注目のスタートアップ

5Gデータと生成AI活用によりモバイル通信の低遅延を実現するソリューションを開発する「FYRA」が資金調達

company

2024年12月23日、FYRA株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

FYRAは、5Gデータのリアルタイム処理技術と生成AIを活用し、モバイル通信の低遅延を実現するソリューションを開発しています。

5Gデータ可視化&AIサポートサービス「FYRA Suite [低遅延]」と、5Gデータ疑似環境プラットフォームの提供を目指しています。

「FYRA Suite [低遅延]は、5Gネット枠のデータを活用し、モバイル通信の遅延を低減するソリューションです。リアルタイム5Gデータの可視化と生成AIによる状況分析などにより、低遅延実現のボトルネックを可視化し、AIを利用して課題解決を目指します。

5Gデータ疑似環境プラットフォームは、クラウド環境、独自API、マニュアルを通じて、開発者が5GデータとAI生成の分析結果を効率的に活用し、アプリ開発を行える環境を提供するものです。

今回の資金は、低遅延技術を中心としたサービスの高度化と商用展開、すでに開発・販売実績のあるrApp開発用疑似環境プラットフォームの販路拡大、パートナー企業との連携強化と新規市場の開拓などに充当する予定です。


テクノロジーの進化は急速に進み、社会や産業での導入が拡大しています。たとえば物流倉庫で自律走行ロボットを使った作業の効率化や、自動運転車の実用化などがその例です。

こうしたテクノロジーの動作には通信技術が欠かせません。しかし、4Gでは性能が不足しており、理想的な実装を実現するのが難しいという課題があります。たとえば物流倉庫では、数百台にも及ぶロボットが同時に動作する場合があり、4Gの通信能力では対応しきれません。

このような状況を解決するために注目されているのが第5世代移動通信システム、いわゆる5Gです。5Gは現在主流の4Gと比べて、高速で大容量の通信が可能なだけでなく、超低遅延や多くのデバイスの同時接続を実現できる特徴を持っています。

一方で、5Gは使用する周波数帯の特性上、従来の4Gよりも通信エリアが狭いというデメリットを抱えています。そのため、広いエリアをカバーするには、より多くの5G基地局を整備する必要があります。

これが通信事業者にとって強い負担となっており、5Gはいまだ人びとが実感できるほどに普及は進んでいません。

また、5G時代のネットワークは、多種多様なアプリケーションへの対応が求められ、複雑化が進んでいます。これにより、従来のように人の手でオペレーションや最適化を実施することが困難となっています。

このような背景のもと、モバイルネットワークのRAN(無線アクセスネットワーク)をオープンな基準で構築する取り組みであるO-RAN(Open Radio Access Network)という取り組みが進められています。オープン化することで、さまざまな企業による5G向け通信ネットワーク機器・システムの開発・提供を促し、柔軟で効率的な5Gの拡張と維持を実現することを目指しています。

FYRAはこの領域で、無線通信基地局向けの保守運用効率化サービス「FYRA Suite [低遅延]」や、アプリ開発を支援するプラットフォームの提供を目指しています。

ビジネスを成長させるには戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数250万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウや、クラウドファンディングを成功させる方法など、資金調達に関する情報を掲載しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ 5G FYRA O-RAN rApp RIC xApp モバイル通信 リアルタイム 低遅延 株式会社 生成AI 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
【初心者向け】事業計画書の書き方18ステップ|起業・融資対応テンプレート付
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

独自の球駆動式全方向移動機構「TriOrb BASE」をベースとした自律走行システムを開発する「TriOrb」が6.6億円調達
2025年3月31日、株式会社TriOrbは、デットファイナンスにより株式会社みずほ銀行から、5億円の資金調達を発表しました。 また、株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)を引受先と…
医療機器一元管理システム提供の「HITOTSU」が2億円調達
2022年5月24日、HITOTSU株式会社は、総額約2億円の資金調達を実施したことを発表しました。 HITOTSUは、医療機器一元管理システム「HITOTSU」を提供しています。 医療機器に関するす…
獣医療域での再生医療等製品を開発する「Vetanic」が5億円調達
2022年8月24日、株式会社Vetanicは、総額5億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Vetanicは、独自の基盤技術によって動物iPS細胞を構築し、獣医療域での再生医療等製品を開発して…
ビデオメッセージで顧客対応を効率化する「Quden」提供の「zipunk」が5,000万円調達
2022年2月7日、株式会社zipunkは、5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 また、B2BビデオコラボレーションSaaS「Quden(クデン)」を正式リリースしたことも併せて発表…
データ連携基盤「WorkstyleOS」など提供の「ACALL」が5億円調達
2020年6月29日、ACALL株式会社は、総額5億円の資金調達を実施したことを発表しました。 オフィスワークにおける様々なスペースへのスマートなチェックインを実現するアプリケーション群「ACALL …

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集