注目のスタートアップ

腸内細菌叢バンクの構築・腸内細菌叢移植(FMT)の社会実装・マイクロバイオーム創薬を推進する「メタジェンセラピューティクス」が6億円調達

company

2023年6月15日、メタジェンセラピューティクス株式会社は、総額6億円の資金調達を実施したことを発表しました。

また、直近では2023年4月5日に総額11億円の調達を発表しており、シリーズA総額で17億円の資金調達を完了しています。

メタジェンセラピューティクスは、腸内細菌叢バンクの構築により、腸内細菌叢移植(FMT)の社会実装と、マイクロバイオーム創薬を推進しています。

マイクロバイオーム創薬は、腸内細菌叢に対する基礎研究から導き出された作用機序や、腸内細菌そのものをターゲットとした医薬品開発です。

メタジェンセラピューティクスは、腸内細菌叢移植を起点とした独自のマイクロバイオーム創薬に取り組んでいます。腸内細菌叢移植を活用した臨床研究によってあらかじめ安全性・有効性を確認し、薬効成分を絞り込むことで、開発の成功率を高めることと短期間での医薬品開発を可能とします。

今回の資金は、腸内細菌叢バンクの構築・運用や、腸内細菌創薬プログラムの研究開発の加速に充当します。


腸内細菌叢とは腸に住む細菌の群れのことであり、腸内フローラとも呼ばれています。

腸内細菌叢のバランスは、潰瘍性大腸炎やクローン病などの難病、糖尿病、肥満などの生活習慣病、アレルギー疾患、精神疾患、便秘症、過敏性腸症候群など、さまざまな疾患に関わっていることが近年の研究で明らかにされつつあります。

そのため、腸内細菌叢をコントロールすることで、疾患を改善・治療できると考えられました。その方法のひとつである腸内細菌叢移植(Fecal Microbiota Transplantation:FMT)は、健康な人の便に含まれている腸内細菌を移植することで、潰瘍性大腸炎やクローン病などの疾患を改善・治療するものです。

すでにFMTはさまざまな疾患の治療法として諸外国で実施されており、従来の治療法よりも高い効果が得られることなどから、広く普及する可能性がある医療としても期待されています。

日本では2023年4月に、難病の潰瘍性大腸炎の患者を対象に、公的な保険が適用される治療と併用できる先進医療として初めてとなる移植が行われました。

FMTの普及のためには、腸内細菌叢を必要とする患者と、腸内細菌叢を提供するドナーをつなぐ腸内細菌叢バンクが必要となります。メタジェンセラピューティクスは、腸内細菌叢バンクの構築によるFMTの実装を目指すとともに、マイクロバイオーム医薬品の開発を目指しています。

研究開発型のビジネスでは戦略的な資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ FMT マイクロバイオーム創薬 メタジェンセラピューティクス リバーストランスレーショナルリサーチ 創薬 医療 医薬品 株式会社 研究開発 腸内フローラ 腸内細菌 腸内細菌叢 腸内細菌叢バンク 腸内細菌叢移植 臨床研究 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【初心者向け】事業計画書の書き方18ステップ|起業・融資対応テンプレート付
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

電・発電デバイスに向けたカーボン新素材を開発する「3DC」が2.5億円調達
2024年1月23日、株式会社3DCは、総額2億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 3DCは、革新的カーボン新素材「グラフェンメソスポンジ(GMS)」の開発・製造・販売を行う、東北…
BtoB企業の新たなコミュニケーション手法を提供する「9seconds」が3.2億円調達
2022年3月24日、9seconds株式会社は、総額3億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 9secondsは、見込み顧客とインサイドセールスをワンクリックでつなぐクラウドサービ…
リーガルメディア関連事業などを展開する「アシロ」と働く女性向けキャリアマッチングサービスを提供する「CORE」が業務提携
2023年6月2日、株式会社アシロは、株式会社COREと、業務提携契約を締結したことを発表しました。 アシロは、離婚・相続・交通事故など、さまざまな種類の法律相談サイト「ベンナビ」シリーズや、弁護士の…
飲食店特化のオンライン・ショップ制作(Web決済)サービス「eEAT(イート)」がリリース
2020年6月4日、株式会社グルメパートナーズは、「eEAT(イート)」を2020年6月2日(火)からスタートしたことを発表しました。 「eEAT」は、飲食店向けに、最短2日で、テイク・アウトやデリバ…
バーチャルオフィスやオンラインイベントに活用できるバーチャル空間提供の「oVice」が1.5億円調達
2021年5月11日、oVice株式会社は、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 バーチャル空間「oVice(オヴィス)」を開発・提供しています。 見下ろし型の平面の空間にア…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集