商品開発の手順総まとめ!成功するためのポイントを押さえよう

創業手帳

商品開発の手順を押さえてヒットを生み出そう


世の中には多様なサービスや商品が流通しています。変化が激しい市場では、たとえ良い企業や良い商品であるとしても、変化がなければ淘汰されてしまいます。

競合他社にない独自性がある商品や、顧客からの支持を集めるためのサービス開発は企業に欠かせません。しかし、商品やサービスを新しく開発するのは大変なことです。

ここでは、商品開発の手順やポイントについて解説しています。

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商品開発の種類


商品開発は、単純に新しい商品やサービスを作ればいいと考える人もいるかもしれません。しかし、商品開発には種類があり、その特徴に応じたアプローチが求められます。
商品開発の種類についておさらいします。

①新規商品開発

商品開発と聞いて一番イメージしやすいのは新規商品開発です。新規商品開発では、既存商品から離れて新しいコンセプトを持つ商品開発を行います。
企画として練られたアイデアやイメージを実用化できるように導いていくのが商品開発です。

②既存商品の改良

商品開発は、まったく新しい商品を開発するだけではありません。すでにある商品を改良することも商品開発です。
顧客から寄せられた要望に応じて小規模な改良をするケースもありますが、中にはイメージを刷新するような大胆な変更が加えられることもあります。

③シリーズ・ラインナップの増強

商品やサービスの中には、共通したイメージ、ブランドとして提供しているものもあります。
色やデザイン、機能といった面でバリエーションをつけた商品のシリーズラインナップを増強することも商品開発です。
シリーズやラインナップのコンセプトから大きく外れることなく、より多くの顧客から支持される商品を作らなければいけません。

商品開発と商品企画との違い

商品開発と同じような意味で使われる言葉に、商品企画があります。商品企画は、商品のアイデアをゼロから生み出すことです。

商品企画の段階では、実用化までの道筋が描かれていないことも珍しくありません。
商品化までの道程があやふやなイメージを、どのように商品として成立させるか具体的に考えるのが商品開発です。
そのため、商品開発は商品に関する情報収集やプレゼン、製造や販売スケジュールまで含まれます。
テストマーケティングで市場ニーズを見極めたり、販売の戦略を立案したりするなど、商品開発の内容は多岐にわたります。

商品開発の手順を紹介


商品開発は、新しい商品やサービスが市場に出るまでの行程に関わります。商品開発は、長いものでは数年かかるため、いかに商品開発を充実したものにするかが重要です。
ここでは、一般的な商品開発のプロセスを順番に解説します。

①市場分析

商品開発に市場分析は欠かせません。市場が求める商品を開発するには、市場や顧客を理解して何を求めているかを突き詰める行程が必要です。

市場分析に使われる情報は多様で、市場規模から動向、ニーズの有無や競合他社、法制度の変更などが挙げられます。
さらに、顧客ニーズだけでなく自社が持っている技術やリソース、強みについても分析します。
競合他社が少なければ成功しやすいとも限りません。自社以外に参入している企業が少ない理由として、ニーズがない可能性を疑ってください。

一方で、ニーズがあるとわかっている市場は多くの企業が集まってレッドオーシャンとなります。
ニーズがあり、さらに自社の強みを生かして差別化できるような市場を探さなければいけません。

②ターゲティング

ターゲティングは、誰に商品やサービスを提供するのかを明確にする工程です。
参入する市場が決まったら、ターゲティングで消費者のセグメンテーションを行い、どの層に注力するかを絞込みます。

セグメンテーションは、具体的に生活圏や年齢、性別や行動パターンのほか、嗜好や価値観といったものまで含まれます。
ターゲットは広いほうが、普及しやすいく商売にしやすいと感じるかもしれません。

しかし、ターゲットは狭く具体的に限定することで商品コンセプトが明確になります。

③商品コンセプトの設定

商品コンセプトは、どのような価値を提供するかを決定する段階です。
ターゲットが商品やサービスを購入して得られるベネフィットを考えて、商品コンセプトを設定します。

商品コンセプトの初めの段階では、アイデアやイメージといったラフな状態です。
イメージスケッチなども使って、ほかの人も利用可能なベネフィットを創造できるコンセプトを作ってください。

④マーケティング施策の決定

商品開発は、単純にニーズに対応できる商品を開発するだけでは成功しません。どのようにして売るのかという仕組みや戦略も商品開発の重要な要素です。

消費者の行動や心理を予測して、購入に至るまでの道筋を築いておくことがマーケティング施策のポイントです。
商品の販売価格から、販売ルート、プロモーションなど検討しなければならないことは多岐にわたります。

商品の売り方や魅力のアピール方法も重要です。新規性や独自性をアピールしたり、付加価値を強調し他社と差別化を図ってください。

⑤商品化とテストマーケティング

商品を本格的に製造する前に、試作品を開発します。試作品を製造することで、本格製造前にリスクになる要素を特定して対策できます。
市場に投入する前には限定された地域や販売ルートでテストマーケティングを実施して、消費者の生の反応を確かめてください。

テストマーケティングで想定していたターゲットからの反応にずれがないかを確認します。
テストマーケティングには実態に即した商品開発につなげたり、消費者の反応を商品に反映させたりと商品をよりブラッシュアップさせる目的があります。

⑥ロモーション・市場投入

市場投入時には、商品を販売する準備と並行してプロモーションに取りかかります。
保守的な消費者も多いため、見慣れない商品が市場に受け入れられるには時間がかかってしまいます。
そもそも認知されていない商品は売れません。そのため、プロモーションの施策としての広報や広告、販売促進、口コミなどが重要です。

広報には、プレスリリースや自社メディア、SNSでの告知、広報はWeb広告やTVCM、動画広告などがあります。
販売促進は、クーポンを配布したりサンプルを配布したりといった施策です。

近年重要度を増しているのがSNSの口コミです。SNSやブログでの口コミを参考に購入を決める人が増加しています。

SNSで紹介された商品が拡散されて大ヒットとなる例も多くあるので、プロモーション戦略として活用してください。
プロモーション施策は、複数の施策を同時並行で進めると相乗効果が期待できるので、早めに検討しておくことをおすすめします。

商品開発後の手順は?


商品やサービスが世に送り出されることはゴールではなく、新たなスタートです。商品開発後には、重要な工程が残されています。
気を緩めることなく商品開発後の手順に進んでください。

①販売拡大

商品の販売が安定したあとは、販売拡大するための施策をスタートします。商品開発と営業は別の仕事であり、販売拡大は営業の仕事と思われることもあります。
商品開発秘話のように開発側だからこそ消費者に伝えられる情報はプロモーションとして有効です。営業部門の声が次の商品のヒントになることも珍しくありません。

販売拡大を進めるために、商品開発と営業が協力してコミュニケーションを取れるような体制づくりが重要です。

②商品の改善を進める

導入した商品は、必要に応じて改善を行います。商品の改善には、機能追加や品質改善があります。
品質面で問題が発生した場合は早急な対応が必要です。また、機能や品質を下げない範囲でコストダウンすることも大切です。

コストダウンすることで利益が確保しやすくなり、新規商品開発や機能改善に費用を使えるようになります。

③新しい商品を開発する

目新しくて好調に売れた商品も、時間が経てば陳腐化したり、競合商品があらわれて販売が落ち込むことがあります。
商品開発は、新規投入した商品が好調であってもすぐに次の商品の開発準備に取りかからなければいけません。

商品にはライフサイクルがあり、企業は消費者が喜ぶタイミングで次の商品を投下しなければいけません。企業のスケジュールとして、先々の商品開発まで織り込んでください。

商品開発を成功させるポイント4つ


商品開発は、企業の将来を左右する重要な工程です。絶対に商品開発を成功させたいと意気込む人も多いでしょう。

ここでは、商品開発を成功させるためのポイントを厳選して4つ紹介します。

ターゲットの選定と商品コンセプトは徹底的にこだわる

商品開発は、ターゲットの選定と商品コンセプトからスタートします。
いくら労力をつぎ込んだとしても、ターゲットの選定がズレていたり、商品コンセプトがあやふやだったりする場合には消費者の心をつかめません。

一部社員の独りよがりな意見ばかり採用されていたり、消費者の共感を無視したりした商品は市場ニーズがなくて撤退することもあります。
ターゲットの選定と商品コンセプトは、商品開発の段階で突き詰めて考えておくようにしてください。

わかりやすく言語化されたコンセプトや具体性があるターゲティングが実施されていれば、販売部門でも戦略が立てやすくなります
明確なコンセプトが社員や周囲に伝わることによって、チームのモチベーションアップや推進力の向上にも期待できます。

効果検証を行う

商品が市場に出回るまでに、様々な試行錯誤やプロモーション、改良が行われています。これらの施策は実施するだけでなく効果検証まで行ってください。

例えば、ある施策がうまくいかなかった時には、「プロモーションで商品の魅力が伝わらなかった」、「商品名がわかりにくかった」、「商品そのものがターゲットにあっていない」などの様々な視点から検証します。

商品に問題がないにもかかわらず売上が伸びない場合には、様々なケースが考えられます。
アンケートや口コミを集めて検証したり、販売数のデータを分析したりすることが重要です。

ロードマップを描く

商品開発は、長期間にわたります。資金計画や、市場投下時期を把握するためにも商品開発の方針を示すロードマップを用意してください

ロードマップは長期的な視点で描かれるもので、その商品が開発されるまででは終わりません。
商品の改良や、次の商品の計画も織り込んだ中長期ロードマップを作成して適宜アップデートします。
ロードマップがあることで、どの工程でどれだけの資金を投入すべきかを判断可能です。

また、商品の販売がスタートしてからどの程度の期間で資金回収できるかを見極めるためにも活用されます。

生の声に耳を傾ける

商品開発や企画は会議室で行われるイメージかもしれません。しかし、商品が提供されている現場で生の声を聞いたり、自分の目で消費者の姿を確かめることが大切です。
生の声からヒントをかぎとって、商品改良や新商品につなげてください。商品開発には、消費者視点が欠かせません。

消費者から関心を集める方法や、自社商品を選んでもらうための方法を考えることが重要です。

まとめ

商品開発は、消費者が求めるものに自社の強みを合致させることがポイントです。
どのような消費者が相手であれば自社の強みを活かせるのか、どのような商品で差別化できるのかを、開発段階で徹底的に話し合います。

商品は市場に投入して終わりではなく、そのあとも改善やラインナップの増強やシリーズ展開、コストダウンと多くの工程があります。
商品開発後まで想定したロードマップを描いておくようにしてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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