【速報】IVS 2019 Summerin神戸開催! 「LaunchPad」優勝の「Funds」藤田雄一郎社長インタビュー

7月12日に兵庫県神戸市にて、毎年IVS が主催しているスタートアップの登竜門的なピッチイベント「Infinity Ventures Summit 2019 Summer Kobe (IVS LaunchPad)」が開催されました。

優勝したのは、個人向け社債のオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」を運営するクラウドポート。同社のファンドは、数分で完売するなど圧倒的な集金力を持っています。

アメリカなどでは、個人で買える社債が企業の調達手段として有力な選択肢ですが、日本ではあまり普及していない現状があります。個人で社債が買える投資適格の要件を満たせるのは300社余りで、上場企業の1割程度しか対象になっていないためです。

実際は、上場企業や監査法人の監査を受けている会社、VCの大型の出資を受けている会社などは、経営状況がかなり開示されており、そこまでハイリスクではありません。Fundsは、今まで手付かずだった個人向け社債の市場という、大きな空白地帯に目をつけました。株式会社クラウドポート代表取締役の藤田雄一郎氏に、創業手帳の代表の大久保幸世が直接話を聞きました。

藤田雄一郎
株式会社クラウドポート代表取締役。早稲田大学商学部卒業後、株式会社サイバーエージェントに入社。2007年にマーケティング支援事業を行う企業を創業し、2012年上場企業に売却。2013年に大手ソーシャルレンディングサービスの立ち上げに経営メンバーとして参画。2016年11月に株式会社クラウドポートを創業。
大久保:なぜこの事業をやろうと思ったんでしょう?

藤田:だいぶ前にサイバーエージェントでその後、マーケ支援の会社を起業して、1回エグジットしています。そこからソーシャルレンディングサービスを経て、クラウドポートを立ち上げました。

ソーシャルレンディングの仕事をしている中で、「日本では個人向けの社債市場がすっぽり抜けている」ことに気が付きました。投資適格の会社は少ない一方で、本来有力な資金調達手段のはずです。社債はすぐ完売してしまうように、個人からのニーズは高いです。一方で、上場企業やそれに近い企業であれば、そこまでリスクはありません。

例えばアメリカでは、社債の買い手の2割以上を個人が占めています。変動の大きい株式に比べて、社債は、投資適格の会社が売り出すとすぐ売り切れてしまう。個人が買いたくても買えない状態です。一方、資金調達したい会社にとっても資金調達の幅が広がる。ミドルリスク、ミドルリターンの社債市場は、調達する企業側、社債を買う個人側双方にメリットがあると思いました。これが日本で社債の市場を開拓しようと思ったきっかけです。

大久保:大きなマーケットがあるはずなのに、これまで日本で開拓する企業がなかったのはなぜでしょう?

藤田:一つに、社債は株式と違って動きが少ない地味な商品ですから、大きな金融機関はどこもあまり扱わなかったということがあると思います。

では、新規参入の会社が、ネットの力なしに扱えたか?というとそれも難しかったと思います。なぜならオフラインでやろうすると手間もかかるので、ネットが普及していないと現実的には難しかった。業界の事情で空いていた部分が、最近のテクノロジーの進化によって、クリアできたということです

大久保:今までの個人向け社債が最上位の会社、証券型クラウドファンディングがかなりエントリーだとすると、Fundsの個人向け社債は、真ん中のかなり大きな市場になりそうですね

藤田:はい、そのとおりで、ミドルリスク、ミドルリターンの真ん中のマーケットは大きな市場です。実際、ファンドがすぐに完売するなど手応えを感じています

【IVS LaunchPad 2019入賞企業】

イベントで入賞した企業は以下のとおりです。

1位:株式会社クラウドポート 個人向け社債のオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」

2位:AnyTech株式会社 世界初の水質判定AI「DeepLinquid(ディープリキッド)」

3位:Icaria株式会社 がん10種を早期発見する「超高精度がん10種類の尿検査」

4位:株式会社ニューレボ 在庫管理SaaS「ロジクラ」

5位:株式会社BearTail 経費精算、出張が対応が楽に「Dr.経費精算ペーパーレス」

【他登壇企業】

他にも、以下のような企業が登壇しました

・MAKING MOVEMENT MUSIC (GRIPBEATS)
・1分15円からジムに通えるアプリ「Nupp1(ナップワン)」 (ロセ)
・アロマの定期購買「CODE Meee ONE(コードミー ワン)」(コードミー)
・EC向け・AIファッションサーチ(Markable.AI) ※唯一の英語プレゼン
・マイルをシェアする「MILE SHARE (マイルシェア)」(MILE SHARE)
・顧客の質問に答える「Helpfeel(ヘルプフィール)」(Nota Inc.)
・自動出荷「LOGILESS(ロジレス)」(ロジレス)
・日程調整を簡単に「調整アポ」(ディライテッド)
・SaaSとSaaSを繋ぐ「Anyflow(エニーフロー)」(Anyflow)

【参加者の声】


イベントに参加した人からは、「今年は例年よりもレベルが上っている」、「穴がなく完成度の高い、感心させられるサービスが多かった」、「優勝したFundsのマーケットは大きい。今まで誰もやらなかったのが意外」といった反応があがっていました。

―創業手帳代表 大久保の視点―

今年のIVS 2019 Summerin神戸「LaunchPad」は、若手というより、30代・40 代の経験があって実力がある起業家が顧客ニーズの深いところをついたレベルの高いサービスがエントリーされていました。優勝者のFundsは、市場、主なプレイヤーの事情による盲点・空白のマーケットをテクノロジーで取りに行った事例です。

これだけ大きなマーケットが今まで手付かずだったことは目からウロコでした。証券会社からすると、同じ運用金額でも株式のほうが売買されるので、手数料が稼げる商品です。社債は、いかんせん長期安定なので、売る側からすると面白みにかける部分もあります。以上から、売る側からすれば、回転して手数料を稼げる商品、もしくは一部の超優良の債権を売りたいと考えるのは当然でしょう。ただ、それは提供者の論理で、実際はミドルリスク・ミドルリターンのニーズは、調達側、投資側双方にあります。

Fundsのように、業界の事情で空白×テクノロジーの進化で進出可能、という領域にチャンスが多く転がっていそうです。

今回惜しくも選考から漏れたものの、日程調整、受付アプリの「ディライテッド」を推す声も複数あった他、5位入賞のベアーテイルは、7年前の初出場から現在ピボットしての再エントリーからの入賞を果たしたりと、イベントの歴史の積み重なりを感じるものもありました。

読んで頂きありがとうございます。最新号の創業手帳(冊子版)も併せて読んで見て下さい。
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