質問が”尋問”になってない?営業に必須のヒアリングリストとは|デキる営業マン養成講座

創業手帳

お客様の要望を効率的に引きだすには?

salesman_lesson7

(2017/1/9更新)

◆デキる営業マン養成講座アーカイブ

第一回:自然と顧客が寄ってくる”営業レター”とは
第二回:塩漬けリスト開拓に効果絶大なある方法とは
第三回:足を動かさずに”攻め”の営業をする方法
第四回:クロージングの確度を最大限まで上げるには
第五回:商談にもPDCAを!営業スキルを底上げする「トーク設計図」とは
第六回:一瞬で勝負が決まる!お客様の警戒心を解く「共感トーク」とは
第七回:営業はお客様に語らせたら勝ち!”好き”を引き出し”インパクト”で攻める営業トークとは

お客様の警戒心を解き、興味を持ってもらえるのならばその後スムーズに要望を聞き出すことが可能になります。次はお客様の要望をヒアリングするステップです。

そもそも、どうしてお客様から要望をヒアリングする必要があるのでしょうか?その理由はお客様のニーズをしっかりとつかみたいからです。ステップ2により、お客様は商品と営業マンに興味を持ち始めています。興味を持ち始めている分、今までよりお客様はいろいろと話をしてくれます。しかし自然にお客様のニーズをつかめるという人もいるでしょうが、そうでない人も少なくありません。

ここで心強いツールをご紹介します。それは『ヒアリングリスト』と言うものです。今回はヒアリング方法とヒアリングリストについてお話します。

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

これまでの振り返りとステップ3の目的

ステップ3の目的は

  • お客様から要望をよく聞きだすこと
  • お客様に気持ちよく話してもらうような工夫をすること

が目的です。

ステップ1 お客様の警戒心を解く

ステップ2 商品と営業マンに興味を持ってもらう

ステップ3 お客様にヒアリングする

ステップ4 ニーズに気づいてもらう

ステップ5 次回アポ、クロージング

無駄な説明は百害あって一利なし

image1

お客様の警戒心を解き、興味を持ってもらったとします。

しかし、ここで長い商品説明をしてはなりません。その理由は、この時点ではまだお客様の要望や考えをほとんど聞けていないからです。その前にまずはお客様の要望を知る必要があります。お客様が興味のないことを一生懸命説明したところで、聞く耳を持たちません。

それどころか、的外れで興味のない説明が長く続けばお客様は買う気をなくし、せっかくのチャンスを潰してしまいます。

以前このような経験をしたことがありました。

お客様とうまく打ち解け、じっくりとお話しできる雰囲気になったため私は「いかに窓が大きく取れるか」という説明を15分ほどしました。

気持ちよく話し終わった私にお客様が一言「うちは広い窓は希望していません」と言い放ったのです。
このようにお客様の要望をよく聞かないで勝手に説明をしてもいい事はないのです。

質問が尋問にならないように注意する

お客様から要望を聞きだすことは重要ということはわかっていても、なかなか思うようにできないという方もいるでしょう。

過去の私は矢継ぎ早にお客様に質問していました。

『ご家族は何人でしょうか?』
『お住まいはどちらでしょうか?』
『どのくらいの大きさの家をご希望されていますか?』
『予算は?』

そのうちにお客様から『そこまでは考えていませんから!』と言われてしまいます。
次々に質問してしまい、尋問のようになってしまったのです。

時には『年収はいくらでしょうか?』などと、お客様に対して失礼なことを聞いてしまいその場で商談が消えてなくなる事もありました。

その理由は前もって準備をしていなかったからです。もし、前もってお客様に聞くことをリスト化しておけば、いきなり失礼なことを聞く事もなかったでしょう。お客様へのヒアリング方法は「正しいヒアリング方法」と「ヒアリングリスト」が重要な要素になってきます。

それではお客様への「正しいヒアリング方法」と「ヒアリングリスト」についてご説明します。

お客様への正しいヒアリング方法

まずは正しいヒアリング方法の基本形からご説明します。
次の図を見て下さい。

承諾トーク

質問トーク(ヒアリングリスト)

共感トーク、展開トーク

確認トーク

ヒアリング方法については次のような4つの構成になっています。お客様への正しいヒアリング方法は難しくありません。はちょっとしたコツを知ることで大幅に改善されます。それでは1つ1つ解説していきましょう。

ヒアリングは「承諾トーク」から始まる

image2

まずはステップ3のはじめのトーク、『承諾トーク』からお話します。

承諾トークとは名前の通り、お客様に質問する承諾を得ることです。その理由はお客様に心の準備をしてもらう必要があるからです。

お客様によっては、いきなり質問が始まると営業スタッフに対して圧迫感を感じる方もいます。お客様に気持ちよく質問に答えてもらうためにも、「少し質問させて頂いてもよろしいですか?」事前に承諾をとっておいた方がいいのです。お客様は自分でOKを出せば、質問にも積極的に答えてくれます。

このようにお客様に承諾を頂いてからヒアリングに入ることが大切です。

ヒアリングリストは順番が大切

承諾トークの次は「質問トーク」です。

質問トークは主に質問をリストにした【ヒアリングリスト】を元に質問していきます。【ヒアリングリスト】を作るのはとっても簡単です。

まずは、今までお客様によくしていた質問を思い出し、紙に書き出して下さい。書き出せたらその質問を聞きやすい順番に並べれば完成です。ヒアリングリストの使い方はリストの順番に質問していけばいいだけです。このヒアリングリストを持っているとお客様に安心して質問することができます。

また【ヒアリングリスト】を使ってみて、思いついた質問があれば書き足して順番を入れ替えることも必要です。
3~4人のお客様に使用すればかなり精度の高い【ヒアリングリスト】が完成するでしょう。

お客様に気持ち良く話してもらうための、共感トーク、展開トーク

ヒアリングリストの次は『共感トーク、展開トーク』です。

『共感トーク、展開トーク』とはお客様が答えたことに対して、あいづちを打ったり、その答えに対して展開して質問したりすることです。どんな回答であっても、必ず一回以上は『共感トーク』か『展開トーク』どちらかをして下さい。

仮に『共感トーク、展開トーク』がないと《なんか尋問をされているようだ》と思う人もいます。また『共感トーク、展開トーク』をすることでお客様の話を深堀してきけるようになります。

ここでトーク例をご紹介します。

『共感トーク、展開トーク』がない場合

営業『ご家族は何人でしょうか?』
お客様『四人です。』
営業『お住まいはどちらになりますか?』
お客様『近くです。』
営業『それでは時期はどうですか?』
お客様『う~ん』
営業『では、だいたいの予算を教えていただけますか?』
お客様『具体的には考えていませんから(怒)!』

『共感トーク、展開トーク』がある場合

営業『ご家族は何人でしょうか?』
お客様『4人です。』
営業『そうですかぁ。4人ということはお子様が二人ということでよろしいのでしょうか?』
お客様『そうです。子供が2人です。』
営業『お子様は、男の子ですか?女の子ですか?』
お客様『上が男で小1です。下が女で三才です。』
営業『そうですか、三才の女の子でしたらかわいい盛りではないですか?』
お客様『まあ、そうなのですが・・うるさくて。』

このようにお客様が答えたことに対して共感したり展開質問をすればいいのです。『共感トーク、展開トーク』を意識するとこによってスムーズにお客様の要望を聞きだすことが可能になります。

ヒアリングリストの質問を足がかりに『共感トーク、展開トーク』で深い部分までヒアリングしましょう。

メモを取ることを忘れない

image3

『質問トーク』『共感トーク、展開トーク』をする上で大切なポイントを説明します。
それは、お客様の話をメモに取ることです。

お客様から話を聞いているときは、《この程度だったら覚えていられるだろう》と思うかもしれません。しかしいくつか質問が進んでいくと、はじめの話を忘れてしまったりお客様が帰った後に思い出せなくなることもあります。そうならないためにも、そのつどメモを取ってほしいのです。

メモをとると言ってもお客様の言ったことを一字一句逃さないように書くわけではありません。そうしてしまうと逆にお客様は話しづらくなってしまいます。ポイントだけをサッと書き留める感じがベストです。

好印象を与える「確認トーク」

それでは、最後の『確認トーク』を説明します。

『確認トーク』とはお客様に話してもらったことを確認するトークのことです。
ある程度お客様から話を聞いた時点で「ここで今まで伺ったことを少し確認させてもらってもよろしいですか?」と言って確認するだけでいいのです。

2~3項目質問したところでヒアリングした内容を確認するとこによって《この営業さんはよく話を聞いてくれる》という印象を与えられます。

また『確認トーク』はお客様自身が自分の要望を整理する事ができるというメリットもあります。お客様は、商品に対してはっきりとした要望があるわけではありません。そこで第三者に客観的にまとめてもらうことにより、お客様は自分の考えに気づくことも多いのです。

ヒアリングステップ基本形のまとめ

承諾トーク→ヒアリング→共感、展開トーク→確認トーク

以上4つのトークが基本形になります。

続けて他の質問に進みたい時は確認トークの後に『もう少し聞いてもよろしいですか?』と承諾トークに戻りこのステップを繰り返していけばいいのです。このような流れを意識して頂ければ、今までよりずっとお客様の話がヒアリングできるようになります。

ステップ3のゴールはお客様の要望をヒアリングすることです。
ヒアリングリストの内容がすべて聞けたら次のステップ4へと進みましょう。

承諾トーク

質問

展開トーク

確認トーク

次回ステップ4では『お客様にニーズに気づいてもらう』のお話をします。

ステップ3でお客様の要望をキチンとヒアリングできれば、ステップ4は上手く行きます。

次回も楽しみにして下さい。

営業レターについて知りたい方は、是非呼んでみてください!>>
訪問しなくても売れる!「営業レター」の教科書

(監修:営業サポート・コンサルティング(株)
代表取締役職 菊原智明(きくはら・ともあき)
(編集:創業手帳編集部)

創業手帳は、起業の成功率を上げる経営ガイドブックとして、毎月アップデートをし、今知っておいてほしい情報を起業家・経営者の方々にお届けしています。無料でお取り寄せ可能です。

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す
今すぐ
申し込む
【無料】