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フェムテック専門ECサイトの運営や法人へのフェムテック市場参入コンサルなどの「fermata」が2.1億円調達

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2022年4月27日、fermata株式会社は、総額2億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

fermataは、フェムテック専門ECサイト「fermata store」の運営、商品に直接触れて体験できる実店舗の運営、オンラインイベントの開催、法人へのフェムテック市場参入コンサルテーション、物流・薬事業務サポートなど、アジア・日本でのフェムテック市場創出に寄与するための多様な事業を展開しています。

また、フェムテック市場に関わるすべてのステークホルダーが一堂に会する場として「Femtech Fes!(フェムテック フェス)」を主催しています。2021年10月に六本木ヒルズで開催した同イベントでは、世界27カ国・157のプロダクト/サービスをキュレーションし、1,500人の来場者を迎えました。

ほかにも、フェムテック市場が成長し情報があふれている中、まだフェムテック製品・サービスにアクセスする物理的・心理的な障壁を感じている人も多く存在しており、fermataは、こういった人たちがフェムテック製品・サービスにアクセスできるようにするシステムを提供する予定です。

今回の資金は、多様な人びとにフェムテック製品・サービスにアクセスしてもらうためのキュレーション・レコメンデーション機能などのシステムの開発、採用強化に充当します。

フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(技術)を合わせた造語であり、女性特有の課題を解決することを目指す分野です。

これまでビジネスの世界は男性主導の構造となっていたため、女性に寄り添ったプロダクトが生まれづらいという課題がありました。しかしジェンダー平等の意識や女性の社会進出が進み、これまで抑圧されてきた女性たちの声が市場にあらわれるようになってきました。

また、女性起業家が増えたことで女性視点によるプロダクトが多数誕生することになったことも、フェムテックが広がっている理由のひとつと考えられます。

フェムテックが有名となった印象的なできごとに、Thinxの吸水ショーツの広告がニューヨーク市交通局に問題視されたことが挙げられます。

Thinxは、2015年にアメリカ・ニューヨークで設立された吸水ショーツのパイオニアなのですが、吸水ショーツの広告で「period(生理)」という言葉を直接的に使ったことが問題視されて一気に話題となり、様々な議論を呼びました。

しかしどうして「生理」がタブー視されているのでしょうか? これには様々な理由があります。衛生的な理由から宗教的に禁忌とされた、男性社会が権力を持つために女性を排除する際の口実とした、などなど。それが現代まで残っているということになるのです。

ようやくこの環境が変わろうとしています。上記の理由から、フェムテックは女性のヘルスケア関連の課題の解決だけでなく、女性のエンパワーメントといった要素も背負っています。独立した産業として成長しようとするフェムテックにおいて、多様な事業を展開するfermataが、今後どのような道を歩んでいくのか注目が必要です。

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