動画生成AI「Sora(ソラ)」とは?日本ではいつから使える?活用方法・使い方
OpenAIの動画生成AI「Sora(ソラ)」とは?料金や使い方、活用方法などまとめ
ChatGPTを皮切りにして、次々と驚異的な性能を持つ生成AIサービスがリリースされる時代となりました。ChatGPTは文章が中心でしたが、今回ご紹介するのは、動画生成AIの「Sora」です。文章で指示するだけで、最長1分の動画を簡単に作ることができる生成AIです。「Sora」が今後の動画ビジネス、ひいてはビジネス界全体を変えることは間違いないでしょう。
本記事では、動画生成AI「Sora」の概要や、リリース時期、料金、使い方(活用方法)などをまとめてご紹介します。
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この記事の目次
OpenAIの動画生成AI「Sora(ソラ)」とは?
OpenAIは、24年12月9日に同社が開発した画期的な動画生成AI「Sora」の一般提供を開始しました。「ChatGPT Plus」(月額20米ドル)および「ChatGPT Pro」(月額200米ドル)の加入者を対象に、専用プラットフォーム「sora.com」でスタンドアローン製品として展開を始めました。既存の該当プラン加入者は追加料金なしで利用可能となっています。
サービス開始直後から予想以上のアクセスが集中し、一時的に新規アカウント作成を停止する事態となったものの、14日からアカウント登録を再開しています。
「Sora」で生成されたすべての動画には、AIによる生成コンテンツであることを示す識別機能が実装されており、生成元の確認も可能です。OpenAIは、まだ完璧ではないとしながらも、デフォルトで目視可能な透かしマークなど、複数の安全対策を組み込んでいます。
さらに、児童性的虐待素材や性的ディープフェイクなどの不正利用を防ぐための対策も導入。現時点では人物画像のアップロードは制限されており、ディープフェイク対策の改良・強化を進めながら、段階的にこの機能の提供を拡大していく方針です。
「Sora」は、テキストから動画を生成するAIモデルです。リアルなシーンを含む動画を作成できます。プレビュー版では1分まで動画を作れましたが、一般公開版ではその時間が短くなり20秒までとなっています。
このモデルは、画像から動画への変換、既存動画の編集や拡張、高解像度画像生成、そして複雑なシミュレーション生成が可能です。
また、高度な言語理解能力を持ち、ユーザーの要求に忠実な動画を生成します。
「Sora」は、その豊富なトレーニング方法と複雑なタスクへの対応能力で、多様なビジネスやクリエイティブな活動に革新をもたらす可能性を秘めています。
例えば、「東京・渋谷の交差点で人々が歩いている動画を作って」などと指示するだけで、すぐに動画を生成できます。
そもそも生成AIとは?
生成AI(生成人工知能)は、データを学習して新しいコンテンツを生成するAIの一種です。例えば、テキスト、画像、音楽、ビデオなど、既存のデータやパターンを基にして新しいコンテンツを作り出すことができます。
生成AIの応用例としては、以下のようなものがあります。
テキスト生成: ニュース記事、物語、コード、会話などのテキストを生成します。たとえば、このチャットで行われているような自然言語生成も含まれます。
画像生成: アートワーク、写真の修復、仮想現実のシーンなど、実在しない画像を作り出すことができます。
音声生成: 音楽、ポッドキャストのエピソード、合成音声など、新しい音声コンテンツを生成することが可能です。
動画生成: アニメーション、シミュレーション、ディープフェイクなど、動画コンテンツを生成します。
生成AIは多くの可能性を秘めていますが、同時に誤情報の拡散、著作権の侵害、プライバシーの問題など、倫理的な課題も提起します。このため、技術の開発と利用にあたっては、その影響を慎重に考慮することが重要です。
OpenAIの動画生成AI「Sora(ソラ)」は日本でいつから使える?
24年12月9日以降、「ChatGPT Plus」(月額20米ドル)および「ChatGPT Pro」(月額200米ドル)の加入者であれば、「sora.com」上で利用できます。日本語でも利用可能です。
月額20米ドルのChatGPT Plusプランでは、720p画質で5秒間の動画を月に最大50本まで生成可能。一方、月額200米ドルのChatGPT Proプランでは、より高品質な1080p画質で10秒、もしくは720p画質で20秒の動画を月に最大500本まで生成できます。いずれのプランでも、生成される動画のフレームレートは30fpsとなっています。
OpenAIの動画生成AI「Sora(ソラ)」の料金は?
「ChatGPT Plus」(月額20米ドル)および「ChatGPT Pro」(月額200米ドル)の加入者であれば、追加料金は不要です。そのため、最小限で利用するとしても、20米ドルは必要になります。
OpenAIの動画生成AI「Sora(ソラ)」の機能
OpenAIは2024年2月の発表時にプレビュー版のモデルを公開した後、今回の一般提供に際して処理速度を大幅に向上させた新バージョン「Sora Turbo」を開発しています。
一般公開されたバージョンには、以下の主要機能が実装されています。
動画編集の基本機能として、動画内の要素の置き換えや削除、再生成が可能な「Remix」機能を搭載しています。また、好みのフレームを抽出し、その差分を生成することで動画の長さを拡張できる「Re-cut」機能も備えています。
さらに、タイムライン上で動画シーケンスを整理・編集できる「Storyboard」機能、シームレスなループ動画の作成を可能にする「Loop」機能、2つの動画を1つのクリップにシームレスに結合する「Blend」機能を実装しています。加えて、ペーパークラフト風やフィルム・ノワール風など、動画のスタイルのみを変更できる「Style presets」機能も備えています。
OpenAIの動画生成AI「Sora(ソラ)」の始め方。実際に使ってみた
著者が実際に「Sora(ソラ)」を使ってみました。
まず、「sora.com」にアクセスします。
右上の「Start now」をクリックします。
右上の「Log in」をクリックします。
筆者はGoogleアカウントでPlusに登録しているので、「Googleで続行」を押しました。
誕生日を入力します。
筆者はPlusアカウントで「Continue」しました。
ホーム画面が表示されたので、下の窓で「日本の歴代総理大臣たちが戦っている映像を作って」と命令すると、以下のような動画ができました。右の人は岸田元総理に見えますが、他の人は全く誰だかわからないレベルでした。
OpenAIの動画生成AI「Sora(ソラ)」の使い方・できることの事例・活用方法11選
OpenAIの動画生成AI「Sora(ソラ)」の使い方・できることの事例・活用方法11選をご紹介します。
商品紹介ビデオの自動生成
商品紹介ビデオを自動生成して活用することで、eコマースサイトに革新をもたらします。
ビデオは製品の特徴、使用方法、を視覚的に表現し、製品の価値を明確に伝えることが可能になるため、顧客が製品についてより深く理解するのを助け、商品の購入へと繋げることができます。
また、自動生成されたビデオは、多様なフォーマットやデザインで提供され、各eコマースプラットフォームのブランドイメージやマーケティング戦略に合わせたカスタマイズが可能です。
動画生成AIを活用することで、時間とコストを節約しながら、eコマースサイトの魅力を大幅に向上させることができます。
パーソナライズされたマーケティングビデオの生成
顧客一人ひとりの興味や購買履歴を深く分析し、それに基づいて個別にカスタマイズされたプロモーションビデオを生成します。
このアプローチにより、各顧客に最も関心を持つであろう商品やサービスを直接紹介することができます。
動画は顧客の好みやニーズに合わせて調整されるため、視聴者は自分に合った内容だと感じ、ブランドに対するエンゲージメントが高まります。
さらに、この個人化された体験は顧客のロイヤリティを強化し、長期的な顧客関係の構築に寄与します。このように、パーソナライズされたマーケティングビデオは、顧客体験を向上させるだけでなく、企業のブランド価値を高める重要な戦略となります。
教育・トレーニングビデオの作成
動画生成AIを活用した教育・トレーニングビデオの作成は、従業員のスキルアップや新入社員の迅速なオンボーディングを目指す企業にとって、革新的な手法です。
この技術により、特定のスキルセットや職務に関連する内容を、視聴者の理解を深める形でカスタマイズして提供することが可能になります。
ビデオは具体的な操作方法、ソフトスキルの向上、業界知識の普及など、多岐にわたるトピックをカバーできます。
このアプローチは、従業員が新しい情報をより効率的に吸収し、実務に活かすことを促進し、全体としての組織の生産性向上に貢献します。
不動産のバーチャルツアー
動画生成AIを活用した不動産のバーチャルツアーは、物件の写真や詳細情報をもとに、まるでその場にいるかのような体験を遠方の顧客に提供します。
この技術により、実際に物件を訪問することなく、内装や外観、周囲の環境をリアルタイムで探索できるようになります。
顧客は自宅から物件の魅力を深く理解し、より情報に基づいた購入決定を行うことが可能です。
このバーチャルツアーは、不動産業界において顧客サービスを革新し、市場競争力を高める有効な手段となります。
ソーシャルメディアコンテンツの生成
動画生成AIによるソーシャルメディアコンテンツの生成は、最新トレンドやターゲットオーディエンスの関心事に迅速に対応し、魅力的なショートビデオを作成します。
この手法を用いることで、ブランドのオンラインプレゼンスを強化し、フォロワーとのエンゲージメントを促進します。
AIが自動で関連するコンテンツを生成することにより、マーケティングチームの負担が軽減され、常に新鮮で魅力的なコンテンツを提供することが可能になります。
顧客レビュービデオの生成
動画生成AIを使用した顧客レビュービデオの生成は、テキストベースの顧客の声を活用し、製品やサービスについて話しているようなリアルなビデオを作成します。
このアプローチにより、顧客の生の声をビジュアルとオーディオの形式で表現し、製品への信頼性と説得力を格段に高めます。
実際の使用経験に基づくレビューは、見込み顧客にとって非常に価値が高く、製品選択の重要な判断材料となります。
このようにして、企業は顧客満足度を可視化し、潜在顧客の信頼を獲得することができます。
イベント予告ビデオの生成
動画生成AIを使用したイベント予告ビデオの制作は、企業のイベントやプロモーションに関する詳細情報をテキスト入力として提供し、その内容に基づいて視聴者の関心を引きつける魅力的なビデオを作成します。
この手法は、イベントの目的や魅力を効果的に伝え、視聴者に参加意欲を喚起させます。
ビデオは視覚的な要素と情報を組み合わせることで、伝統的なテキストや静止画よりも高いエンゲージメントを期待でき、イベントの成功に大きく貢献します。
FAQビデオの生成
動画生成AIを使用したFAQビデオの自動生成は、よくある質問とその回答をテキスト形式で入力し、その内容に基づいて詳細な説明ビデオを生成します。
この方法により、顧客が一般的な疑問を迅速に解決できるようになり、顧客サポートの効率を大幅に向上させることが可能になります。
リアルタイムイベントのハイライト生成
動画生成AIを活用してリアルタイムイベントのハイライトビデオを生成する機能は、イベント中に自動的に重要な瞬間を捉え、そのハイライトを集めたビデオを作成します。
この技術はイベントビジネス事業者にとって非常に役立ちます。イベントの魅力を瞬時に伝えることができるため、参加者の記憶に残る瞬間を再現し、後からでもイベントの雰囲気を感じ取ることが可能になります。
自動ニュースレポートの生成
動画生成AIを用いた自動ニュースレポートは、最新のニュース記事から要点を抽出し、それらを基に視聴者向けのニュースレポートビデオを自動的に生成する機能です。
このプロセスでは、重要な情報が瞬時に視覚的なフォーマットに変換され、ニュースの迅速な配信が可能になります。
パーソナライズされた誕生日や記念日のビデオの生成
動画生成AIを活用してパーソナライズされた誕生日や記念日のビデオメッセージを作成することは、顧客データベースから得られた情報を基に、特別な日に合わせた個別のビデオメッセージを生成します。
このアプローチは顧客に対する思いやりを示し、ブランドのイメージを強化する新たなマーケティング手段として利用できます。
動画生成AI「Sora(ソラ)」を活用しましょう
以上、動画生成AI「Sora」についてご紹介しました。日本でリリースされ次第、ぜひ使ってみてください。
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(編集:創業手帳編集部)