注目のスタートアップ

廃棄漁具のアップサイクルにより新たな製品を作る「amu」が資金調達

company

2025年8月20日、amu株式会社は、資金調達を発表しました。

今回の資金調達により、累計調達額は約1.32億円となりました。

amuは、廃棄漁具のアップサイクルによる新たな製品の開発、再生素材「amuca」の販売を行っています。

漁具の回収、リサイクル、販売までを一貫して行う仕組みを構築し、廃漁網に新たな価値を生み出しています。

今回調達した資金は、セールス・広報体制の強化、漁網回収網の構築、回収網のグローバルな拡大、グローバル販売の開始に活用します。


現代社会に不可欠なプラスチック製品は、自然環境下で分解に数百年を要し、残存し続けることが深刻な問題となっています。

海洋は陸上からのごみが集積する最終到達点であり、現在、世界の海には約1.5億トンのプラスチックごみが漂い、年間約800万トンが新たに流入しているといわれています。

日本の海洋プラスチックの多くは、商業用漁網やロープなどの廃棄漁具が占めています。しかし過去30年で漁業生産量がほぼ半減し、厳しい経営環境にある漁業者にとって、ごみの回収・処理は大きな負担です。

加えて漁具はナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、テトロンなど多種混合素材で塩分を含むため、再資源化のためのインフラ整備は十分に進んでいません。

こうした課題を解決するため、amuは廃棄漁具の回収から再資源化までを一貫して手がけ、漁業者の経済的負担軽減と海洋環境保全を両立させる取り組みを進めています。

amu株式会社のコメント

このニュースを受けまして、amu株式会社よりコメントが届きました。

加藤広大(かとう・こうだい)
amu株式会社 代表取締役CEO
二松学舎大学文学部在学中、(株)Gaiaxにて「TABICA」立ち上げを経験。大学中退後、当時最年少で(株)サイバーエージェントに入社。AbemaTVの番組プロデューサーを担い、Twitter世界トレンド1位3回、チャンネル優秀賞獲得。2019年宮城県気仙沼に移住後、廃漁網アップサイクルに興味をもち事業検証を行う。2023年5月amu(株)設立。アジアで活躍する30歳未満のリーダー「Forbes 30 Under 30 Asia 2025」に選出。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

1. セールス・広報体制の強化
国内外での認知拡大と販売体制の構築を目的に、セールスおよび広報人材の採用を強化します。ブランドの世界観やストーリーを正しく伝える体制を整え、持続的な販売基盤を築いていきます。

2. 漁網回収網の構築・グローバル調達の推進
これまでに全国50ヶ所以上の漁港で構築してきた回収ネットワークをさらに拡大し、海外にも展開します。より安定的かつ大量の廃漁具を回収する体制を整え、グローバル規模での環境貢献を実現します。

3. グローバル販売の本格開始
amuca®ブランドの海外展開を本格化させ、国際市場における販路開拓とブランド認知の向上を図ります。これにより、世界中の企業や消費者に向けて、サステナブルな素材の価値を届けていきます。

・今後の展望を教えてください。

廃漁具を回収・リサイクルし、廃漁具由来マテリアルブランド「amuca®」を販売することで、今までは廃棄されていたものに新たに価値を宿し、「いらないものはない世界をつくる。」というビジョンを実現します。

プラスチックリサイクル技術の活用とエシカルでサステナブルな製品販売を同時に行うことで、社会課題解決とビジネスとしての成長の両立を目指します。また、地域ごとに循環型リサイクルモデルを確立し、環境負荷を最小限に抑えることで、持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。

・読者へのメッセージをお願いします。

この度、新たな投資家の皆さまがamuの航海に加わってくださいました。

個人投資家の方々に加え、フィッシャーマンジャパン・ブルーファンド様の全国の漁業者ネットワークをお借りし、より多くの漁業者の皆さまと共に歩んでまいります。また、AgventureLab様とは漁業にとどまらず、新たな挑戦として「農具」の資源化の可能性を共に模索してまいります。

仲間が増えたことで、私たちが掲げる「いらないものはない世界をつくる」というVisionの実現に、一歩ずつ近づいていることを強く実感してわくわくが止まりません。私たちの旅路は始まったばかり。荒波を乗り越え、必ず目的地へと辿り着きます。

企業・事業の大きな成長には戦略的な資金調達や提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ amu amuca BtoB アップサイクル アムカ ナイロン素材 リサイクル 再資源化 回収 廃棄漁具 廃棄物 廃漁網 株式会社 漁具 漁業 漁網 産業廃棄物 製品 資源 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
酒類販売業免許とは?お酒の販売には免許が必要!飲食店開業のための酒販免許取得を専門家が解説
法人成りとは?個人事業主が法人化するメリット・デメリットや手続きを徹底解説!
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

Webフォーム連動型の商談獲得自動化サービスを提供する「immedio」が1.5億円調達
2022年9月14日、株式会社immedioは、総額約1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 immedioは、マーケティングに用いられるWebフォーム連動型の商談獲得自動化サービ…
「Link-U」が雑誌・漫画の読み放題サービス「ブック放題」などを展開する「ビューン」の株式を取得
株式会社Link-Uは、2023年6月6日開催の取締役会において、株式会社ビューンの株式を取得することを決議したことを発表しました。 ビューンは、雑誌・漫画・漫画雑誌の月額読み放題サービス「ブック放題…
チケット販売・管理システムを展開する「ECBOスクエア」が1.2億円調達
2022年4月4日、株式会社ECBOスクエアは、総額1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 直近では、2021年12月6日に総額4億6,000万円の資金調達を実施しています。 EC…
資金調達支援の「SoLabo」が通信コスト削減サービス提供の「フェイスフル」と連携
2021年6月17日、株式会社SoLaboは、株式会社フェイスフルと連携し、コロナ禍でニーズの高まる中小企業・個人事業主の固定費削減の取り組みを強化することを発表しました。 株式会社SoLaboは、完…
オンライン・スキー・レッスン「JAPAN-DEMOSKI.com」とスキーの自動撮影システム「ゲレロク」が提携
2021年1月28日、合同会社SPARK OUTLANDSは、株式会社TOSYSと業務提携を開始したことを発表しました。 SPARK OUTLANDSは、日本最高峰の講師陣によるプライベート・レッスン…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集