ビジネスを上手くやる必要はない?異国でリスクを取り続けた社長の必勝方程式

創業手帳

株式会社QQ English代表取締役 藤岡頼光インタビュー(後編)

(2019/02/04更新)

前編では、フィリピンでビジネスを始めたきっかけや、フィリピンの可能性についてお話いただいた、株式会社QQ English代表取締役の藤岡 頼光氏。

後編では、異国の地で活躍する藤岡氏が感じた、起業家が成功するための秘訣や、大企業にスタートアップが負けないために持っておきたい考え方について、創業手帳 代表の大久保がお話を伺いました。

前編はこちら→なぜリゾート地を留学先に選ぶのか。フィリピン留学の草分け社長が描くセブ島の未来

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藤岡 頼光(ふじおか らいこう) 
QQイングリッシュ代表取締役
フィリピン・セブ島に拠点を置く、英会話学校QQイングリッシュを経営。約800人の教師が、年間5000人の語学留学生と1万人を超える世界中の 生徒にオンライン(スカイプ)で授業を提供。1992年バイク便のキュウ急便設立後、2000年バイクショップのコネクティング・ロッド設立。2005年 フィリピン・セブ島に留学後、2009年オンライン英会話事業のQQイングリッシュ開始。2010年に留学事業も開始。QQイングリッシュは現在、東京、 セブ、上海、ソウル、サンパウロ、テレランで展開。

インタビュアー 大久保幸世
創業手帳の創業者(代表取締役)
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計100万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。
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失敗をデータとして蓄積せよ

大久保:起業家が成功するために、藤岡さんは何が必要だと思いますか?

藤岡僕は、「たくさん失敗すること」だと考えています。
たくさん失敗してデータを蓄積すると、次第に「どのように行動したら正しいか」が見えてくるようになるんです。それぞれの道でプロとなっている人は、皆さんそう感じていると思います。
まずは、やってみないと絶対に正解しないですからね。なので、考えすぎてやらないよりは、あまり考えずにフィーリングでやってみるというほうがいいと思います。

バカになって失敗をして、その失敗を糧にして、また挑戦する。死なない程度にたくさん失敗することで、データが蓄積されていきます。海外でビジネスやって成功するかしないかの分かれ目はただ一つ。失敗して母国に帰っちゃうかどうかということだけです。

例えば、1万人が起業したら、1万人がそれぞれ想定外の出来事を経験します。そのうちの9,999人が脱落して、すぐに母国へ帰る。想定外の出来事が起きた時に生き残れば生き残るほど、ライバルは減っていくということです。

ですから、ビジネスなんて上手くやる必要はありません。とにかく継続することが大切です。続けていた奴が一番強いのであって、頭がよくて経営センスがあって上手いことをやっていた奴が生き残っていたわけではない。ダーウィンの進化論ではありませんが、変化に順応できた人が残っていくんですよね。

ビジネスは上手くやる必要はない。とにかく継続することが大切

自信を持っている人の周りに人は集まる

藤岡また、成功するためには、とにかく自信をもってやることが大切です。人は、みんな自信をもっている人のところに集まってきます。ビジネスっていうのは人集めのゲームですから、自信をもって優秀な人を集められるようにすることです。

「金持ちになりたい」「時間を自由に使いたい」「尊敬されたい」という願いは起業してもまず叶いません。仕事を辞める前のほうが絶対に金持ちだし、創業した瞬間に時間の余裕は一切なくなるし、尊敬なんて100%されません。自分以外全員上司なんです。すべての人の一番下っ端になるのが社長なんです。

そうではなく、「なぜ自分がそれを始めたのか?」を思い出してほしいです。自分がそれをやることによって世界がよくなる、世の中が一歩でもよくなるんだという気持ちです。それさえ忘れなければ、あらゆることが起きたときでも辞めないで立っていられるでしょう。継続するための根性・自信は、そのような気持ちがある人しか持てないのです。

周りの人間はそういう人を好きになるわけですし、一緒に仕事がしたいって思うわけです。

大久保:確かに、これから起業しようと考えている方や、起業したばかりの方は、「とはいえダメじゃないか」と、どこかで思ってしまうかもしれません。

藤岡:実は、今やっているフィリピン留学の事業についても、周りからは「リスクがでかすぎる」と言われていました。生徒さんに何かあったらどうするのか、天災が起きたらどうするのか、不況…。いろんなことが言われ、他のライバルは誰もそのリスクを取りに来なかったんです。

大久保:藤岡さんがそうしたリスクを取れたのはなぜだったのでしょうか?

藤岡僕がフィリピンでリスクを取れるのは、バブル世代で日本の狂ったような高度成長をよく知っているからです。今の若い子は日本のバブル時代を知らないから、アジアに出ることでいろいろなかたちで高度経済成長を見ることができると思います。ものすごく成長しているアジアの熱気を知らないと、リスクばかり考えるようになってしまうんですよね。

ビジネスで成功するためには、まずアジアに出て高度成長を知ること。そして、ネットワーク・知り合いを作ることです。いろいろなコミュニティ、同じ価値観をもつ仲間をいっぱい集めるしかありません。そして、英語を喋れるようになること。この3つですね。

継続するための根性・自信は、「なぜ自分がそれを始めたのか」という原体験から生まれる

「何をもって世界を良くするのか」という正義があれば、絶対に負けない

大久保:会社というのも一つのコミュニティでしょうし、そこをスタートとしてさらに大きなコミュニティに関わることもできそうですね。

藤岡:そうですね。昔と違って、今はビジネスがすごくやりやすい時代になりました。

昔は、優秀な人材は大企業にしかいなかったし、新しいビジネスをやる時も大企業にいなければ資金面で難しかった。会議をするにも、直接顔を合わせて行なっていましたよね。
でも今は、優秀な人ほど大企業の中だけでなく外部のベンチャー企業などと関わって、一緒にビジネスをやっていますし、会議もSkypeなどで世界中どこでもできます。

商品・サービスを作るにも、クラウドファンディングなど資金調達方法も充実していますし、それぞれの専門を持ち寄ってビジネスができる時代になりました。さらに、かつては広告費をかけないと商品やサービスが売れませんでしたが、今はSNSなどで無料で世界中に発信できます。

それぞれが自分でやっている小さな単位で有機的につながってネットワークを作れば、大企業しかできなかったようなこともできるようになってきましたね。

大久保:現在はまだまだ大企業もありますが、競合の大企業がもともといる領域でスタートアップを立ち上げて勝つにはどうすれば良いのでしょうか?

藤岡:僕が英語学校を創業した後も、多くの大企業が参入しようとしてきました。中には、30億円の広告費をかけてやってくる大手企業もいました。

でも、「自分が何をもって世界を良くするのか」という正義さえわかっていたら、絶対に負けないと思います。自分が命をかけてゼロから作った経験は、あとからお金では買えないわけだし、市場のかたちは変わっても自分たちが積み上げてきた実績と自信だけは変わらない。それに、大企業が参入しようとすればするほど、市場も活性化されていいんじゃないかと思います。

英語もビジネスも「とにかく続けること」が大切

大久保:現在1,200名ほどもいらっしゃるフィリピン人講師の方々をどのようにマネジメントされているのでしょうか?

藤岡僕がやっている業種では、先生=職人だと思っています。

生徒はみんな腕のいい先生、カリスマの先生から英語を学びたいと思っています。
そのような人材を育成するためには、長年職人という存在を育ててきた日本的なシステムが向いています。具体的には、長く勤めてもらうための終身雇用制度、徒弟制度などがこれに当たります。これを使えれば、ビジネスとしても強いものができます。

大久保:ちなみに、英語を学ぶうえで意識すべき点はありますか?

藤岡:英語は結局運動神経と同じだと思うんです。普段英語を使っている方は、わざわざ知的に頭を使ってしゃべっているわけではなく、反復していろいろなデータが頭のなかに入っているから、しゃべれるようになっていると思います。僕がやった英語の勉強法は「とにかくいっぱいしゃべっては繰り返す」という方法でした。そういうやり方でいいんじゃないかなと考えています。

大久保:頭の良し悪しではなく反射神経までいかないと、使える英語にはならないということですよね。

藤岡:そうですね。さらに、英語を反射神経のようにビジネスで使えるようにするためには、やっぱりマンツーマン授業が必要になってきます。

でも、日本で英会話をするとなればだいたいのスクールが1対4での授業になります。60分授業の場合、そのなかの30分は先生がしゃべるので、残り30分を4人で分けると、一人が喋ることができる時間はほんの数分だけです。それに対して、フィリピン留学なら60分のうち30分は自分がしゃべることができます。

日本で2年間かけて週に1回マンツーマン授業を受けるくらいなら、フィリピンに1~2ヵ月留学して特訓したほうが、絶対にしゃべれるようになります。3ヵ月間きて、土日も英語の授業をやって宿題もやったら、合計で1,000時間分(3ヵ月)はしゃべれるわけです。これを日本でやろうとしたらかなり大変ですよね。

ただ、英語の勉強で一つ言えるのは、「何をやってもいい」ということです。留学でもオンラインでも文法でも本屋にある山のような参考書でもどれでもいいのです。とにかく「継続」しなければいけません。

自分の信じた道・メソッドで良いので、「続ける」ことが大切です。これは英語の勉強でもビジネスの勉強でも一緒だと思います。

(取材協力:株式会社QQ English 代表取締役 藤岡頼光)
(編集:創業手帳編集部)

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