創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2025年7月31日クラウド型電子カルテ・レセコンシステム「Henry」を提供する「ヘンリー」が10億円調達

2025年7月30日、株式会社ヘンリーは、総額10億円の資金調達を発表しました。
ヘンリーは、主に中小病院を対象とするクラウド型電子カルテ・レセコンシステム「Henry」を提供しています。
今回の資金調達を通じ、クラウド型電子カルテを軸に、中小病院の経営課題を起点とする事業ラインナップの拡充を本格化していきます。
具体的には、病院全体のIT基盤の構築(複数業務の統合・自動化)、医事BPO事業の立ち上げ(診療報酬請求やレセプト業務の外部化)などの新たなサービス展開に取り組みます。
また、400床規模の急性期病院に向けた開発も進めます。
レセプトコンピューター(レセコン)や電子カルテは、医療機関の基幹システムとして重要な存在です。これらは単なる業務ツールではなく、医療の質や効率、収益管理、法令遵守までを支える柱となっています。
レセコンは、医療機関における保険請求業務を一元管理・自動化する基幹システムです。患者受付から、医療報酬点数の計算、レセプト(診療報酬明細書)の作成・提出、返戻・査定対応までを担っています。
電子カルテは、患者の診療情報を紙カルテからデジタル化し、一元管理するシステムです。患者の基本情報、診療記録、検査結果、処方履歴を統合し、医療の質向上や業務効率化に寄与しています。
一方、医療業界では、こうしたシステムはクラウド化が進んでいないという課題があります。要因としては、医療情報システムが扱う情報のセキュリティレベルが高く、セキュリティ・プライバシー面での懸念があること、導入から数十年が経過したオンプレミス・レガシー環境に依存しており、新たな環境に移行するコストが高いことなどが挙げられます。
しかしクラウド化は、今後の医療提供体制を整える上で重要な要件です。たとえば、他の医療機関との情報の共有・連携の推進、遠隔診療・チーム医療の推進、新たな医療機器との連携を確保する拡張性などはクラウド化が重要な鍵となります。
こうした背景のもと、ヘンリーは、ゼロから業務を設計し、病院向けとしてクラウドネイティブな電子カルテ・レセコンシステム「Henry」を提供しています。
企業・事業の成長には戦略的な資金調達や、シナジーのある企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。
読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。カテゴリ | 有望企業 |
---|---|
関連タグ | BtoB Henry クラウド デジタル化 ヘンリー レセコン 医療 医療機関 株式会社 病院 資金調達 電子カルテ |
有望企業の創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
2024年8月8日、サグリ株式会社は、総額約10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 サグリは、衛星データをAI技術を用いて解析する技術をコアに、農地状況把握アプリ「アクタバ」や、作付け調査効…
2022年11月24日、SDFキャピタル株式会社は、運営するスタートアップ・デットファンドより、株式会社10Xに投資実行したことを発表しました。 10Xは、小売ECプラットフォーム「Stailer(ス…
2021年11月29日、株式会社キッチハイクは、「保育園留学」の連携自治体・保育園の募集を開始したことを発表しました。 「保育園留学」は、地域社会と子育て家族をつなぐワーケーションプログラムです。 子…
2021年8月4日、株式会社ispaceは、総額約50億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ispaceは、人類の生活圏を宇宙に広げていくため、月に眠る貴重な水資源を活用して宇宙イ…
2022年7月7日、Ascenders株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 Ascendersは、アスリートを支える専門人材とスポーツの仕事をつなぐプラットフォーム「Ascenders …
大久保の視点
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…