コロナ特需はDXだけじゃない、家電製品や家具/建売住宅まで

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コロナ騒動が日本に波及して早半年。新型コロナウイルスの流行により、観光や外食など、多くの産業が打撃を受けています。その一方、外出自粛・在宅勤務に伴う特需に湧く産業もあります。今日は、コロナ禍を追い風に変えることに成功している産業をみていきます。

まず、ドラッグストアや食品スーパーです。流行が懸念され始めた春先、備蓄可能な食品や日用雑貨の買いだめ特需が発生しました。在庫切れが多発する中、広告出稿の停止を余儀なくされたこともまた、利益率を高める役割を果たし、史上最高益を計上した企業も出ました

次に、家具や家電製品などの耐久消費財です。外出自粛や在宅勤務により、家庭内で過ごす時間が増えているため、より快適な生活空間を整備したいという需要が生まれました。特別定額給付金の臨時収入により、値の張る耐久消費財の買い替え需要が喚起されたという指摘もあります

また、建売住宅市場も好調です。家具や家電製品などの耐久消費財市場と同様、ライフスタイルの変化が背景にあります。コロナ禍は、ホワイトカラー層の勤務形態が在宅型でも問題ないこと、むしろテレワーク体制でも従業員がパフォーマンスできる環境整備の必要性を企業に認識させました。結果として、本社機能を地方に移転する企業、遠隔地からテレワークで勤務する働き方の浸透が進みつつあります。子育て世代を中心に、通勤はせず、都心を離れた場所、自然の中でゆったりと暮らす新しいライフスタイルに対する潜在需要が、ここにきて顕在化してきています。都心や最寄り駅から多少遠くても、個室や執務スペースの確保ができる戸建住宅へ転居した方が、コストパフォーマンス・満足度の点で優るのです。

デジタルトランスフォーメーション(DX)銘柄が活況に湧いていますが、それ以外にも、外部環境の変化をビジネスチャンスに変えることに成功した産業が多くみられます。投資家の立場としては、長期視点に立って産業と個別企業を見定めていきたいものです。また、起業家の立場としては、誰かが痛み泣くとき、その裏で新たなチャンスが生まれていることを念頭に置きつつ、リスクテイクの決断のタイミングを図りたいものです。

編集部のコメント

編集者
コロナ禍が経済に与えた打撃は大きく、また極めて短期間における環境変化であったため、日本に限らず、世界各国がキャッシュを個人・企業に配布したり、大胆な景気刺激策を打ち出しています。しかし、少し冷静に考えてみると、こうした市場環境の変化は常に起きているものであって、自然淘汰される産業・企業も数えられないほど存在します。本邦企業の30年生存率が0.1%という有名な統計値も、企業や事業は生まれては廃れていく宿命にあることを示しています。

投資家の立場、起業家の立場からすると、全ての環境変化・パラダイムシフトはビジネスチャンス・商機です。コロナ禍がいつまで続くのか、次なる感染症はいつ流行するのか、ライフスタイルや嗜好はどのようにシフトするのか。不確定要素を挙げればきりがありませんが、リスクを取れる立場にいる幸せを感じながらチャレンジしたいものです。

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