【経済産業省】経済対策に基づく新たな資金繰り支援策

change

経済産業省は、令和5年11月2日に閣議決定された「デフレ完全脱却のための総合経済対策」に基づき、2点の新たな資金繰り支援を行います。

新たな信用保証制度の創設

中小企業の4割が利用している信用保証制度で、依然として信用保証付融資の7割で経営者保証を徴求している現状を変えるため、保証料を上乗せすることで、経営者保証の提供を不要とする信用保証制度を創設することに加え、3年間の時限的な保証料負担軽減策を行います。

この制度については、3月15日より申込受付を開始し、それに先立ち2月16日より、要件確認などの事前審査も開始します。

日本政策金融公庫等のコロナ資本性劣後ローンの金利運用見直し

コロナ資本性劣後ローンの黒字金利は、直近決算の黒字額から負担することになりますが、黒字額が小さい場合、金利負担により実態上赤字に転落する場合があります。

そのため、直近決算で黒字の事業者が翌年度に黒字金利を支払った場合に、直近決算において事実上の赤字に陥る場合には、直近決算期後1年間については赤字金利(0.5%)を適用するという運用見直しを2月16日より行います。


資金繰りは企業の存続や成長に直結する重要な要素です。コロナ禍が落ち着いた現在、事業再生・新たなチャレンジ・借換など多様な資金需要が発生することが見込まれています。

また、現在日本経済は、30年ぶりの高水準となる賃上げ、各最大規模となる名目100兆円の設備投資、需給ギャップの解消進展など、デフレ脱却となる変革のチャンスを迎えています。

こうした中で、政府は「デフレ完全脱却のための総合経済対策」を閣議決定し、「持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済」への変革に向けてさまざまな取り組みを行っていくとしています。

経営者保証は、起業・中小企業の成長・スムーズな事業承継などの障害になっていると指摘されています。

金融庁は経済産業省・財務省との連携により「経営者保証改革プログラム」を策定し、経営者保証に依存しない融資慣行の確立に動いています。

しかし依然として信用保証付融資の7割で経営者保証が求められているため、今回の資金繰り支援策により、保証料上乗せによって経営者保証を不要とする新たな信用保証制度を創設し、さらに3年間の保証料負担軽減策を行うことで、この新たな信用保証制度を浸透させることを目指しています。

起業においては日本政策金融公庫などの創業融資制度を活用することが重要です。シリーズ累計発行部数200万部を突破した起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、起業時の融資の注意点や、融資を受ける際のノウハウについて詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 制度改正
関連タグ コロナ資本制劣後ローン 信用保証制度 支援 経営者保証 経済対策 融資 資金繰り
詳細はこちら

経済対策に基づく新たな資金繰り支援策を行います

創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

制度改正の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

【東京都】都内中小企業者向けインボイス対応支援(専門家派遣)
東京都は、都内中小企業者のインボイス対応への支援を行っています。 具体的には、都内中小企業者がインボイス制度への対応を検討・導入するにあたって発生するさまざまな経営課題の解決をサポートするために、各種…
「新型コロナウイルス感染症に係るセーフティネット保証4号」資金使途を借換目的に限定し指定期間を延長
2023年8月30日、中小企業庁は、新型コロナウイルス感染症に係るセーフティネット保証4号について、資金使途を借換目的に限定の上、指定期間を3か月延長することを発表しました。 新型コロナウイルス感染症…
アスリート・体育会に特化した人材紹介・就職支援サービス「アスリートエージェント」などを運営する「アーシャルデザイン」が資金調達
2022年8月30日、株式会社アーシャルデザインは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、米国のペガサス・テック・ベンチャーズや、ユナイテッド株式会社、株式会社エアトリです。 アーシャルデ…
アジャイル開発/DX推進の「クリエーションライン」が「ヨドバシホールディングス」と資本業務提携
2022年5月31日、クリエーションライン株式会社は、株式会社ヨドバシホールディングスによる出資を受け、資本業務提携契約を締結したことを発表しました。 クリエーションラインは、事業会社におけるソフトウ…
システム伴走型顧客獲得プラットフォーム「mycsess」運営の「YZ」が1億円調達
2022年6月6日、株式会社YZは、総額1億円の資金調達を実施したことを発表しました。 YZは、システム伴走型顧客獲得プラットフォーム「mycsess(ミクセス)」を運営しています。 従業員20名以下…

大久保の視点

「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
Coral Capitalが虎ノ門ヒルズで「Startup Aquarium 2024」を開催。VCが大規模キャリアイベント
ベンチャーキャピタルのCoral Capitalが主催する「Startup Aquarium 2024」が2024年3月2日(土)に虎ノ門ヒルズで開催されま…
(2024/3/2)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】