注目のスタートアップ

猫の活動データを記録する首輪型デバイス「Catlog」展開の「RABO」が13.2億円調達

company

2022年4月6日、株式会社RABOは、総額約13億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

また、衛生用品大手のユニ・チャーム株式会社と、トイレ製品開発、フード開発、海外展開事業などを中心とした資本業務提携を行ったことも発表しています。

RABOは、首輪型デバイス/スマートフォンアプリ「Catlog(キャットログ)」、食事管理サービス「Catlogフードケア」、トイレ・体重管理のIoTデバイス「Catlog Board」を展開しています。

プロダクトの開発・提供だけでなく、「猫様の健康を考える日(仮称)」や、イエネコ行動データの専門研究機関「Catlog総合研究所」の設立など、猫の健康管理の重要性の啓発・再定義を行っています。

ペットの飼育頭数は減少傾向にあるのですが、ペットも家族の一員であるという価値観が浸透したことにより、国内ペット市場は増加傾向にあります。これは、プレミアムペットフードや動物医療の消費が増加したことが要因だと考えられています。

一方で、ペットを取り巻く環境は未だ良いとはいえない状況にあります。

2020年度の国内における保護犬・猫の殺処分数は、約2万3,000頭/匹となりました。年々引き取り数(保護団体で引き取られる数)が減少し、返還・譲渡数が上昇していることもあり、殺処分数は大きく減少しています。

しかし殺処分数などは減っているのですが、そういった数値からは見えない問題があります。たとえば、一般の飼い主やブリーダー・業者による多頭飼育崩壊という問題です。多頭飼育崩壊とは同時に複数の動物を飼育することにより、動物の管理や餌不足などが起き、健全な飼育ができていない状況のことです。複数飼育することにより騒音・異臭・脱走などが発生し、近隣住民に迷惑をかけてしまう事例もあります。

また日本国内で動物を飼うには、ペットショップで買うという手段が一般的です。しかし店頭販売はケージという環境でストレスがかかること、ちゃんと責任を持って飼育できる飼い主なのか見極めることが難しいことが課題となっています。

日本ではペットへの価値観が変化し家族化が進んできています。一方で業界の構造はあまり変わっておらず、新たにペットを飼いたいという人もこのペット生産のシステムに乗るしかありません。真にペットが幸せな環境で誕生しその生命をまっとうするためには、業界・消費者のさらなる意識の変革が必要です。

そして、世界的にESGに関する適切な対応が求められるようになってきているなか、欧米を中心に重要なテーマであると認識されている「アニマルウェルフェア(動物が生活及び死亡する環境と関連する動物の身体的及び心理的状態)」は、日本国内ではあまり浸透していません。RABOは、猫の健康管理を推進する企業として、ペットテック×ESGを牽引していくことを表明しています。そのために、医療機関やペット関連企業との連携を加速させ、様々な動物が自然に生きていけるための環境の構築を目指していくとしています。

新たなプロダクトや大きな機能の開発には資金調達が重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウや、クラウドファンディングを成功させる方法などを紹介しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Catlog ESG IoT RABO アニマルウェルフェア キャットログ データ デバイス トイレ ペット 健康 動物 株式会社 資金調達 首輪
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人設立の完全ガイド|設立の流れ・メリット・手続き一覧など徹底解説!
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

有用化合物のバイオ生産を可能にする情報基盤を開発する「digzyme」が3,000万円調達
2020年5月29日、株式会社digzymeは、総額約3,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 生命科学研究のビッグデータ解析によって有用化合物の新規バイオ生産開発を可能とする情報基盤を…
IT人材育成の「トレノケートホールディングス」が「日税ビジネスサービス」と資本業務提携
2023年1月31日、トレノケートホールディングス株式会社は、株式会社日税ビジネスサービスと、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 トレノケートホールディングスは、世界15の国と地域で、IT…
プリントオンデマンドサービスなどを展開する「TOSYO」が1.5億円調達
2022年9月29日、TOSYO株式会社は、埼玉りそな銀行から累計で1.5億円の資金調達を実施したことを発表しました。 TOSYOは、プリントオンデマンドサービスや、ハンコ文化と漫画・アニメ文化を組み…
卸売向けクラウド販売管理システム「DEXTRE」を展開する「One’d Technologies」とセレクトショップ「PARIGOT」やグローバル事業などを展開する「アクセ」が業務提携
2023年4月21日、One'd Technologies株式会社は、株式会社アクセと、業務提携を締結したことを発表しました。 One'd Technologiesは、卸売向けクラウド販売管理システム…
「バカン」がオフィス向けコミュニケーション促進サービス「Keeple」をリリース
2022年2月4日、株式会社バカンは、東日本電信電話株式会社との共同検討による新サービス「Keeple(キープル)」の提供を開始することを発表しました。 「Keeple」は、オフィス向けコミュニケーシ…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集