【中小企業庁】M&Aトラブルに関する注意喚起/「中小M&Aガイドライン」改定

tips

中小企業庁によるM&A関連のご案内です。

M&Aトラブルに関する注意喚起

M&Aにおける不適切な買手に関する注意を呼びかけています。

近年、事業承継を進めるためにM&Aの活用が進んでいますが、不適切な買い手との間でM&A成立後にトラブルに発展するケースがあります。

具体例としては以下のものがあります。
・クロージング後、個人保証が解除されなかった事例
・譲渡対価の分割払い、退職慰労金の後払いが株式譲渡契約の条件となっているものの、履行されなかった事例

こうしたトラブルに発展した場合や、少しでも違和感を抱いた場合は、弁護士や各都道府県の事業承継・引継ぎ支援センターに相談することが重要です。

「中小M&Aガイドライン」の改定

中小M&A市場における健全な環境整備と支援機関における支援の質の向上を目的に、「中小M&Aガイドライン」が改訂されました。

「改訂趣旨」
不適切な譲り受け側の存在や経営者保証に関するトラブル、M&A専門業者が実施する過剰な営業・広告等の課題に対応し、中小M&A市場における健全な環境整備と支援機関における支援の質の向上を図る観点から、中小M&Aガイドライン(第3版)において、中小企業向けのガイダンス及び仲介者・FA向けの留意事項等を拡充しました。

「主な改訂ポイント」
(1)仲介者・FA(フィナンシャル・アドバイザー)の手数料・提供業務に関する事項
(2)広告・営業の禁止事項の明記
(3)利益相反に係る禁止事項の具体化
(4)ネームクリア・テール条項に関する規律
(5)最終契約後の当事者間のリスク事項について
(6)譲り渡し側の経営者保証の扱いについて
(7)不適切な事業者の排除について


近年、経営者の高齢化に伴う事業承継や価値創出を目的として利用されるM&Aが注目されています。

M&Aの実施件数は年々増加傾向にあります。経済産業省「2023年度版中小企業白書・小規模企業白書」によると、2011年のM&A件数は1,687件だったものが、2022年には4,304件と大幅に増加しています。

M&Aは経営者にとって非常に大きな経営判断であり、またそのプロセスが複雑であることから、企業・組織・専門家によるサポートが重要です。

しかしながらM&Aに関して知識のない経営者を相手に悪質な取引を行う買手が増えており、中小企業庁はこうしたM&Aにおけるトラブルに関して注意喚起を行っています。

「日本弁護士連合会(ひまわりほっとダイヤル)」や、各都道府県に設置された「事業承継・引継ぎ支援センター」にて相談を受け付けているため、大きなトラブルに発展しないうちに、違和感を覚えたらすぐに相談するようにすることが肝心です。

M&Aは財務基盤の強化やEXIT戦略として重要です。M&Aを成功させるには、早期から戦略を立て、企業の基盤を整備することが重要だといわれています。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、M&Aのメリットや成功パターンについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ トレンド
関連タグ M&A トラブル 中小企業 中小企業庁 事業承継 事業承継・引継ぎ支援センター 注意喚起 相談
詳細はこちら

M&Aに関するトラブルにご注意ください

事業承継手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
あなたの会社に合った補助金・助成金がすぐわかる!自動マッチングツールを導入しよう
キャッシュフロー計算書のサムネイル
キャッシュフローとは?計算書(C/F)の見方や作り方などをわかりやすく解説!
NPO法人設立サムネイル
【保存版】NPO法人の設立は難しい?メリットや設立費用、条件など徹底解説
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説
一般社団法人設立サムネイル
一般社団法人設立の完全ガイド|設立の流れ・メリット・手続き一覧など徹底解説!
一人会社と個人事業主の違いとは。一人でも法人にするメリット・デメリット

トレンドの創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「DXセレクション2023」選定された20社が発表
2023年3月16日、経済産業省は「DXセレクション2023」を公表しました。 経済産業省は、昨年度から中堅・中小企業等のDX(デジタルトランスフォーメーション)のモデルケースとなるような優良事例を「…
中小企業をシリコンバレーなどイノベーション先進都市に派遣
平成29年8月21日、経済産業省は「中堅・中小企業等イノベーション創出支援プログラム(飛躍Next Enterprise)」について発表しました。 高い技術力や優れた事業アイディアを持つ中堅・中小・ベ…
「DXセレクション2024」募集開始
経済産業省は、「DXセレクション2024」の選定に向けて募集を開始したことを発表しました。 「DXセレクション」は、デジタルガバナンス・コードに沿った取組を通じてDXで成果を残している、中堅・中小企業…
「2023年度版中小企業施策利用ガイドブック」
中小企業庁は「2023年度版中小企業施策利用ガイドブック」を公開しています。 経営改善・資金繰り支援対策、震災対策など、中小企業が施策を利用する際の手引書として、各支援制度の概要を紹介するガイドブック…
「事業承継・引継ぎ補助金」7次公募
2023年9月15日、「事業承継・引継ぎ補助金」の7次公募が開始されました。 「事業承継・引継ぎ補助金」は、事業再編、事業統合を含む事業承継を契機として経営革新等を行う中小企業・小規模事業者に対して、…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集