使う場面を限定するなど工夫して利用するのがおすすめです。
番外編. ファクタリング
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売却して現金化するサービスで、融資ではありません。
ここでは番外編の資金調達手段としてファクタリングを紹介します。
ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。
2社間ファクタリングは、利用する企業とファクタリングの2社間での取引きです。
3社間ファクタリングは、売掛先の同意が必要ですが、2社間よりも手数料が低い点が特徴です。
ファクタリングの手数料相場
ファクタリングは融資ではないため、金利は発生しません。しかし、利用する際にはファクタリング会社に手数料を支払います。
手数料の相場は、2社間ファクタリングで10~30%、3社間ファクタリングでは1~10%です。
融資の金利が決定する要因は?
融資の金利は金融機関によって違いがあります。ここでは、融資の金利が決定される要因をまとめました。
融資する機関の信用性
融資の金利が高ければ、借主の信用状況が悪いと考えがちです。ところが、融資の金利が決定する要因として、融資を行う側の信用性も大きく変わっています。
例えば、銀行が融資する場合、融資しているお金は銀行の自己資金ではありません。
銀行が保有しているお金は、銀行を使っている人の預金や利息をはじめ、日銀から借入れたお金を運用したものです。
銀行がお金を集めた時の金利は、銀行の信用力によって決まります。
一方で、消費者金融などノンバンクは預金業務を行っていません。
ほかの金融機関からお金を借りて融資を実行するため、自社の利益だけでなく金融機関に支払う利子を上乗せすることになり、高い金利が課せられます。
規模が大きいメガバンクが金利を低めに融資できるのは、この理由があるためです。
融資する機関のコスト
融資を行う金融機関は、多くのコストが発生します。金融機関の運営にかかる費用や広告宣伝費、人件費などです。
また、店舗を構えていれば、地代家賃や設備費、水道光熱費も発生します。
金融機関は、収入源である金利とコストのバランスをとって利益が出るように運営します。
コストが大きくなりすぎている場合には、金利を高くしなければ利益が出ません。
反対に、コストを減らして効率的に運営できていれば金利を下げることも可能です。
インターネット専業の金融機関の金利が低いのは、家賃や人件費などのコストを削減しているからです。
借入側の返済期間
融資の金利は返済期間によっても異なります。一般的には、返済期間が長ければ長いほど金利は高くなります。
返済期間が長くなれば貸倒れや債務不履行になるリスクが高まり、金融機関は長期的にリスクを負わなければいけません。
返済期間を短くすれば、支払う利息を減らすことが可能です。
しかし、早く返済しなければならないため、毎月の返済額が大きくなって経営を圧迫するリスクもあります。
自社の返済能力がどれだけあるのかを考えるとともに、返済のシミュレーションをしてから返済期間を決定するようにしてください。
借入れ側の担保や保証人の有無
金利は担保や保証人の有無によっても変わります。基本的には、担保や保証人を用意できれば金利を低くできます。
担保や保証人を付けることで、返済が滞った場合でも貸付側は担保の差し押さえ保証人に催促することが可能です。担保や保証人があれば不良債権になるリスクが低くなります。
金利を低く抑えたいのであれば、不動産や建物といった資産を担保にすることで金利を下げられるかもしれません。
有担保の時に適用される金利は、担保になる不動産の価値や種類、場所といった要因で決められます。
ただし、返済できなくなれば担保にしたものが差し押さえられるため慎重に決めてください。
貸倒れリスク
高い金利は貸したお金が回収できない場合に備えたリスクマネジメントでもあります。
貸倒れのリスクが高いと判断された時には、貸し手のリスクが大きくなって金利も高くなるため注意が必要です。
貸倒れリスクは、企業の信用度や返済能力、直近の事業状況などから総合的に判断されます。
返済に充てられるような安定収益があるかどうかや、過去の信用情報に問題ないかが基準となります。
一般的には今まで取引きがない金融機関から借入れる時には、金利が高く設定されます。今まで取引実績がなく、返済してもらえるかどうかが不明であることが理由です。
低金利で融資を受けるためのポイントは?
お金を借りるのであれば、できるだけコストを抑えたいと考えるのは当然のことです。低金利で融資を受けるためのポイントをまとめました。
返済実績を積んで提示する
将来的に低金利で融資を受けたいと考えているのであれば、返済実績を積んでおくことがおすすめです。
審査を受ける時には、必ず今までの信用情報やキャッシュフローが調査されます。
ほかの金融機関から融資を受けて遅滞なく返済していれば、返済能力があり貸倒れリスクが低いと判断されます。
ただし、返済実績を積むといっても借入先はどこでもいいわけではありません。
頻繁に高金利のビジネスローンばかり利用しているケースだと、資金繰りが苦しくキャッシュフローに余裕がないと判断されてしまいます。
銀行や信用金庫、日本政策金融公庫から低金利で融資を受けて返済した実績があれば信用力も増します。
また、補助金や助成金を通過した実績も評価される場合があるため、融資を申し込む時には今までの実績をまとめておいてください。
銀行の担当とコミュニケーションを密にとる
融資を受ける時には、担当者とのコミュニケーションを密にとるようにしてください。
融資の可否や金利は、決算資料など客観的な数字による情報に加えて担当者の主観的な評価に大きく影響されます。
継続して融資を受けたり、ほかの金融商品を利用したりすれば、自然と担当者とのやり取りは増えるはずです。
「この企業であれば返済できるだろう」「この会社を応援したい」と思ってもらえるように誠実に対応を心がけてください。
返済能力や計画性をアピールする
金融機関が企業を判断する基準のひとつが返済能力です。返済能力の高さをアピールする時に重要なものが、事業計画書と面接です。
事業計画書には、経営計画と返済計画をできるだけ明確に記載して事業の将来性を伝えます。中長期的な損益計画と裏付けとなるデータを記載して説得力を高めてください。
面接時には、銀行からの質問に対して、楽観的な内容ではなくデータに裏付けされた内容を回答します。
特に返済計画を聞かれた時には、数字の根拠を持って説明できるように準備してください。
金融業者のキャンペーンを活用する
金融機関では、新規顧客を増やすためにキャンペーンを実施していることがあります。
キャンペーンと聞くと個人向けのものをイメージしがちですが、法人向けのキャンペーンが実施されるケースがあります。
キャンペーンの内容の多くは通常より低めの金利で借入れできるものです。金融機関でキャンペーンを実施していないかチェックしてみてください。
まとめ・融資を受ける時は金利相場と信用状況が重要!
金利は貸付側の事情や借入側の返済能力や信用力など、様々な要因で決まります。
融資を受ける時には、金融機関ごとの金利相場をあらかじめ調べておくようにしてください。
担当者との普段の付き合いがポイントになるケースもあるため、日ごろからコミュニケーションをとっておくことがポイントです。
また、すぐに融資を受ける場合でなくても、将来的に融資を受ける可能性を考えて信用を高めておくようにしてください。
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(編集:創業手帳編集部)