注目のスタートアップ

オンデマンド乗合タクシー向け配車システム「TAKUZO」などを提供する「バイタルリード」が資金調達

company

2023年6月20日、株式会社バイタルリードは、資金調達を実施したことを発表しました。

バイタルリードは、オンデマンド乗合タクシー向け配車システム「TAKUZO」の提供や、公共交通計画・観光振興・地域活性化計画策定などのコンサルタント事業、島根県への旅行をサポートする旅行事業を手がけています。

「TAKUZO」は、定額乗合タクシーの仕組みを支援するAIオンデマンド配車システムです。

全体最適を軸としたアルゴリズムにより、1運行あたりの利用客数を最大化して運行コストを低減し、安価な定額サービスの実現を支援します。

また、導入前には事業者の事業性評価を検証し、採算の取れる目標会員数などを算出することも特徴としています。

今回の資金調達により、「TAKUZO」や地域に寄り添った公共交通計画コンサルタントの全国展開の基盤づくりなど、成長に向けた取り組みを加速させます。


過疎地域では、採算性の悪化やモータリゼーションの進展などが要因となり、路線バスや鉄道といった公共交通の撤退が相次いでいます。

こうした公共交通の衰退は、地方の利便性の大幅な低下を引き起こします。これによりさらに地方の衰退が進むと考えられます。

地方では都心と比べて自動車の保有比率が高いのですが、しかし一部の高齢者など自動車を運転できない人も多く、さらに高齢化の進展により自動車を運転できない人が増加することも予測されています。

過疎地域においても公共交通は住人の重要な移動手段であり、そのため公共交通の衰退した地域では、自治体などが運営するコミュニティバスや乗合タクシーなどが運行される事例が増加しています。

たとえば、国土交通省の資料「地域交通をめぐる現状と課題」(2019年9月9日)によると、コミュニティバスの導入市町村数は、2006年に887だったものが、2016年には1281へと増加しています。また乗合タクシー(デマンド型)の導入市町村数は、2009年に137だったものが、2016年には516へと増加しています。

このようにコミュニティバスや乗合タクシーのニーズは年々増加しており、それに伴い効率的な運行などを実現するシステムのニーズも高まっています。

こうした状況のなか注目されている交通システムが、デマンド交通です。

デマンド交通とは、利用者の予約に応じ、運行経路やスケジュールを柔軟に組み立てて運行する交通サービスのことです。

コミュニティバスや乗合タクシーなど路線定期型交通との根本的な違いは、予約がなければ運行しないという部分です。これにより輸送効率を高め、運行におけるコストを低減します。

デマンド交通は予約に応じて最適なルートを計画しなくてはならないため、配車システムは重要な基幹システムとなっています。

バイタルリードは、定額制(サブスク)のオンデマンド乗合タクシーを実現するための配車システム「TAKUZO」の提供を通じ、地方における交通の課題解決を目指しています。

企業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI TAKUZO アルゴリズム オンデマンド システム タクシー バイタルリード 乗合タクシー 交通 公共交通 地域活性化 地方 最大化 株式会社 資金調達 過疎地域 配車
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「ドコドア」がテレワーク・Web会議導入における企業課題を解決する支援サービスを開始
2020年5月8日、ドコドア株式会社は、緊急でテレワーク・Web会議導入を検討している企業に対し、導入支援サービスを開始することをお知らせいたします。 このサービスは、テレワーク・Web会議の導入にお…
「AnyMind Group」がインフルエンサー向けD2Cインキュベーション事業「AnyMind D2C for Influencers」を開始
2020年6月9日、AnyMind Group株式会社は、「AnyMind D2C for Influencers」の提供を開始したことを発表しました。 「AnyMind D2C for Influe…
産業用水中ドローン「Dive Unit300」の「FullDepth」が資金調達
2021年3月16日、株式会社FullDepthは、資金調達を実施したことを発表しました。 産業用水中ドローン「Dive Unit300」の開発・提供を行っています。 「Dive Unit300」は、…
AIデバイス設計サービス「TAI Compiler」開発の「Tokyo Artisan Intelligence」が8,600万円調達
2021年2月24日、Tokyo Artisan Intelligence株式会社は、総額8,600万円の資金調達を実施したことを発表しました。 エッジ・デジバイスにAIのの学習を含めて簡単に実装でき…
デザインコンサルティング会社「SEESAW」が「Relic」と資本業務提携
2022年11月29日、株式会社SEESAWは、株式会社Relicと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 SEESAWは、新規事業のUI/UXやブランディングに特化したデザインコンサルティ…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集