生成AIの種類とは?それぞれの特徴&おすすめのサービス15選

創業手帳

生成AIの種類を把握してビジネスシーンに活用しよう


これまでのAI市場では、識別系AIが注目を集めていました。しかし、近年は生成AIの注目度が高まっています。
画像やテキスト、音声といったコンテンツを簡単に生み出せる生成AIは飛躍的な進化を遂げ、幅広い場面で活用されるようになってきました。

今回は、生成AIの特徴やどのような種類があるのかを解説します。種類別でおすすめのサービスもご紹介するので、生成AIの活用を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

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生成AIとは?


生成AIは、ジェネレーティブAIとも呼ばれています。学習した膨大なデータを駆使し、自動的に画像やテキスト、音声といったコンテンツを生成することが可能です。
これらのコンテンツを生成するためには、人間が出すプロンプト(コマンドや入力文)やプログラムが必要です。

まるで人間が作り出した作品だと思わせるほど、ハイクオリティな仕上がりを見せてくれます。場合によっては人間が行う仕事や作業のサポートにも活用できます。

生成AIの種類と特徴


生成AIは5つの種類に分けられます。以下にそれぞれの特徴をまとめました。

1.画像生成AI

画像生成AIは、テキストでできあがりのイメージを指示することで、AIが自動的に画像やイラストを作成します。
2023年現在、すでに多くの画像生成AIがリリースされているため、SNSでも大きな話題を集めています。

簡単に画像を生成できる利便性がある反面、著作権やフェイク画像の悪用に関するトラブルに巻き込まれるリスクをともなうことから、生成した画像の用途には気を付けなければいけません。
また、細かい部分まで正確に描写されない場合もあるので、思ったような仕上がりにならない場合もあります。

2.文章生成AI

文章生成AIは、自然言語処理技術を駆使した人工知能です。その名のとおり、文章を自動的に生成してくれます。
入力されたテキストデータの構造・文法・意味などを理解し、新たな文章を作り出す技術です。

文章生成AIを取り入れることで、作業効率や情報分析力の向上などのメリットが得られます。新たなアイディアを生み出すヒントも得られるでしょう。
一貫した品質を維持した文章を生み出せる点も、文章生成AIを活用するメリットです。

しかし、内容が正確ではない場合や文章が不自然になってしまう場合もあるので、注意が必要です。
生成された文章に違和感がないか、最終的に人の目でチェックしなくてはなりません。

3.動画生成AI

動画生成AIは、画像生成AIの技術を発展させたものです。動画から新しい動画を生成できるタイプや、テキストから動画を生成できるタイプなどがあります。

ただし、現状ではまだ改善点が多く、不自然な内容の動画が生成されてしまう場合もあります。また、学習データの中に含まれる著作権問題は、今後の大きな課題です。
動画の商用利用に関しては、利用するツールによってNGの場合や、有料プランに加入すれば利用できる場合など様々なので、あらかじめ確認しておく必要があります。

4.音声生成AI

音声生成AIは、音声合成技術の発展形ともいえるAIです。合成音声は、録音編集方式と規則合成方式の2つが普及しています。

規則合成方式のひとつであるコーパスベースを活用した音声合成技術は、AIの発展にともなって技術進化が進んできました。
スマートフォンのAIアシスタントやコンタクトセンターの自動音声などでも活用されています。

今後はAIもさらに学習していくため、自然な対話が可能となる時代がやってくるとも考えられています。
今はまだ不自然さが残っているものの、さらに進化が期待できる分野です。

5.音楽生成AI

音楽生成AIは、大量の譜面を学習させることで新たな音楽を生み出します。人間が指示を出すことで、学習したデータをもとにした作曲を行います。
曲のコンセプトが決まっていれば、AIがふさわしいと考える音楽を生み出してくれるので非常に便利です。

しかし、学習した譜面のパターンをもとにした音楽しか生成できません。つまり、オリジナリティのある曲を作りたい場合には、AIの能力だけでは困難です。
単調なメロディになってしまうケースもあるので、今後はさらなる改善が期待される分野といえます。

生成AIを活用したい!種類別おすすめのサービス15選


生成AIの種類別におすすめのサービスをピックアップしてご紹介します。

画像生成AI

画像生成AIでおすすめなのは、「Stable Diffusion」・「Midjourney」・「DALL・E2」です。それぞれの特徴は以下のとおりです。

Stable Diffusion

「Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)」は、簡単な文章を入力するだけで、きれいな風景やまるで写真のような人物、可愛らしい動物などを作成してくれます。
進化のスピードが早く、大きな注目を集めている画像生成AIです。

多くの画像生成AIが、「t2i(text to image)」という機能を備えていますが、「Stable Diffusion」も例外ではありません。
この機能により、「Photoshop」や「Illustator」などを使いこなせない方でもハイクオリティな画像を簡単に作れるようになっています。

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Midjourney

「Midjourney(ミッドジャーニー)」は、誰でも簡単にプロのような画像を生み出せると話題になっている画像生成AIです。
クリエイターの仕事がなくなってしまうのではないかといわれるほど、ハイクオリティな仕上がりを見せてくれます。
同AIは、独自のアルゴリズムを駆使している点が強みです。

操作が簡単であることはもちろんですが、カスタマイズ性が高いことや多岐にわたる用途に使えることも魅力です。
広告やWebデザインなど、幅広い用途で同AIによって生成された画像が使われています。

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DALL・E2

「DALL・E2(ダリツー)」は、「ChatGPT」を開発した「OpenAI」による画像生成AIです。
2022年4月にリリースされて以来、注目を集めおり、以下のような機能があります。

  • テキストから画像を生成する「text to image」
  • バリエーションを生成する「Generation Variations」
  • 一部画像の削除や修正をする「Inpainting」
  • 画像の描き足しをする「Outpainting」

ハイクオリティな画像を生成する同AIは、画像生成AIの中でもクリエイティブな作風を得意としています。
サービス名は、スペインの著名な画家や、アメリカの長編アニメに登場するキャラクターが由来です。

文章生成AI

文章生成AIでおすすめなのは、「ChatGPT」・「NotionAI」・「ELYZA Pencil」です。それぞれの特徴をご紹介します。

ChatGPT

「ChatGPT(チャットジーピーティー)」は、各メディアでも見かけることが多い、話題の文章生成AIです。まるで人間と会話をしているかのような自然な文章を生成します。
個人での利用はもちろん、ビジネスでも利用可能です。

2023年3月にリリースされた「GPT‐4」は、有料プランの「ChatGPT Plus」を利用するユーザーのみ使えるようになりました。
従来モデルよりも出力の精度が向上したため、企業でも導入するケースが増えています。

ただし、最新の情報は学習データに含まれていません。望んだ回答と異なる場合もあるので注意してください。
また、生成された文章がすべて正しい情報で構成されているわけではない点にも注意が必要です。

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NotionAI

「NotionAI(ノーションエーアイ)」は、メモアプリケーションサービスの「Notion」の有料オプションで2023年2月から正式版がリリースされている文章生成AIです。
主にドキュメントの管理を得意としています。Markdown形式で文章作成のサポートも行っているので、統一されたフォーマットで記事を作成できます。

同AIを活用すると、文章の生成や既存コンテンツからの作成、既存コンテンツの編集・レビューなどができるので便利です。
しかし、誤った情報を出力した場合や有害なコンテンツを出力しようとした場合などはエラーが出るケースもあります。

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ELYZA Pencil

「ELYZA Pencil(イライザペンシル)」は、ニュースの記事やメールの文章、職務経歴書などの文章を自動的に生成する文章生成AIです。2022年3月に一般公開されました。
同AIでキーワードを複数入力すると、タイトルや文章を自動的に作ってくれます。

自然で読みやすい文章を生成できる、幅広いジャンルのコンテンツに対応できるといった強みを持ち合わせているAIです。
しかし、ほかの文章生成AIと同じように具体的なキーワードがないと、思っていたような文章ができない場合もあります。

動画生成AI

動画生成AIでおすすめなのは、「Runway Gen-2」・「Kaiber」・「Synthesia」です。それぞれの特徴は以下のとおりです。

Runway Gen-2

「Runway Gen-2(ランウェイジェンツー)」は、2023年6月にリリースされた動画生成AIです。
映像制作業界からも注目を集めている同AIは、テキストと画像から動画を生成できるようになりました。
同AIには、以下のような3つの機能があります。

  • テキストプロンプトで動画を生成する「Text to Video」
  • 画像とテキストプロンプトから動画を生成する「Text + Image to Video」
  • 画像だけで動画を生成するバリエーションモード「Image to Video」

出力した動画は、商用利用も可能です。

Kaiber

「Kaiber(カイバー)」は、画像・音楽・ビデオなどをアップロードするか、テキストを入力することで動画を生成します。
アメリカのロックバンドがMVを同AIで作成したことで大きな話題になりました。無料版もあるので、まずはお試しで使ってみたい人にもおすすめできます。

日本語にも対応しているので、英語が苦手な人も安心して使えます。無料版は商用利用ができませんが、有料版は作品の権利が製作者に帰属する点もポイントです。
そのため、商用利用を考えている場合は、有料版を利用する必要があります。

Synthesia

「Synthesia(シンセシア)」は、文章ファイルをアプリ内にドラッグアンドドロップするだけで、まるで人間のようなアバターを生成するAIです。
世界的に知名度が高い企業における社員研修などにも活用されています。英語や日本語、スペイン語など65を超える言語に対応している点も大きな魅力です。

独自のアバターをブランド専用に作成することもできます。AI音声プラットフォームを使えば、一貫した音声を簡単に取得できるので非常に便利です。

音声生成AI

音声生成AIでおすすめなのは、「Murf.AI」、「Notevibes」、「CoeFont STUDIO」です。以下でそれぞれの特徴をご紹介します。

Murf.AI

「Murf.AI(マーフエーアイ)」は、ナレーションのほかに歌声の生成もできるツールです。120以上の言語に対応していることもメリットのひとつです。
声のペースやトーン、アクセントなども細かく設定できます。

テキストの挿入などの編集も可能です。音声の文字起こしや自分自身の声をAI音声に作り替えるといった機能もあるので、幅広い用途で活用できるツールです。

Notevibes

「Notevibes(ノートバイブス)」は、シンプルな使いやすさに定評がある音声生成AIです。
多言語にも対応していて、まるで人物が話しているような動画を簡単に作れます。リアルな人間が話しているような動画を作りたい場合におすすめできます。

読み上げてもらいたい文章のURLを入力し、人物を選択するだけなので、操作も簡単です。生成した動画は、すぐ動画サイトに投稿することもできます。

CoeFont STUDIO

「CoeFont STUDIO」は、使える音声が5,000種類以上もある読み上げツールです。有名人やバーチャルYouTuber(V Tuber)の声も使えるようになっています。

また、英語と中国語はネイティブの発音で読み上げができるため、外国に向けた動画を作りたい場合にも役立ちます。
商用利用も可能で、個人での利用だけではなくビジネスでも利用しやすいツールです。

音楽生成AI

音楽生成AIでおすすめなのは、「AIVA」、「Amper Music」、「Jukebox」です。それぞれの特徴をご紹介します。

AIVA

「AIVA(エイヴァ)」は、映画などの音楽を手掛けた実績を持つ「AIVA Technologies」社が提供する音楽生成AIです。
非営利目的に限りますが、作曲した音楽は自由に使えます。趣味で音楽を作成したいと考えているのであれば、おすすめのツールです。

音楽のジャンルは13種類(Modern Cinematic・20th Century Cinematic・Sea Shanty・Jazz・Fantasy・Pop・Rock・Chinese・Tango・Electronic・Ambient・Hip Hop)から選択できます。
キーやテンポなど、パラメーターの設定も可能です。

Amper Music

「Amper Music(アンパーミュージック)」は、無料のアカウント作成をするだけでAIが自動的に音楽を作ってくれるソフトです。
作りたい曲のジャンルや曲の雰囲気、長さなどを指示することで音楽を生成します。作成された音楽はフリーで使用できます。

有料のPro版もあり、こちらは編曲できる機能が備わっているので、よりこだわりたい場合におすすめです。
曲中で使う楽器なども指定できるため、本格的な楽曲制作ができます。

Jukebox

「Jukebox(ジュークボックス)」は、ジャンルとアーティストを選択するだけで作曲してくれる音楽生成AIです。
インターネット上で集めた120万曲以上のデータセットを作成することで、よりクオリティが高い音楽を作り出せるという仕組みです。
英語の曲のデータが多いものの、今後はほかの言語にも対応する予定となっています。

ただし、同AIは大きい容量を必要とすることや、プログラミング言語の「Python」の知識が必要になることなども特徴のひとつです。
そのため、導入するハードルはほかの音楽生成AIより高いといえます。

まとめ

AIの発展により、様々な分野で取り入れられるようになりました。画像やテキスト、音声といったコンテンツを簡単に生み出せる生成AIは、特に大きな進化を遂げています。
生成した画像や文章、音楽などは商用利用できる場合もあるので、ビジネスにおける活用も検討してみてください。




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(編集:創業手帳編集部)

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