注目のスタートアップ

経口のがん治療ワクチンと新型コロナウイルス予防ワクチンを開発する「イムノロック」が1.04億円調達

company

2023年7月14日、株式会社イムノロックは、総額1億400万円の資金調達を実施したことを発表しました。

イムノロックは、ビフィズス菌の特性を利用した新規経口ワクチンプラットフォーム技術を有する、神戸大学発ベンチャー企業です。

2023年7月現在、経口のがん治療ワクチン(B440)と、新型コロナウイルス予防ワクチン(BCOV332)を開発しています。

がん治療ワクチンの開発においては、2023年1月から、進行性尿路上皮がん患者を対象とした医師主導治験(第Ⅰ相臨床試験)を神戸大学・広島大学・浜松医科大学の3施設で実施しています。

今回の資金は、経口のがん治療ワクチンの臨床開発の加速に充当します。


ワクチンは、特定の病原体に対する免疫を作り出すことで、病気にかからないようにする、あるいはかかっても症状を軽くすることを目的とした、感染症予防のための医薬品です。

ワクチンは日本では主に注射によって接種します。風邪薬などは錠剤として口から服用できるのに対し、ワクチンはなぜそうではないのだろうと疑問に思うひとも多いでしょう。しかし経口投与された薬は、消化管内の食べ物や他の薬の存在などによって、薬の吸収量や吸収速度が左右されます。一方、注射であればダイレクトに取り込めることから、ワクチン接種は注射が主流となっているのです。

しかし、新型コロナウイルスのワクチン接種の際にも話題になりましたが、注射時には、その緊張やストレスなどによって失神などを引き起こしてしまう血管迷走神経反射が起きる可能性もあります。

このように注射は人間に精神的な負荷を与えることから、注射以外の方法の研究開発が進められています。また、同時により効果の高い接種方法としても注射以外の方法が研究されています。

たとえば、鼻から接種する経鼻ワクチンは、感染症の感染部位で免疫を生み出すことできるため、より優れた予防効果が得られる可能性があると考えられています。

イムノロックは、経口のがん治療ワクチンの実現により、がん治療の選択肢を広げ、さらに患者のQOL向上を目指しています。

事業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ イムノロック がん がん治療 ビフィズス菌 ワクチン 医学 医療 医薬品 新型コロナウイルス 株式会社 神戸大学 経口ワクチン 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

涙液によるがん検出法の社会実装を目指す「TearExo」が5,000万円調達
2023年8月4日、株式会社TearExoは、総額5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 TearExoは、神戸大学発の技術であるTearExo法によるがん検出法の社会実装を目指し研究…
ウェルビーイング実現のためのメンタル・トレーニング・サービス運営の「emol」が2,000万円調達
2019年12月2日、emol株式会社は、総額2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、エンプロイー・ウェルビーイングを実現するメンタル・トレーニング・サービス「emol work…
「西松建設」がメタン発酵バイオガス発電の「アーキアエナジー」に出資
2022年8月31日、西松建設株式会社は、アーキアエナジー株式会社に出資したことを発表しました。 アーキアエナジーは、メタン発酵バイオガス発電事業の企画・開発・運営を行っています。 食品廃棄物や産業廃…
企業の温室効果ガス・サプライチェーン排出量自動算定ソフトウェア開発・提供「オンド」が2,500万円調達
2021年4月27日、オンド株式会社は、総額2,500万円の資金調達を実施したことを発表しました。 企業の温室効果ガス・サプライチェーン排出量自動算定ソフトウェア「ond accounting」や、分…
学生の自主学習を支援する質問アプリを運営する「ラクモン」がオンライン家庭教師サービスを開始
2022年4月28日は、ラクモン株式会社は、2022年4月25日から、「Rakumon」アプリ(iOS/iPadOS向け)内において、オンライン家庭教師サービスの提供を開始したことを発表しました。 「…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集