【速報】異分野との”融合”で、新たなイノベーションを。NTT DOCOMO VENTURES DAY 2019レポ

創業手帳

創業手帳編集部が現地取材しました

(2019/02/06更新)

株式会社NTTドコモ・ベンチャーズが主催するオープンイノベーションイベント「NTT DOCOMO VENTURES DAY 2019」が、2月6日に東京ミッドタウンで開催されました。
異分野との融合によって生み出される価値にフォーカスしている本イベント。ゲストセッションやピッチコンテストなど盛りだくさんの内容だった当日の様子を、創業手帳編集部がお届けします。

NTT DOCOMO VENTURES DAYとは

「NTT DOCOMO VENTURES DAY」とは、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズが主催するオープンイノベーション(※1)を目的としたイベントです。

同社創設以来4回目を迎える本イベントは、異なる分野との混ざり合いによって、生み出される価値を重視しています。
今回は「Find new seeds」、「Blend for innovation」、「Enjoy a new future!」という3つのテーマを掲げ、ゲストセッションや協業事例紹介セッションの他、スタートアップ企業によるピッチなど、盛りだくさんの内容で行われました。

また、関連するスタートアップ企業等による展示会も同時開催されており、異分野とのビジネスマッチングの場として大いに賑わっていました。

※1
オープンイノベーション:企業や大学・研究機関、起業家など、外部から新たな技術やアイデアを募集・集約し、革新的な新製品(商品)・サービス、またはビジネスモデルを開発する活動のこと。

注目のプログラムをご紹介

ここからは、創業手帳が注目したセッションの様子をお届けします!

異分野との化学反応による新規事業創造

写真向かって左から、須藤 元気氏、本間 毅氏

元格闘家/パフォーマンスユニット「WORLD ORDER」プロデューサーの須藤 元気氏、HOMMA,INC Founder&CEOの本間 毅氏が、「異分野との化学反応による新規事業創造」についてセッションを行いました。

異分野に飛び込むことができる理由

英語学校の経営から寿司職人まで、幅広く活動している須藤氏と、ソニーや楽天でIT事業に携わり、現在はアメリカで住宅関連のスタートアップを経営している本間氏。お二人とも、異分野に飛び込んでさまざまな成果をあげています。

異分野に飛び込むことができる理由を、二人はこのように話していました。

須藤「大事なことは、直感で決まることがあります。私は、自分の好奇心が抑えられなくなってきた時などに行動することが多いですし、その時には損得を考えないようにしています。
例えば、私は高校生の頃に格闘家になるかミュージシャンになるか迷いました。結局、引退後にミュージシャンを目指しましたが、格闘家の須藤元気で音楽をやることが難しいとわかりまして…。なので、スーツ・メガネで街中でゲリラ的にパフォーマンスを行うというコンセプトを考え出してやることにしたんです。

もちろん大変なこともありましたが、世の中にこういうインパクトを残したい、という目標があれば乗り越えられると思います。」

本間:「私は、中学時代から経営者になりたくて、インターネットで何かやりたいという直感から起業しました。その後は、楽天やソニーで勤務していたのですが、その際に海外に赴任して新規事業を手がけていました。

私は、「同じところに留まっていることは面白くない」と思っています。最初はIT事業をやっていて、今は不動産事業を行なっている。もしかしたら一貫性がないように見えるかもしれませんが、好きなことに直感的にチャレンジしていった結果そうなった、という感じです。

リスクヘッジをし過ぎてしまうと大胆な挑戦ができません。直感的に動くことで、大きな変化に出会えることがあります。」

転機となる人に出会うためには?

さまざまな事業を行なっている二人には、転機となった出会いがあったとのこと。進行役からは、「どうすれば転機となる人に出会うことができるのか」という質問があり、二人は以下のように回答しました。

須藤「私は、自分自身が変わらないと出会うことができないと考えています。自分自身がどのようなビジネスで、どのように社会に貢献したいのか、はたまたどんな人間になりたいか。それを決めて、実現させるために行動することが必要だと思います。
自分自身が居心地がいい場所に居続けると、変わることが難しいです。少しでもいいから、その領域を出た行動ができればいいのではないでしょうか。

また、全ての出来事は必然だと考えています。なりたい自分になるために行動することができたら、出会うべき人とのシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)を引き寄せることができると思います。」

本間:「私は、他人から見て「この人と関わると良いことが起こりそうだな」という人になりたいと思っています。「波に乗る」という言葉がありますが、波に乗るためには波を待っている時に準備をしておかないといけません。
結局、出会い・チャンスは自分が連れてくるもの。トレンドをキャッチしておくなど、意識して準備をしておくと良いと思います。」

協業セッション 2019:a space new entertainment

写真向かって左から、重松 大輔氏、馬場 浩史氏

「NTT DOCOMO VENTURES DAY 2019」では、スタートアップと大企業による協業セッションも行われました。
まずは、株式会社スペースマーケット 代表取締役CEOの重松 大輔氏、株式会社NTTドコモ スマートライフ推進部 スポーツ&ライブビジネス推進室長の馬場 浩史氏による協業セッションの様子をご紹介します。

「スペースマーケット」とは球場やお寺といった6,000ものユニークなスペースを簡単に貸し借りできるプラットフォーム。
1時間単位からスペースを貸し借りすることができ、仲間とのスポーツ観戦から本格的な合宿など、様々なニーズに対応しているサービスです。

「”共体験”という価値を提供したい」と語るNTTドコモの馬場氏は、協業の構想を以下のように話していました。

馬場:「何を見るか+誰と見るか=共体験。これが協業のテーマです。仲間が集まって、みんなで同じ体験をすることは、いわばSNSのリアル版。多くの場面で多様なニーズに応える次世代モバイル通信「5G」のサービスも始まるので、それも組み合わせた「簡単に仲間と一緒に体験できるスペース」の環境を整えたいと思っています。」

第1弾として、エイベックスと連携してアーティストのライブ中継・MV配信をレンタルスペースで行うとのこと。
シェアリングエコノミーの分野がどのように発展していくのか期待です。

【代表者インタビューはこちら】大企業もベンチャーも経験した起業家、スペースマーケット代表・重松大輔氏インタビュー
レンタルスペースの革命児が語る、WEB起業成功の法則

協業セッション TIGが届ける新しい動画体験

写真向かって左から、小林 道生氏、山崎 裕司氏

続いてご紹介するのは、パロニム株式会社 代表取締役の小林 道生氏、株式会社NTTドコモ コンシューマビジネス推進部 デジタルコンテンツサービス デジタルコンテンツ企画担当課長の山崎 裕司氏による、協業セッションです。

パロニムが展開するサービス「TIG」は、映像の中にある興味を持ったもの(衣服や車など)にタッチするだけで、その詳細情報を取得することができる、というサービスです。
NTTドコモが開始した音楽ライブ配信サービス「新体感ライブ」にて、各アーティストのコンテンツプロモーション映像からTIGを通し、アーティスト公式ページ・SNS情報などアーティストに関する身近な情報が入手できるようになるなど、「触れる動画」として注目を集めて居ます。

小林氏によると、NTTドコモ・ベンチャーズと出会ったのは、2018年4月10日。出資は2018年7月い行われたそうで、一般的なCVCの出資スケジュールから見るとものすごく短い期間で出資まで行なってくれた、とのことです。
NTTドコモが手がけている事業との相乗効果が高いと判断された影響かと思われます。

「今後は、ライブ配信でもタッチすることで情報を見ることができたり、離れたテレビにも対応したりする「TIG」のサービスを作り出していきたい」と小林氏は今後の展望を話していました。

個性あふれるスタートアップが登壇。ベンチャーピッチ

最後に行われたのは、個性あふれるスタートアップたちが登壇した、ベンチャーピッチです。
その様子を一部ご紹介します。

ecbo株式会社

ecbo株式会社が展開する「ecbo cloak」は、「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを提供する店舗」をつなぎ、コインロッカーの代わりにカフェなどの店舗の空きスペースに荷物を預けることができるサービスです。
コインロッカーが空いていない、などの理由で荷物を預けることができない人は、1日になんと17.6万人いると言われています。そのような方たちの悩み解決のために、急速にシェアを広げているスタートアップです。

今後は顧客が移動した先に預けた荷物を届ける「ecbo delivery」を展開していく予定で、2025年までに「ecbo cloak」と「ecbo delivery」を世界500都市で展開していく、とのことです。

【代表者インタビューはこちら】預け場所が広がる「荷物預かりサービスの新常識」
荷物預かりサービス「ecbo cloak」は、ある旅行者との出来事から始まった。工藤社長独占インタビュー

ベルズシステムズ株式会社

ベルズシステムズ株式会社が提供するのは、質問回答人工知能「Roanna(ロアンナ)」。
例えば、「受付はどこにありますか?」といった人間が普通に話す言葉(自然言語)で質問をすると、「Roanna(ロアンナ)」が用意した回答の中から自動で回答してくれます。

ビジネスでは、お客様からの問合せ、社内や会員組織での質問に対する回答、教育・研修後の質問回答など、たくさんの質問回答がやりとりされています。ですが、企業に寄せられるお問合せの70%以上は、定型の対応で解決してしまう、と言われています。
そのような質問に対する回答を、人工知能技術を使って自動化してしまおう、というシステムです。

【代表者インタビューはこちら】ベルズシステム株式会社 代表取締役 小野寺 隆インタビュー
絞るから使える。ニーズに特化した質問回答AI「Roanna(ロアンナ)」

株式会社gemfuture

株式会社gemfutureが打ち出しているのは、世界初の恋愛ナビゲーションサービス「AILL(エイル)」。
会員制のサービスで、会員は正社員の独身のみ。AIが価値観・キャリアプラン・生活感などのデータから、利用者に合うと考えられる異性を毎日1~5名紹介してくれます。

特徴的なのが、相手との会話もAIによってナビゲートしてくれる、ということ。
初めてのあいさつから、出身地・趣味・仕事などの話題、デートの約束のフォローまで、1人ひとりにカスタマイズしてサポートしてくれるサービスとのことです。

イノベーションは「異なるもの」との混ざり合いから始まる

「NTT DOCOMO VENTURES DAY 2019」がフォーカスしているのは、異分野との混ざり合いにより生み出される価値の創造です。
特にベンチャーピッチではAI×恋愛や荷物預かりサービスの新たな形など、異業種と協業することによって新たな視点からのサービスが生まれていました。
イノベーション(革新)は、異なるものを組み合わせるからこそ生まれる。そのことをひしひしと感じたイベントでした。

NTT DOCOMO VENTURES DAY 2019概要

日時:2019年2月6日(水)13:30~20:00
場所:東京ミッドタウンホール&カンファレンス B1F「ホールA/B」 東京都港区赤坂9-7-1
主催:株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ

(編集:創業手帳編集部)

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