確定申告の修正のしかた|訂正申告や修正申告、更正の請求の違いと方法

資金調達手帳

確定申告の間違いに気づいた!さて、どうする?

(2018/01/25更新)

確定申告は、1年間の収支や諸控除、納税すべき金額などについて、文字通り「確定した」金額を申告するものです。起業家や個人事業主には毎年おなじみですね。

もちろん、人がやることですから間違いはつきもの。そのため、確定申告時には、間違いを修正するための仕組みが用意されています。

今回は、確定申告した内容のミスや間違いに気づいた場合の対応方法をご紹介します。

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状況によって変わる確定申告の修正方法

確定申告の修正は、間違いに気づいたタイミングが申告期限の前か後かによって手続きが異なります。
また、申告期限以後に修正する場合は税金の納めすぎ(還付金が少なすぎ)か、納税額が少なすぎ(還付の受けすぎ)かによって手続きが分かれています。

申告期限を迎える前に、確定申告の間違いに気づいた場合は「訂正申告」を行います。
申告期限後、確定申告の間違いに気づき、納税額が多い場合は「更正の請求」を行います。
申告期限後、確定申告の間違いに気づき、納税額が少ない場合は「修正申告」を行います。

なお、消費税課税事業者の場合、消費税の確定申告の修正が発生する場合もあります。この記事では主に所得税及び復興特別所得税、法人税の確定申告の修正を題材にご紹介しますが、消費税の場合も基本的な考え方は同じです。(提出書類などは異なります。)

訂正申告

「訂正申告」は、「申告期限を迎える前」に一度提出した申告書の間違いを発見した場合の手続きです。

ご存知の通り、所得税等、法人税等の確定申告期限は、個人と個人事業主は毎年3月15日、法人の場合は通常、その決算日から2か月以内ですので、それまでに確定申告書を提出することになります。

ところが、例えば税務署に申告書を提出して事務所に帰ってきて、ふと申告書の控えを見たら、計算の間違いに気が付いた……。そんな時は訂正申告を行います(税務署側で不備や間違いを発見して電話などで連絡が来た場合は指示に従って処理してください)。

訂正申告を行う場合は、同じ書式を使って、新たに正しく計算した確定申告書を作成して税務署に提出します。そのときに、申告書と控えの余白に朱書き(赤ペンや赤いボールペン)で「訂正申告」と書き、「当初申告の日付」「前回間違って申告した税額」を記入しておきます。
提出の際は、本人確認書類の提示またはコピーの添付が必要です。

税務署では、法定申告期限前に2枚以上の確定申告書が提出された場合は、最後に提出されたものを確定版として扱います。つまり、法的には、間違いがあれば何回でも訂正申告することができることになっています。

添付書類は、最初の申告時に提出済みになっているはずですので通常は不要です。しかし、訂正の原因に関わる書類がある場合は添付が必要です。
例えば、保険料控除が抜けていたなら保険料控除証明書を、収支の金額に誤りがあった場合などは、正しい青色申告決算書や収支内訳書などを添付します。

e-Taxの場合は、訂正した申告データを作成して再送信し、追加の添付書類などを郵送などで提出します。詳しい手順はe-Taxのウェブサイトを確認してください。なお、訂正申告を紙で作成して提出することもできます。

訂正申告は納めるべき税額の増減、還付金の増減のいずれのケースでも手続きは同じです。ただし、1回目の申告にもとづいて税金の還付手続きがすでに行われていると訂正申告ができなくなる場合がありますので、気づいたらできる限りすみやかに手続きを行いましょう。

更正の請求

「更正の請求」は、申告期限を過ぎた後で、計算間違いなどにより多く納税していたことに気づいた場合に、還付を受けるために行う手続きです。

更正の請求が行えるのは、通常、以下の2つの条件のいずれかに該当する場合に限られます。

更正の請求を行うことができる条件
  • 計算が法律の規定に従っていなかった場合
  • 計算に誤りがあった場合

逆に言うと「法律の規定に従って、正しく計算した」税額等の更生の請求は認められません。例えば、納税者に、AとBという2つの計算方法が選択肢として用意されている場合に、確定申告時にはAで計算して申告したけれど、後になって実はBで計算したほうが税額が少なくなることがわかったとします。このときに、Bの計算式で更生の請求を行っても認められないことになります。
具体的には、公益法人等に寄付した場合の所得控除または税額控除の2つの選択肢、消費税の簡易課税か一般課税か、などさまざまなケースが考えられます。

更生の請求を行う際には、税務署から「更生の請求書」をもらい、請求の根拠となる書類を添付して税務署に提出します。
また、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーから、オンラインでの手続きも可能です。

税務署では請求について調査や審査を行ったうえで、適正であれば還付を行います。

更正の請求の期限は、通常、法定申告期限から5年以内です。還付金には納付してから還付されるまでの期間に応じて還付加算金(利息にあたるもの)が加算されます。

なお、更生の請求は行わなくても罰則はありません。

修正申告

修正申告は申告期限が過ぎた後で、納税額が少なかったことに気づいた場合に行う手続きです。

所得税等の修正申告をする場合は、確定申告にも使う「申告書B第一表」(見出しを「修正」申告書Bとします)と「第五表(修正申告書・別表)」、法人税の場合は法人格などにより該当する申告書別表一(見出しを「修正確定」申告書とします)と、その他、修正に関わる別表の明細書等に必要事項を記入して税務署に提出します。

「修正申告」は脱税事件のニュースでもしばしば登場するなど、今回ご紹介する3つの手続きの中では最も耳なじみがある言葉かもしれません。もとより故意の脱税はあってはなりませんが、単なるミスが原因でも、放置するとペナルティがあります。

税務署の調査を受けてから修正申告すると、過少申告加算税(10%または15%)が課されます。確定申告自体をしていなかった場合には無申告加算税、不正な脱税とみなされると重加算税(35%または40%、5年以内に繰り返すとさらに10%加算)が課されます。

また、延滞税(その時々で利率が変わりますが、延滞2か月までは最大7.3%、それ以降は最大14.6%)が原則、日数に応じて加算されていきます。

ただし、税務署から調査通知(税務調査に入る予定などのお知らせ)が来る前に自主的に修正申告をすると、過少申告加算税は課されません。
ひらたく言うと、バレそうになってから慌てて修正申告してもペナルティを取るけれど、自発的に間違いを改めて正しい納税に努めるならよし、という制度です。

「ほんの少しの過少申告だから」と放置せずに、気づいたら一日も早い修正申告を行いましょう。

まとめ

確定申告でミスがあった場合、故意的でなかったとしても、脱税の容疑をかけられることにつながりかねません。

間違いを見つけたら、まずは慌てずに再度計算しなおし、すみやかに税務署等に相談するようにしましょう。

(編集:創業手帳編集部)

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