事業復活支援金など含む、追加経済対策|令和3年度補正予算案について

創業手帳

「事業復活支援金」「資金繰り支援」「事業再構築補助金」「生産性革命補助金(生産性革命推進事業)」の4つについて詳しく解説


政府は26日(金)、追加経済対策の執行のため、補正予算としては過去最大の金額をあげています。その額は、総額35兆9895億円と言われています。
その中でも、中小企業対策においては、事業復活支援金に2.8兆円、資金繰り支援に1.403億円(※別途繰越予算含む)などが盛り込まれています。

今回は、26日付で中小企業庁より発表された令和3年度補正予算案について、詳しく見ていきたいと思います。

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令和3年度補正予算案に盛り込まれた中小企業対策とは

中小企業対策として令和3年度補正予算案に盛り込まれたものとしては、下記が挙げられています。

  • 事業復活支援金【2.8兆円】
  • 資金繰り支援【1,403億円】 ※別途繰越予算あり
  • 事業再編・再生支援【757億円】
  • 「がんばろう!商店街」事業 ※既存予算で対応
  • 事業環境変化への対応支援の強化【130億円】
  • 取引適正化等推進事業【8億円】
  • 海外需要獲得支援【12億円】
  • 災害からの復旧・復興【128億円】
  • 事業再構築補助金【6,123億円】
  • 生産性革命補助金(生産性革命推進事業)【2,001億円】

これらの中でも特に注目される「事業復活支援金」「資金繰り支援」「事業再構築補助金」「生産性革命補助金(生産性革命推進事業)」の4つについて、今後どのような事が取り組まれる予定なのかを見ていきます。

事業復活支援金

事業復活支援金とは、2022年3月までの見通しを立てられるよう、コロナ禍で大きな影響を受ける事業者に、地域・業種問わず、固定費負担の支援として、5か月分の売上高減少額を基準に算定した額を一括給付する支援金です。

法人は上限最大250万円、個人事業主は上限最大50万円が給付される予定です。

*対象者 : 新型コロナの影響で、2021年11月~2022年3月の
いずれかの月の売上高が50%以上または30%~50%減少した事業者
(中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主)
*開始時期:補正予算成立後、所要の準備を経て申請受付開始予定
*給付額 : 5 ヶ月分( 1 1 月 ~ 3 月)の売上高減少額を基準に算定
*上限額

売上高減少率 個人 法人
年間売上高1億円以下 年間売上高1億円超~5億円 年間売上高5億円超
▲50%以上 50万円 100万円 150万円 250万円
▲30%~50% 30万円 60万円 90万円 150万円

詳しくは、中小企業庁ホームページ「コロナの影響で売上が減少している皆様へ-事業復活支援金-」チラシをご確認ください。

資金繰り支援

資金繰り支援としては、

  • 政府系金融機関の実質無利子・無担保融資を年度末まで実施
  • 資本性劣後ローンを来年度も実施
  • 伴走支援型特別保証の上限引上げのうえ、来年度も実施

を予定しています

政府系金融機関による実質無利子・無担保融資

*対象者 : 新型コロナの影響で 、売上が減少した中小企業
(小規模個人▲5%/小規模法人▲15%/その他▲20%)
*開始時期 :受付中(期間を今年度末まで延長)
*無利子上限:日本政策金融公庫(中小)3億円、(国民)6,000 万円
商工組合中央金庫3億 円
*無利子期間:当初3年間
*貸付期間 :運転資金15年以内、設備資金20年以内
*据置期間 :最大で5年

日本政策金融公庫による資本性劣後ローン

*対象者 :新型コロナの影響により、 キャッシュフローが不足する企業や一時的に財務状況が悪化したため企業再建等に取り組む企業
*開始時期:受付中(来年度も実施)
*融資上限:日本政策金融公庫(中小)10億円、(国民) 7,200 万
*貸付期間: 5 年1 か月、7年 、10 年、15 年、20年
※ 元本については、期限一括償還

伴走支援型特別保証

*対象者 :新型コロナの影響を受け、売上が15%以上減少した中小企業で、金融機関の継続的な伴走支援を受けながら経営改善に取り組む者。
*開始時期:受付中(来年度も実施)
*融資上限: 6,000 万円(現在は 4,000 万円。引上げ準備中。)
*保証料 :原則 0.2 %
*保証期間:最大で10年
*据置期間:最大で5年

伴走支援型特別保証制度については、下記記事もお読みください
4月から受付開始!「伴走支援型特別保証制度」「経営改善サポート保証(感染症対応型)制度」とは

詳しくは、中小企業庁ホームページ「資金繰りにお悩みの皆様へ-資金繰り支援のご案内-」チラシをご確認ください。

生産性革命補助金(生産性革命推進事業)

生産性革命補助金としては、中小・小規模事業者の設備投資、販路開拓、IT導入、事業承継等を支援することを目的としています。

また、グリーン・デジタルなど成長投資の加速化に対応する特別枠(「中小企業グリーン・デジタル投資加速化パッケージ」)や賃上げ等の事業環境変化に対応するための特別枠を設け、補助率や上限額を引上げられる予定となっています。

ものづくり補助金

*赤字など業況が厳しい中でも、賃上げ等に取り組む中小企業向けに特別枠を創設し、優先採択や補助率引き上げ(最大1,250万円、補助率2 / 3)。
*グリーン・デジタル分野への取組に対する特別枠を創設し、補助率や上限額を引き上げ( (グリーン枠)最大2,000万円・ (デジタル枠)最大1,250万円、補助率2/3)。

持続化補助金

*赤字など業況 が厳しい中でも、賃上げ等に取り組む事業者や、事業規模の拡大に取り組む事業者向けに特別枠を創設し、補助率や上限額を引き上げ
( 成長・分配強化枠 )最大200万円 、補助率原則2/3 (赤字事業者の場合には3/4 )
* 後継ぎ候補者が実施する新たな取組や創業を支援する特別枠 、インボイス発行事業者に転換する場合の環境変化への対応を支援する特別枠を創設し、上限額を引き上げ
( 新陳代謝枠 )最大 200万円 ・ ( インボイス枠 ) 最大100万円 、 補助率2/3

IT補助金

*インボイス制度への対応も見据えた会計ソフト等のITツール導入をこれまで以上に促進するため、補助率の引き上げ、クラウド利用料の2年分の補助、PC等のハード購入補助を実施
*商業集積地・サプライチェーン等で密に連携した複数の中小・小規模事業者によるITツール・機器の導入を支援するため、複数社連携型IT導入枠を設け、データ共有・活用などの取組も支援。

事業承継・引継ぎ補助金

*事業承継・引継ぎに係る取組を、年間を通じて機動的かつ柔軟に支援

詳しくは、中小企業庁ホームページ「生産性向上に取り組む皆様へ-生産性革命推進事業のご案内-」チラシをご確認ください。

事業再構築補助金

事業再構築補助金については、売上高減少要件を一部緩和するなど使い勝手を向上させ、業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者に対する特別枠を創設される予定です(最低賃金枠等も継続)。

また、グリーン分野への取組に対する特別枠も創設予定となります。(売上高減少要件撤廃、最大1億円/補助率1/2(中小))

*対象要件:① 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること
(※) 以下の要件は撤廃
「2020年1 0月以降の連続する 6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少していること 」
(※) 複数事業者が連携する場合は売上高減少分の合算が可能

②事業再構築指針に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること 等
*開始時期 :令和4年以降(補正予算成立後、詳細を調整)
*対象経費: 建物費 (※) 、 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等 関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費(一部の経費については上限等の制限あり)
(※) 移転に伴う一時的な貸工場等の賃借料についても建物費の一部として認める 。

詳しくは、中小企業庁ホームページ「事業の再構築に取り組む皆様へ-事業再構築支援のご案内-」チラシをご確認ください。

認定支援機関の選び方について、下記記事もお読みください
【税理士監修】事業再構築補助金における最適な認定支援機関の選び方とは
【全国主要8都市】事業再構築補助金の採択率が高い認定支援機関を紹介

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(編集:創業手帳編集部)

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