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2025年7月24日カーボンクレジットの生成・販売を通じた環境価値市場創出と農業体系の構築を手がける「フェイガー」が資金調達

2025年7月23日、株式会社フェイガーは、資金調達を発表しました。
この調達によりシリーズAラウンド全体の調達総額は約24億円となりました。
フェイガーは、カーボンクレジットの仕組みを活用し脱炭素農法の導入を推進しています。
具体的には、主に水田の中干し期間の延長(水のマネジメントにより水田から排出されるメタンを抑制する手法)を通じて、農家と協働して脱炭素経営を進め、その取り組みの成果をクレジット化し、収益を農家に還元しています。
また、適応策として高温・乾燥対策をはじめとした耐候性ソリューションも展開しています。
今回の資金は、全国の農業生産者との連携拡大、クレジット生成・管理の高度化、企業向けの脱炭素支援事業の強化に活用します。
SDGs(持続可能な開発目標)の推進に伴い、各分野で環境負荷軽減への転換が求められています。なかでも農林業は、CO2換算で年間約120億トンもの温室効果ガス(GHG)を排出しています。これは人為起源GHG排出量の約4分の1に相当することから、農林業の脱炭素化は喫緊の課題となっています。
現代農業では、機械化やビニールハウスの利用が進む一方で、化石燃料への依存が高く、環境負荷が深刻化しています。さらに、日本の稲作では、水田から高い温室効果を持つメタンガスが排出されることが知られており、メタン排出の抑制が重要な課題となっています。
こうした背景のもと、近年注目されているのが「中干し(土用干し)」という手法です。これは生育期の一部で水田の水を抜き、土壌に酸素を供給することでメタンの発生を抑えるものです。中干しには、メタン排出の削減だけでなく、稲の根腐れ予防や健全な生育促進といったメリットもあります。このため、収量や品質向上と温室効果ガス削減を両立する中干しの最適な方法と期間の確立は、水田農業における脱炭素化に欠かせない戦略といえるでしょう。
フェイガーは、こうした中干し期間の延長を中心に、農家の脱炭素経営を支援しています。メタン排出の抑制に加え、カーボンクレジットの活用による収益化を通じて、農家に新たな経営モデルの構築をサポートしています。
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