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特定非営利活動法人manma 越智未空|家族留学事業、ライフデザイン支援事業の事業展開が注目の企業

家族留学事業、ライフデザイン支援事業で注目なのが、越智未空さんが代表を務める特定非営利活動法人manmaです。

ある学問をより追求したり、知見を広めるために『留学』という選択をされる学生さんは多いと思います。また、リスキリングや新しい知識を得るために、学校に通い直す社会人も増えています。
現在はオンラインでの学びの機会も増えているため、昔に比べると、手軽に学びたいことを誰もが学べる環境が整いつつあるといえるかもしれません。

そんな中、いまだ立ち遅れている領域もあります。例えば、家族の在り方に関する学びや気づきの機会がそうです。
特にこれからパパやママになろうとしている若い方向けの実践的な学びの機会はあまり見かけないと思います。

昔であれば3世代家族・親族も一緒に大家族の中で暮らす家庭も多かったので、すぐ身近にお手本となる実例がたくさんあり、自ずと子育てや家族間での役割分担などを体得できました。しかし今は核家族化や単身世帯の増加、地域コミュニティの希薄化などによりそうした機会を得ることが難しくなってきています。

また、生き方が多様になっている今、従来までの子育ての在り方や考え方だけでは、これからの様々な生き様を考えていく上で物足りない部分、片手落ちしてしまう部分もあるでしょう。

誰もが安心して子供を持ち、育てながら、自分たちの暮らしを充実させていける社会を作っていくため、「家族留学」という新しい形で子育て体験をし、若者のライフキャリアデザイン支援を行う取り組みに、今注目が集まっています。

特定非営利活動法人manmaの越智未空さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。

創業手帳別冊版「創業手帳 人気インタビュー」は、注目の若手起業家から著名実業家たちの「価値あるエピソード」が無料で読めます。リアルな成功体験談が今後のビジネスのヒントになるはず。ご活用ください。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

プレパパ、プレママ世代の若者のための子育て体験サービスであるという点が特徴です。
子育て家庭のためのシッターサービスはいくつかありますが、これから家族をつくりたいと考えている未来の子育て家庭に対しての体験型のサービスは少ない状況なので、そこにアプローチしているのが特徴と考えています。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

将来の仕事と子育ての両立や、結婚・出産について不安を抱えている大学生や社会人、未就学児を子育て中の方に体験してもらいたいです。
例えば、「将来的には子どもを持っても働き続けたいと考えているけど、母が専業主婦だったので子育てと仕事の両立イメージを持てず、”自分には無理かもしれない”と不安を抱える方」、「将来は仕事だけでなく育休をとって積極的に子育てをしていきたいと考えているけど、父親は働きづめで男性が育休をとっている事例を知らないため、男性で育児休業を取得した人に話を聞きたい方」、「社会人になって働き始めてみて、職場に子育てをしている女性の先輩が少なく、キャリアを築きながら家庭を持つことに不安を抱える方」、「最近結婚して子どもが欲しいと考えているけど、キャリアのことを考えると妊娠・出産のタイミングに不安を感じる方」に活用してほしいと考えています。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

親の世代では「大学を卒業したら就職し、結婚し、子どもを持ち、定年を迎えたら退職する」という典型的なライフコースがありました。一方で、現代は、働き方が多様化したり共働き世帯が増加したり結婚しない人が増えたりと、多様なライフコースが存在しています。将来の岐路に立つ若者は、多様な選択肢の中で自分で決めることを求められています。
仕事に関しては就職活動や転職サービス等で情報を得たり考えたりする機会があるのに対し、結婚や子育て、仕事との両立等のライフキャリアに関する情報や体得の機会は少なく、誰にも相談できないまま不安ばかりが募ってしまう現状があります。
私たちはそのような不安を抱える若者に対して、多様なキャリア・子育てを実践している子育て家庭と直接出会う機会を提供し、様々なロールモデルに出会うことで若者が抱える漠然とした不安が解消され、若者自身が望む前向きな未来を選択できる支援をしたいと考えています。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

私は2代目の代表で、私と同い年の方が2014年に創業したのですが、当時は女性活躍というキーワードが世間で流行る少し前でした。“若者向けのライフキャリアデザイン支援”という新しい領域の価値を理解してもらうことが大変だったと思います。身近な人から体験者を増やし、体験者が口コミで価値を発信してくれたことで、全国的に広まっていきました。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

家族留学をより多くの人に届けていきたいです。
これから結婚・子育てなどのライフイベントを迎える若い世代や未就学児を持つ子育て家庭が、全国の多様でオープンな子育て家庭に出会い、これまで知らなかった子育てとキャリア形成の多様な在り方を知ることで、各個人が前向きな生き方を選択できるようになることを目指しています。その先に、多様な家族の在り方が尊重される社会があると信じています。

・今の課題はなんですか?

家族留学の認知度拡大とマネタイズが課題です。
家族留学は口コミで広まっているものの、体験してほしい方々に情報を届けきれていない現状があります。
また、家族留学事業だけでは運営費が不足しているため、いかに継続的な事業運営をしていけるかが課題になっています。今後は行政や企業との協働を進め、課題解決していきたいと考えています。

・読者にメッセージをお願いします。

社会に新しい価値を創造していく・届けていくプロセスは、楽しいことよりも困難なことの方が多いかと思います。
そんな中で、信念を持って起業に挑戦されている方を心から尊敬します。

会社名 特定非営利活動法人manma
代表者名 越智未空
創業年 2021年8月(任意団体設立:2014年1月)
従業員数 9名
事業内容 家族留学事業、ライフデザイン支援事業
サービス名 家族留学
所在地 170-0005 東京都豊島区南大塚3-36-7 南大塚T&Tビル5階
代表者プロフィール 1994年生まれ。法政大学在学中に任意団体manmaが運営する「家族留学」に出会い、運営に参画。大学卒業後に株式会社リクルートに就職し、企業向けの中途採用支援を行う傍ら、複業としてmanmaでの活動を継続。2021年にmanmaをNPO化し代表理事に就任。
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