営業担当者必見!相互性や機能性が高くコスパに優れたリモートツール~前編~
テレワークや日々の業務に欠かせない商談や営業準備などを便利にするおすすめツール・サービスをITツールマスターが解説
(2020/08/05更新)
新型コロナウイルスがなかなか終息しない中、テレワークが予想よりも長く続いていたり、今後も会社でテレワークを続けていくことが決まったりしている人も多いようです。
一時しのぎとして行っていたテレワークも、主なワークスタイルとなるなら快適な環境や便利なアイテムを揃えたい、そう考えている人も多いのではないでしょうか。
もともとITに強い人だとしても、テレワークに関して十分な知識があるとは限りません。10年以上のテレワーク歴を有する筆者が、営業部門で働く人のテレワーク環境の構築のために、便利なツール・サービスについて紹介します。
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この記事の目次
テレワークや日々の業務を楽にする便利ツール:営業準備編
営業はまず準備が大切です。テレワークを快適に行うために知っておくとよいツール・サービスを紹介します。
名刺管理ツール
営業活動やさまざまな場で集めた名刺は、営業先を探したり、紹介をいただくための起点になるため、しっかり管理して活用したいものです。
名刺管理ツールは、名刺をOCR(画像認識)で読み込んだり、データベース化して検索性を高めるために便利です。個人で使えるものや、組織で利用できるものもあります。
無料ですぐに使えて便利なのが、LINEが提供している「myBridge」です。OCR機能によるカメラスキャンや名刺のデータベース化だけでなく、他者との共有や、Excelファイルでのリストのダウンロードもできます。電話があったときには、登録されている名刺情報が表示されるため、「あれ?どこの田中さんだっけ?」といったことも少なくなります。
オンラインでの会議や商談で使える名刺代わりのオンラインプロフィール(名刺)は、今後ますます需要が増すでしょう。「about.me」などのサービスや、名刺SNSである「Eight」などでオンラインプロフィールが作成できます。
テレアポツール
効率的に見込み案件を取得できないと、時間が無駄になるばかりでなく担当者の心身を疲弊させるため、商談前に行うテレアポはとても重要です。
最近のテレアポツールは、企業情報の取得や顧客リストの作成だけでなく、AI活用による見込み客のマッチング機能や案件管理機能も提供しています。
こうしたサービスの中でも「Musubu」は非常にコストパフォーマンスの良い企業データベースです。テレアポに利用できる企業リストをわずかな時間で生成し、見込み客の抽出まで行ってくれます。企業情報の取得数が月に50件までなら、無料プランでも使用できますので興味のある方は試用してみるとよいでしょう。
また、インサイドセールスでは、電話ではなく企業の問い合わせフォームやメールなどに連絡する方法もあります。「APOLLO SALES」などの営業支援サービスでは、商品やサービスに興味がありそうな企業をインターネット上の情報から抽出してリストを作り、自動的に登録した文章や自動作成した文章で連絡を行います。数万円~数十万/月ほどの費用が必要ですが、営業人員を増やすよりも効率が上がるケースも少なくありません。
ネットワークプリントサービス
テレワークだとしても、客先に直接足を運んでプレゼンテーションを行ったり、契約書にサインしてもらったりするケースは多いものです。会社に足を運ぶことが難しい場合や、自宅のプリンタの故障などに備えて、コンビニなどで利用できるネットワークプリントサービスも活用するとよいでしょう。
ネットワークプリントサービスでは、さまざまな規格の用紙に対応しているほか、セキュリティレベルも高く、印刷可能なファイルや期間なども指定可能です。
ファミリーマートやローソン、セイコーマートといったコンビニにプリンタを供給しているシャープでは、法人向けに「ネットワークプリント for Biz」というサービスを提供しています。会社や企業などの単位で契約し、アカウントの発行や一括請求に対応できるサービスです。テレワークや外周りの営業社員が多い企業なら検討してみるとよいでしょう。
見積書作成サービス
営業マンの事務作業で時間がかかるのが、見積書の作成や送付といった作業です。
見積書作成サービスは、テンプレートの提供から、見積書の項目や単価などの情報登録機能、顧客情報の登録機能、見積書番号の自動発行、取引先・項目・金額などをキーにした検索機能、作成した書類のPDFダウンロード機能などを提供します。過去の事例を参考にしたり、コピーして書類を作成する際に非常に便利です。
会計ソフトで有名な弥生が提供しているクラウド見積書・請求書作成サービス「Misoca」は、見積書や請求書のテンプレート作成機能や顧客情報の登録機能の他、専用ページやアプリから作成した書類を郵送やメールで相手に送ることも可能です(郵送は有料)。会計ソフトとの連携で請求書情報をもとに入金額を自動的に転記してくれる機能も便利です。毎月の発行数が少なければ無料でも利用できるので興味のある方は試してみるとよいでしょう。
テレワークや社内共有を楽にする便利ツール:商談編
テレワークでは対面営業とは別のクロージング能力が問われます。テレワークの特性を活かした商談を意識し、成約率を高めることが大切です。
商談や社内共有の質を高めるために便利なツール・サービスをみていきましょう。
オンライン商談ツール
ZoomやMicrosoft Teamsといったオンライン会議ツールは非常に有名になりましたが、商談に特化した形のオンライン商談ツールも利用が増えています。
オンライン商談ツールは、商談に特化したサービスで、オンライン会議ツールにありがちな音質の不安定さや、セキュリティ上の不安、アプリのダウンロードが必要といった問題を改善しているのが特徴です。また、商談を上手く進めるために、名刺代わりのプロフィール情報の登録や、トークスクリプトの表示機能、商談内容の自動文字起こし機能なども提供されています。
オンライン商談ツールの多くでは、通話は電話で、画面共有をパソコンやタブレットなどのデバイスで行います。これは音質を安定させつつ、画面共有によってプレゼンテーションの幅を広げるためです。電話で通話をしつつ、簡単な操作で共有用の画面にアクセスできるようになっています。カメラ映像やパソコンなどの画面を表示できるため、商談だけでなく商品やサービスの社内共有などでも利用されています。
オンライン商談ツールは有料のサービスが多く、初期導入に数十万円、月額数万円ほど必要になる場合がほとんどです。「Mee2box」や「Surfly」などのサービスは導入費用が比較的安く、商談をサポートする機能も豊富なのでスタートアップや規模の小さな企業に向いています。
ホワイトボードツール
オンラインで会議や商談をしているとき、複数人で自由に書き込みができる場が欲しいと感じることは多々あります。そういった場合に便利なのが、参加者がインターネット上の共有スペースに自由に書き込めるホワイトボードツールです。
ホワイトボードツールでは、ホワイトボード上に文字はもちろん、絵、図形を描いたり、付箋を貼ったり、ボードの内容をデータとして出力することが可能です。会議や商談の質を高めたり、議事録作成の手間を省くために利用できます。
無料でも利用できるホワイトボードツールには「miro」や「A Web Whiteboard」などがあります。英語で提供されているサービスなので最初は抵抗がありますが、直感的に操作できるので心配ありません。「A Web Whiteboard」は無料なだけでなく、会員登録も不要なので非常に使いやすいサービスです。ペンタブレット(パソコンなどでイラストを描く際に使われるタッチデバイス)やスタイラス(タッチデバイス用のペン)があれば、もっと快適に使うことができるでしょう。
仮想カメラツール
オンラインの商談や会議を行う際に、自分の顔を相手に見せることは安心感や信頼感を高めるために効果的です。しかし、パソコンにビデオカメラがついていなかったり、外付けのWebカメラの解像度が低かったりする場合は、相手側には今ひとつな状態で映ってしまい、印象が良くない場合もあります。こういう場合に、スマートフォンのカメラをパソコンのWebカメラとして使えるようにするのが仮想カメラツールです。
スマートフォンは製品の入れ替えが激しく、新しい型になるほどカメラの画質も向上しており、パソコンや外付けWebカメラよりも高性能な場合が多いです。良いカメラをWebカメラとして利用することで、きれいな画面を相手に送ることができるようになります。
仮想カメラツールにはさまざまなものがありますが、パソコンがWindowsなら「iVCam」、Macなら「EpocCam」が定番です。どちらもiOSやAndroidに対応していますし、多くのWeb会議ツールやWeb商談ツールでも問題なく動作します。スマートフォン用のスタンドや、ノートパソコンやパソコンのディスプレイにひっかけて使えるスマホホルダーなどがあるといっそう便利です。
リモートツールを使いこなして新たな形の働き方に対応しよう
新型コロナウイルスの広がりによって、リモートワーカーが増加し、テレワークが日常になっている人が非常に多くなりました。そのため、営業をする側も、営業を受ける側も、テレワーク環境であることを前提とした準備が求められています。
テレワークでは従来の対面営業と比較して、短時間に、多くの顧客に対してアプローチすることが可能です。また、商談ではオンラインを意識させないスムーズな情報の共有・提供が求められます。テレワーク用のさまざまなリモートツールは、多くのアクションに伴って発生するさまざまな事務作業を効率化し、商談の質を高めるために効果的です。
今回紹介したサービスには、個人向けのサービスもあれば、企業向けのサービスもあります。個人で利用する場合は、会社の情報管理規程に触れないように注意し、適切に導入してください。企業の担当者の方は、営業現場のサポートや営業活動の効率化を目指し、ツールの導入について検討してみてはいかがでしょうか。
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(編集:創業手帳編集部)