オフィスの鍵の管理はどうする?運用ルールを徹底しておこう
オフィスの鍵管理は便利なツールを活用しよう
オフィスの鍵は、従来のひねって回すタイプの鍵のほかスマートロックや生体認証のように多くの種類があります。
個人用ロッカーから機密情報が入ったキャビネット、金庫まで鍵が必要な場面は多くあるため、従業員はいろいろな種類の鍵を使い分けなければいけません。
鍵を紛失や盗難してしまえば、取引先や顧客に迷惑をかける可能性があり、会社の信頼も損ないます。
鍵を管理するためのルール運用のほか、便利なツールの導入も検討してください。
オフィスの鍵管理についてまとめました。
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オフィスの鍵管理の基本
多くの人が働くオフィスは、玄関やデスク、キャビネットなど多くの鍵が使われています。
鍵をオフィスの備品として意識することはあまりありませんが、セキュリティのためにも必須の存在です。
鍵は、数が多くなれば多くなるほど管理の手間がかかってしまいます。
ここではオフィスで使われている鍵を手間なく管理する方法を紹介します。
オフィスにはどのような鍵がある?
鍵はひとつのオフィスでもあらゆる場所で使われています。個人用のロッカーやデスクの引き出し、金庫などは何種類もの鍵を使い分けているかもしれません。
具体的には以下の種類が使われています。
・シリンダータイプ
シリンダータイプの鍵は鍵を差し込んで回して施錠します。一般的なタイプの鍵なので、従業員ロッカーなどでもよく使われます。
鍵を紛失すると開けられなくなることがあるので、スペアキーを用意しておくと安心です。
・ダイヤルタイプ
ダイヤルタイプの鍵は、ダイヤルを回して数字を揃えると開錠できる鍵のことです。決められた暗証番号で開けられるため、開錠のために鍵を持ち歩く必要もありません。
紛失のリスクが少ない便利なダイヤルタイプですが、暗証番号を盗み見されてしまうかもしれないので、定期的に番号を変更する必要があります。
・プッシュテンキータイプ
プッシュテンキータイプは、設定した番号を数字キーで打って開錠します。ダイヤルタイプよりも簡単に開錠可能です。
ボタンの位置で番号がわかってしまうこともあるので、パネル上で番号位置がランダムで変わるタイプも検討してください。
・生体認証タイプ
指紋や静脈といった身体の一部を鍵にするのが生体認証タイプの鍵です。指紋や静脈の複製は難しく、盗難もされないため、高いセキュリティが魅力です。
虹彩の濃度で本人確認する虹彩認証もあります。
・カードキー
商業施設やホテルでもカードキーはよく使われています。カードを挿すかタッチして開錠する仕組みです。
会社においてあるパソコンや書類には、機密が入ったファイルや顧客リストもあるでしょう。
貴重品だけをまとめてキャビネットで保存する方法もありますが、どのように保管するかも考えなければいけません。
使う場面や利便性、誰が使う科まで考えて適したタイプの鍵を選ぶようにしてください。
たくさんある鍵を管理するには
鍵が複数になれば管理も大変です。たくさんある鍵すべてがどこにあるのか把握しなければいけません。
複数の鍵を管理するには、ラベルと管理台帳を用意してください。管理台帳は、ノートを用意する方法もありますえが、Excelで管理しても問題ありません。
管理台帳には、鍵の種類は利用場所、使用日時と持ち出し者を記入できるようにします。鍵が多い場合には、鍵が揃っているかどうか確認するようにしてください。
管理表への記入や管理が大変な場合には、鍵管理システムも便利です。
鍵管理システムは、鍵にバーコードやICがついた管理ラベルをつけて、リアルタイムの鍵の場所や持ち出しの予約できるシステムです。
様々なタイプの鍵管理システムがあるので、比較して検討してください。
オフィスの鍵は管理ルールを決めておく
鍵は毎日使うものになるので、できるだけ無理なくできる管理ルールを導入するようにしてください。例えば、キートレーサーも鍵管理システムのひとつです。
キートレーサーには、キーボックスと鍵をかけるスティック、プラスチックのカードがセットになっています。
カードをキーボックス内にあるスティック上部に差し込んで鍵を取る仕組みです。
ボックスには鍵の名前を書いたシールを貼り、プラスチックのカードには社員の名前を書いてください。
鍵を使う時には、従業員が自分のカードを指すようにすれば、使用中はカードキーが差し込まれているため、すぐに使用者を把握できます。
キートレーサーは簡単な仕組みでありながら見た目がわかりやすく安価で導入できるシステムです。
鍵の管理は、従業員の誰もが理解できるようにルール化して周知するようにしてください。
オフィスの鍵を管理する方法
オフィスでの鍵管理は、様々な方法を使い分けるようにしましょう。
ここでは、オフィスの鍵を管理する方法を紹介するので、これからオフィスに鍵を導入する人もどの管理方法が使いやすいか参考にしてください。
キーボックス
キーボックスは、鍵を入れるための専用の箱で大きさや収容できる鍵の数などいろいろな種類があります。
オフィスでよく使われているのは、壁にかけるタイプで、鍵を吊り下げて使用します。
キーボックス自体にも暗証番号やシリンダーキーで鍵をかけられるようになっているものが一般的です。
キーボックスを使うメリット
キーボックスは、鍵の量に合わせてサイズを選べる点がメリットです。鍵をまとめて一覧にできるので、一元管理したい場合にも適しています。
また、コンパクトで購入すればすぐに導入できます。コストをかけずに鍵の管理をしたい場合にもおすすめの方法です。
キーボックスを使うデメリット
キーボックスを使うと、オフィスにある鍵を一本ずつ集めなければならないため、管理台帳やタグ付けの手間がかかります。
また、管理者が不在で鍵を使えなかったり、鍵を戻さないままにしてしまう人がいるかもしれません。
キーボックスは、暗証番号やキーボックスの鍵を手に入れてしまえば誰でも開けられる点にも注意が必要です。
部外者に鍵を盗まれるリスクもあるので、管理は徹底してください。
管理者のデスクで管理
中小企業や小さめの店舗でよく使われている方法が管理者のデスクで鍵を管理する方法です。
管理者自身が持ち歩く場合もありますが、デスクの引き出しを定位置にして、管理者が不在でも使えるようにしていることも多くあります。
管理者のデスクで管理するメリット
鍵を管理者のデスクで保管してあれば、管理者が鍵の責任者となるため持ち出し者や鍵の場所も管理しやすくなります。
鍵の持ち出しはすべて管理者を通じて行うようにしなければ、持ち出し者がわからないままになってしまうかもしれません。
鍵を管理するためのシステムや備品は不要なので、コストがかからない点もメリットです。
管理者のデスクで管理するデメリット
管理者のデスクで管理している場合、セキュリティ面で不安があります。
管理者が不在の時に自由に鍵を持ち出ししていると、最後に誰が使ったのか把握できず返却し忘れたり、紛失したりしても気がつかないかもしれません。
電子錠を使う
電子錠とは、電動で施錠と開錠ができる鍵のことです。金属製のカギを使うのではなく、カードや暗証番号、指紋認証といった方法で開閉をおこないます。
電子錠を使うメリット
電子錠であれば、鍵を持っていなくても自由に施錠と開錠ができます。オフィスによっては使用する鍵は何種類にもなります。
また、従業員が増えればそれだけ用意する鍵も増やさなければいけません。もしも鍵を紛失したり、盗難に遭ったりした場合には新しく作り直すといった対策も必要です。
電子錠であれば、鍵を作る必要もなく紛失や盗難もありません。また、オートロックなので鍵を閉め忘れる心配もなくなるでしょう。
電子錠を使うデメリット
電子錠は電池で動いているため、電池が切れれば使えなくなってしまいます。
多くの電子錠には、電池残量が少なくなった時に電池交換を知らせる機能がついているので、適宜交換するようにしてください。
電子錠は、鍵やカードを紛失したり、盗まれたりするリスクはありません。しかし、暗証番号が第三者に漏れてしまえば開錠されてしまうリスクがあります。
盗み見されないように注意するほか、ランダム表示設定などの機能も使ってください。暗証番号の場合には何度も間違えるとロックがかかることもあります。
ロックがかかると一定時間使用できなくなってしまうので、間違いがないよう従業員に徹底しなければいけません。
入退室管理ができるスマートロックも活用しよう
オフィスには貴重品や社外秘の書類もあり、盗難のリスクが気になる人も多いはずです。
オフィス丸ごと鍵をかけたいと考える人におすすめしたいのが、オフィス向けのスマートロックです。
スマートロックとは、施錠設備に電気通信を搭載してICカードやスマートフォンで施錠管理できるようにしたシステムです。
従来のカギは必要ないため、オフィスの人数に応じて鍵を用意する必要もありません。
鍵のかけ忘れを防止できる機能や警備が連動しているものもあり、セキュリティを強固にできます。
スマートロックの中には、入退室を管理して勤怠を記録できるものもあるので活用を検討してください。
オフィス鍵の紛失や盗難を防ぐための施策
スマートロックや電子錠を導入したとしても、従来の鍵を使わないといけないものも出てくるかもしれません。
オフィスの鍵の紛失や盗難を防ぐためにどのようなことができるのか施策をまとめました。
持ち出し時にはチェーンなどでつなぐ
貴重品や機密情報に関わるような大切な鍵は、可能な限り責任者が手元で管理する必要があります。
しかし、鍵を持ち歩くとうっかり落としたりなくしてしまったりするかもしれません。
鍵をなくさないためには、チェーンなどでカバンや衣服に鍵をつないでおく方法があります。チェーンがなくても紐などを使ってつなぐことが可能です。
鍵を持ち出す時には、必ずつないでおくようにルールを徹底してください。コストも少なく、すぐ手軽に実践できる方法です。
目立つ印をつける
鍵の紛失を防ぐには、わかりやすい印をつける方法もあります。
例えば、大きくで目立つようなキーホルダーやストラップをつけておけば落としてもすぐに目に留まるはずです。
鈴のように音がなるストラップなどもおすすめです。鍵単体で持ち歩くと、小さくて紛失してしまうリスクがあります。
鍵は大きい飾りをつけたり、鍵ケースにしまったりして紛失しないように工夫してください。
紛失防止タグを使う
鍵の紛失を防ぐには、便利なツールも活用します。紛失防止タグは、スマートフォンと連動して一定距離離れるとアラームで知らせてくれるツールです。
紛失防止タグがあれば、鍵を探す時にも便利です。
ただし、紛失防止タグは電池で動いているので、電池切れになれば使えません。電池が切れていないか定期的にチェックしてください。
紛失防止タグはいろいろな種類が販売されているので、機能やサービスを比較して選びましょう。
保管場所を入り口付近にしない
オフィスで使う鍵の保管場所は、安易に決めないようにしてください。
建物やオフィスの入り口に鍵を置いてしまうと鍵の存在が見た目にわかりやすく、盗難のリスクも高まります。
入り口付近に鍵を保管する人も多いため、侵入者も入り口付近を重点的に探します。鍵の保管場所は入り口から遠く、すぐには見つけられないような場所にしてください。
合い鍵は作りすぎない
合鍵を用意しておかないと、紛失した時に業務に支障をきたすことがあります。可能であれば複数の責任者が管理できるようにしてください。
ただし、合鍵は作りすぎても防犯上好ましくありません。合鍵が多くなればそれだけ管理が難しくなって、紛失するリスクも高まります。
合鍵の数は最小限にして、数が揃っているか毎日確認してください。
紛失時の報告を徹底させる
会社の鍵は紛失しないように努めるべきですが、紛失した場合のことも考えておかなければいけません。会社の鍵を紛失した場合には、上長や鍵や管理者、責任者に報告します。
警察への届け出や鍵の交換といった鍵を紛失した時の報告や処理の流れも決めておきましょう。
また、鍵の紛失届や始末書などの提出もルールとして決めておくようにしてください。
紛失時に避けたいのが、従業員が紛失したことを隠してしまうパターンです。紛失の報告が遅れると、対応もすべて遅れてしまいます。
対応が遅れればそれだけ犯罪に利用されたり、情報が流出するリスクも高まります。紛失の報告は気付いた時点で速やかに行うよう周知徹底してください。
紛失の報告を受けた場合には、再発防止のためにどのような方法があるかを検討し、鍵の運用ルールを見直してください。
まとめ
会社にある鍵の管理は他の業務と比較して地味に感じられるかもしれません。しかし、会社の貴重品や機密情報を管理するうえで鍵の扱いは重要です。
鍵の管理は、社員一同が理解できるように社内ルールとして徹底してください。
鍵の管理が大変な場合には、鍵管理ツールやスマートロックの導入も考えてみるようおすすめします。
(編集:創業手帳編集部)
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