「~できます!」はNG。アポに繋がる【選択を与えるトーク】とは

創業手帳

アポを取る秘訣は”アポを取ろうとしないこと”

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(2017/2/22更新)

◆デキる営業マン養成講座アーカイブ

第一回:自然と顧客が寄ってくる”営業レター”とは
第二回:塩漬けリスト開拓に効果絶大なある方法とは
第三回:足を動かさずに”攻め”の営業をする方法
第四回:クロージングの確度を最大限まで上げるには
第五回:商談にもPDCAを!営業スキルを底上げする「トーク設計図」とは
第六回:一瞬で勝負が決まる!お客様の警戒心を解く「共感トーク」とは
第七回:営業はお客様に語らせたら勝ち!”好き”を引き出し”インパクト”で攻める営業トークとは
第八回:質問が”尋問”になってない?営業に必須のヒアリングリストとは
第九回:「~できます!」はNG。アポに繋がる【選択を与えるトーク】とは

前回はツールをうまく利用して商談を上手く進める方法をお話してきました。さて今回はいよいよ最後のステップ、クロージングについてお話しします。クロージングと聞くと難しく感じる方もいるでしょう。そこで誰でもうまく行くクロージング方法をご紹介します。

トークに頼るのではなくアプローチブックなどのツールを活用します。クロージングと言うと「殺し文句」などを思い出す人もいると思いますが、トークはアプローチブックの補足的な立場とお考え下さい。

ステップ1 お客様の警戒心を解く

ステップ2 商品と営業マンに興味を持ってもらう

ステップ3 お客様にヒアリングする

ステップ4 ニーズに気づいてもらう

ステップ5 次回アポ、クロージング

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

クロージング成功のポイントはアプローチブック

ステップ5の目的はクロージングもしくは次回のアポイントを取ることです。またアポイントが取れなかったときのために、次の手を準備しておくことも大切です。

ステップ5のトークはアプローチブックを見ていただきながら一言添えるとい感じになります。営業マンからお願いするものではなく、お客様からお願いしてもらうというイメージを持っていただければ結構です。

ステップ5の全体像

さて、これからステップ5の詳しい説明をしますが、その進む前に全体像を見て下さい。

逃げ道をつくるトーク 
  ↓
アプローチブック活用 選択を与えるトーク YES → アポをとる →手紙を出す
  NO           ↓
  ↓          期待トーク
アプローチブック活用
次の手を用意しておく
  ↓
期待トーク

強引にアポを取ろうとすると、チャンスをつぶす

その場で決まってしまう商品を扱っている方はクロージングして契約になりますが、それ以外の方の次回アポを取ることがゴールになります。だからといって強引にアポを取ろうとしてはなりません。

多くの営業マンは次回のアポを取ろうとするあまり、話の進め方が強引になってしまいます。そうすることでお客様に悪い印象を与えてしまうのです。またそれ以上に痛いのはその後フォローに影響が出る事です。

初めて出会ったときの印象が悪いと、二度と会ってくれなくなってしまうのです。

アポを取る秘訣は”アポを取ろうとしないこと”にある

強引にアポを取ろうとして何度も痛い目にあった私は次回アポについての考え方を大幅に変えました。《買うか買わないかはお客様が決める事。力んでもしょうがない》と思うようにしたのです。

するとどうでしょう?

強引にアポを取ろうとしていたときより、何倍もアポが取れるようになったのです。
力んでアポを取ろうとするとお客様に逃げられます。自然に接した方が、アポが取れます。

次回アポをとるコツは『アポをとろうとしないところにある』ということをまずは知って欲しいのです。

お客様に”逃げ道”を作ってあげる

強引にアポを取ろうとすればチャンスをつぶします。だからといって次の約束をしないままお客様を帰したのでは次はありません。やはり次回アポを取れるに越した事は無いのです。

次回アポをとる前にしておかなければならない大切なことがあります。それはお客様へ逃げ道を作ってあげることです。一般的にアポを取る時やクロージングの時は一般「逃げ道をふさぐ」と言われています。先回りして、断る理由を潰しお客様が断られないようにします。

しかし、この方法はかなりの経験やトークの技術が必要となるのです。

逃げ道をふさぐ方法はうまくは行きません。逆にお客様には逃げ道を作ってあげることがアポが取りやすくなります。ではどうして逃げ道を作ることがよいのでしょうか?

その理由は、お客様は営業マンに対して《まだ決めるかわからないし、手間をかけて迷惑もかけたくない》と思っているからです。このような状態でアポを取ろうとしてもまず断られてしまいます。

ですから《いつでも検討するのを止めていいんですよ》というように逃げ道を作ってあげた方がお客様は気軽にアポを取ってくれるようになります。

例えばですが「詳しい話を聞いたからといって今日決める必要はありませんから」と言われたら気が楽になるでしょう。アポ取得の前にお客様からプレッシャーを取り除いてあげることがきわめて重要になります。

実際の提案書を見せながらアポを取る

ダメ営業マン時代の私はアポをとるときもクロージングの時も口下手なりにトークだけでお客様に必死に説得していたことがありました。

たとえばアポを取る時「家づくりにおいて資金計画は大切です。絶対に一度やっておいた方がお客様の為になります!」などと迫っていました。しかしほぼ断れます。つくづくアポを取るのは難しいと思っていました。

そんなある日、たまたま手元にあった資金計画書を見せながら『このような提案もできますが、どうでしょうか?』とサラッと言ってみた事がありました。

たいした説明をしないのにもかかわらず、あっさり次回アポが取れてしまったのです。
お客様は実際の提案書を見るとイメージがわきます。だからこそ安心してお願いして頂けるのです。

アポを取るには準備が大切

ところでアポを取る内容やトークを前もって準備しているでしょうか?

ほとんどの営業マンは『次回アポ、クロージング』の際、事前準備が必要不可欠になってきます。あなたは過去に何らかの方法でアポイントを取っていたことがあるでしょう。
そのときのことを思い出して下さい。

トークで説明するのではなく、お客様に読んでもらい納得してもらうようにします。

例えば「概算ではありますが資金計画を作りますから、一度見てもらえますか?」と言う方法でアポを取ろうとします。この場合は資金計画書のコピーを用意し、ポストイットにこのように書いて貼り付けます。

『資金計画をすれば月々の支払い金額が分かります』
『自分がどれだけ借り入れできるか分かります』
『去年の源泉徴収額を教えてください』

それをアプローチブックの中に入れるのです。
これだけで強力なツールが完成します。

ツールが出来れば後は「どうしますか?」と聞くだけ

実際の提案書に伝えたい事をポストイットに書いて貼ります。
これだけで強力なツールが完成します。後はそれを見せながら「こう言った提案もできますがどうしますか?」と聞くだけです。

これを『選択を与えるトーク』といいます。

『○○させてください』ではなく、『○○もできますがどうしますか?』ということがポイントです。私は長い間、アポとはお客様にお願いするものだと思い込んでいました。

ですからどうしても「○○させて下さい」となってしまっていたのです。お客様は「○○させて下さい」と言われると反射的に「まだいいです」と言ってしまうものなのです。
アプローチブックを見てもらいながら『○○もできますがどうしますか?』というトークを投げかけてみましょう。

その方が簡単に次回のアポイントが取れるようになります。

アポが取れたらハガキを出す

アポが取れた後の話をします。

過去の私はアポが取れると安心していまい、その後お客様に何も接触しませんでした。
当日にドタキャンされることもしばしばありました。

痛い目に何でもあった私はアポの少し前にお客様に『前日はご来場ありがとうございました。提案書を用意して○○日の○時にお待ちしております』といった一通のハガキを出すようになりました。

そうすることでアポをすっぽかされることは激減したのです。

お客様は営業マンと話をしている時は《ちょっと話を進めてみよう》と思っています。
しかし、数日経つころには《やっぱり面倒くさいしやめようかな?》と言うように心変わりしてしまう可能性があります。

お客様を何もしないでほっといてはいけません。アポが取れたら、ハガキもしくはメールで接触しましょう。

アポが取れなかった時は

クロージングがうまくいかない、アポが取れないといった場合、あなたはどのように対処しているでしょうか?しつこく食い下がったりしてはなりません。そんな人をすればお客様は二度と話をしてもらえなくなります。またネットで叩かれるかもしれません。

とは言えお客様をそのまま帰すのはもったいないと思います。私自身もよく強引になっていました。私はその後、「どうして、強引になってしまうのか?」を考えました。その理由は【次の手を用意していないから】なのです。

もし次の手を用意していたらどうでしょう?お客様に対して「わかりました、それでは将来の家作りに役立つ資料をお送りできますがどうでしょうか?」と言って次の手を打てます。

ガードの固いお客様も「じゃあ、送ってもらおうかな」となる場合が多いのです。
強引にいってチャンスを潰すより、後にチャンスを残したほうがいい結果につながります。

最後は期待させるトークを

アポが取れたとしても、取れなかったとしても最後は期待させるトークで締めくくって下さい。アポが取れた場合は「来週の○日の○○時にお待ちしております。いい提案書を作りますから楽しみにしていてくださいね」と言っておけばいいでしょう。

またアポが取れなかったときは「数日後にお役立ち情報をお送りしますので、楽しみに待っていてください」といえばお客様はお役立ち情報が送られてくるのを楽しみにします。このように別れ際に期待させるトークで閉めましょう。

今まで計10回に渡り営業にお役に立つ話をさせて頂きました。
少しでもあなた様の営業活動の参考になれば幸いです。
また別の連載でお会いできる事を楽しみにしております。

営業コンサルタント
関東学園経済学部講師
菊原 智明

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(監修:営業サポート・コンサルティング(株)
代表取締役職 菊原智明(きくはら・ともあき)
(編集:創業手帳編集部)

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