採用活動に使える助成金・補助金14選!申請方法や利用の注意点も解説!
採用時に使える助成金・補助金で負担を軽減しよう
より良い製品を生み出すために、生産性をアップさせるためにも人材採用は重要です。しかし、ホームページの整備や求人媒体への掲載や採用説明会の開催以外にも、採用活動全般の作業を担う採用担当者の人件費が発生します。
費用をかけなければ優秀な人材を採用することは難しいかもしれません。ただし、できる限り「費用を抑えたい」と考える企業も多いでしょう。
そのような時に役立つのが、採用活動に活用できる助成金や補助金です。国や地方自治体などから支給され、採用や雇用に関するコストを削減できます。
今回は、そのような採用活動に使える助成金や補助金について解説していきます。事業主の方や採用に携わる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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この記事の目次
採用活動に使える助成金・補助金とは?
採用や雇用に関する助成金や補助金は、国や公共団体が企業に支給しているお金です。人材採用を手助けする支援策となっており、採用活動で発生する費用の一部分が後から補填される仕組みです。
雇用環境の整備に関する助成金や補助金など、様々な種類が用意されています。
一般的には、要件に該当する企業であれば申請をすることで利用でき、受け取った金銭は返済不要な点がメリットです。
しかし、助成金と補助金によって若干の違いがあるので注意が必要です。
制度 | 申請の特徴 |
---|---|
助成金 | 原則、要件を満たせば支給される 主に厚生労働省が管轄している制度 |
補助金 | 公募が実施され採択された場合のみ利用可能 支給上限や募集期間に定めがある 主に経済産業省が管轄している制度 |
制度によって申請できる要件や対象者が異なるため、活用したい場合や助成金や補助金の内容をしっかりと確認することが重要です。
採用活動に活用できる助成金・補助金7選
人材採用で使える助成金や補助金を7種類ピックアップしてご紹介していきます。内容を理解するためにも参考にしてみてください。
トライアル雇用助成金
求職者を無期雇用契約へ移行することを前提にした、トライアル雇用を実施する事業主に対して費用を助成する制度がトライアル雇用助成金です。
早期就職や雇用機会の創出が目的となっています。トライアル雇用助成金を受けるための条件は以下のとおりです。
-
- ハローワークなどの紹介によって雇い入れる
- 原則3カ月間のトライアル雇用を実施する
- 1週間の所定労働時間が通常の労働者の1週間の所定労働時間と同じ
- 雇用保険適用事業所の事業主である
- 支給を受け入れるための審査に協力する
- 管轄労働局の実地調査を受け入れる
雇い入れた日から1カ月単位で最長3カ月を対象として助成が実施され、1カ月単位で助成金が給付される仕組みです。支給額は、支給対象者1人につき月額4万円程度になります。
キャリアアップ助成金
非正規雇用者のキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取組みを行った事業主を対象に、助成金を支給する制度がキャリアアップ助成金です。
-
- 雇用保険適用事業所の事業主
- 雇用保険適用事業所ごとにキャリアアップ管理者を設置している
- キャリアアップ計画を作成して管轄労働局長の受給資格認定を受ける
- 対象労働者の労働条件や勤務状況、賃金支払い状況などの書類を整備して賃金の算出方法を明らかにできる
- 支給申請時点で各コースが定めている支給要件を満たしている
上記に当てはまる事業主のみが対象です。
支給額は各コースによって異なりますが、正社員化コースであれば、有期雇用労働者を正社員化した場合、中小企業であれば80万円が助成されます。
また、申請できるのは対象となる労働者を正社員化してから6カ月分の給与を支払った後となります。
特定求職者雇用開発助成金
高齢者や母子家庭の母など、就職困難者を雇い入れる場合に利用できる制度が特定求職者雇用開発助成金です。
雇い入れる人のタイプによってコースが分かれており、65歳以上の高齢者を雇い入れる生涯現役コースや、生活保護受給者を雇い入れる生活保護受給者等雇用開発コースなどがあります。
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- ハローワークや民間の職業紹介事業者の紹介によって雇い入れる
- 雇用保険一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れ、継続雇用する
支給額は、労働者のタイプや企業規模に応じて異なります。
例えば、短時間労働者以外の60歳以上の高年齢者を雇い入れた中小企業は60万円が支給され、助成対象期間は1年です。
中途採用等支援助成金
中途採用の拡大や東京圏から移住者を雇い入れる事業主に対して助成金を支給する制度が中途採用等支援助成金です。
中途採用拡大コースとUIJターンコースの2種類があります。
中途採用拡大コースは、中途採用の拡大が目的です。中途採用率の拡大または45歳以上の初採用を図った事業主に対して、中途採用拡大助成を実施しています。
また、中途採用拡大助成の支給を受けた事業主のうち、一定期間経過後に生産性が向上した事業主に対して生産性向上助成を行います。支給額は以下のとおりです。
助成内容 | 実施区分 | 支給額 |
---|---|---|
中途採用拡大助成 | 中途採用の拡大 | 1事業所50万円 |
中途採用拡大助成 | 45歳以上の初採用 | 1事業所60万円または70万円 |
生産性向上助成 | 中途採用の拡大 | 1事業所25万円 |
生産性向上助成 | 45歳以上の初採用 | 1事業所30万円 |
人材確保等支援助成金
魅力ある職場を作るために、労働環境の向上を図る事業主や事業協同組合などに対して助成されるのが、人材確保等支援助成金です。
人材確保等支援助成金は人材の確保や定着を目的としており、主に8つの助成コースが用意されています。
-
- 雇用管理制度助成コース
- 中小企業団体助成コース
- 人事評価改善等助成コース
- 建設キャリアアップシステム等普及促進コース
- 若年者及び助成に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
- 作業員宿舎等設置助成コース
- 外国人労働者就労環境整備助成コース
- テレワークコース
各コースで要件や助成金額は異なります。例えば雇用管理制度助成コースの場合、離職率低下の目標を達成すると57万円が助成されます。
中小企業団体助成コースでは、労働環境向上事業を実施した際にかかった費用の2/3(団体の規模に応じて、600~1,000万円が上限)を助成してもらうことが可能です。
ただし、それぞれのコースで新規受付の休止や再開などが異なるため、利用する際は厚生労働省のサイトを確認してください。
早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)
企業が労働者に離職を推奨する際に再就職支援を委託することで、早期雇い入れの拡大や生産性向上を実現した際に支給される助成金が、早期再就職支援等助成金です。
再就職援助計画もしくは求職活動支援書の対象者を、離職後3カ月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れ、継続雇用を実施する事業主に対して助成する制度が雇い入れコースとなっています。
条件は以下のとおりです。
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- 離職した翌日から3カ月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れる
- 一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れる
支給額は、通常助成であれば1人につき30万円です。
REVICや中小企業再生支援協議会の事業再生や、転廃業などの支援を受けている事業主から離職した人材を雇い入れる優遇助成の場合は、1人につき40万円が支給されます。
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
雇用機会が不足している事業主や事業所の設置・整備で、地域の求職者を雇い入れる場合に助成される制度が地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)です。
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- 雇い入れに関する計画書を労働局長に提出する
- 事業用の施設や設備を計画期間内に設置、整備する(整備費用は1点あたり20万円以上、合計額300万円以上)
- 地域に居住する求職者を計画期間内に一般被保険者または高年齢被保険者としてハローワークの紹介によって3人以上雇い入れる
- 被保険者数が増加している
以上が要件です。
受給は1年ごとに最大3回支給され、設置や整備費用、増加した労働者の数に応じて額が異なります。
例えば、設置や整備費用で300万円以上かかり、労働者が3~4人増加した場合は50万円支給されます。
障害者の採用に活用できる助成金・補助金7選
続いて、障害者を採用する際に使える助成金や補助金をピックアップしてご紹介していきます。
障害者作業施設設置等助成金
障害者が障害による課題を軽減、解消して業務をスムーズに実施できるように施設や設備を整備した際に利用できる助成金です。
トイレを車椅子用やオストメイトに対応できるように改修したり、スロープを設置したり、社用車を改造したりすることなどを目的にに利用できます。
要件は以下となります。
-
- 障害者を対象とする措置に対して支給され、新しく障害者を雇い入れる場合
- 中途障害で復職する場合や、障害が重くなり新しい措置が必要になる場合
- 人事異動などで作業施設などの整備が必要になる場合 など
障害者介助等助成金
障害者を雇用するにあたって、介助者を職場や委嘱する事業主に対して支給する助成金が障害者介助等助成金です。
聴覚障害者を雇用する際に手話通訳者を配置するなどの措置が対象です。
以下に当てはまる事業主が対象となります。
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- 助成金ごとに定められた対象障害者を雇用または継続雇用する
- 助成金ごとに定められている措置を実施しなければ雇用の継続が困難だと認められた
- 障害者雇用納付金制度助成金の不支給措置がとられていない
- 不正受給で返還金がある場合、返還が終了している
重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金
重度障害者を多数かつ継続雇用している事業主に対して支給される助成金が、重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金です。
安定した雇用のために施設や設備の整備を実施した場合に一部費用が助成されます。
対象障害者は、重度身体障害者、重度知的障害者、知的障害者、精神障害者です。
安定した雇用を継続できる作業施設や福祉施設の設置、整備のほか、対象障害者の雇用を継続するために活用しなければいけません。
-
- 1年を超えて10人以上対象障害者を雇用している
- 労働者数に占める対象障害者の割合が20%以上
- 障害者雇用納付金関係助成金の不支給措置がとられていない
- 不正受給によって返還金が生じている場合、返還が終了している
- 他の模範となるモデル性があると認められた
- 経営基盤や雇用条件が著しく良好
上記の要件をすべて満たす事業主のみ支給されます。
キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)
障害者雇用の促進や職場定着を図るための助成金です。以下のいずれかに該当する措置を継続的に行った事業主に対して助成されます。
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- 有期雇用労働者を正規雇用労働者または無期雇用労働者に転換する
- 無期雇用労働者を正規雇用度労働者に転換する
対象労働者に対する賃金を6カ月支給した日の翌日から起算して、2カ月以内に申請を行います。
申請は事業所の所在地を管轄する都道府県労働局です。スムーズに申請ができるように前もって内容をよく確認しておいてください。
トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)
前述したトライアル雇用助成金には、障害者トライアルコースも用意されています。
障害者を一定期間雇用して、適性を確認した上で正式雇用へと移行できる仕組みです。支給要件は以下のとおりです。
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- ハローワークや民間の職業紹介事業者の紹介によって雇用する
- 障害者トライアル雇用の期間について雇用保険被保険者資格取得の届け出を行う
対象となる労働者が精神障害者の場合は月額最大8万円を3カ月、月額最大4万円が3カ月支給されます。それ以外の場合は、月額最大4万円が最長3カ月間支給されます。
特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)
障害者手帳を持っていない発達障害者や、難病のある人材を雇用する事業主に対して助成する制度が、特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)です。
発達障害や難病を持つ方の雇用や職場定着の促進が目的です。
助成額は、短時間労働者以外の労働者を雇用する中小企業であれば総額120万円、中小企業以外であれば総額50万円が支給されます。条件は以下のとおりです。
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- 雇用保険の適用事業主である
- 対象労働者の出勤状況や賃金の支払い状況などを明らかにする書類の整備、保管を実施している
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
高齢者や障害のある就職困難者を雇用保険一般被保険者として雇用し、継続して雇用する企業が受給できる助成金が、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)です。
身体障害者や知的障害者、精神障害者が対象となります。支給要件は以下のとおりです。
-
- ハローワークや民間の職業紹介事業者の紹介によって雇用する
- 対象労働者を雇用保険一般被保険者として雇用する
中小企業が短時間労働者以外の重度障害者を雇用した場合、総額240万円が支給されます。
採用時に利用する助成金や補助金の申請方法
人材採用の際に活用できる助成金や補助金の申請は種類によって異なります。定められた手順に沿って申請を実施しなければ受けられない可能性があるかもしれません。
それぞれの制度について解説している公式ホームページをよく確認してから、申請を行ってください。
書類が必要になるケースもあるので、前もって確認しておいてください。
また、補助金に関しては電子申請システムの「jGrants」を活用してオンラインでの申請も可能です。
事前にgBinIDプライムのアカウントを取得する必要があるため、早めに申請しておくとスムーズに補助金申請を行えます。
採用に助成金や補助金を利用する時の注意点
助成金や補助金は、種類によって支給条件が異なります。対象でなければ支給されないので、事前に対象であるかどうかを確認しましょう。
また、支給内容に関しては改正があり、中には廃止となる制度も存在します。
インターネットで様々な情報を集められますが、中には内容が異なったり、廃止になったりしているものもあるため注意が必要です。
公式ホームページから最新情報を確認し、内容が間違っていないか自分でも確認しておくと安心です。
まとめ・採用に関する助成金・補助金は目的に合わせて活用しよう
人材採用では、多くのコストが発生します。しかし、助成金や補助金を活用すれば採用コストを抑えながら優秀な人材発掘が可能です。
会社の成長につなげるために、ぜひ活用を検討してみてください。
ただし、各制度によって支給条件は異なります。条件を満たしているかチェックしてから申請を考えてください。
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(編集:創業手帳編集部)