注目のスタートアップ

次世代原子炉である高温ガス炉や熱エネルギー貯蔵システムを開発する「Blossom Energy」3.5億円調達

company

2024年2月28日、株式会社Blossom Energyは、総額3億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

Blossom Energyは、日本原子力研究開発機構(JAEA)において、研究炉の研究開発に20年従事した濱本真平代氏(代表取締役)を中心に、安価かつ安全に「熱を生み出す」高温ガス炉の開発事業と、熱エネルギー貯蔵システムの開発事業を行っています。

開発する高温ガス炉は、構成する素材の特性により、過酷事故が起き得ない本質的な安全性を備えた原子力システムです。

この高温ガス炉システムにより、高密度の熱エネルギーを大量に消費する需要家の脱炭素化を実現します。

今回の資金は、エンジニアと事業開発要員の採用に充当します。


原子力エネルギーは二酸化炭素を排出しないことから、脱炭素化の観点から重要なエネルギーとして注目されています。

一方、現在普及している原子力システムは放射能を持った危険な物質を扱うほか、発電などの際に高レベル放射性廃棄物を排出します。したがって、極めて高いレベルの管理体制が求められますが、福島第一原発事故のように想定していない出来事により、重大な事故につながってしまう可能性をなくすことはできません。

高温ガス炉(超高温原子炉)は、炉心の構成材に黒鉛を中心としたセラミック材料を用い、核分裂で生じた熱を外に取り出すための冷却剤にヘリウムガスを用いた次世代原子炉です。

高温ガス炉は耐熱性に優れたセラミック材料を使用することで高温の熱を取り出すことが可能であり、ガスタービン発電方式が採用できるため高効率の発電効率を得ることが可能です。また、発電以外にも化学工業など多様な分野での熱の利用ができます。

さらには、燃料として用いるセラミック燃料粒子は耐熱性が極めて高く、炉心を構成している黒鉛材料の熱容量も大きいため、異常が起きた際も炉心の温度変化が緩慢となり、冷却剤がなくなるような事故が起きたとしても、炉心で発生した熱が原子炉の容器表面から放熱され、炉心融解(メルトダウン)や放射能放出事故が起きるリスクがないという高い安全性を有しています。

また、安全性が高いことで設備が簡素化できるため、経済性にも優れているといったメリットも持ち合わせています。

研究開発型のビジネスでは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Blossom Energy エネルギー 原子力 原子炉 株式会社 次世代 熱エネルギー 脱炭素化 資金調達 高温ガス炉
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

中小製造業の自動化設備を設計・販売する「Robofull」が1.5億円調達
2022年10月3日、株式会社Robofullは、総額約1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Robofullは、中小製造業の人手不足解消を目的に、データを活用した工場向けの自動…
運搬一輪車電動化キット「E-cat kit」などを展開する「CuboRex」が2.5億円調達
2024年8月22日、株式会社CuboRexは、総額2億5000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 CuboRexは、運搬一輪車電動化キット「E-cat kit」や、テスト開発用電動クローラ…
伝え方トレーニングサービス「kaeka」運営の「カエカ」が1.2億円調達
2022年9月1日、株式会社カエカは、総額1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 カエカは、伝え方トレーニングサービス「kaeka」(旧:GOOD SPEAK)を運営しています。 …
分子の動きを捉える創薬基盤技術を開発する「モルミル」が資金調達
2024年5月24日、モルミル株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 モルミルは、細胞内の分子の状態が変化することが疾病の兆候であることに注目し、その原因となる分子の動きを捉えることができ…
TikTok特化のタレント・プロモーション展開の「Natee」が資金調達
2020年2月5日、株式会社Nateeは、資金調達を実施したことを発表しました。 TikTokに特化したタレント・プロモーションを展開しています。 2020年1月に、TikTok公認MCN契約を締結し…

大久保の視点

スタートアップワールドカップ九州大会:優勝は医薬品開発のStapleBio!熊本で開催
世界最大級のビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ」の九州予選である「KYUSYU REGIONAL 2024」が、2024年8月27日(火)に開…
(2024/8/27)
「スタートアップビジネスMBA講座」明治大学MBAの執筆陣と出身起業家が解説
創業手帳代表も執筆陣に参加。注目のスタートアップ本 起業家教育が近年注目を浴びています。しかし、スタートアップはまだ新しい領域であり、不確実性も高く、学問に…
(2024/7/29)
世界最大級のビジネスコンテスト・スタートアップワールドカップ東京大会優勝はDigital Entertainment Asset山田耕三さん
世界最大級のビジネスコンテスト「スタートアップワールドカップ」の東京予選である「TOKYO REGIONAL 2024」が、2024年7月19日(金)に開催…
(2024/7/19)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】