注目のスタートアップ

クラウド型電子カルテ・レセコンシステム「Henry」を提供する「ヘンリー」が10億円調達

company

2025年7月30日、株式会社ヘンリーは、総額10億円の資金調達を発表しました。

ヘンリーは、主に中小病院を対象とするクラウド型電子カルテ・レセコンシステム「Henry」を提供しています。

今回の資金調達を通じ、クラウド型電子カルテを軸に、中小病院の経営課題を起点とする事業ラインナップの拡充を本格化していきます。

具体的には、病院全体のIT基盤の構築(複数業務の統合・自動化)、医事BPO事業の立ち上げ(診療報酬請求やレセプト業務の外部化)などの新たなサービス展開に取り組みます。

また、400床規模の急性期病院に向けた開発も進めます。


レセプトコンピューター(レセコン)や電子カルテは、医療機関の基幹システムとして重要な存在です。これらは単なる業務ツールではなく、医療の質や効率、収益管理、法令遵守までを支える柱となっています。

レセコンは、医療機関における保険請求業務を一元管理・自動化する基幹システムです。患者受付から、医療報酬点数の計算、レセプト(診療報酬明細書)の作成・提出、返戻・査定対応までを担っています。

電子カルテは、患者の診療情報を紙カルテからデジタル化し、一元管理するシステムです。患者の基本情報、診療記録、検査結果、処方履歴を統合し、医療の質向上や業務効率化に寄与しています。

一方、医療業界では、こうしたシステムはクラウド化が進んでいないという課題があります。要因としては、医療情報システムが扱う情報のセキュリティレベルが高く、セキュリティ・プライバシー面での懸念があること、導入から数十年が経過したオンプレミス・レガシー環境に依存しており、新たな環境に移行するコストが高いことなどが挙げられます。

しかしクラウド化は、今後の医療提供体制を整える上で重要な要件です。たとえば、他の医療機関との情報の共有・連携の推進、遠隔診療・チーム医療の推進、新たな医療機器との連携を確保する拡張性などはクラウド化が重要な鍵となります。

こうした背景のもと、ヘンリーは、ゼロから業務を設計し、病院向けとしてクラウドネイティブな電子カルテ・レセコンシステム「Henry」を提供しています。

企業・事業の成長には戦略的な資金調達や、シナジーのある企業との提携が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB Henry クラウド デジタル化 ヘンリー レセコン 医療 医療機関 株式会社 病院 資金調達 電子カルテ
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
【2025年版】会社設立のやること・流れ・費用をチェックリストで完全解説
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

農地管理支援ソリューションや営農支援ソリューションを提供する「サグリ」が10億円調達
2024年8月8日、サグリ株式会社は、総額約10億円の資金調達を実施したことを発表しました。 サグリは、衛星データをAI技術を用いて解析する技術をコアに、農地状況把握アプリ「アクタバ」や、作付け調査効…
「スタートアップ・デットファンド」が小売ECプラットフォーム 「Stailer」を展開する「10X」に投資実行
2022年11月24日、SDFキャピタル株式会社は、運営するスタートアップ・デットファンドより、株式会社10Xに投資実行したことを発表しました。 10Xは、小売ECプラットフォーム「Stailer(ス…
「キッチハイク」による地域社会と子育て家族をつなぐワーケーションプログラム「保育園留学」が北海道厚沢別町でスタート
2021年11月29日、株式会社キッチハイクは、「保育園留学」の連携自治体・保育園の募集を開始したことを発表しました。 「保育園留学」は、地域社会と子育て家族をつなぐワーケーションプログラムです。 子…
月に眠る水資源を活用した宇宙インフラ構築を目指す「ispace」が50.7億円調達
2021年8月4日、株式会社ispaceは、総額約50億7,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 ispaceは、人類の生活圏を宇宙に広げていくため、月に眠る貴重な水資源を活用して宇宙イ…
アスリートを支える専門人材とスポーツの仕事をつなぐ「Ascenders Partners」などを運営する「Ascenders」が資金調達
2022年7月7日、Ascenders株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。 Ascendersは、アスリートを支える専門人材とスポーツの仕事をつなぐプラットフォーム「Ascenders …

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集