注目のスタートアップ

株式会社Finder 糸井 夏希 | ベトナム人日本語学習者に特化したオンライン日本語指導サービスで注目の企業


ベトナム人日本語学習者に特化したオンライン日本語指導サービスで注目なのが、糸井夏希さんが2017年に創業した株式会社Finderです。

少子高齢化によって日本の人口減少が問題視される中、これからの労働力確保の鍵となるのが「外国人労働者」です。最近では、地方のコンビニやファーストフード店などでも外国人労働者に接する機会が多くなり、外国人労働者がより身近になっていると感じます。

厚生労働省が発表している『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ』によると、日本にいる外国人労働者は令和3年10月末現在で約173万人にのぼります。国籍別では、ベトナムが約45万人(外国人労働者数全体の約26%)となり、中国を抜いて最も多くなっています。

外国人労働者を雇用する上で「言葉の壁」は大きな課題となります。外国人労働者が日本で日常生活をし、周りとコミュニケーションをとりながらスムーズに仕事を行う上で、日本語を習得することは非常に大切なことです。

しかし、近くに日本語を学べる専門の施設がない場合や、仕事の都合でなかなか時間が取れない場合など、学びたいのに日本語を学ぶことが出来ないケースもあるかと思います。

こうした課題を解決すべく、どこに住んでいてもオンラインでプロ講師の日本語レッスンを受けることができ、自分のペースで学習できる、ベトナム人日本語学習者に特化したオンライン日本語指導サービス「JaPanese Online」に今注目が集まっています。

「JaPanese Online」は、ベトナム現地で指導経験がある講師が多数在籍しており、ベトナムの方の日本語学習の傾向、文法・発音上の特徴、発生しやすいミスなどを熟知しているため、効率的に日本語学習をすることが可能です。また、外国人労働者を雇用する法人からの依頼も多くなっており、オンライン日本語指導サービスの需要がますます高まっています。

株式会社Finderの糸井夏希さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

「ベトナムをより深く、より身近に」をモットーに、日本・ベトナムのビジネス支援を手がけています。主力事業は、2020年11月に開始した、ベトナム人日本語学習者に特化したオンライン日本語指導サービス「JaPanese Online」です。このほか、翻訳・通訳等なども展開しています。

JaPanese Onlineは、私がベトナムに住んでいたときの縁もあり、ベトナムで日本語指導経験のある熱心な教師が多数在籍しています。ベトナムの方の日本語学習の傾向や弱点、来日後どのような環境で就労・生活をしているのかなども知り尽くしているため、学習者に寄り添ったレッスンが可能です。

ベトナム語可能な日本人教師、日本語指導歴の長いベトナム人教師も在籍しており、それぞれのニーズに合ったレッスンを展開できるのが強みです。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

日本語力を高めたいと考えているベトナム人学習者の方にぜひご利用いただきたいです。現在は、日本の企業で働いているベトナム人会社員、ベトナム人エンジニア、ベトナム人技能実習生の方などにご利用いただいています。ベトナム語対応も可能で、現在、来日を控えたベトナム在住の学習者向けにもレッスンも実施しています。

個人だけでなく、ベトナムの方を雇用されている日本企業から法人としてのお申し込みも増えています。忙しい法人の方々のお手を煩わせることなく、お申し込みから、ベトナム人学習者との日程調整やカリキュラム設定、レッスン開始までスムーズに進められるのが強みです。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

ベトナムから来日する人々が日本で活躍するための機会創造、環境整備を、言語面からサポートします。

現在、日本では少子高齢化による労働人口減が始まっており、近年はそれを補うかたちで多くの外国の方が日本で働いています。中でも在留ベトナム人数は、約45万人(2021年6月末)と、10年で10倍以上に拡大。多くの方が日本企業で働く就労や技能実習生の在留資格で来日しており、人手不足が続く日本にとって、ベトナムは重要な人材パートナー国の一つになっています。

ただ現場では、言語面を発端としたコミュニケーション不足で引き起こる問題が多く、これでは雇用主、ベトナム人の就労者、両者にとって不幸な状況が発生してしまいます。そこで、ベトナムやベトナムの方向けの日本語教育に精通した私たちが、こうした問題解決に役立ちたいと考えています。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

創業期も現在も、やはり自社のサービスを幅広い方に知っていただくことが一番大変です。ベトナム人スタッフや日本に住むベトナムの方の意見を積極的に取り入れ、事業に反映しています。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

ベトナムの方向けの日本語教育といえば「JaPanese Online」と言っていただけるようなサービスにしていきたいです。近年、日本とベトナムは経済・人材・文化などあらゆる分野での交流が活発になっています。両国がより良いかたちでお互いに成長していけるよう、弊社も尽力していきます。

・今の課題はなんですか?

マンパワーです。今期は新しいレッスンの実証実験なども進めていく計画のため、一緒に事業を推進してくれる仲間を見つけたいと考えています。

・読者にメッセージをお願いします。

日本で働く外国の方が日本で活躍するための機会創造・環境整備は、これからの日本にとって欠かせない課題になると考えています。私たちは、まず最も増加率の高い在留ベトナム人の方への日本語教育を通じて、日本に住む外国の方と共生できる社会を目指します。日本語教育やベトナムに興味を持っている方は、ぜひ、弊社までお声がけいただけると嬉しいです。

回答者プロフィール 糸井夏希
2007年早稲田大学政治経済学部卒業、日本経済新聞社で記者として6年勤務し、東京と名古屋で流通業界や行政、中小企業等の取材を担当。退職後ベトナムに2年間語学留学。2017年3月に日本・ベトナム間ビジネス支援を手がける株式会社 Finder を設立。
2018年 第5回女性起業チャレンジ制度 特別優秀賞
2021年 東京都女性ベンチャー成長促進事業 APT Women第6期
会社名 株式会社Finder
代表者名 糸井夏希
創業年 2017年3月
住所 東京都新宿区袋町5番地1 FARO神楽坂1F
サービス名 ベトナム人日本語学習者向けオンライン日本語指導サービス
「JaPanese Online(ジャパニーズオンライン)」
事業内容 ベトナム日本語学習者向けの日本語教育、ベトナム語翻訳・通訳等
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ オンライン教育 ベトナム 外国人労働者 外国人採用 女性 日本語教育 株式会社Finder 糸井夏希
創業手帳woman
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

埼玉の女性社長比率が6.72% 全国39位
帝国データバンク大宮支店の調べにより、埼玉県内の女性社長比率が平成27年9月時点で6.72%・全国39位だったことがわかりました。 帝国データバンク大宮支店は、埼玉県内の女性の人口比率の低さも一因では…
不妊治療データ分析アプリ「cocoromi」や診療システム「vivola KARTE」などを提供する「vivola」が1.2億円調達
2022年7月11日、vivola株式会社は、総額約1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 vivolaは、不妊治療データ分析アプリ「cocoromi」や、診療システム「vivol…
東京でアフリカのビジネスウーマンとの交流会が開催!
日本・アフリカビジネスウーマン交流イベント「アフリカ女性企(起)業家とリーダーシップ」が開催されます。 南アフリカ、ブルキナファソ、ナイジェリア、ザンビア、ガーナ、コートジボワール、エチオピアなどで活…
「女性活躍と企業の経営戦略シンポジウム」に約650人が参加
平成27年12月21日(月)に、日本経済新聞社主催による「女性活躍と企業の経営戦略シンポジウム~女性活躍推進法 本格施行に向けて~」が開催されました。 平成28年4月から施行される「女性の職業生活にお…
全4回コース「女性・起業道場in名古屋」
「女性・起業道場in名古屋」が開催されます。 活動のアピール方法や、運営方法を学べる、全4回の講座です。 受講料は3,000円。 開催場所は、学舎 mom(愛知県名古屋市中区新栄 2-11-2 新栄ソ…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集