注目のスタートアップ

デジタル病理支援AI搭載クラウドシステム「PidPort」を提供する「メドメイン」が8.5億円調達

company

2024年4月18日、メドメイン株式会社は、総額8億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。

メドメインは、デジタル病理支援AI搭載クラウドシステム「PidPort」を提供しています。

独自の画像処理技術により、超高精度でスピーディな病理診断を可能にする解析システムです。

また、クラウドネットワークを活用した遠隔病理診断機能も有しています。

さらに、病理画像データ・症例情報をクラウド上で管理・保管することも可能です。

今回の資金は、病理AI開発を始めとしたソフトウェア開発、デジタル化領域への設備投資、営業体制の強化、医療機器承認申請に充当する予定です。


病理診断とは、人体から採取した組織の標本を顕微鏡で観察し、病変の有無や種類を診断することです。最終診断とも呼ばれ、病気の診断を確定する極めて重要な役割を担っています。

たとえば、病変は炎症なのか腫瘍なのか、腫瘍である場合は良性なのか悪性なのか、といったことを診断します。この診断はその後の治療方針に大きな影響を与えます。

とくにがんの診断では欠かせないものとして認識されており、今後高齢者の増加によってがん患者が増加することが見込まれている状況において、ますます重要性が高まっている領域といえます。

また確定診断以外にも、がんの切除手術におけるがん細胞の取り残しによる再発・転移を防ぐため、摘出した臓器を診断し、がん細胞の取り残しがないか診断するためにも病理診断は利用されています。

病理診断は高度な知識を必要とするため、多くは病理専門医が担当します。しかしこの病理専門医は、2023年10月時点で2,787名と人材が限られていることが課題となっています。

メドメインは、このような背景のもと、デジタル病理支援サービス「PidPort」を提供し、病理診断のデジタル化や、病理診断の効率化、遠隔病理診断などをサポートしています。

メドメイン株式会社のコメント

このニュースを受けまして、メドメイン株式会社よりコメントが届きました。

飯塚統(いいづか・おさむ)
メドメイン株式会社 代表取締役CEO
九州大学医学部医学科在学中に、深層学習や機械学習・Webを中心とした多くのソフトウェア開発を行う。ソフトウェアエンジニアとしてベンチャー企業勤務、シリコンバレーのピッチコンテスト優勝を経て、2018年に医療AIスタートアップのメドメインを創業。Forbes 30 Under 30 Asia、総務大臣賞等受賞。

・今回の資金調達の目的は何ですか?

PidPortの機能強化や周辺システムとの連携、病理AI開発等のソフトウェア開発、スキャニング設備の拡充、営業体制の強化、そして病理AIの医療機器承認申請を行うことを主な目的として資金調達を実施しました。

・今後の展望を教えてください。

PidPortは現在、医療機関間の遠隔診断支援やコンサルテーション、複数施設で連携したカンファレンスの開催、教育利用、大学や企業における研究や精度管理等、幅広いシーンで多くのお客様にご利用いただいております。より利便性高くご利用いただくために、機能追加・改善や院内システム等の周辺システムとの連携を進め、また病理AIについては医療機器承認申請を進めてまいります。

・読者へのメッセージをお願いします。

メドメインでは、病理及び関連領域の課題解消を図るために、医療従事者を支援するプロダクトとして、デジタル病理支援AI搭載クラウドシステム「PidPort」を中心としたプロダクト及びサービスの提供を行なってきています。コーポレートミッションである「テクノロジーでいつどこでも必要な医療が受けられる世界の実現」に向けて、引き続き事業に取り組んでまいります。

事業の成長には戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ AI BtoB PidPort クラウド システム デジタル病理 メドメイン 保管 支援 株式会社 画像データ 画像処理 病理 病理診断 症例 管理 解析 診断 資金調達 遠隔
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
起業するには何から始める?ゼロからできる起業のやり方【5ステップ解説】
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
【2025年最新】東京都の創業・起業者支援「創業助成金(創業助成事業)」について解説
企業組合とは?設立方法とメリット・デメリットを紹介
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
【2025年版】会社設立の流れ・手順・やることリストをわかりやすく解説

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「トランスコスモス」がAIにより文書のデータ化を自動化するAI OCR「SmartRead」などを提供する「Cogent Labs」と資本業務提携
2023年5月15日、トランスコスモス株式会社は、株式会社Cogent Labsと、資本・業務提携を締結したことを発表しました。 Cogent Labsは、AIにより文書のデータ化を自動化するAI O…
つけっぱなしが可能な配管減肉モニタリングシステム展開の「CAST」が4,000万円調達
2022年4月4日、株式会社CASTは、総額4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 CASTは、熊本大学の研究成果である「ゾルゲル複合体圧電デバイス」技術を活用した耐熱性とフレキシブル…
ブランド開発・マーケティング事業を展開する「NEW STANDARD」と「凸版印刷」が資本業務提携
2023年7月18日、凸版印刷株式会社は、NEW STANDARD株式会社と、資本業務提携を締結したことを発表しました。 NEW STANDARDは、ミレニアル世代・Z世代のスペシャリストとして、オリ…
リモートセンシングで得られたデータを地理空間情報と時系列情報によって処理解析する「スカイマティクス」が13億円調達
2022年3月1日、株式会社スカイマティクスは、総額約13億円の資金調達を実施したことを発表しました。 リモートセンシングで得られたデータを、地理情報システム(GIS)技術によってWeb上に再現し、時…
「BearTail」が出張手配・管理システム「Dr.Travel」のβ版をリリース
株式会社BearTailは、「Dr.Travel(ドタクートラベル)」のβ版を2019年7月1日にリリースしたことを発表しました。 「Dr.Travel」は、出張時の航空券やホテルなどあらゆる手配の代…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集