注目のスタートアップ

株式会社MAGiC HoUR 西尾輝|ソーシャルクリエイティブ事業で注目の企業


社会課題解決と密接につながっている事業やサービスに関するクリエイティブに特化したソーシャルクリエイティブスタジオ事業「UMI」で注目されているのが、西尾輝さんが2020年12月に創業した株式会社MAGiC HoURです。

ソーシャルグッドというキーワードが随分と一般的になってきました。
私たちの生活スタイルそのものもそうですが、最近では企業活動においてもソーシャルグッドな●●といった形容詞を付けて表現されるほど、その企業の活動方針や取り組み内容が「社会」に対して良いインパクトを与えるかどうか、という点に通目が集まるようになっています。
近年話題になっているESG投資もしかり、今後ますますソーシャルグッドを意識した企業の活動姿勢、経営方針、ガバナンスが問われるようになることは必至です。

今、この記事をご覧になっている方の中にも、そうした思いを胸に、日々企業活動を推し進めているという方は多いと思います。
その想いを正しく目に見える形として表現・PR出来ていますでしょうか?

事業PRや広報活動、販促活動において、SEO対策や見栄え、バズり対策、話題性の創出などはとても大事な要素です。
今後はそこにもう一つ、「ソーシャルグッド」という視点でのクリエイティブ要素を加えることによって、より一層、各企業ごとの社会に対する思いや姿勢や挑戦が普く伝わりやすくなり、より多くの人々から支持され、企業活動の発展に繋がっていくでしょう。つまり、ロジックとマインドの並立を意識したクリエイティブ創出が大事、とも言い換えられるかと思います。

一方、クリエイター側の視点に立つと、それぞれに得意領域があるという方が多いと思います。論理的なSEO対策に強いクリエイターもいれば、エモーショナルな描写が得意なクリエイターもいます。それぞれの得意領域に関わる案件において本領を発揮できることが、自分の活動価値を高め、創作活動へのモチベーションにも繋がります。

これから先、ますます多様なクリエイティブが求められるようになる中において、これまでのように一人のクリエイターで全てを完結するのではなく、クリエイター同士が手を取り合って互いを補完し合いながら、クリエイティブを求めている企業と繋がり合うことによって、伝えるべきことがより正しく早く伝わり、私たちの生活や社会に大きなインパクトを与えられるようになるのではないでしょうか?

今、こうした想いを持つ者同士が繋がり合えるプラットフォーム事業を展開し、注目を集めている起業家がいます。

株式会社MAGiC HoURの西尾輝さんに、事業の特徴や今後の課題などについてお話をお聞きしました。

・このプロダクトの特徴は何ですか?

「社会課題を解決したい」企業と、同じ想いを持つクリエイターがマッチングするプラットフォームです。

そもそもこの事業を立ち上げるきっかけになったのは、あるクリエイターとの会話でした。「社会課題解決の領域に関心があるが、どうやって案件を見つけたらいいかわからない」という相談をもらったことにはじまります。
この課題意識を紐解いていくと、「フリーランスクリエイターの案件獲得上での課題」と「企業がデザイン案件を依頼する上での課題」の双方にぶつかりました。

前者は
「得意領域が尖っている人ほどマッチしづらい」
「想いを実現するよりも、案件としての要件が優先されてしまう」
「個人の依頼だと案件選択の幅はかなり狭まってしまう」
「営業に時間をかけると制作に時間を取りづらい」
などの課題がありました。これらの課題を、当ソーシャルクリエイティブスタジオ「UMI」で案件を受発注することで解決しよう、というのが今回のサービスの立ち上がった理由です。

また、後者は
「クラウドソーシングだと質の担保が出来ない、工数が読めない」
「紹介だとデザイナーの幅が狭まってしまう」
「想いを共有できるデザイナーと出会えない」
などの課題があるそうです。

当ソーシャルクリエイティブスタジオ「UMI」では、プランニングからデザイン、動画までさまざまな案件を発注可能です。「クリエイター同士の案件共有」を可能としているため、より想いを共有できる、あるいは専門領域に特化したクリエイターと案件を遂行することが出来ます。これによって発注者側は予算の範囲内でクオリティに信頼のおける「顔の見えるやりとり」が可能となり、これまでの制作依頼の選択肢であった「フリーランスへの依頼」「クラウドソーシングでの依頼」に一つの選択肢を加えることが出来ます。

クリエイター同士で生まれるシナジーや、新たな可能性も模索し合い、新たなプロジェクトを中で創ることも想定しています。
分断された個々人ではなく、一つの大きな生態系としてのクリエイターコミュニティを目指してサービスを運営しています。

・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?

◆クリエイター側
社会課題解決に関心のある、これからの時代を創るサービスに携わりたいクリエイター。
特にフリーランスとして活躍しながらもチームで新たな価値を創造したいと考えている人。

◆企業側
確かな質のクリエイティブを求めている、社会を前進させたい企業。
能力の高いフリーランスクリエイターとのつながりを求めている企業。

どちらにしても、クリエイティブという領域が今後の産業における重要なポジションであるという認識を持ち、社会を前進させることに意欲のある方と一緒にコミュニティを広げていきたいです。

・このサービスの解決する社会課題はなんですか?

まず一つ目が、想いのある事業者が適切なクリエイターと出会えないという課題です。
各社のクリエイティブを依頼するときに、自社のビジョンやサービスの取り扱う領域に知見のあるクリエイターと一緒に仕事をすることが最もおおきく価値を発揮出来るのに対して、現在のクリエイティブ領域のシステムではそうはなっていません。
クリエイティブの技術だけでなく、個々人の持つ問題意識や興味関心の領域というものもあわせてみることで、各クリエイターの能力の最大化を図れると考え、ソーシャルクリエイティブスタジオとして立ち上げました。

二つ目が、クリエイティブ産業の「中抜き構造」についてです。
これまでクリエイティブ産業でも他の業界と同じくプッシュ型の営業が主となっており、営業担当を多く抱えるほか、管理の人員やその他の事業担当など多くの人員が関わっているだけでなく、二次請け、三次請けという形で、担当するクリエイターに案件が渡るまでに、あいだに複数の企業が入ることもあります。
その結果として、クリエイターに渡される報酬が低いままにもかかわらず、案件の発注者からすると相当なコストを支払っているというケースも少なくありません。
一方でソーシャルクリエイティブスタジオという仕組みでは、株式会社MAGiC HoURはコミュニティ運営の費用だけいただき、ほかは所属クリエイターしか存在しないため、中抜き構造が発生せず、クリエイターにも十分な報酬が支払えます。また、それによって案件の単価が既存の制作会社よりも抑えることも可能になります。

・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?

まだまだ創業期のため、乗り越えていっているものがあるとは言い難いのですが、最初期は立ち上げ時に参画してくれた方同士のコミュニケーション設計です。
ゆくゆくはこの「ソーシャルクリエイティブスタジオ」を、クリエイターの方にとってのオンライン上の「団地」として設計出来ないか、と考えたときにコミュニケーション設計はかなり難しいものでした。
個々の生活がありながら、一つのコミュニティとして存在しており、それは厳しい規則で縛られるわけでも、何らかの大義を目指すわけでもない。ただ、その場所や環境が好きという気持ちで集まり、それぞれが自分とそこにつながる人たちの幸せを願い、たまにおすそ分けをしたり、盆踊りをしたりする。案件共有という形、共同制作という形、勉強会という形、ゆくゆくは個展であったり、そういったものにも挑戦しながらも、世の中がより良いクリエイティブであふれるように仕組みを整えていきます。
オンラインでそれぞれの得意領域の勉強会を開催したり、一度オフラインで撮影会をしたりするなどして創設期のメンバー同士の信頼感を培うことが出来たので、今後入ってくれる方をどう負荷なく新たな住人として迎え入れるかがいまの新たな課題です。

・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?

まず、「UMI」に所属しているということが、クリエイターの方々にとって「社会課題の解決に関心がある」という意思表示の場になっていく一助になることを願っています。所属していただいたデザイナーの方につきましては、当社の運営する、ソーシャルグッドに着目したオウンドメディア「DaiFUKU」にてインタビュー記事を執筆させていただきますので、皆様の想いを少しでも多くの方に知って頂く機会も提供してまいります。
また、企業にとってもUMIのクリエイターに制作依頼をすることが「社会をより良くする」選択肢のひとつとしてもっていただけると、より良い社会の循環を生むことができると信じています。

ここからさらに事業として業界にインパクトを残すためには、UMIというコミュニティが得意領域ごとに分岐していくことが必要です。スキルよりも関心領域ごとにコミュニティを作っていくことで、発注者側がクリエイティブ制作をより想いの具現化として意識できるようになると、クリエイティブという領域の価値をさらに引き上げることができると考えています。

・今の課題はなんですか?

いまの段階では本当に力のあるクリエイターにしか所属してもらうことが出来ていません。お互いが創るクリエイティブの質に全幅の信頼をもってもらうためには、優れたアウトプットを出せる人に限定せざるを得ないからです。

一方で、社会課題の解決をクリエイティブのミッションに置ける方は若い人が多く、現在応募してくれる方も興味をもってくれる方も20代の方が多くを占めます。そのため、応募者のなかには現段階ではお断りするケースもあり、こうした若手クリエイター育成のための案件をどう設計していくかは今後取り組むべき課題だと考えています。

また、クリエイターそれぞれに得意領域が違うため、料金設計などがまだ定まっておらず、都度の相談によって成立しています。
現在は人数も少ないため成立していますが、今後は料金表の設計なども必要性を感じています。

・読者にメッセージをお願いします。

クリエイティブ産業は今後日本の基軸となり得る領域です。
その主役であるクリエイターたちの未来を明るく照らすために、ソーシャルクリエイティブスタジオという仕組みは大きな一歩になると信じています。
「社会を良くするクリエイター集団と言えば『UMI』」と覚えてもらえるように今後も活動の幅を広げていきます!

会社名 株式会社MAGiC HoUR
代表者名 西尾輝(にしお ひかる)
創業年 2020年12月1日
社員数 1名
所在地 231-0868 神奈川県横浜市中区石川町2丁目64番地
サービス名 ソーシャルクリエイティブスタジオ『UMI』
事業内容 ソーシャルクリエイティブスタジオ『UMI』、研修コンテンツ制作事業『ASAYAKE』、Webメディア『DaiFUKU』の運営
代表者プロフィール 神奈川県出身。逗子開成高等学校卒業後、草津温泉で働く。龍谷大学政策学部に進学、ソーシャルベンチャーの立ち上げに参画。人材メガベンチャーで経営企画、Webマーケ企業、エンタメ企業の人事を経て、2020年12月に株式会社MAGiC HoURを創業。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ MAGiCHoUR 西尾輝
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