注目のスタートアップ

がんリスク検査「マイシグナル」を開発・提供する「Craif」が「豊田合成」「トヨタ紡織」から資金調達

company

2024年3月5日、Craif株式会社は、資金調達を実施したことを発表しました。

引受先は、豊田合成株式会社と、トヨタ紡織株式会社です。

Craifは、がんリスク検査「マイシグナル」シリーズを開発・提供しています。

現在の「マイシグナル」シリーズは、RNA×AIで今のがんリスクを高精度に評価する「マイシグナル・スキャン」と、1回の遺伝子検査でがん対策の指針を示す「マイシグナル・ナビ」の2つで構成されています。

Craifのがんリスク検査は、採取した尿・唾液で検査可能であるため、身体への負担がないという特徴があります。

がんに関する遺伝的リスク・生活習慣・環境リスクを知るところから支援し、個々人のリスクに応じた予防のための行動変容を促し、がん予防をサポートしています。

さらにがんの早期発見をサポートすることで、生存率の向上にも貢献することを目指しています。

2024年3月現在、対応がん腫は、すい臓がん、大腸がん、胃がん、食道がん、肺がん、乳がん、卵巣がんの7種です。

今回の資金は、検査サービスの研究開発、臨床研究の強化、組織拡大に伴う人材の採用に充当する予定です。

サービス開発では、がんの早期発見・予防につながる、がん対策パッケージの提供に注力します。


がんは1981年から2023年にかけ、国内の死因第1位を記録しており、国をあげての対策が推進されています。

がんは国民病ともいえる疾患であり、2019年のデータによると、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性が65.5%、女性が51.2%と、2人に1人以上ががんと診断されることがわかっています。

一方、近年は医療が発展し、がんは治せる病へと変わってきています。とくに早期発見・早期治療の場合は9割が治療可能であるとデータで示されています。

つまりがん対策においては、がんの早期発見を実現するがん検査が重要であるということです。

しかし「平成28年国民生活基礎調査」によると、40歳~69歳の受診率は、もっとも高い肺がん検診でも男性が51.0%、女性が41.7%と低い水準にあります。

日本人ががん検査を受診しない理由としては、検査に行く時間がない、という理由がもっとも大きな割合であることから、簡便な検査法の確立が求められています。

こうした背景のもと、近年は大学などの研究成果をもとに、がんリスク検査サービスの実用化が進められています。

Craifは、名古屋大学発のベンチャー企業として2018年に創業されました。

尿などの体液中からマイクロRNAなどの病気に関連した物質を高い精度で検出する基盤技術「NANO IP(NANO Intelligence Platform)」を保有しており、これを用いたがんリスク検査サービスなどを展開しています。

事業のさらなる成長のためには、戦略的な資金調達が重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

カテゴリ 有望企業
関連タグ Craif がん がんリスク検査 がん検査 トヨタ紡織 ヘルスケア マイシグナル マイシグナル・スキャン マイシグナル・ナビ 予防医学 医学 医療 早期発見 株式会社 豊田合成 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
【2025年最新版】合同会社と株式会社の違いを徹底比較!メリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説
起業の仕方サムネイル
起業の6ステップ。素人でも失敗しない起業の仕方を大解剖。起業の専門家が体験とデータで解説。
【起業準備】会社設立前に絶対にやるべき10のアクションリスト
有限会社とは?なぜもう設立できないのか?
クラウド会計ソフト「freee(フリー)会計」を実際に使ってみた

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

植物工場によるイチゴの完全自動栽培を目指す「HarvestX」が1.5億円調達
2022年3月30日、HarvestX株式会社は、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 HarvestXは、ハチに代わるロボットを活用した授粉技術を用い、植物工場によるイチゴ…
住宅ローンのオンライン管理システム「CE Mortgage」を利用した全国保証による「Web審査サービス」がリリース
2022年8月26日、クレジットエンジン株式会社は、提供する「CE Mortgage」を利用した「全国保証Web審査サービス」が2022年9月1日にリリースされることを発表しました。 「CE Mort…
「凸版印刷」とアートによる障害者支援の「インクルーシヴ・ジャパン」が障害者就労支援で提携
2021年4月9日、凸版印刷株式会社は、特定非営利活動法人インクルーシヴ・ジャパンと業務提携契約を締結したことを発表しました。 インクルーシヴ・ジャパンは、就労継続支援B型事業所「インクルーシヴ・松山…
シェア買いアプリ「KAUCHE」展開の「カウシェ」が22億円調達
2022年6月28日、株式会社カウシェは、総額約22億円の資金調達を実施したことを発表しました。 カウシェは、シェア買いアプリ「KAUCHE(カウシェ)」を開発・運営しています。 商品を選び、割引価格…
アトピー性皮膚炎に特化した患者向けアプリ「ヒフメド」を提供する「Genon」が1.2億円調達
2023年12月22日、株式会社Genonは、総額1億2,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 Genonは、アトピー性皮膚炎に特化した患者向けアプリ「ヒフメド」を開発・提供しています。…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 ファウンダー 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集