注目のスタートアップ

従来の石油由来製品を代替する芳香族系バイオプラスチック原料の製造技術を開発する「グリーンケミカル」が1.7億円調達

company

2024年2月2日、株式会社グリーンケミカルは、総額1億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

グリーンケミカルは、非可食バイオマス資源を原料に、従来の石油由来製品を代替する芳香族系バイオプラスチック原料の製造技術を開発しています。

東京工業大学と東北大学との共同研究によって開発中の触媒と生産技術により、非可食バイオマス資源である糖から有用な芳香族系化合物であるHMF(5-ヒドロキシメチルフルフラール)を高純度で製造することを目指しています。

HMFを中間体として、PET(ポリエチレンテレフタレート)のバイオマス代替品であるPEF(ポリエチレンフラノエート)の原料FDCA(フランジカルボン酸)を製造することが可能です。

今後、HMFとFDCAのスケールアップ製造や、HMFから変換できる高付加価値製品の製造技術開発に取り組みます。

今回の資金は、事業開発・研究開発加速のための新規人材採用に充当します。


プラスチックは、安価、腐食しない、軽い、複雑な形状を作れるといった複数のメリットのため、現代社会において不可欠な素材として普及しています。

一方で、プラスチックは石油由来の原料を使用しており、将来的には資源の枯渇が懸念されます。

また、近年では、マイクロプラスチック問題やリサイクルの課題、そして製造から廃棄に至るまでのプロセスにおける環境負荷が指摘され、より持続可能で環境に優しい社会を構築するためには、プラスチック利用の転換が必要であると指摘されています。

こうした中で注目されているのが、植物などの再生可能なバイオ資源を原料とするバイオプラスチックです。

バイオプラスチックは、原料が再生可能であるため枯渇のリスクがない、生分解性を有したバイオプラスチックの場合は海洋汚染などの問題を解決できるといったメリットがあります。

一方で、製造コストが高い、原料によっては輸入に頼る場合があるといった課題を抱えており、普及にはまだハードルがあります。

グリーンケミカルの技術は、非可食バイオマス資源である糖からHMFを高純度で製造できる技術です。

非可食バイオマス資源である糖(パルプ糖、籾殻糖、バガス糖など)は未利用資源として世界各地に豊富に存在することから、糖からバイオプラスチックを製造することで、より多くの国において、未利用資源を有効活用しながらも、脱プラスチック・カーボンニュートラルを実現することが可能です。

事業のさらなる成長のためには戦略的な資金調達や、シナジーの見込める企業との提携が重要です。シリーズ発行累計200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ FDCA HMF PEF カーボンニュートラル グリーンケミカル バイオプラスチック バイオマス資源 代替 原料 技術 未利用資源 株式会社 石油 製品 製造 触媒 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

スタートアップの資金調達と投資家の管理業務を効率化する「smartround」が正式リリース
株式会社スマートラウンドは、「smartround」の提供を2019年7月1日から開始したことを発表しました。 「smartround」は、スタートアップの資金調達と、投資家の管理業務を効率化するファ…
分散型IDを活用したIoTデータセキュリティソリューションを提供する「CollaboGate Japan」が2.3億円調達
2023年2月15日、CollaboGate Japan株式会社は、総額2億3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 CollaboGate Japanは、安全で拡張性の高いIoT事業の…
LTV最大化を実現するBX(Brand Experience)プラットフォーム「BOTCHAN」を運営する「wevnal」が10億円調達
2023年2月8日、株式会社wevnalは、総額10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 wevnalは、BX(Brand Experience)プラットフォーム「BOTCHAN」を運営してい…
宿泊施設向け宿泊管理システムやダイナミックプライシングの仕組みを提供する「Tabist」が10.5億円調達
2023年7月5日、Tabist株式会社(旧:OYO Japan株式会社)は、合計10億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Tabistは、日本の宿泊施設に合った宿泊管理システムや…
フィットネス・シェアリング・サービス運営の「ナップワン」が1億円調達
2020年3月30日、ナップワン株式会社は、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、社名をLlotheo株式会社から、ナップワン株式会社に変更したことも併せて発表しました。 ナップワ…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集