社長の法人・個人の節税対策は?支払う税金やおすすめできない方法も解説!

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中小企業社長の効果的な節税対策とは?


税金の支払いに悩む中小企業の社長もいるかもしれません。節税対策といっても種類は豊富です。
不良在庫の処分や不要な固定資産の処分、買い換えなど、会社を守るためや維持するための対策に加え、将来的に会社に利益を生み出す人材やモノにお金を投資して節税につなげることも可能です。
また、税法の中で自社にとって有効な対策を実施することでも節税ができます。会社の経営では節税の知識も必要になるため、あらゆる方法を知ることは大切です。

そこで今回は、社長が支払う税金について解説すると共に、法人と個人に分けて社長おすすめの節税対策をピックアップしてご紹介していきます。
節税対策で悩んでいる社長は参考にしてください。

会社経営をされている方にとって税金の支払いというのは忘れてはいけないイベントです。ですが様々な税金があり、どのタイミングにどの税金を支払えばいいのかわからなくなりがち。そこで創業手帳では、個人事業主向け・法人向けの「税金カレンダー」をご用意致しました。どういった税金を支払う必要があるのが解説付きで、カレンダー形式で支払月を把握しておく事できます。無料でご利用いただけますので、是非ご活用ください。

さらに、節税対策のコツがわかる「税金チェックシート」もおすすめです。どうすれば節税できるのか、節税できそうな税金の種類なども解説しております。ぜひあわせてご活用ください。


税金カレンダー



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社長が支払う税金は法人・個人の2種類


社長が支払う税金は法人・個人によって違いがあるので、それぞれをご紹介していきます。

法人として支払う税金

法人が支払う税金は以下のとおりです。

税金の名称 概要
法人税 法人の所得に対する国税
法人の種類や資本金額、年間所得金額によって税率が変動する
普通法人の場合は年800万円以下で15%の税率が課せられる
特別法人事業税 法人事業税の納税義務がある法人が対象の国税
法人事業税と併せて申告、納付を行う
外形標準課税対象法人、特別法人を除いて税率は37%
法人住民税 会社を登記する都道府県や市町村に納める税金
法人税割と均等割で構成される
税率は自治体によって異なる
法人事業税 所得に課される地方税
課税標準額(所得等)×税率で求めることが可能
消費税 売上高に課される国税
売上高1,000万円を超えると納税義務が生じる
固定資産税 会社が保有する土地や建物といった固定資産に課される税金
税率は基本的に1.4%
源泉所得税 利息や配当に課される国税
上場株式等の配当では税率20.315%
登録免許税 登記を行う際に発生する国税
印紙税 不動産関連の文書を作成する際に発生する国税

個人として支払う税金

個人社長が納税する税金は以下のとおりです。

税金の名称 概要
所得税 売上金額から必要経費を引いた事業所得にかかる国税
売上げが大きくなればなるほど税金も高くなる
住民税 住所のある都道府県や市区町村に納める地方税
均等割と所得割から構成される
個人事業税 都道府県に納める地方税
法律で定められている業種のみが課税対象
(事業所得+青色申告特別控除+事業主控除額)× 税率で求めることが可能
消費税 買い手から受け取った消費税分から、仕入れや経費で支払った消費税分を引いた額を納税する
課税売上高(税抜)×税率-課税仕入高(税抜)×税率で求めることが可能
固定資産税 土地や建物に対して課される税金
復興特別所得税 東日本大震災からの復興対策を目的とした財源確保のための税金
基準所得税額×2.1%で求めることが可能

【法人編】社長向けおすすめ節税対策


ここからは、社長向けの節税対策方法をご紹介していきます。まずは、法人にかかる税金対策をご紹介します。

役員報酬の損益計上を行う

節税対策のひとつとして、役員報酬の損金計上が挙げられます。法人の経営者は給与ではなく役員報酬を受け取ります。
役員報酬は要件を満たせば経費とみなされるため、損金算入が可能です。損金計上できれば法人税の節税が可能となります。
役員報酬が増えれば法人税を節税できますが、役員個人の所得税は増加してしまいます。
報酬額によっては納税額が増えてしまう可能性もあるので、適正な金額を決めることが大切です。報酬額は税理士といった専門家に相談すると安心です。

また、役員報酬は原則として1年間の固定となっています。金額の増減や決定は株主総会で決めることになるので、根拠資料として議事録を作成して残しておく必要があります。
税務調査でチェックされるケースもあるので注意してください。

役員などの自宅を社宅として扱う

役員や社員の自宅を社宅とすることも節税対策の一種です。
会社で賃貸物件を借り、役員や社員に社宅として提供した場合、会社が支払った家賃と、社宅を利用した社員から受け取った賃料相当額の差額分を経費として計上できるためです。

社宅にする場合は会社名義で物件を借りるほか、役員や社員から一定の賃料を受け取る必要があります。
賃料があまりに低額である場合や無料の場合には、現物支給となって課税される可能性が高いです。賃料の設定には注意してください。
社宅で家賃を抑えられれば福利厚生の面でもメリットがあるので、働く社員からの満足度もアップするでしょう。

別の会社を設立する

中小企業の社長が会社を2つ経営すれば税金対策になります。例えば、法人税の軽減税率です。
法人税の税率は普通法人の場合、800万円以上の所得に対しては23.2%が課せられます。しかし、800万円以下であれば15%が適用されるため、税金対策が可能です。
また、消費税免税の特例として、資本金を1,000万円にすると2年間は消費税の納税義務が生じません。

固定資産に関しては法定の耐用年数によって毎年減価償却を行っていきますが、中小企業では年間合計300万円まで所得金額30万円未満の減価償却資産を全額損金として計上することが可能です。
2つの会社を経営していれば年間600万円分の固定資産を一括損金で取得でき、納税額を抑えることにつながります。

社長の出張にかかった旅費日当を経費計上する

出張旅費規程を定めれば節税対策が可能です。
出張の際、交通費の実費だけではなく旅費日当として手当を支給すれば、出張先での食費や諸雑費の支払いに充てることができます。
例えば、出張1日あたり1万円の手当を支給すると定めた場合、5日間出張すれば5万円を経費として計上できます。経費は非課税の対象となるので節税が可能です。

また、社員側は旅費日当に対する所得税や住民税、社会保険料が発生しません。日当の金額をそのまま受け取ることが可能となるので、個人の節税対策にもなります。
ただし、日当が高額であると税務署から指摘を受ける可能性もあります。特定の人のみ有利になっていない金額、ほかの法人と比較して高い金額でないことがポイントです。
対象者は全社員とし、出張旅費規程は株主総会や取締役会で承認を受けることも守ってください。

未払費用をぬかりなく計上する

今期中に発生した費用でも、支払いのみ来期になるケースもあります。決算日をまたいだ費用を未払費用といい、社会保険料や給与なども含まれます。
決算の際に未払費用を今期の費用として計上すれば、会社の利益が減らせるため節税が可能です。

  • 給料の締め日:15日
  • 決算:9月
  • 社員の給与合計400万円

上記の場合は、9月15日から9月末までの給与は10月支払いとなります。
しかし、決算では9月の経費として計上可能です。400万円のうち半分の200万円を未払費用として計上できます。

企業型確定拠出年金や中小企業退職金共済を導入する

企業が掛金を積み立てて、加入者となる社員が資金を運用して受け取る年金制度が企業型確定拠出年金です。法人側で支払った掛金が経費になるので節税につながります。
また、掛金は給与扱いにはなりません。同じ金額を給与で受け取った場合と比較しても、所得税や住民税、社会保険料がかからず負担を減らせます。
中小企業退職金共済は、その名のとおり退職金に関する制度です。掛金は全額損金にでき、その一部は国が助成してくれます。
月額5,000円~3万円の範囲内で自由に掛金を選択することも可能です。
受け取り方法は以下の3つで、退職後に社員本人が直接受け取れます。

  • 一時金払い
  • 分割払い
  • 併用払い

【個人編】社長向けおすすめ節税対策


ここからは、個人社長向けの節税対策をご紹介します。

小規模企業共済へ加入など所得控除枠を活用する

所得額から一定の金額を差し引く制度が所得控除です。所得税は1年間の所得に決まった税率をかけて算出できます。
所得控除を適用すれば所得金額が少なくなるので、納税額を減らせます。

小規模事業者向けに提供されている小規模企業共済に加入すれば、掛金が全額所得控除されるため節税が可能です。
掛金は月額1,000円~7万円まで、500円単位で自由に設定できます。加入した後も増額や減額が可能なので安心です。
低金利の貸付制度の利用も可能なので、資金繰り対策としても活用できます。

社長の役員報酬を減らし退職金を増やす

役員報酬を増やすと個人に課せられる所得税や住民税が増えてしまいます。
所得が一定を超えてしまうと高い税率が課せられるので、報酬が高額になると社長が負担する所得税が高くなるので注意してください。
役員報酬を減らせば負担が軽減しますが、低くしすぎてしまえば生活に悪影響を及ぼす危険性があります。収入額を保つコツとしては「退職金を増やす」ことです。

退職所得は給与所得よりも控除額が大きくなりやすいため節税につながります。報酬を減らした分を退職金として受け取れるようにすれば、損することなく報酬を得られます。

社長の自家用車を社用車にする

社長の自家用車を社用車にするのも節税対策の一種です。
自家用車で使用していた減価償却費相当額を、取得金額から差し引いた分だけ減価償却費として経費計上することがが可能です。
燃料費や自動車保険料、車検費用も経費扱いとなるため、様々なメリットがあります。

ただし、プライベートでも使用する場合は、利用規定を作成して一定の利用料を会社に支払うといったルールを定めてください。

社長の自宅を社宅にする

社長の自宅を社宅にすれば、社宅の費用を会社の損金として計上できます。
例えば、社長の自宅が借家の場合、賃貸契約を会社と家主の契約に変更すれば、家賃を会社の経費にできます。
一部分を負担する必要はありますが、それほど高くないため負担は少ないです。
また、会社で取得した物件を社長の自宅にする場合、物件の取得や管理にかかる経費を損金計上できます。
借入金の利息や不動産取得税、登記費用や修繕費用などが計上できるため、負担を大幅に減らせる点がメリットです。

社長におすすめできない節税方法・注意点


最後に、おすすめできない節税方法や注意点を解説していきます。前もってリスクを把握し、節税対策につなげてください。

【おすすめできない節税方法】利益を生まない物品を購入する

利益を生まない物品の購入には注意してください。

  • 高級車
  • 別荘
  • 芸術品
  • クルーザー
  • ゴルフの会員権
  • 利益のない不動産
  • 交通費の無駄遣い

法人税を圧縮するために、必要のないものまで購入する社長も存在します。例えば、クルーザーは新品4年、中古は2年という短期間で減価償却が可能です。
しかし、会社の営業利益率が5%、クルーザー購入費が5,000万円だった場合、クルーザーを購入するために必要な売上げは10億円となってしまいます。
節税対策といって無理に購入を繰り返しても、その分のキャッシュを得るためには膨大な売上げが必要だという点を覚えておいてください。

【おすすめできない節税方法】返戻金目的の保険加入する

法人で保険加入をすれば、条件によっては保険料の全額が経費になるので節税対策につながります。満期返戻金のある保険もあり、解約時には現金を受け取ることが可能です。
しかし、手元にあるキャッシュを保険に変えてしまえば、万が一の際にキャッシュを用意できない可能性があります。
保険に加入せず手元に残しておけば、何かあった際にはすぐに活用できるので安心です。

また、途中解約したくても返戻金が減額されるといったペナルティもあるので、運転資金が足りずに借入れをしながら加入を続けている会社も存在します。
負担にならないか一度考えてから保険に加入してください。

【注意点】税制度は変わるので確認しよう

税制度は毎年のように変更があります。税率や控除額、課税の対象になるものについては、見直すことが肝心です。
今回ご紹介したような対策方法を活用すれば節税につながる可能性があります。しかし、長く安定した節税を続けるためには税金や経理に関する正しい知識が必要です。
不明な点が多かったり、税制度について理解できなかったりする場合は、税理士など専門家のアドバイスを聞くことで自社にとって最適な節税対策を施せます。

創業手帳であれば、税理士や行政書士、司法書士といった専門家を無料で紹介しているので、問題解決に役立つでしょう。ぜひ活用を検討してみてください。

まとめ・社長は法人・個人で節税対策しよう!

節税対策は様々な方法があります。自社に合った方法で対策を行えば、税負担が軽減します。
税負担を削減できれば利益向上のための投資や社員教育につながり、企業の成長に影響を与えてくれるでしょう。
おすすめの節税方法、おすすめできない方法を理解し、節税対策を施してください。



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(編集:創業手帳編集部)

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