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2022年3月22日株式会社Buzzreach 猪川崇輝|治験プラットフォーム・治験業務管理の事業展開が注目の企業
治験プラットフォーム・治験業務管理の事業展開で注目なのが、猪川崇輝さんが2017年6月に創業した株式会社Buzzreachです。
1つの薬を開発するのに必要な時間は大変長く、おおよそ10~20年もの月日を要します。
まずは様々な物質の中から薬の候補となり得るものを抽出する工程に2~3年、次にそこから作られた ‶薬の予備軍” の効果と安全性を調べる工程に3~5年、そして実際に人の体で ‶臨床試験” を行う工程に3~7年、最後に国への承認申請をしてそれが通るまでに1~2年といった具合です。
特に臨床試験(治験)においては、患者さんに協力をしてもらい新薬剤の安全性や有効性を十分に検証する必要があるため、検証に適した臨床試験(治験)を慎重に一定数実施する必要があります。
この治験をよりスムーズに素早く行うことが出来れば、新しい治療方法を待ち望む患者さんにより早く新治療をお届けすることが出来るようになり、救える命が増える可能性が膨らみます。
しかし現在、治験段階における一連の流れや情報が統一されておらず、適切な治験の実施に手間取っており、治験対象になり得るはずの患者さんとのやり取りが滞ってしまい、検証や新たな可能性をつぶしてしまったり、結果、承認申請までに大きな遅延が発生しているのが日本の治験の実情です。
こうした課題を解決するため、治験に関する情報を一元管理し、新薬や新治療方法の開発を適正かつスピーディに進めるプロダクト開発に、今注目が集まっています。
株式会社Buzzreachの事業の特長は、患者さんと治験実施医療機関を繋ぎ、関係各所に必要な情報を行き届かせ、より良い選択肢を最短経路で発見できる架け橋となる業界初のプラットフォーム(SaaS)を構築している、という点です。
株式会社Buzzreachの猪川崇輝さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
製薬企業が行う新薬の承認プロセスである治験の様々な課題を解決するプラットフォーム型のSaaSツール(puzz)です。
治験が計画されてから承認を受けるまで約10年、膨大な開発費と時間を要しますが治験が計画されてから、治験を実施する病院の選定、治験を実施する病院での治験運用管理および進捗管理、患者さんの募集、服薬指導含めた患者さんのフォローなど、さまざまな治験を行う上での課題があります。これらの課題が蓄積され日本の治験の多くは計画よりも数ヶ月から1年遅延しているのが現状です。これらの課題を一気通貫的に解決するプラットフォームを提供することで、日本での治験を円滑に進めることが可能になります。
・このプロダクトを開発した経緯や想いは何ですか?
治験という環境は新たな治療の選択肢を待ち望む患者さんにとって希望です。
治験を如何にスピーディに進められるかで、多くの患者さんに今よりも良い環境を提供できることになりますが、治験の現状はまだまだアナログが多く非常にレガシーな産業です。
なかなかテクノロジーの参入も、新たなプレイヤーも現れてこなかった中で、我々は領域特化のバーティカルスタートアップとしてテクノロジーの力を活用することで、この治験の環境を変え、1日でも早く患者さんへ新たな選択肢を提供できるよう、治験というマーケットに改革を起こそうとプロダクト開発に至りました。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
新薬開発を行う製薬企業。そして治験を実施する大学病院、中核病院群です。
治験情報の公開という観点では、D2Cで患者さん、D2Dで医師に向けても情報公開するソリューションを展開しています。
・このサービスの解決する社会課題はなんですか?
新薬承認を1日でも早くするために治験時点での課題を解決することによるドラッグラグの解消があります。また、製薬企業への治験遅延による余計な開発コストの抑止や治験実施医療機関への業務効率化があります。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
どのスタートアップも当たる壁ですが、やりたい事が明確であっても、強いチーム作りや資金面での課題がありました。
幸い我々は、エクイティファイナンスを順調に行う事ができてまして、創業時のエンジェルラウンドでは、出資して口だけ出してくる投資家ではなく、時には実務までバリバリやってくれる良いエンジェル投資家に出会え、初のVCファイナンスではシードラウンドでANOBAKA(旧:KVP)さんに出会え、シード期でよくある小さな壁に当たっても『御社はすごい!』ととにかくモチベーションを上げてくれる神輿担ぎ役を担ってくれました。そしてプレAラウンドではモバイルインターネットキャピタルさんに参画してもらい、これまで勢いだけでやってきたフェイズからガバナンス面や先を見据えた事業計画や戦い方などの新たな知識のインプットをしてくれました。我々は現在シリーズAがクローズするタイミングですが、エンジェル投資家もVCも投資してもらって終わりではなく、着金した翌日からはパートナーです。壁の乗り越え方として資金面だけではなく事業を成長させて行く上で良いパートナーとして考えられるかが、我々の場合、非常に良いチームになれた事が次々に出てくる壁を乗り越えてこれている大きな要素だと思います。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
新薬開発を支える日本NO.1の縁の下の力持ちを目指しています。
治験が行われる際のインフラとなれるよう、プロダクトをブラッシュアップしていきます。
現在は治験の課題を解決するプロダクトに集中してますが、承認後(市販後)のマーケットでも患者さんの声を収集し製薬企業やアカデミアにフィードバックし更なる改善や、新たな創薬につなげていくサイクルを作りたいです。
・今の課題は何ですか?
ステージが上がっていくごとに、チーム力を上げていく必要があると考えてまして、如何に私含めた創業メンバー、既存メンバーよりも優秀なメンバーに参画してもらえるか。参画したいと思える組織になっているか。もちろん既存メンバーも如何にして成長してもらえるか。この三点を課題というか常に成長していくためには今に満足せず課題とイコールと考えています。
・読者にメッセージをお願いします。
どのようなマーケットでもスタートアップにチャレンジすることは大変素晴らしいことですし、誰でもできることではありません。
『この市場を変えるんだ』、『新しいものを創るんだ』、と”最低限”は”情熱”を持って起業しただけも一つ抜きん出たと自信を持って良いと私は思います。
日本をもっとよくするためには、もっともっと日本にスタートアップが増え、どんどんと新たなアイデアを持った新興企業が出て来るべきだと考えています。
当たり前に楽な道など無く、どのような起業家でも様々な苦難を乗り越えて、初めて理想とする世界がようやく見えてくるんだと思います。
まずは第一歩、足を踏み込む勇気が将来とてつもなく偉大な当たり前になる可能性があるのがスタートアップの面白いところです。
自分達ももっともっと頑張っていかねばならない立場ですが、これから起業する方、起業したての方と新たな取り組みなど出来たら嬉しいですね。
とにかく応援しています。
会社名 | 株式会社Buzzreach |
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代表者名 | 猪川崇輝 |
創業年 | 2017年6月 |
資本金 | 1億円 |
社員数 | 40名 |
事業内容 | ・製薬企業向け治験業務管理システム開発 / 提供 / SaaS開発 ◦医療機関向け治験業務管理システム開発 / 提供 / SaaS開発 ◦臨床試験被験者募集に関する支援業務 ◦患者向け医療情報マッチングサービス ◦患者向けSNSアプリサービスの開発/運用 ◦患者主観情報(ePRO)サービスの開発/運用 ◦スマートフォンおよびパーソナルコンピューター向けアプリケーションソフトウェアの開発及び販売 |
サービス名 | 治験プラットフォーム『puzz』・治験業務管理『Study Works』 |
所在地 | 〒141-0021東京都品川区上大崎2-15-19 MG目黒駅前 |
代表者プロフィール | 学⽣時代はデザイン・インテリア・建築を学ぶ。 2005年治験被験者募集専⾨会社のクリニカル・トライアル社⽴ち上げより参画、取締役を務める。 2009年製薬企業向けの治験広告を専⾨とするクロエ社⽴ち上げより参画、取締役を務める。 2017年5⽉独⽴、共同創業者COO⻘柳と共に同年6⽉Buzz reach設⽴。 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | Buzzreach ヘルスケア ヘルステック 新薬 治験 猪川崇輝 製薬 |
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