再生可能エネルギーとは?今更聞けない基本知識をまとめました。

創業手帳

再生可能エネルギーはこれから成長期待が高まる市場


2012年にFIT制度がスタートしてから、再生可能エネルギーの普及が進んでいます。
再生可能エネルギーに関わるビジネスは、今後も成長が期待できる分野です。
これからの成長期待がある水力やバイオマス発電のほか、すでに普及が進んだ太陽光発電は設備の保守メンテナンス市場の拡大が期待されます。

再生可能エネルギーの業界はスピーディーに流れが変わるため、ビジネスチャンスを逃さないようにアンテナを張っておくようにしましょう。

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知っておきたい再生可能エネルギーの基礎知識


ニュースや経済番組などで聞かれることも多い、再生可能エネルギー。
なんとなく、自然に優しく、環境負荷が少ないイメージを持つ人も多いかもしれません。
まずは、再生可能エネルギーがどのようなものか知っておきましょう。
再生可能エネルギーの基礎知識をまとめました。

再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出することなく、国内で生産できるエネルギーです。

太陽光や風力、その他非化石エネルギー源のうちで、エネルギー源として永続的に利用できると認められるものが再生可能エネルギーです。
太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱や、その他の自然界に存在する熱・バイオマスが該当します。

環境への影響を考慮に入れながらも、私たちの生活や経済活動のために必要なエネルギーを合理的な価格で確保し続けるためにも再生可能エネルギーが注目されています。

再生可能エネルギーの種類

実際に、どのような再生可能エネルギーが利用できるのか、それぞれの特徴を紹介します。

太陽光発電

太陽光発電は、シリコン半導体などに光を当て、電気が発生する仕組みを利用した発電です。
日本でも導入が進み、2016年度末までに累積で3,910万kWの発電が達成されました。
屋根や壁などの利用していないスペースを活用できるので、新しく発電のための場所を用意する必要もありません。
災害時の非常用電源としても使われます。

風力発電

風力発電は、風のエネルギーを電気エネルギーに変える発電方法です。
太陽光発電と違って、風が吹いていれば夜間でも発電できます。

風力発電は変換効率が良く、大規模に発電できれば発電コストが火力並みともいわれ、今後は十分な経済性も確保できる可能性を秘めているといわれています。

バイオマス

動植物から生まれた生物資源の総称をバイオマスといいます。
生物資源を直接燃焼させたりガス化したりして発電するのがバイオマス発電です。
家畜排泄物・稲ワラ・林地残材など国内のバイオマス資源を活用できるので、地域環境の改善にも貢献できる発電方法です。

水力発電

日本は水資源が豊富な国で、昔から水力発電が利用されてきました。
大規模なダムだけでなく、農業用水や上下水道を利用する水力発電もあります。

水力発電は、自然条件に左右されず、長期稼働できる点が大きなメリットです。
近年は、中小水力発電の建設も活発化しています。

地熱発電

日本は火山帯に位置しており、地熱発電は古くから注目されてきました。
地熱エネルギーは、化石燃料のような枯渇はなく、昼夜を問わず安定して発電できる点がメリットです。

高温蒸気や熱水を、農業用のハウスや魚の養殖、暖房設備として再利用も可能です。
現在では東北や九州を中心に展開されています。

太陽熱利用

太陽熱利用は仕組みもシンプルで、給湯利用が多い施設でも導入されている方法です。
太陽の熱エネルギーを太陽集熱器に集め、熱媒体を暖めて給湯や冷暖房に活用します。

雪氷熱利用

雪氷熱利用は、冬の雪や冷たい外気で凍った氷を保管して、冷房などに利用する方法です。
寒冷地では排除するためにコストがかかる雪や氷を積極的に利用できます。

温度差熱利用

温度差熱利用は、地下水や河川水、下水などの水源を熱源にするエネルギーです。
夏場は水温のほうの温度が低くなり、逆に冬場は水温のほうが高くなるため、水が持っている熱を利用するのが、温度差熱利用です。
除雪の熱源や温室栽培でも利用されています。

地中熱利用

地中熱とは、浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーです。
地中の温度は地下約10〜15mの深さだと年間を通して変化が見られなくなります。
外気との温度差を利用して、冷暖房を実施する方法です。

どうして再生可能エネルギーが注目されているの?


日本では、東日本大震災以降3年連続で温室効果ガスの排出量が増加したものの、2014年度から2020年度には、温室効果ガスの総排出量が7年連続で減少しています。
また、2016年発効のパリ協定においても、世界の平均気温上昇を低く保つこと、そのために世界の温室効果ガス排出量を削減するよう求められています。

環境や資源への取組みや関心は高まりを見せており、再生可能エネルギーが注目されるようになった理由や、直面している課題についてまとめました。

再生可能エネルギーが注目される理由

日本が現在使用しているエネルギー源は、主に石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料があります。
化石燃料は埋蔵量に限りがあるエネルギー資源で、いずれは尽きてしまうものです。

日本では、化石燃料のほとんどを輸入に頼っている状態です。
エネルギー自給率が低く、今後世界でエネルギー需要が高まった時にどうやって安定したエネルギーを確保するかは大きな課題といえます。

加えて、化石燃料を使うと、地球温暖化の原因である二酸化炭素が排出されてしまいます。
しかし、再生可能エネルギーは化石燃料と違い、一度利用しても比較的短期間で再生可能です。
さらに、枯渇することなく繰り返し利用できる上、その多くが純国産で、発電した時に二酸化炭素を排出しません。

日本と世界が持続的に発展するためには、環境に優しく、使い続けられる再生可能エネルギーの導入が求められます。

再生可能エネルギーの抱える課題

日本の電源構成に占める再生可能エネルギーの比率は、2017年度でおよそ16%で、他国と比較して低い水準です。

日本で再生可能エネルギーを主力とするためには、再生可能エネルギーの発電コストを低減させなければいけません。
また、長期的に安定したエネルギー源であることも必須です。

一部の再生可能エネルギーは、季節や天候によって発電量が変わります。
需要と供給のバランスが崩れてしまうことで、電力不足を招くかもしれません。

再生可能エネルギーで供給できる量の問題と、一定量に達すると周波数維持が難しくなる質の問題が、再生可能エネルギー導入の足かせとなっています。

従来の発電システムを使いながら、再生可能エネルギーが持つ欠点をカバーすることが今後の課題です。
さらに、再生可能エネルギーの価格競争力を強めるためにFIT(固定価格買い取り制度)や、一定量以上の再生可能エネルギーの発電・購入を義務とする制度が普及をサポートしています。

再生可能エネルギーを後押しする政策や、再生可能エネルギーの普及を促進する新しい企業は、以下で確認してください。

FIT制度とは


再生可能エネルギーの普及のため、政策的な後押しとしてFIT制度が導入されています。
FIT制度とは「Feed-in Tariff(フィード・イン・タリフ)」の略称で、固定価格買い取り制度を意味しています。
どのような制度なのか、基礎知識をまとめました。

FIT制度とFIP制度を知ろう

日本でFIT制度がスタートしたのは、2012年のことです。
さらに、2022年の4月からはFIP制度もスタートしています。
どのような違いがあるのか、それぞれの概要をまとめました。

FIT制度

一般家庭や企業が再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が買い取るように国が約束しているのがFIT制度です。
再生可能エネルギーによる発電の普及を目的とし、定められた期間は単価を変えずに電力会社が買い取るように義務付けられています。

FIP制度

FIP制度は、「Feed in Premium(フィード・イン・プレミアム)」の略称です。
売電収入の基準となる価格(FIP価格)をあらかじめ定めて、市場価格に基づいた価格(参照価格)との差額であるプレミアムを再生可能エネルギー発電事業者が受け取る仕組みです。

FIT制度が固定価格で買い取るのに対して、FIP制度は一定のプレミアムを上乗せして、再生可能エネルギーの導入を支援します。

FIT法がスタートした2012年以降、再エネの導入拡大は進みましたが、再生可能エネルギーを主力とする場合には、賦課金が問題です。
FIT制度では、再生可能エネルギー発電で作られた電気は電力会社が買い取りますが、その買取費用の一部は賦課金として電気料金を介して国民が負担しています。
今後再生可能エネルギーでの発電量が大きくなれば、国民へ課せられる賦課金の負担も大きくなってしまいます。

加えて、FIT制度は市場価格から切り離された制度なので、需要と供給のバランスが考慮されていませんでした。
今後再生可能エネルギーを主力とするためには、ほかの発電方法と同様に電力市場の状況を踏まえた発電をしなければいけません。
そこで、基準価格と市場と連動する参照価格の差額をプレミアムとして、再生可能エネルギー事業者が受け取るFIP制度の導入が決定しました。

FIT制度について詳しくはこちらの記事を>>
FIT(フィード・イン・タリフ)制度とは?仕組みと手続き方法

再生可能エネルギー開発に関するスタートアップ企業一覧


再生可能エネルギーへの注目は今後も高まることが予想され、再生可能エネルギー関連のスタートアップ企業も増加しています。
どのような企業があるのかを紹介します。

株式会社レノバ

株式会社レノバは、再生可能エネルギー発電所の新規開発の運営管理を行う会社です。
「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」をミッションとして、エネルギー変革に取り組んでいます。
再生可能エネルギー発電事業の計画から発電まで一貫して自社で手掛けています。

株式会社レノバのロゴマークは、外向きに広がる青い羽のデザインで、太陽と風車・水車・タービン・循環・再生のイメージがモチーフです。

株式会社レノバは、2020年に再生エネルギー専業企業として初めてグリーンボンドを発行したことも話題となりました。
日本とアジアにおける再生可能エネルギー発電拡大を推進しています。

Tensor Energy株式会社

Tensor Energy株式会社は、AIによる発電予測と電力取引市場の予測のほか、各種オペレーションの自動化、経済性と環境価値の可視化に寄与するオーケストレーションプラットフォームを手掛けています。

再生可能エネルギーの事業者の業務プロセスを加速して、脱炭素化やデジタル化をサポートしている企業です。
Tensor Energyは、2022年に資金調達を実施し、調達した資金をもとに開発を進め、ベータ版の公開とリリースを目指しています。

自然電力株式会社

自然電力株式会社は、自然エネルギー発電所の発電事業(IPP)や事業開発を手掛けるスタートアップ企業です。
太陽光発電・風力発電・小水力発電などの多岐に渡る発電設備を備え、事業全体で1ギガワット以上の発電実績があります。

天候に合わせて電気を自給自足して、大規模発電への依存を減らすミニマムグリッドを推奨し、普段使いできる自然エネルギーの普及を目指しています。
最近では、宮城県気仙沼市で約20MWの大型太陽光発電所を完工し、2021年11月から商業運転を開始しました。
さらに、ブラジルで現地合弁会社を設立し、太陽光発電所の建設への取組みもスタートしています。

株式会社クリーンエナジーコネクト

株式会社クリーンエネルギーコネクトは、再生可能エネルギーのプロフェッショナル集団です。
顧客にとって最適なグリーン電力ソリューションの提案やアレンジを行っています。

FITに頼らない太陽光発電所の開発事業を実施し、2021年には、総額9.4億円の資金調達を行いました。
太陽光発電所の開発や発電所管理システムの構築、組織体制の強化や人材採用に資金を充てることを予定しています。

CEF株式会社

CEF株式会社は、無理がない形で可能な限り環境負荷の低い上質の生活を維持してCO2削減に邁進することをミッションとする企業です。
そのための取組みとして風車や環境負荷の低いエネルギー社会の構築に取り組んでいます。
具体的には、風力発電サイトの開発・風車の建設・管理・運営を行っています。

風車建設では、特殊クレーンの運用と特殊工事方式を採用することで、森林開発面積を従来の3分の1にまで減らしました。
さらに、2021年にはガラスコーティングで、ハドラスホールディングス株式会社と環境負荷低減の実証実験などで提携する協定を締結しています。

まとめ

世界の国々が協力して持続可能な開発を目指すSDGsの達成にも、再生可能エネルギーは重要なテーマです。
再生可能エネルギーや脱炭素社会構築への機運が高まるとともに、再生可能エネルギー関連のスタートアップへの投資が活発化しています。
エネルギーは今後も注目され続けるテーマのため、政策や関連企業の動向を注視しましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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