注目のスタートアップ

カーボンクレジットの生成・販売を通じた環境価値市場創出と農業体系の構築を手がける「フェイガー」が資金調達

company

2025年7月23日、株式会社フェイガーは、資金調達を発表しました。

この調達によりシリーズAラウンド全体の調達総額は約24億円となりました。

フェイガーは、カーボンクレジットの仕組みを活用し脱炭素農法の導入を推進しています。

具体的には、主に水田の中干し期間の延長(水のマネジメントにより水田から排出されるメタンを抑制する手法)を通じて、農家と協働して脱炭素経営を進め、その取り組みの成果をクレジット化し、収益を農家に還元しています。

また、適応策として高温・乾燥対策をはじめとした耐候性ソリューションも展開しています。

今回の資金は、全国の農業生産者との連携拡大、クレジット生成・管理の高度化、企業向けの脱炭素支援事業の強化に活用します。


SDGs(持続可能な開発目標)の推進に伴い、各分野で環境負荷軽減への転換が求められています。なかでも農林業は、CO2換算で年間約120億トンもの温室効果ガス(GHG)を排出しています。これは人為起源GHG排出量の約4分の1に相当することから、農林業の脱炭素化は喫緊の課題となっています。

現代農業では、機械化やビニールハウスの利用が進む一方で、化石燃料への依存が高く、環境負荷が深刻化しています。さらに、日本の稲作では、水田から高い温室効果を持つメタンガスが排出されることが知られており、メタン排出の抑制が重要な課題となっています。

こうした背景のもと、近年注目されているのが「中干し(土用干し)」という手法です。これは生育期の一部で水田の水を抜き、土壌に酸素を供給することでメタンの発生を抑えるものです。中干しには、メタン排出の削減だけでなく、稲の根腐れ予防や健全な生育促進といったメリットもあります。このため、収量や品質向上と温室効果ガス削減を両立する中干しの最適な方法と期間の確立は、水田農業における脱炭素化に欠かせない戦略といえるでしょう。

フェイガーは、こうした中干し期間の延長を中心に、農家の脱炭素経営を支援しています。メタン排出の抑制に加え、カーボンクレジットの活用による収益化を通じて、農家に新たな経営モデルの構築をサポートしています。

事業の大きな成長のためには戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ BtoB GHG SDGs カーボンクレジット クレジット フェイガー メタン 中干し期間延長 創出 収益 株式会社 構築 水田 温室効果ガス 環境 生成 生産者 脱炭素化 脱炭素経営 販売 資金調達 農業
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
【2025年最新】クラウドファンディングのやり方とは?仕組み・種類・始め方の手順ガイド
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

セカンドホームのサブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」展開の「Sanu」が「ケネディクス」から6億円調達
2022年2月22日、株式会社Sanuは、ケネディクス株式会社から約6億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Sanuは、セカンドホームサブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」を…
Web3事業をマーケティングの観点から支援する「Pacific Meta」が1.5億円調達
2022年11月16日、株式会社Pacific Metaは、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Pacific Metaは、Web3事業をマーケティングの観点から支援してい…
「視触覚センサー」を手がける「FingerVision」が4.1億円調達
2023年10月18日、株式会社FingerVisionは、総額4億1,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 FingerVisionは、視触覚センサー「FingerVision」を搭載…
短編映画(ショートフィルム)配信サービス「SAMANSA」を運営する「Samantha」が4,000万円調達
2022年7月4日、株式会社Samanthaは、総額約4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Samanthaは、短編映画(ショートフィルム)配信サービス「SAMANSA」を運営してい…
「Yondemy」が資金調達 子供向け完全オンライン読書教育の習い事サービス「ヨンデミーオンライン」を正式リリース
2020年12月23日、株式会社Yondemyは、資金調達を実施したことを発表しました。 また、「ヨンデミーオンライン」を正式リリースしたことも併せて発表しました。 「ヨンデミーオンライン」は、5〜1…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集